母乳からの放射性ヨウ素の検出

このページの情報は、平成27年度以前のものになります。

Q.4月21日に、母乳からの放射性ヨウ素の検出についての報道がありましたが、子どもに母乳を与えても大丈夫でしょうか?

 4月21日の報道内容からすると、母乳を与えることをやめたり、母乳を減らしてミルクと混合にする必要はありません。

報道によれば、母乳から検出された放射線量は、一番高かった人でも36.3ベクレルで、乳児が飲用する水の放射性ヨウ素の暫定基準の上限である、1リットルあたり100ベクレルと比較すると、低い値となっているため、この母乳を乳児が飲用しても問題はないと考えられます。

 報道内容

福島第1原発事故による放射性物質の検出問題を受け、市民団体が独自に母乳を民間放射線測定会社に送り分析したところ、千葉県内居住の女性の母乳から1キログラム当たり36・3ベクレルの微量の放射性ヨウ素が検出されたもの。放射性セシウムは不検出。

参考資料

平成23年4月18日付け日本産婦人科学会の見解(抜粋)

1.乳児の許容される甲状腺被曝量は50mSv(ミリシーベルト)とされており、内部被爆量の計算式が下記のように示されている。 

1リットルあたり100ベクレルの水で溶かした粉ミルクを連日0.8リットル(800ミリリットルあるいは800cc)、100日間飲み続けた場合の摂取総ベクレルは

100ベクレル×0.8リットル×100日=8,000ベクレル

乳児甲状腺被曝量に換算すると

8,000ベクレル×0.0028=22.4mSv(ミリシーベルト)

上記の計算式に今回の検査値36.3ベクレルを当てはめると

36.3ベクレル×0.8リットル×100日=2,904ベクレル

乳児甲状腺被ばく量に換算すると

2,904ベクレル×0.0028=8.13 mSv(ミリシーベルト)

したがって、上記の母乳を飲み続けた場合に、許容される年間当たりのヨウ素による甲状腺被曝量の50 mSv(ミリシーベルト) に達するには615日かかる。

 (参考)50 mSv(ミリシーベルト)÷8.13 mSv(ミリシーベルト)×100日=615日 

2.放射性ヨウ素は8日で半減することから、経日的に減少する。

参考

  1. 母乳の放射性物質濃度等に関する調査について(厚生労働省4月30日報道発表より)
  2. 母乳中の放射性物質濃度等に関する追加調査について(厚生労働省5月17日報道発表より)
  3. 母乳中の放射性物質濃度等に関する調査について(国立保健医療科学院6月7日報道発表より)
  4. 「母乳中の放射性物質濃度等に関する調査」についてのQ&A(国立保健医療科学院6月8日報道発表より)