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更新日令和5(2023)年9月29日
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令和5年度第1回柏市保健衛生審議会健康増進部会会議録
1開催日時
令和5年7月27日(木曜日)午後14時00分から午後15時30分
2開催方法
対面とウェブ形式との併用による開催
3開催場所
ウェルネス柏4階大会議室
4出席者
委員
橋本英樹会長※、杉本健太郎副会長※、加藤理津子委員※、近野正志委員、齊藤泉委員、橘房子委員、中澤行雄委員、平野江利香委員、星野啓一委員、細井毅委員、和田季理委員(11名)
関係部署
健康医療部理事(沖本由季)、健康政策課長(大西佑作)、高齢者支援課長(宮本さなえ)※、地域包括支援課長(恒岡真由美)※、地域保健課専門監(野口綾子)、総務企画課副主幹(小出深雪)、福祉政策課長(虻川純子)※、スポーツ課長(小出嘉則)※、農政課主幹(深町央)※、学校教育課長(伊藤正則)※
事務局
健康増進課長(浅野美穂子)、健康増進課職員
※ウェブ形式による参加
5議事内容
- 次期柏市健康増進計画策定について
6資料
7議事(要旨)
議題(1)次期柏市健康増進計画策定について
健康政策課長から資料「柏市の今後の健康づくり施策基本コンセプト」を説明
(橋本会長)
- 事務局の説明のポイントを整理する。
- 全体として、これまで市側からの働きかけであった取組みについて、市民に積極的に関わってもらうため、何を目指していくか目標を共有するという方針を明確化したこと
- 「Health in All Policies(全ての政策に健康の視点を)」に基づき、健康部門だけでなく、横の連携をしていくという姿勢を示したこと
- 前回の計画と比較すると、現状評価を行いながら具体的な計画を立てていくという戦略的な要素がはっきりと示されたこと
事務局から資料「事前意見とりまとめ」について説明
(橋本会長)
・全ての意見が反映されているわけではないが、大筋で共通の意見も多かった。足りない部分については、この後の質疑応答の時間に各委員に補足していただきたい。
・事務局の説明に対して、委員から御質問や御意見を伺いたい。
(橘委員)
・現役のうちから退職後の自分の生活をイメージして、地域活動に参加するなど生活リズムをシフトしていくことが必要であると考えている。自分自身も、退職後に地域とのつながりが途切れることを懸念して、地域活動に参加したことで、今の日々の充実につながっている。
・健康づくり推進員の取組みでは母子を孤立させないことを基本として、地域からの発信として、行政と協力して、赤ちゃん訪問や母と子のつどいを実施している。
(和田委員)
・スポーツ推進委員の取組みでは、事業を企画して参加を募る場合と、市民からの要請で派遣指導を行う場合がある。派遣指導を行う場合は、市民の体を動かすことへの意欲や、仲間とスポーツを楽しむといった意識がとても高く、数回の指導の後もスポーツを継続する人も多い。
・町会の依頼で市民にウォーキングの指導を行う時は、準備体操やウォーキングシューズの履き方、歩く際の姿勢等、自分に合うアドバイスを心に留めて、運動に対する意識が高まり継続につながる。柏市でもウォーキングの推進に取り組んでいるため、「日本一転ばないまち」という結果につながっていると思う。
(近野委員)
・スポーツ協会では34団体が各々で活動している。それ以外にも市民を対象として、新春マラソン大会のように子供から高齢者まで参加できる大会を開催しており、年間を通じて1年間の健康のバロメーターを表現する場所になっている。
・柏市は地域ごとに各スポーツが盛んであり、今後も広い世代のスポーツ人口が増えていくよう寄与していきたい。
(中澤委員)
・調理師会の取組みの中で、市で推進している「野菜を食べよう協力店」という事業があるが、1食当たり120g以上の野菜を使った料理の提供などの要件については、なかなか実践が難しい。今は大皿をシェアする傾向があることや、若い世代の野菜離れに対してどう発信していったらよいか悩ましい。野菜を使った料理の情報発信については個人店では限界がある。ブログやSNSを利用しない高齢者に対する情報発信も課題のひとつである。
(橋本会長)
・どのように健康的な食材との接点を作っていくか、知識の普及や機会の提供などが重要であるということをお示しいただいた。
(星野委員)
・全体的には、意識や意欲がない方へのアプローチが課題になっていると感じた。
・たばこについて柏市の難しい点は、地域間で意識差が大きい点である。意識の違う地域を画一的な方法でアプローチするのは無理がある。何らかの指標をもってアプローチの方法を変えていく必要がある。
・世代間格差についても、団塊の世代と若年層とでは時代背景もあり、未来に対する意識・意欲が違う。今ではスポーツ自体が贅沢なものになり、「習い事化」している現状もある。所得差で運動に触れる機会に格差が生じる現状で、どのようにスポーツの楽しさを、特に子供たちに伝えていくかが重要である。
・依存性物質への対応として、身近に違法薬物があることなどの課題も多いので、様々な問題意識を持って取り組んでいきたい。
(橋本会長)
・新しい型のたばこへの対応については、知識の普及が必要であると感じる。
・取組むためのチャンスに差があることは重要な視点である。運動、たばこについては、所得格差が生じていることにエビデンスがある。単に運動の啓発をするだけでなく、身体を動かす楽しさや食の大切さを経験できる場が大切になってくる。経済的に困難を抱えている層にどのようにアプローチしていくかは、非常に重要な問題提起である。
(平野委員)
・「健康寿命は県内トップクラス」、「日本一転ばないまち」という結果は、今までの取組みの成果が表れているものだと理解できた。
・一方で懸念材料として、40~50代の健康状態の二極化、それに伴う子供世代の健康状態の二極化があり、意識がある層へのアプローチには問題ないが、意識のない層にどのようにして目を向けてもらうかが今後の大きな課題である。政策のビジョンを共有できるかが成否に影響するのではないか。
・「自然に健康になれる」ということは、本当に実現できたら素晴らしいまちになると思う。実際には実現へのハードルが高いため、こうした部会での議論を通じて様々な部署との連携が必要になってくると思う。
(橋本会長)
・二極化、格差に対するアプローチをどのように行うか、健康については気にしているが、行動へ結び付けられない様々なハードルを抱える層に、どのようにアプローチできるかが重要である。
・「自然に健康になれるまち」づくりは容易ではないが、国際的にも成功事例はあるので、柏市がどのように新しいフロントラインを作っていくかを今後この部会でも議論できればと考えている。
(細井委員)
・運動などがフレイル予防として言われているが、その前段階としてオーラルフレイル予防という部分があり、自院の患者を診ても、歯の本数が多い高齢者ほど健康で活動的な傾向がある。義歯の方についても、定期的なメンテナンスをしている人は、健康面における食事の重要性を実感されている。歯科の立場から健康について関与していくことの必要性を感じている。
・歯科医師会では、コロナ前には市民に対する歯科の啓発イベントや高齢者への講話などを行っていたが、コロナの影響でここ数年は実施できていなかった。活動を再開して、地道に口腔と歯科、口腔の健康づくりの重要性などを周知していきたい。
(橋本会長)
・口腔の健康が全身の健康に非常に大きな影響力を持っており、高齢者のフレイル予防のみならず、子供の学力や発達にも密接な関係があると言われている。
・口腔内の状態はその人の生活、家庭の状況が顕著に表われるため、二極化の影響もはっきりと出てくる健康領域である。
(齊藤委員)
・先日フレイル予防プロジェクトの会議に出席した際も、若年層にいかに興味・関心を持ってもらうかが課題となっていた。当事者である若い世代の方々から意見を直接聴くこともひとつの方法ではないか。その場に市職員が参加する時には、同じく若手職員が参加するようにして、率直な意見を吸い上げられるとよい。
・興味・関心の有無でアプローチ方法を分けて考えていくことも必要である。
・薬物乱用については、柏駅前から出るごみの中からそれらしきものが見つかっているとの話も聞いたことがある。
・行政は、全ての部署が健康という視点を持ち、横のつながりを反映して計画に盛り込んでいければ、いいものができると感じている。
(橋本会長)
・学校健診と職場健診の狭間にある若い世代や子育て世代にどのようにアプローチするかは、多くの自治体の課題になっている。若い層のアイデアを活かし、積極的に取組みに参加してもらえるかが健康づくりの大きなテーマになる。
(加藤委員)
・施策案については現代社会にフィットしており、これまでの市の取り組みの成果が反映されて、未来につながるコンセプトを明確に示されたと感じている。
・健康分野は多岐にわたるため、人材育成、人材発掘が今後必要になってくる。次世代を担う学生などにも健康づくり活動に参加してもらうことで、将来につながるきっかけになる。
・「自然に健康になれる環境づくり」についても、年齢階層ごとに効果的なアプローチを考慮するとよいのではないか。
(橋本会長)
・年齢階層だけでなくライフステージなど様々な切り口があるが、単にライフステージを区切るだけでなく、各ライフステージを渡っていく「ライフコースアプローチ」も考えていく必要がある。
(杉本副会長)
・市民と目標を共有するという視点や、健康部門だけでなく市全体で横断的な取組みをしていくという施策の基本コンセプトには感銘を受けた。
・柏市の健康づくり活動では様々な基盤があるが、それらの取組みをどのように市民に伝えていくかが課題であり、個人の発信だけでは難しい。情報を学校や企業と連携をしながら、効果的、効率的に伝えていくという役割が、行政には今後一層求められる。
・地域ごとの健康格差、知識の格差も重要な問題であるため、日頃の様々な活動の中から、効果的なアプローチを探っていく必要がある。
(橋本会長)
・これまでの幅広い取組みを財産として、この先へどうつなげていくかが課題となっている。
・どのように市民を巻き込み、主体者として参加していただくか、そのためにも市が目指すビジョンを、市民といかに共有していけるかが大きな問題である。
・計画策定にあたっては、柏市役所の各部局が、市民全体の健康づくりという目標達成に向けて、各々が何ができるか考えられるように、どのように新たな課題に取組むかが求められてくる。
・世代を問わず問題となる「二極化」については、全体の水準の引き上げだけでなく、「誰一人取り残さない」ということを目標とした場合に、どのような人にどのような支援をしていくのか、様々な理由から健康に対する行動に踏み出せない方に、自己実現のためのハードルをどう下げていくか、そして、健康なまちづくりとしてどう組み立てていくかを考えていくことも重要である。
(橋本会長)
・今までの各委員の発言を受けて、さらにご意見はあるか。
(高齢者支援課長)
・当課では高齢者へ向けた計画である「いきいきプラン21」を担当し、今年度第9期計画策定に向けて佳境に入っている。この計画の中でも健康寿命の延伸は重要なテーマとなっており、策定時期に若干のズレはあるが、データ分析の部分などで健康増進計画と連携して取組んでいきたい。
(橋本会長)
・健康づくりは高齢者だけの問題ではなく、高齢者にとって住みやすいまちは、誰にとっても住み良いまちということでもあるので、横の連携をとっていくことは大変意義が深い。
(星野委員)
・開業医としての立場での意見としては、検診を推進するにあたり、秋口はインフルエンザの予防接種で忙しいなど、季節ごとに繁忙期がある。通常業務の中で無駄がある業務、請求事務などを効率化することで、もっと検診などに注力できればと考えている。
・孤立出産と孤独死について、孤独死の定義は難しいが、どれくらいの方が一人で亡くなっているか、出産の段階で相談できずに産婦人科で初めて把握する人がどれくらいいるかなど、その現象が起きている状況を把握できれば、対策の検討も可能になってくるのではないか。
(橋本会長)
・検診受診率、受診した方へのフォローアップはいずれの自治体でも課題となっている。そのあたりの現状や対応についてはいかがか。
(健康増進課長)
・健診受診後のフォローアップや、未受診者への個別の受診勧奨が課題であるが、十分な成果を上げられていない。平野委員からは、市民の実体験を紹介し、健診受診を自分事化してもらうというアイデアをいただいたので、今後も取組みを丁寧に行っていきたい。
(橋本会長)
・受診勧奨を行う中で見落とされがちな要因として、なぜ健診を受診できないか、その原因へのアプローチが足りていない場合がある。仕事などの事情で時間や機会が作れない人は多い。一例として、ある自治体では、コロナ禍で飲食店が閉まっているような状況の中で特定健診を実施したところ、飲食店に従事していて日頃は受診できない層の受診率が上がり、受診結果では糖尿病の発見率が高く、健康上のリスクを持っている人が、健診を受診できないという二重のリスクを負っていることが判明した。受診できない状況に置かれている人たちが、実はハイリスク者であることには注意が必要で、そういう層へのアプローチが大きな課題である。
・孤独死についても、以前より議論に上がるが、有効な手立てが見つかっていない。さいたま市においては、市に情報が届かない対象者について、日頃街中で業務をしている読売新聞、ヤクルト、ダスキン、東京ガスと協定を結び、気になる人の情報提供をもらう連携の事例があるが、プライバシーの問題などは課題として残っている。
(杉本副会長)
・次期計画では、こども世代の健康づくりにも注視する方向性の中で、柏市での学校における健康への取組みを聞きたい。
(学校教育課長)
・柏市の学校では、保健の授業をベースに幅広い範囲の健康教育を行い、法律に基づく健康診断を実施している。柏市の独自の取組みとしては、医師会と連携したがん教育、性教育にも力を入れていて、思春期保健教育という形で健康医療部と連携し、関係機関に依頼して講演等を実施してもらっている。歯科の分野では、歯磨き指導などはコロナ禍で実施ができなくなったが、今後も力を入れていきたい。
(杉本副会長)
・様々な取組みがあることがわかった。小児生活習慣病という言葉もあり、学校での生活習慣病健診の実施などもある。そこまでとはいかなくても、行政の健康部門と連携しながら健康教育をしていくことが、成長後の生活習慣病の罹患率にも関わってくるので、生活習慣病対策としてもより充実させていくとよいと思う。
(橋本会長)
・こどもの生活習慣、特に食行動・肥満は家庭での食行動が占める割合が大きく、学校だけでは完結しない。学校教育課で家庭との連携に工夫をしていることはあるか。
(学校教育課長)
・各学校ごとの取組みになると思うが、「保健だより」などを通じて、一般的な周知・啓発を行っている。
(橋本会長)
・市区町村によっては家庭調査と合わせた形で、地域の中での子育てという観点から、生活習慣病だけでなく虐待などの福祉も含めた対策をとっているところもある。柏市でもそうした観点から関係課が連携をとれるとより良い。
○総括
(橋本会長)
・計画策定の基本方針として、ビジョンを共有した形で市民を巻き込こんでいく。そのためにエビデンスをはじめとした評価を実施し、問題点の共有を図り、それらをどのように解決するか、健康部門だけでなく様々な部署が横連携をしながら問題の解決に向けて取組んでいくという点において、今回は基本合意ができたと思う。
・今後の課題としては、具体的に問題をどう解決していくか、そのために市がどう取りまとめていくか、格差問題への対応としてニーズの把握やアプローチをどのように行っていくかについてを検討していくことが重要である。
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