(第五次総合計画)柏市総合計画審議会(第4回)会議録

1 開催日時

平成27年2月24日(火曜日)午後1時30分~午後4時15分

2 開催場所

柏市役所本庁舎5階 第5・6委員会室

3 出席者

(1)委員

小野委員(副会長)、金江委員、亀岡委員、篠原委員、田中委員、谷一委員、溜川委員、常野委員、寺嶋委員(会長)、長妻委員、林委員、深津委員、藤原委員、宮部委員、村田委員、森委員、山田委員、横張委員、渡辺委員、渡邊委員(20人/25人)

(2)市・事務局

関口副市長、石黒副市長、岩崎企画部長、奥山企画部参事、飯田企画調整課長、他9名

4 傍聴者

4名

5 議題等

  1. 柏市のデータについて
  2. 土地利用構想について
  3. 基本構想の構成について
  4. 将来都市像について
  5. まちづくりの基本的な目標(重点目標)について
  6. その他

6 配布資料

資料1. 次第
資料2-1. 柏市総合計画審議会座席表
資料2-2. 柏市総合計画審議会委員名簿
資料3. 柏市に関するデータ一覧
資料4. 土地利用構想(全体案)
資料5. 前回の振り返り
資料6. 基本構想の構成(案)
資料7. 基本構想(及び基本計画)の考え方
資料8. 将来都市像の考え方
資料9. 基本的な目標設定の考え方

7 議事要旨

(1)会長挨拶

本日は議題が5つと多いのでスムーズな進行に協力願いたい。

(2)柏市のデータについて

事務局より、資料3に基づき、これまで委員より質問あるいは提示の依頼があったデータについて説明。

(3)土地利用構想について

 事務局より資料4に基づき説明。これに関し、主に次のような質疑・意見が出た。

  • Ÿ 大型の商業施設や物流施設が順次でき道路網が飽和状態となっており、土地利用のコントロールだけでは回らない。
  • 交通容量の増加は事実だが、これへの対応策としては道路の整備・拡張等ばかりではなく、全体をうまく流す方策を検討することも重要。
  • 過疎化したエリアとアートとのマッチングも考えられるので、農業だけではなく文化の側面も盛り込んでもらいたい。これに関し、調整区域における芸術家の活動は支障があるか。
    (回答)アトリエの新築はできないが倉庫等既存建物の活用は条件により可能。文化面については検討してこなかったので今後考えていきたい。
  • 通過交通が多く、住民への環境面での影響に配慮することが必要。また、手賀沼をどう考え、市の発展にどう位置づけるのかも重要。
    (回答)資料P4最下方に、手賀沼を重要資源として位置づけ、活用を考えている。
  • アートや手賀沼といった具体論が挙がっているが、それはまた別の場で議論できるのか、本日は全体方針のみの議論ということでよいか。
    (回答)具体論は来年度の基本計画の検討時にご意見を頂く予定。
  • 「利便性の向上を図る地域」「快適性の向上を図る地域」とあるが、利便性と快適性はどう違うのか。それぞれの定義によって、例えば高齢者にとって病院やスーパーに通えるかどうかも影響してくると考える。
    (回答)利便性とは、病院や店舗が集まる、駅から歩ける所に居住するが、やや密度が高い地域を想定。快適性とは、バスや自転車での移動が必要となるが、ゆったりとした戸建てに居住し、近くにリフレッシュできる緑もある地域を想定。文中に定義が明記されていないことから、明記する。
  • 緑がどんどん減っている中、保全への言及、位置づけが弱いので施策として表現してもらえないか。
    (回答)「農地・山林の保全」というように記述を細分化しているが、緑は保全の方向。
  • コンパクト化が国策の中、市街化区域は「広げません」ではなく「たたみます」と言い難いことだが、もう少し展望を含めて明確に打ち出すべき。また、仮に区域を維持する場合でも、それは固定的な状態ではなく出入りがある中での均衡状態であり、それを考慮した取組が必要。
  • 過去には倉庫を工場に転換できない等の制約もあったかと思うので、それら制約に対する考えも必要。また、街なかでの土地活用も進んでいくかと思うので、それについても言及が必要。更に、緑の減少は開発しないだけではなく保全や快適性の向上に配慮していくことも必要。
  • 緑は保全も重要だが、開発でなくなった緑を復活させる植樹という発想も必要。

(4)基本構想の構成、将来都市像について

事務局より資料5~8に基づき説明。これに関し、主に次のような質疑・意見が出た。

  • 少子・高齢化は10年、15年前からの課題だが、今までと今回とはどう違うのか。また、重点目標を3つとしている根拠はあるか。将来像の1つ目と3つ目で「元気」という言葉が重複しているので、1つ目は「安心して」に変えてはどうか。
  • 少子・高齢化は具体的にどういう課題・影響があるのか。例えば税収減や歳出増、帰属意識の低下による転出増等が考えられるが、皆の認識を一致させるためにも、もう一段掘り下げが必要。そして、これら課題・影響を踏まえると、転入したいまちや、健全財政が重点目標になるのではないか。
    (回答)掘り下げた内容は資料9に明記。
  • 資料8のP4を見る限り、他市の将来像を見比べると似たようなものとなっている感があり、柏として違いを出せないかと思う。時代や意識の変化に柔軟に対応し、守るばかりでなく新しい価値観を打ち出し、横串でイノベーションしていくまち、というのはどうか。
  • それぞれの課題や目標等は、お互いに影響しあうのに分断・独立して考えてきている。一見別々に見えても切り分けるのではなくつなげ、結び付けていくことが重要。それによって全く新しい面白いものが生まれてくる。
  • 「安全」「安心」「健康」といった前向きの表現を盛り込んでもらいたい。中年男性の自殺が多いことから、高齢者だけではなく中年男性が生きがいをもって元気に暮らせることも重要。
  • 子育てしやすいだけでなく、子供を「産める」という視点も入れてほしい。
  • まちに求めることは心豊かに暮らしていけることであり、安心・安全・のんびりといったものが含まれてくる。街全体が美しく、自然も美しい所は心地よく、ここに居たいという気持ちになることから、キーワードは「美」ではないか。ただ、これら「住み続けたい」等はどの地域でも共通になってしまうのは当然であり、敢えて柏らしさを表現するには語呂合わせのようなものしかないのではないか。
  • 暮らすことに重きを置いた議論も重要だが、働くにも良い環境という視点も必要。スマートシティを抱えている先進性をアピールし、創造性を生み出せる、新しいものを創造できるまちのイメージを打ち出してはどうか。
  • 高齢者の持つ豊富な知識・経験を活かし地域の子供を育てる等の生きがいづくりが、地域の活性化力、教育力の向上につながることから、もう少し「地域力」の要素を入れられないか。
  • これまでの少子高齢化と異なるのは人口減少であり、この言葉を入れられると違いが出る。また、住みやすさだけではなく豊四季台プロジェクト、体験農業、商業・物流の核等柏には多様な魅力があることも特徴であり、「多様性」という要素も入れられないか。
  • 「健康」「健康づくり」は是非入れてもらいたい。人口を減らさないよう、子供の頃から健康づくりに努力し、住んでいる人は皆健康なまちになっていくことが理想。
  • 課題は全国共通だが、柏では何が重要、あるいは危機になるのかを考える必要がある。
  • 夫婦から生まれる子供は大体1人なので人口は減っていくことから、奪い合うまではなくても、やはり市外からの流入を図っていくことは必要。また、子育てのしやすさとは、(サービス拡充ばかりでなく)既にある多くの支援制度へのアクセスのしやすさも重要。
  • 外から柏を見ての特徴として、市内で特性が違い、様々な要素が入っていることがある。また、少子化は必ずしも問題ではなく、それに合わせて削ぎ落としていくことで、渋滞がなくゆったりと暮らせるメリットもある。
  • 子供が減ると、文化や伝統がつながっていかなくなり、なくなることから、少子化対策は重要。また高齢化では、元気な高齢者はよいが、年間約3千人の老人会から離れていく(元気のない)高齢者への対応は重要。
  • 東京から30キロメートル圏で市域の15パーセントが緑のまちは他になく、柏の大きな特徴と言える。また市街地と混在して分布している畑が多いことも特徴ではないか。一方、最大の問題は急速な高齢化。これらをどう結び付けていくかが重要。また、若い人に期待する前に我々の世代が責任を取り、かつ楽しむという考え方もある。
  • 先鋭的なことをやるという意味ではなく、個々に立てているものに横串をさして取り組むことが重要。また、子育てへの高齢者の活用が挙がっているが、子供が高齢者にできることもあるので、互いにつながり・交流することで新しい価値を創造し、新しい時代・課題に適応することが重要。
  • 子供でもいろいろできることはあり、子供の力を借りまちづくりに活かすのも良いアイデア。その子らしく育つことができる地域づくりが重要。

(5)まちづくりの基本的な目標(重点目標)について

 事務局より資料9に基づき説明。これに関し、主に次のような質疑・意見が出た。

  • Ÿ柏はずっと人を集めるためにいろいろ取り組んできたと言える。「元気」も結構だが、「落ち着いた」まちづくりが重要。
  • 子育て・高齢者も重要だが、柏らしさを出すのであれば、緑を大切にすることも重要。
  • 森林を持つ者は皆相続を心配しており、高い課税の問題が解決されれば緑を残すことはできる。農家の高齢化は既にひどく、平均年齢が70を超えており、これを新規就農で埋めることは困難。子供を増やすことは難しいことから、少ない予算でいかに幸せに暮らせるかが重要。耕作放棄地は木が生え緑が増える側面もあり必ずしも悪い面ばかりではないが、ごみの投棄等が増える懸念はある。
  • これまでも柏は日本の課題の一部を背負ってきており、うまく解決できれば他地域に還元できるくらいの位置づけで考えればよいのではないか。やりたいことは多いが財源は限られるので、市街地を狭くしてでもやりたいことがあるなら今ならできる。ネットワークの話も今まで通りやるのではなく、見えないネットワークをうまく張る知恵を出すことが求められている。

(6)その他

次回第5回は3月24日(火曜日)午前10時から第5・6委員会室、第6回は4月28日(火曜日)午後1時30分から第5・6委員会室、第7回は5月27日(水曜日)午後1時半から麗澤大学、の予定。

以上