除染作業中および除染作業前後の周辺大気中に含まれる放射性物質について
このページの情報は、平成27年度以前のものになります。
柏市では、今般の東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、実施している除染作業中および除染作業前後におけるの周辺の大気中の放射性物質の濃度を把握するため、粉塵濃度及びそこに含まれる放射性セシウムの測定を富勢小学校で行いました。以下に、その測定結果をお知らせします。
測定方法として、大気中に浮遊する微細な粉塵に含まれる放射性物質を捕集して行うことから、測定結果の数値については、それらの放射性物質が放射線を出す能力(単位はベクレル:Bq)を空気の1立方メートルあたりで表しています。
例えば、10ベクレル/立方メートルの場合、1立方メートルの空間の空気の中に、1秒間に10回の放射線を出す能力のある放射性物質が存在していることを意味します。
調査結果
調査時期 | 除染作業前 | 除染作業中 | 除染作業後 | ||
---|---|---|---|---|---|
粉塵濃度(ミリグラム/立方メートル) | 0.12 | 0.08 | 0.05 | ||
通気量当たりの セシウム量 |
セシウム134(ベクレル/立方メートル) (検出限界) |
0.00022 (0.000039) |
0.00051 (0.0001) |
0.000058 (0.000033) |
|
セシウム137(ベクレル/立方メートル) (検出限界) |
0.00037 (0.000041) |
0.00071 (0.00011) |
0.000081 (0.000034) |
||
セシウム134+137(ベクレル/立方メートル) | 0.00059 | 0.00122 | 0.00014 |
- 作業前及び作業後の通気時の校庭では、午前中は野球、午後はサッカーが行われていました。
- 粉塵濃度:室内環境基準(0.15ミリグラム/立方メートル以下)
- 東京都産業労働局が実施している都内の大気浮遊塵中の放射性物質の測定での検出限界は、核種毎に異なりますが、 おおよそ「0.0001ベクレル/立方メートル」で実施し、不検出(ND)となっています。
今回実施した除染作業後の測定では、検出限界をさらに低く設定し、測定値は、セシウム134が「0.000058」セシウム137が「0.000081」であり、「0.0001ベクレル/立方メートル」を下回っています。
呼吸による放射性セシウムによる内部被ばく
呼吸率や計算式などは放射線医学総合研究所の「放射線被ばくに関する基礎知識第6報(下記参照)」を参考とし、 1年間の呼吸による内部被ばく量を算出しました。
放射線被ばくに関する基礎知識第6報(放射線医学総合研究所)
この場所で一年間、日常生活をした場合の呼吸による内部被ばく
計算式
年間被ばく量(ミリシーベルト)=放射能濃度(ベクレル/立方メートル)×実効線量係数×呼吸率×365日
セシウム134とセシウム137をそれぞれ計算し合算する。
実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)
|
セシウム134 |
セシウム137 |
---|---|---|
乳児(3ヶ月) |
0.00007 |
0.000011 |
幼児(1~2歳) |
0.000063 |
0.00001 |
子ども(3~7歳) |
0.000041 |
0.00007 |
成人 |
0.000021 |
0.000039 |
呼吸率(立方メートル/日)
乳児(3ヶ月) |
幼児(1歳) |
子ども(5歳) |
子ども(10歳) |
子ども(15歳) |
成人 |
---|---|---|---|---|---|
2.86 |
5.16 |
8.72 |
15.3 |
20.1 |
22.2 |
放射線医学研究所の「放射線被曝に関する基礎知識第6報」を参考に作成
【参考】今回実施した測定方法及び結果詳細
- 捕集方法
ハイボリウムエアサンプラーにて1,000立方メートル(24時間)捕集
但し、除染作業中(5時間)は3台を使用し約600立方メートル捕集 - 分析方法
ゲルマニウム半導体検出器にて24時間分析
(補足)捕集および分析は、いであ株式会社に委託しました。
調査時期 | 除染作業前 | 除染作業中 | 除染作業後 | ||||
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調査地点 | St.1 | St.1 | St.2 | St.3 | St.1 | ||
通気開始日時 | 平成24年6月30日9時30分 | 平成24年7月23日 8時20分 | 平成24年8月25日 8時00分 | ||||
通気終了日時 | 平成24年7月1日 9時30分 | 平成24年7月23日 13時20分 | 平成24年8時26日 8時00分 | ||||
最多風向 | 北 | 東北東 | 北北西 | ||||
平均風速(メートル/秒) | 0.9 | 0.8 | 0.7 | ||||
通気量(立法メートル) | 1007.9 | 212.2 | 211.5 | 212.2 | 1007.9 | ||
粉塵濃度(ミリグラム/立法メートル) | 0.12 | 0.11 | 0.08 | 0.07 | 0.05 | ||
0.08(平均) | |||||||
通気量当たりのセシウム量 | セシウム134(ベクレル/立法メートル) | 0.00022 | 0.00051 | 0.000058 | |||
(検出限界) | (0.000039) | (0.0001) | (0.000033) | ||||
セシウム137(ベクレル/立法メートル) | 0.00037 | 0.00071 | 0.000081 | ||||
(検出限界) | (0.000041) | (0.00011) | (0.000034) | ||||
セシウム134+137(ベクレル/立法メートル) | 0.00059 | 0.00122 | 0.00014 | ||||
粉塵量当たりのセシウム量 | セシウム134(ベクレル/グラム) | 1.8 | 5.9 | 1.2 | |||
セシウム137(ベクレル/グラム) | 3.1 | 8.3 | 1.6 | ||||
セシウム134+137(ベクレル/グラム) | 4.9 | 14.2 | 2.8 |