更新日令和5(2023)年11月27日

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令和5年度第2回柏市在宅医療・介護多職種連携協議会会議録

1._開催日時

令和5年10月26日(木曜日)19時から21時10分(Webと参集のハイブリッド形式)

2._場所

柏地域医療連携センター研修室

3._出席者

  1. 委員
    松倉座長、古賀委員、織田委員、石橋委員、中山委員、松岡委員、齊藤泉委員、大塚委員、杉山委員、三浦委員、土屋委員、齊藤志帆委員、狩野委員、堀田委員、橋本委員、飯田委員、中村委員、土橋委員、荒川委員、横尾委員、柴田委員、宇佐見委員、山本委員、神津委員、中川委員、辻委員、竹内委員、高林委員、岩田委員
  2. 行政
    高橋健康医療部長、宮本健康医療部次長兼高齢者支援課長、小林健康政策課副参事、恒岡地域包括支援課長、有泉健康増進課副参事、鞍橋救急課長
  3. 事務局(地域医療推進課)
    梅澤課長、熊井専門監、飯塚専門監、平井副主幹、坂本副主幹、新名主任、杉﨑主任、野﨑主事、吉田主事

4._議事等

  1. 各部会の取り組みについて
  2. 本人と家族の意向に沿った多職種連携の推進について
  3. 報告
  4. その他

5._配付資料

6._議事要旨

1_開会

事務局から平野委員、金江委員、佐藤委員、飯島委員欠席の旨を報告

2_議事
1)各部会の取り組みについて

ア_多職種連携・情報共有システム部会

  • 事務局
    資料1に沿って説明
  • 織田委員
    今年から、多職種連携・情報共有システム部会(ICT部会)の部会長をさせていただいております織田です。よろしくお願いいたします。
    今、事務局から説明がありましたとおりで大きな補足はございませんが、今年度の部会の一番大きなテーマは、昨年度までに一つ一つの症例から、丁寧に丁寧にルールのもとをどんどん作っていただいた、その部分を最終的に完成させるという方針で1年間やっております。
    具体的なところとしましては、スライド6などに書いてあるところがわかりやすいのですが、できるだけ具体的に現場で使えるような文言や表現に直していく作業を繰り返しやっているところです。
    例えば、感染症として一つにくくるのではなく、新型コロナウイルス、インフルエンザなど、いろいろ細かくやっていくといった形になっております。
    今年度中にICT部会としてのルールの素案を完成させ、おそらく次年度以降に行われるであろう、モデルガイドブックの改定時に、部会案としてしっかりしたものが提出できるようにやっていこうと考えております。以上です。

イ_研修部会

  • 事務局
    資料2に沿って説明
  • 古賀委員
    今年度から研修部会を引き継ぎました古賀です。よろしくお願いします。
    今、大まかには説明があったとおりですけれども、今回は7月に行いました全体会議と、あと次に11月に行います圏域会議は、皆さんで参集して行う予定です。
    やはり参集形式で集まると、本当にいつもの熱気が戻って、とても良い会議になったかなと思っています。
    基本は、何かを生み出すためではなく、顔の見える関係を作るということ、知り合いになっていくということですので、この調子で進めていきたいと思います。
    第3回のアドバンス会議はオンラインで行いますので、ぜひ病院の先生がたにもたくさん参加していただいて、楽しい会議にしていきたいと思います。よろしくお願いします。

ウ_啓発・広報部会

  • 事務局
    資料3に沿って説明
  • 石橋委員
    今年度より啓発・広報部会の部会長を担当しています、石橋です。
    これまで織田先生が、特に在宅医療情報紙「わがや」の発展も含めて、尽力していただいていた部会です。
    内容に関しましては事務局からのとおりで、今後の発展内容として一番問題なのは、やはり「わがや」の知名度をいかに上げるかで、私も自分の診療しているクリニックに来る患者さんに、「わがや」についてちょこちょこ聞いています。
    しかし、発行から10数年経過していますが、いまだに知らない方が多いので、今後、「広報かしわ」という市の発行するものと、いかにコラボなどで知名度を上げていくかということが重要ではないか、と事務局とも今、対策を練っているところであります。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。本当に、織田先生がすごく一生懸命やってらっしゃって、でも、織田先生ご自身はなかなか難しいんだとおっしゃっておりました。石橋先生はどうですか、やってみての感じは。
  • 石橋委員
    やはり作ると言っても、すごく事務局側の苦労が多いですし、あと、実際市民の方にどれだけフィードバックというか、見てもらっているのかというのが、こちら側としては学校であったり、公共施設であるとか、いろいろなところに置いているのですが、どれぐらいの人が手に取っているかということを、こちらが把握する手段としては、置いたものがどれぐらい残っているか、なくなった部数が手に取ったもの、ということでやっていますので、実際手に取った方々がどれぐらい記憶にとどめてくれているのか、身になっているのかがなかなか掴めないというところが、これまでの事務局の皆さんの悩みですので、知名度のあるところとタイアップするのもいいのではないかという発想で、事務局に指示しているところです。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。織田先生が本当にいろいろな工夫をされてたので、それを引き継ぎつつ、最終的には「わがや」だけではなくいろいろなルートを使って、市民の皆様に、在宅医療ないしはACP、意思決定支援等について、きちっと考えていただける場を作っていくのが我々の仕事だと思います。
    この連携協議会も、社協の中川会長であったり、ふる協の佐藤副会長が出ておられますので、そういったところともうまく連携しながら、ぜひ啓発広報を進めてくださるとありがたいと思います。三部会からの報告、説明は以上とさせていただきます。

(2)本人と家族の意向に沿った多職種連携の推進について~ポイントの設定~

  • 松倉座長
    続きまして、この連携協議会の中でずっと取り上げてきたテーマでございますが、「本人と家族の意向に沿った多職種連携の推進」について、ポイントの設定等を事務局の方から説明していただきます。
  • 事務局
    資料4に沿って説明
  • 松倉座長
    ありがとうございました。これは事前にアンケートで委員から意見をいただいて、そこで出た結果が、それぞれのポイントにおける、9ページ・11ページ・13ページ・15ページの案に集約されていったものです。検討を重ねた結果のものですので、皆様のご意見がここに凝縮されたものでもあります。
    ぜひ、これに関わる職種の方達から中心に、それぞれのポイントについて、ご質問をして、ご意見を賜りたいと思います。
    ではまず、最初の入退院支援のやりとりをする窓口になってくださっているのがソーシャルワーカーとケアマネジャーという立場になると思うのですが、病院のソーシャルワーカーである堀田委員から、ご意見を賜れればと思います。よろしくお願いいたします。
  • 堀田委員
    はい。千葉県医療ソーシャルワーカー協会で理事をしています、堀田と申します。よろしくお願いします。
    こちらのポイント、本当に並々ならぬ労力を経てでき上がっているものだと思いますので、本当にありがとうございます。
    ポイントということですので、どういうところが主軸かなということで考えておりまして、その面からすれば、やはりすごくできの良いものになっているのではないかな、とは考えています。特に「早期に連携をする」、あるいは「スムースに情報共有」といった、スピード感が明記されているのも非常に良い点かなと思っていまして、やはり医療機関になると、入院だったり外来で運ばれてきたという方などは、本人が満足に意思疎通ができる状態にない方が多いので、そういった部分で、在宅の方で関わっている方が、ご本人がどういうふうに過ごしたかったかということをおっしゃってくださると、ご本人の希望しない形の治療方針にならずに済む傾向はありますので、そういったところは非常に良いかなと考えています。
    少し気になる点としては、支援者という枠組みです。こちらは、本人・家族・支援者という形にはなっているかと思うのですが、特に身寄りのない方等ですね、成年後見人ですとか、そういったご家族がいらっしゃらない方の支援者が、どこまでこの支援者に入ってくるのかというところが、一つ大きな点ではないかと考えてはいますけれど、大枠で支援者という形で明記されているので、特に身内なのか、友人なのか、関係者なのかのような形では記載しなくていいとは思いますが、この支援者の枠組みの中にちゃんと意思決定支援の援者がいるということは、認識が必要ではないかと思っています。
    あともう一点、3番目のポイントのところで、これは新しく追加いただいたと思いますが、「情報共有は入退院時点のみならず状況に応じて入院中や退院後にも行う」というところ、追加意見の「情報共有の幅を持たせる」という部分を適用したのかと思うのですが、そのあとに「入院前の状況や本人・家族の想いなどについても共有する」という文が来ていて、「状況に応じて入退院の時点のみならず」という情報が来た後に「入院前の状況や」というように文章が続いてしまっているので、少しだけわかりにくくて、私の中では。ここの「情報共有は」の後に、むしろ後の文面の「入院前の状況や本人・家族の想いなどについても共有し」とし、そのあとに「入退院時点のみならず、状況に応じて、入院中や退院後にも共有を行う」という形とする方が、文面が繋がるのではと思いました。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。続いて在宅側の顔としてご対応してくださっている、介護支援専門員協議会の狩野委員から、お願いします。
  • 狩野委員
    はい。ケアマネジャーの狩野と申します。
    私も、全体的に非常にポイントが整理されて、すごく見やすくなっているなと思います。
    内容を実際のスライド9で見てみますと、「意向に沿った意思決定」であったり、「チーム間でスムースに情報共有する」など、重要なキーワードもかなり盛り込まれているなと感じられました。
    そして私から2点ほど、ケアマネジャーの立場として意見をお伝えさせていただきますと、まず1点目は、ここにもよく書いてある「意向」についてです。
    当然ながら、意向については、本人と家族間で一致しているとは限らないということと、そしてケアマネの立場として、よく私がお伝えすることは、意向は変わってもいいということ、「その都度変わるものだよ。」ということをお伝えしながら、ご本人・ご家族にいつでも安心して率直な思いをお話していただけるような姿勢を心掛けるようにしています。
    仮に、ご意向がご本人・ご家族で一致している場合もあるかと思います。意向が明確である時には、ケアチームで協議しながら、その意向の優先順位を立てるといったことも、大切ではないかと感じました。
    そして2点目は、「スムースな連携」とか「意向のズレ」という言葉が書いてあります。そのズレという側面では、言葉だけの連携では双方に解釈がずれて伝わってしまう場合もありますので、やはりそういった場合には言葉に加えて、連携シートという書面であったり、カシワニネット等のICTの活用、あるいは文面だけでは解釈がずれる場合もありますから、そういった時には、傷口の写真とか、図とか、そういったものを組み合わせながら、一目見て誰でも理解できるような、そういったツールを使いながら共有する工夫も必要なのではないかと思います。
    そうは言っても、どうしても職種も違えば認識の違いもありますから、その認識の違いを埋めていくためにも、多職種連携による顔の見える関係会議等、今後も継続的な研修が必要になってくるのではないかと思います。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。病院で治療を主体に入院されて生活をしていた方達が、家に帰って生活のベースの中で在宅療養が進んでいくところに、ケアマネジャーとしていろいろ取り組んでいらっしゃるなというのがよくわかります。
    実際に病院の立場でも仕事をし、同時に、今度は在宅に出られて、そういう入退院支援等もなさってこられた石橋委員から、ご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
  • 石橋委員
    はい。情報共有や本人の意向というものを、確認するタイミングや機会というのは非常に難しくて、我々はそれを心掛けているわけですけれども、患者さん側にとっては突然降ってきたことで、本人の意向は確認できていないことがほとんどなわけですから、話はずれてしまうのですが、結局、私が今所属している啓発・広報部会というのは、その辺を事前に一般の方へいかに浸透させるかということですので、現状でどうするかというよりは、一般の方々が常日頃からそういう話し合いができるような環境を作っていく、興味を持っていただくような啓発が必要だという話だと思います。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。本当にベースの理解がないと、なかなか進めるのが難しいというのは、先生のおっしゃるとおりだと思います。
    続きまして、日常の療養支援におけるポイントについては、普段、訪問等で見られている中での話もあろうかと思います。歯科医師会の中山委員からお願いしたいと思います。
  • 中山委員
    歯科医師会の中山です。よろしくお願いいたします。
    まず、膨大な資料の整理ありがとうございます。とても参考になりました。
    我々、歯科医師としては、あまり普段耳慣れない言葉が資料に出ていまして、フォーマルサービスとインフォーマルサービスという言葉が、我々としては普段使わない言葉なんですね。それを僕も勉強不足で勉強しながら思ったこととしましては、前回の会議資料で感じたことなのですが、物理的なサービスは概ねできているのではないかと読み取れます。こちらがいわゆるフォーマル、介護保険が適用になる公的サービスといえるのか、と感じています。
    一方で、内面的なサービス、心のケアとなると、それがインフォーマルということになるのではないかなと。普段なかなか時間が取れないけれども、すごく重要なことだというところが、インフォーマルサービス、保険外のサービスということになるのではないかと思いました。
    そのインフォーマルサービスには、家族やご近所さん、地域住民、ボランティアの方々などの協力も含まれますが、支援者を含めて、なかなかまとまった時間が取れないというのが現状ではないかと推測できます。ただ、本日の参考資料の21ページにもあるように、本人・家族ともに相談相手がいないと生活満足度が減少するというデータも見てとれますので、やはり人の繋がりというのはすごく重要なのではないかと思っています。このような現状とデータより、日頃より何気ない会話を通して、本人・ご家族の意見をくみ取り、訴えをその都度記録して、支援者間で共有していくということが必要ではないか、と感じました。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。柏歯科医師会というのは、柏モデルが始まる前から在宅についての取り組みをしっかりされていて、中山委員はその歯科医師会の会長でいらっしゃるので、言葉ができ上がる前に、本来仕事としてやってらっしゃる中で感じられたことを仰ったのかなという理解をしています。
    続きまして、同じく現場にも行ってくださっている薬剤師の方を代表してということで、薬剤師会の大塚委員から、お言葉をいただきたいと思います。
  • 大塚委員
    はい。大変な資料をまとめていただきまして、ありがとうございます。
    私たち薬剤師も、患者さんの意見、ご家族の意見などを実際にお聞きして、どういう支援ができるのかなというのを考えながらやっています。
    また、薬剤師会でも在宅の研修会等を開催しまして、なるべく多くの在宅で活躍できる薬剤師を育成するために、部会としても進めている段階です。
    やはり、薬剤師が患者さんのために何ができるのかというよりは、患者さんに寄り添う一人の医療従事者として、どのようにその家族や本人に寄り添っていけるのかというところ、私たちもしっかり考えながらやっていきたいと思っております。以上になります。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。
    続きまして、やはりリハビリも欠かせないものとして、在宅の中で活躍いただいています、在宅リハビリテーション連絡会の橋本委員から、ご説明をいただければと思います。
  • 橋本委員
    はい。お疲れ様です。柏市在宅リハビリテーション連絡会の橋本です。
    スライド11のポイントを見させていただきまして、非常にポイントがまとまっているなと思って拝見させていただきました。ただ、皆様もおっしゃってますが、これをどう具体的に実行していくのかというのが課題というか、難しい部分があるかなと思っております。
    一つは、やはり有事のいざという時にどうしますかというのは、なかなかご本人、ご家族の方には難しいことだと思いますので、日頃から我々医療従事者、介護の方も含めて、話をする機会を見つけたり、何でも話せるような関係性を築いていくことが大切なのかなと思っております。
    真ん中のところに、「主体的に考え選択できるように」と書いてありますが、おそらく我々支援者が非常に優しく丁寧に入り過ぎてしまうと、「もうあなたにお任せすればいいのね。」となって、もしかしたら主体性が損なわれてしまうかもしれませんし、あまり離れすぎても頼りにならないと思われてしまうかもしれない。ちょうどいい加減の伴走をするような関わりを上手にやっていくことで、本人の意向を聞けるタイミングが出てくるのかなというのと、そこが一つ信頼関係に繋がるきっかけにもなるのではないかなと思っております。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。よく在宅の会議の中で、寄り添うとか、心に寄り添う、意向に寄り添う、という言葉が使われますが、リハビリなだけに伴走するという言葉がとても印象的でありました。本当に一番近い距離で接しておられるお立場ですので、とてもいいご意見いただきまして、ありがとうございます。
    そして、歯科医師会の話も出ましたが、やはり口腔ケアだけではなく実際に栄養がつかないと在宅で暮らしていくのが難しいということもありまして、そういったところにも、在宅に関わっておられる職種であります、認定栄養ケアステーション連絡会の中村委員から、ご意見をいただきたいと思います。お願いします。
  • 中村委員
    はい。ありがとうございます。認定栄養ケアステーション柏市連絡協議会の会長をしております、中村です。
    まとめていただいてありがとうございました。とてもわかりやすくなっております。
    私たちのところで多いのは、娘さんが母親の介護をするために、私たち栄養士の介入を求めることです。お母さんへの愛がすごく強くて、食べさせてあげたいとか、体重を増やして長生きをさせたいという方が多いので、すごく介護者が頑張っているというイメージがあります。本人は本当はどう思っているのかなと思うこともあります。98歳の方で胃ろうで、3年弱ぐらい関わった方のところでは、とりあえず口から食べさせたいということをすごく目標にされているお嬢様がいて、胃ろうのやり方から始まって、トレーニングをやっていたんですけれども、結局、お母様としては「もう死にたい、もうやめて欲しい。」という感覚が何となくわかるんですよね。だけど、そのお嬢さんの頑張りで、お嬢さんのために生きていると考えるようなところがあるので、先ほどから出ている「主体的に」というところが、家族で介護している方が潰れないためにどうしたらいいか、という方向に強くなってしまっているのかなと思っていて、やはり本人のご意見をなかなか介護されている家族の前で聞き取れないというのが、すごく困っているというか、物足りないなと思っているところです。
    でも、これと同じように、家族と共有するんですけれども、本人も意思をちゃんと発せられない、家族がいるから発せられない、あるいはもうしゃべれないとき、そういう方達の意見をどのようにして聞いていったらいいのか、先ほどからおっしゃっているように、在宅における幸せ感ですよね、本人がどういうふうにするのが一番幸せなのかということを、みんなで考えられるようなサービスの提供になればいいなと思いました。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。栄養をつけるということをもちろん中心で考えておられるんですが、最終的にやはりご本人の幸せということを考えてということ、非常に重い言葉ですね。ありがとうございます。
    実際、ご本人ないしは、むしろご家族なのかもしれないのですが、いろいろな相談を受けて、それこそ家族の気持ちも考えて取り組んで、サービスに結びつけるという仕事をなさっています、地域包括支援センターの神津委員から、ご意見をいただきたいと思います。お願いします。
  • 神津委員
    はい。ありがとうございます。
    今、中村委員のお話にもありましたとおり、やはりご本人とご家族の意向のズレですね、そこは我々の立場としても非常に遭遇する事態が多くて、場合によっては、そこにものすごく労力を集中させなければいけないという状況もよく出てきます。
    ですので、一つのやり方として、なかなか方法論、How-Toを集約していくことは難しいとは思いますが、ある程度、その辺が効率的に行えるような具体的な方法というところを、また、この会議等々の中で、形を作っていけると非常によろしいかと思いますので、今後の展開の中で少し私も注目していきたいなと考えています。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。我々もそうですし、市民の方達も、やはりとても頼りにしている地域包括支援センターですし、国もそこを一つの拠点と考えようということですので、ぜひ家族と本人の意向の溝、というよりは考え方の違いを、いかにお互いが満足できるような形にすり合わせというか、一緒に協議していければと思います。ありがとうございます。
    続きまして、急変時の対応ですが、在宅の場合も穏やかにずっと進んでいってというわけではなく、必ずいろいろな急変があって、そのあと徐々に弱っていくということがあるんですけれども、もちろん在宅の皆様が支えておられるというのもありますが、同時に民生委員の方達であったり、たくさんの周りにいらっしゃる市民の方達が支えてくださっているところもあると思います。
    また同時に、施設の中で急変が起こった時というのは大変大きなテーマとして、顔の見える関係会議などでも扱ったことがあります。この、急変時の対応について、介護サービス事業者協議会の横尾委員から、意見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
  • 横尾委員
    皆さんこんばんは。介護サービス事業者協議会の横尾と申します。
    皆さんの今のお話をずっと聞いていて、同じような感じになってしまうのですが、まず一つは、終活という言葉、よく最近聞くようになってはいますけれども、やはり本人の意向も、施設側から見ると、施設に来た段階でもう本人の意思確認が難しい状況になっています。本来その前に、ご家族とご本人が終活の中でよく話し合っておいていただければ一番いいんですが、まだまだそれは数パーセントに過ぎないのではないかなという気はしております。
    それから、当然そうすると、ご家族の希望というか、キーパーソンの方と我々との話し合いになるんですが、その中で一番困るのが、お子さんが多ければ多いほど、ご家族の意向が統一されていないことです。したがって、キーパーソンの方の意向と、その他のご家族の意向が統一されていないので、それが非常に我々としては、どちらにすればいいのかと判断に悩むところなんですね。まだそれでも、ご家族が話し合える環境であればいいんですが、稀にですね、お子さん同士の関係があまり良くなくて、話す環境にない場合、ご一緒に来ることはまずないので、その人その人で介護する側に要望をお伝えされても非常に困る部分があります。そういう方もいらっしゃるので、我々としてどうすればいいのかというのは、悩みどころではあります。
    それから、どの段階でどなたに連絡をするかといったマニュアルも、きちっと作っておかないと、なかなか難しい。
    あと、先日、当事業者協議会の研修の一つとして、救急隊の方にお話をいただいたのですが、その中で、やはり、延命措置をするのかしないのかということも、きちっとしておいていただかないと困るということと、それから最低限の基本情報、これを速やかに救急隊の方が来られた時に見せられれば、非常にスムーズに事が進むので、という話を伺ったので、やはりこの辺は、繰り返し研修を重ねていきたい。そうすることによって、周知されていくのではないかなと思います。
    特に施設側なのですが、職員が入れ替わったりするため、「1回やったからいいや。」という問題ではないので、やはり毎年、研修を重ねていきたいということと、救急隊の方が来られるまでの間、どのような対応をすればいいのか、と。これも誤嚥であったり、心肺停止だったり、その時にどこまでどういう対応をしておけばいいのかということも、やはり統一してマニュアル化しておかないと、なかなか救急隊の方が来てもスムーズには進んでいかないのかなという気はしますので、これは在宅も多分、同じような感じかもしれませんけれども、そんなことを今感じておりますので、研修などをしていただけるといいのではないかな、という気はしております。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。特養なども90代・100代の方がいらっしゃって、急変というテーマですけれども、急変すなわち死に直結する場合も多くて、最終的には意思決定支援、次のテーマの看取りにも関わるところですけれども、同時に、職員がほぼ介護職であって、医療職が常に24時間いるわけではない、その状況の中で、意思決定やいろいろなことを見ながら、急変の判断をしていかなければいけないというのは、本当にコロナの時も大変だったのですが、こういう老人施設との情報共有というのは、とても大事な一つの、在宅やこういったものの中のテーマだと思っています。横尾会長をはじめ、そういう方達と、我々も一緒になって問題解決に向けて、救急隊も含め、取り組んでいかなければいけないと思います。ありがとうございます。
    続きまして、実際、急変の場合に、もちろん在宅の先生もですけれども、まず到着していろいろな判断をしてくださるのは訪問看護師さんです。訪問看護ステーション連絡会の三浦委員から、ご意見をいただきたいと思います。
  • 三浦委員
    はい。よろしくお願いいたします。皆様お疲れ様です。訪問看護師の立場から、この急変時の対応におけるポイント案について、意見を少し述べさせていただきたいと思います。
    少しお話があったように、急変の時は、行って予測可能な場合とそうでない場合とがあると思うのですけれども、医療職であれば、急変時に検討すること、対応することというのは可能だと思っています。
    しかし、やはり先ほど施設の方のお話にもありましたけれども、介護職の方やご家族・ご本人にとっては、急変ってどうしたらいいのかわからずに、冷静にはいられない場合というのは、あることだと思っています。
    終末期のように一定予測可能な場合であれば、ポイント案にあるように、情報共有していくことが重要になってくると思っています。情報共有の方法としては、やはり一般的な電話やファックスはもとより、カシワニネットの活用というのも、多職種間で共有ができ、有効だと思っています。
    日頃の関わりの中で、本人や家族が話される希望や不安が、関わるチーム全体で共有できるということは、急変時の支援の大きなポイントになってくると感じています。ですので、可能であれば、例えばがんのターミナルのように、変化の予測が可能な経過の場合は、多くの支援を担っていただく介護職の方とも共有ができるように、学習をしていくということも必要になってくるのかなと思います。
    急変時や変化を感じた時に速やかに連携がとれるようなチームづくりということが、まずその不安を増大させないために大切なことだと思っています。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。本当に第一線で急変時の対応をしてくださっている中で、難しいところがあると思います。助けられる急変と、助けられないときにどのように決めごとをしておくのかの、大きく分ければ二つの話だと思うのですが、そこの判断を、情報収集をしてドクターとやりとりをしてくださる、とても重要な役割だと思います。
    とても深いテーマではあるのですが、医師会から織田委員に、この問題についてコメントいただきたいと思います。
  • 織田委員
    はい。医師会の織田です。
    非常に難しいところのポイントだと思っているんですけれども、このポイント案を拝見しまして、まずやはり、情報共有という話なんですけれども、急変時の情報共有は非常に難しいと私は思っておりまして、やっと家に帰ってきて、やっとゆっくり暮らせるね、というような状況の患者さんとご家族に、いつ熱が出るかわからないよ、いつ急に苦しくなるかわからないよ、じゃあどうする、といった話をするのは、この辺は意思決定支援の話にも繋がるんですけれども、タイミングとしても非常に難しいところで、こういった点はまだ、今後、多職種で検討していく必要があると思います。
    もう一つは、先ほども話に出ましたけれども、その患者さんごとに予測される急性増悪といいますか、急に悪くなるポイントなどが少しづつ変わったりするので、やはり個別性をかなり重要視して共有していく必要があるのかな、と感じました。もちろん、施設と自宅との違いというところも大きいかと思います。
    最後の支援者側のスキルアップ、もしくは支援体制というところなんですけれども、こちらについては柏ではかなり昔から一生懸命取り組んで、ご存知のとおりですけれども、訪問看護師さんが大活躍してくださっておりまして、ファーストコールは、ほぼほぼ訪問看護師さんが受けるというような柏のルールもできておりますし、バックベッドの問題もしっかり病院とのルールもできているというところで、支援体制は徐々にできてきているとは思っておりますが、やはりそこにあとは、救急ですね。救急隊、消防の方も含めた、より強い緊急時の支援体制を作っていく必要があるのではないか、と感じております。以上になります。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。おっしゃるとおり、本当に柏モデルの中でいろいろな職種の皆様と共有してきました。救急隊とも顔の見える関係会議でさんざん話しはしてきましたが、今後もぜひそういう情報共有を、救急隊も含め、みんなで急変時のことについては対応していきたいと思います。ありがとうございます。
    そして最後に、とても重いテーマではあるのですが、修正点もたくさん出てきています。ここがゴールではないんだなというのも見えてはいるんですが、看取りのポイントについてですね、市民の方の本当に一番直で話ができたり、ないしは情報を伝えてくださる場所でもあります、社会福祉協議会の中川委員からコメントいただければと思います。
  • 中川委員
    こんばんは。ご指名ありがとうございます。
    看取りのところのですね、この5項目なんですが、修正点を含めて、究極のまとめの部分かなと思っております。
    この中にある一番最後のところ、「意思決定支援や本人・家族の意向に沿った看取り体制の構築・強化につなげる」ということなんですが、この辺をどうやって実効性のあるものにしていくのか、その中で社協がどこまで入っていけるのか、ということで、やはり少しずつでもいいので、ある程度、連携などを動かしていくことが大事ではないかなと思います。ですから、お互いが連携し合う多職種連携の強化とありますが、その辺をもう一歩進めて、お互いが情報交換、この辺はどうなのかなということを詰めていくことが、今でも進んで現実的な看取りができているわけですから、そこをいかに決めてもらった中で、社協がどういうことでフォローできるのかということを考える。やはり、ある程度もう行動しないといけないのかなと思いますので、どういったことで協力すればいいのかということを、逆に言ってもらう。その方がもう少し進んで実効性が出るので、失敗してもいいですので、駄目だったらまた考えればいいことですから、そういったことで進めてもらいたいなと思っております。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。心強いお言葉、感謝申し上げます。本当に我々、もちろん医療者・介護者みんな、その人の幸せを考えて何とか、と思ってはいるんですけれども、それが我々が考える独りよがりではなく、やはり市民の皆さんの本当の幸せの想いにつなげていかなければいけないので、その窓口というか、そこにご意見をいただけるのが社協だと思っています。大事な役割ですので、市民啓発も含めて、社協の皆様といろいろな話し合いができて、実際に実行していかなければいけないと思います。ぜひお力を貸していただければと思います。ありがとうございます。
    そして、介護支援専門員協議会から、かなりこういった問題についても、ご意見があると思います。齊藤委員からご意見をいただきたいと思います。
  • 齊藤志帆委員
    はい。お疲れ様です。ケアマネ協議会の齊藤です。
    とても膨大な量をまとめいただき、ありがとうございます。五つ、すごく大事な点だなというふうに見させていただきました。
    その中で、ひとつ目のポイントの「くり返し行う」というところなんですが、やはり末期のがんなどで帰ってきて看取りとなると、とても時間がタイトで、退院時、家に帰って往診の先生、そして訪問看護、ケアマネなど、タイミングがかなり多いので、なかなか利用者さんやご家族にも負担がかかるところがあるので、しっかりと共有して、同じことは聞かないぐらいの感じが必要ではないかと思いました。
    あとは、柏市は連携はすごく密になっていると思うのですが、だからこそ、ご家族とかご本人が、余りに早いスピードで皆さんが共有されていることで、自分だけ置いていかれているというように感じることもあるのではないかと思うので、チームワークで「あなたのためにやっています」といった、心掛けというか、声掛けというのも大事なのではないかなと思いました。
    そして、この柏市の素晴らしいシステムに乗って、安心して最後を送って欲しいというようなことを、態度や言葉で表現していけたらいいのではないかと思いました。
    あと最後に、訪問看護などは連携ができていると思うのですが、デイサービスやショートを使うということが、なかなか看取りでは少ないんですけれども、やはりちょっと長期間に渡ってしまうような看取りもありますので、そういう時には、デイサービスやショートの訪問看護さんとも連携を取りながら、少し家族のレスパイトをしながら最期を迎えられたらいいのかなと感じました。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。本当にたくさんの職種や施設や団体と関わっておられるのが、実はケアマネジャーだと思いますので、もちろん家族やご本人の意向と同時に、どういうところを使えばいいのかも含めて、ぜひ情報共有やご意見いただければと思います。ありがとうございます。
    そして、おそらく在宅に入る看護師さんの一つの考え方としては、看取りというのをすごく重要に思っている方が、たくさんいらっしゃると思います。訪問看護ステーション連絡会の会長でいらっしゃる杉山委員から、看取りについてご意見をいただきたいと思います。
  • 杉山委員
    はい。柏市訪問看護ステーション連絡会の杉山です。よろしくお願いします。
    今回、追記や修正など、たくさんありがとうございました。その中に「看取り後」ということも追加されたことが、とても良かったなと思っております。ここの場面でもまず、意向の確認ができてさえいれば、情報共有次第では体制はスムースに整備されるものと思いますが、その出だしの意向の確認の仕方やタイミングによっては、大きく方向性から支援体制、結末までが変わりそう、と感じています。
    先ほどから出ていますが、がん末期の方の看取りは、本人への意向も確認ができており、比較的スムースに感じます。残された時間をどのように過ごすかであるとか、途中、気持ちの変化は生じていないかも確認できます。しかし、非がんの方で、本人や家族も終末期と受けとめていない方の意向の確認については、誰がリードするのだろうと考えることが少なくありません。もちろん訪問看護師が関わっている方は、「今の状態は看護師から見ても厳しくなっているように見受けられます。最後に過ごす場所を考えたことはありますか。」などとご家族に確認する場合もありますが、切り出せないで支援を続けている方も多いのではないかと感じました。残されたご家族が「こんな筈ではなかった。」と後悔せずに、「良い時間を過ごせました。」と思っていただけたら、支援者側も救われると思います。平時から終末期の話をしておくことが大事だなと思ったことと、さらに市民へのACPについての働きかけが、ますます重要だなと感じます。
    先ほども出ておりましたが、看取り後ということで、支援者側の振り返りについてですが、その機会が増えていくならば、誰がどのように看取りの意向を確認していったのか、タイミングはどうだったのか、看取りの意向は途中で変化したのか、家族は看取りをどのように受けとめたのか、なども知りたいと思いました。その振り返り自体が、支援者側のグリーフケアにもなると思われます。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。ご本人・ご家族、そして実際に支援する側の、最終的な満足というよりは達成感というか、そういったものも含めて、ぜひ良いゴールを見出していければと思います。
    いつもこの意思決定支援・看取りについて、在宅の診療の中で、個人の診療所でも非常に重きを置いて取り組んでおられますし、医師会の中でもご意見をたくさんいただくことができる古賀先生から、最後締めてもらいたいと思います。
  • 古賀委員
    はい。医師会の古賀です。本当にいろいろなポイントをまとめていただき、ありがとうございます。
    これを見ながら医師として、医師会として何ができるかということですが、まず意向の確認は当然するんですけれども、医師としてその前に、これからどのような体の変化があるのか、あるいはこれからどのようなイベントが起こって最後に向かっていくのか、亡くなるということですけれども、生き切るという意味でも、どれぐらいの期間、どういうことが想像されて、何ができるかという、その時間をどう使うか、本人や家族に理解してもらうことは、本当に大事なことだと思っています。
    がんの終末期の方でも、最後だけを家で過ごすわけではなく、その前の大切な時間を過ごしていくわけで、そこで、どのように自分で納得するかというのは、その変化をちゃんと伝えていく、繰り返し伝えていくということが、意向の確認にも繋がりますし、その人の最後を、どのように自分らしく生き切るかということに関係すると考え、日々、がんの方、あるいは非がんの方についても確認しながら進めていっています。
    特に今、デイサービスなどのこともありますが、非がんの方の看取りを進めていく中で、なかなかいつ亡くなるかというのは難しいです。その間、デイサービスで急変や看取りになってしまったらどうしよう、あるいはショートで朝起きたら看取りになってしまったらどうしようというときに、やはりいろいろ問題があると思いますので、そういうところも、医師会としてこれから介護事業者さんとも、いろいろ連携をして決めていかなければいけないことはたくさんあると思っています。
    あとは、カシワニネットでもっともっと情報共有していくということは、もう本当に大事なこと。医師がどういう説明をしてどのようにご家族に伝えて、それを家族がどのように捉えているか、本人がどう捉えているかをしっかりと共有していくことが大切だと思っていますので、今後とも情報共有はしていきたいと思います。
    また、最後になりますが、やはり看取り後というのはすごく大事なことで、先ほどの杉山会長からの、誰がどのように意向を聞いたかということも本当に大事ですけれども、看取りをするということは、もちろん達成感もあるのですが、各職種、どうしても不全感を持ちますので、それをどのように、「これでよかったのか。」とか、「ご家族がどのように思ったのか。」ということを確認する機会として、お互いのグリーフケアをする機会としても、看取り後の振り返りというのはとても大事なことだと思っています。これを医師会としても進めていき、他の職種とも話し合う機会を、これからもどんどん作っていきたいと思っています。私からは以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。古賀先生のところでは、本当にご家族、家族会とかいろいろなところでの振り返りも含めて、しっかりそういうことをやってくださって、多職種含めて進んでいます。こういうことは医師会全体で、多職種全体で取り組んでいければ、素晴らしいことだと思います。本当にたくさんの貴重な意見をいただきました。
    それでは総括に移って参りたいと思います。様々な意見をいただきましたが、今回も学識の先生方から総括的に意見を賜りたいと思います。
    先ほど事務局から説明があった補足データについては、前回の会議の中で、竹内先生の方から、それぞれ詳しく分析したらどうだというご指摘もいただきまして、今回資料にも加えさせていただいたということです。いろいろな視点から貴重なご意見賜りたいと思います。竹内先生よろしくお願いいたします。
  • 竹内委員
    千葉大学の竹内です。竹内のわがままに応えてくださり、ありがとうございました。
    これは単に、「きっとそうだろうな」と思うような結果だと思うのですけれども、単に仮説を検証したというよりも、そういう状態の人がどういうリスクを抱えているのか、ということがわかるようなものだったのではないかと思います。
    多分、この調査の限界で、因果関係はわからないけれども、これがあることによって、ケアをするときに置かれている、目の前の患者さんに対して感じる困惑とか、そういったものを上手に説明できるような、いいデータになっているのではないかと感じております。
    全体的に見まして、検討結果のまとめなどが、ようやくポイントとして、とても綺麗な形でまとめられたなと思います。現在例えば、県でも医療計画の策定などを進めていますが、ロジックモデルを作れと言われているんですね。このロジックモデルを作れと言われているやつは、既存のデータの並び替えで大体終わってしまっているような形になっていて、何となく納得感がない、あるいは実現可能・実行可能というような感じがしないんです。
    今回、この上手に並べてくれたのは、何が良かったかというと、いわゆるドナベディアンモデルで、ストラクチャー・プロセス・アウトカムというようなレベルで説明できること以上の、それよりも深いところに対して、私たちはアプローチできるよ、というところに辿り着けたのが良かったと思います。量的な評価を徹底的に実施することで初めて、ナラティブというか、言葉で説明されていて数字にしにくいものの実態が見えてきたのかなと思います。
    その結果、何が実現してきたかというと、集団がどうなっているかということと、一人一人がどうなっているかということ、これ、しばしばズレがあって、「一人一人のケースについてはこうなんだけど、町はこうだよね。」、あるいは「町はこうだけどこのケースはこうだよね。」といったズレが出てきてしまうと思うのですが、そういうものがなく、ズレを感じないで進めることができるような仕組みができたんだと思います。これは関わった人たちが本当に汗をかいた、そういった甲斐がある、とってもいい成果だと感じております。多分、いろいろな役所がお願いする民間のコンサルにお願いしたら、こんなのは絶対出てこないというやつなので、これは素晴らしいなと心から尊敬するデータだと思います。
    一方、この今回のプロジェクトというか、今回進めている計画のさらに先としては、現在とらえている出来事というかデータとかは、基本的に今どういう状態になっているか、患者さんの状態であったり利用者さんの状態が変化するタイミングというポイントを捉えて、いろいろなものとチェックしようという、評価しようという、そういう試みがなされているんですけれども、そういう観点では、動的と言っていいかと思うのですが、扱っている指標は基本的には静的なデータなのではないかなと思います。これを変化そのものを可視化するというか、動的なものを見ることができるようになると、さらにすごいということになると思います。これはおそらく、今やっている取り組みの先に、いろいろな問題が出てくると思います。特に職種ごとにスピード感の違いのようなものがあると思うのですけれども、それをどうやってマッチングさせて上手くつなげるか、というような話になってきたときに、問題になるのではないかなと思っています。この次、その動的なもの、動態を見ていくようなところにまで進んでいく、その直前のところまで見事にたどり着いて、まずはこれで一歩踏み出せ、という話がありましたが、そのとおりだと思います。しっかりと進めることができるような良い取り組みだと思います。ありがとうございました。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。本当にこれはすごく大変な努力をしてまとめてくださっているんですが、同時にそれは、この意見を出す多職種の皆さんが、本当に日々真剣に患者さんや家族と向き合っている中で出てきている意見をまとめてくださっているので、これだけのものができたのかなと思います。先生からお褒めの言葉をいただいたなと思うと心強いですし、みんなで頑張って参りたいと思います。ありがとうございます。またちょっと新たな宿題もいただいているので、皆で検討して参りたいと思います。
    続きまして、もうまさに、この柏モデルが15年前に作られた時に、辻先生と一緒に「こうなるんだぞ。」という将来の絵を見せてくださって、その中でもいろいろサポートしてくださりながら我々も歩んできた、本当に支えの1人である高林先生からコメントをいただきたいと思います。
  • 高林委員
    高林でございます。本当にこれは大変な努力をして、よくぞここまでまとめたなと思いますが、どうしてもこういうふうにまとめていくと網羅的にならざるをえないという、まとめてしまって逆に見えなくなってしまうところがあるのではという懸念も感じています。
    まず一番最初、全く些末なことなんですが、ポイントという言葉がすごく気になって。今ポイント制という言葉もよく使いますよね。点数ですよね。点数として見てしまって、何かこれだと、「終末期のポイントは、これとこれとこれがあるからこうするんだ。」というような決め方のための道具なのかなって思ってしまう人がいるのではないかと。「看取りはこうやって決めるんだ。」とか、或いは「こうやったらもう何もしないんだ。」とか。そういう意味ではないですよね。これはあくまで要点という意味ですよね。ですから、あえてポイントという言葉ではなく、要点とか要件とか他の言葉に変えたほうがいいのではないかというのが、一番最初に感じたところです。
    そして、古賀先生をはじめ何人かの先生がご指摘になったように、具体的にもう少し、やはりその要点と言うのであれば、マニュアル的なものにしないと、それぞれの人が使えないのではないかという気がして、例えば、実際にはまだできていませんが、入退院支援のポイントというところで、その情報共有が赤字になっていますが、一体どういう情報を共有するのか、と。病院から在宅の先生に出す時に、どれだけの人がちゃんと「この人はADが書かれている。」、「事前指示書があります。」、「ACPでこういうふうに決まりました。」と書いてありますか。ほとんど誰も書いていないですよ。でも、そういう教育がなされていませんから。だからそれは、厚労省の標準退院サマリーにも項目がないんです。
    逆に言うと、それを始めたらどうかなと僕は思います。必ずその項目を指定して。書いてくれなくてもいいんです。「ありません。」でもいいから、そういう項目があると病院は意識するし、伝わるのではないか。そういう、より具体的なものを作りたいなという気がします。退院サマリーではなく、診療情報提供書でもいいんです。そこに必ずそういう項目を作る。ケアブックでもいいですが、そういう項目を作るということがあると、随分変わってくるのではないかなと、それが第一歩かなという気がします。
    それから、例えば急変時のところも、先ほど横尾先生から意見があったように、情報共有と言っても、効率的な関係者間の共有とはどのようにするのか。やはりルールがないといけない。救急隊が来るのではなくて、在宅だったら先に訪看が行くように、必ず患者の家族に説明をしておくとか、会っておくとか、何かもっと具体的なものがないと、共有がなかなかできないのではないか。これは、その場で共有する問題では全くなくて、普段共有していなかったら間に合いませんよね。そういうこともあると思います。
    それから、僕も日々まだ臨床医として動いているので、つくづく思いますが、人の意見はコロコロ変わりますし、どんでん返しはしばしばあるので、狩野先生もおっしゃったように、その意思の決定は変わると。変わるから聞けばいいというものではなくてですね、「今日どうしますか。」という問題ではなくて、やはりそれは医療者と患者、患者と家族の信頼関係の問題だと思います、突き詰めていくと。それがしっかりしていれば何も問題もなくて、医師の「もうこれ以上やめよう。」などの判断は、何も考えなくて済むと思います。
    もちろん、そのためには非常に一生懸命信頼関係を作らなければいけない。努力が必要だし、長い時間が掛かることです。ところが在宅は、1回か2回しか見ないで急変ということがあったりするので、大変なのはよくわかるんですが、その努力は絶対しないといけない。それがあれば、別に何の問題もないんだと僕は思っています。
    そう言いながら、最近、特に当直の先生などが来ると、「この人はDNARですね。」というと、もう何もしないということがイコールになってしまっていて、そういう問題ではなくて、本当にその人に対してどうするのかという判断、例えば、事前指示書があって、特に挿管はしないなどと書いてあるにしても、それを持ち出すというのは、結局は医療者が「いや、どうしようかな。」という判断になったときに、「こういうものがありますよ。」という時に出すものであって、最初から「これがあります。」って出すものではないような気がしています。これは個人的な意見にはなりますけれども、決してポジティブにどんどんアクティブに使うものというよりは、人の命は当然大事なので、100歳であろうが105歳であろうが、そこでどうするかというのは考えながら、「いや、これどうしようかな。」となった時に初めて、「こういう考えが書いてありました。」とか、「こういう意見がありました。」というように使うべきものであって、もちろん前もって決まっていた方がいいとは言いますが、それはそれでまた、今日突然、喉に食物を詰まらせてしまった人、105歳のおばあさんにどうするかって、まさに今日そういう経験がありましたが、なかなか難しい問題であるなと思っています。
    ここまでまとめていただいたので、もう少し具体的に落としていくと、とても素晴らしいものができるように思います。以上です。どうもありがとうございました。
  • 松倉座長
    非常に優しさに満ちた厳しい言葉をありがとうございます。確かに、サマライズすること、抽象化することで、逆にポイントがずれたり、すごくふわっとしたイメージに繋がってしまっているところはたくさんありますが、15年間のいろいろなやりとりの中でこの言葉が出てきたということもありますので、その具体的なものをちゃんと伝えられるように、ないしはそのサブ解析的なものとして、言葉を残せるように、みんなが見られるように取り組んでみたいと思います。引き続き、いろいろな取り組みの課題にしたいと思います。ありがとうございます。
    そして、まさに柏モデルを柏に持ってきてくださった辻先生から、コメントをいただきたいと思います。
  • 辻委員
    ありがとうございます。辻でございます。
    二年度にわたって、来年に向けて足かけ三年にわたる作業で、大変な仕事ができたなという印象、これはもう本当に素晴らしいことだという印象で、私どもなりにこの作業の意味を、少し考えてお話してみたいと思います。
    もともと、この在宅医療というもののアウトカムは何か、という議論がずっとこの協議会で、柏市役所も一生懸命、アンケート調査から始まってやっているわけです。それを一言で言えば本人の満足度だ、ということなんですけれども、しかし本人の満足度ってそんな簡単なものではないですよね。やや不適切な表現かもしれませんが、「もう私死にたいから死なせてください。」などと言われたって、そんな気持ちを受け止めることが満足度を上げるということでは全くないわけで、例が適切でないかもしれませんけれども、本人の満足度というのは、そう簡単なものではないわけです。
    これを考える場合に、私もこの10年間ほどで随分いろいろな調査・研究・勉強をしてきまして、一言で言えばQOLというのが、この治し支える医療の目標だというふうに、今、国も言っておりますし、在宅医療の関係者も言っておられます。
    QOLとは何か、ということなんですけれども、Lはライフですね。これがポイントでして、ライフは日本語に訳せば生命、それから生活、それから人生と訳されるわけです。ですから、生活の質と訳されますけれども、生命の質、生活の質、人生の質なんですね。生命の質というのはもちろん、生理的健康です。延命ということを含めて、生命を守るということです。生活というのは、おいしいものを食べたいとか、できたらまた旅行に行けないだろうかとか、いろいろな喜びがある。人生の質というのは、これで納得して旅立てるだろうか、というようなことです。そういうものが満たされた状態というのが、その人の満足ということだと思うのですけれども、これは各シーンによって違うわけです。
    確実にまた健康に戻れるというときには、生命の質、これはもう絶対優先です。しかし、ノーリターンの状況、先が見えてきたという中で、食べたいものは食べたんだろうかとか、会いたい人には会えたんだろうかとかは、とても大事なことです。そのように、事態の変容によって、どこに重きを置くかということは、おのずから変わってくるわけです。そして、その第一条件は、本人の意向、あるいは家族の意向が、どう、そういうシーンにおいて反映されるかという、非常に複雑な構造の中での判断になる。
    一方におきまして、多職種は、医師からナース、そして介護士さん、もちろん様々な職種があって、医師は生命を守るというのが第一優先の仕事です。介護士さんは、できる限り本人の意向に沿った生活をさせてあげたいというようなことが一つの目標として共有されています。したがって多職種も、このQOLにおいて、それぞれの専門性というのは違うわけです。
    結論から言うと、本人或いは家族の意向を、それぞれの職種がそれぞれの立場から受けとめて、しかも、ベストプラクティスは何なんだ、ということを多職種が話し合うということが、QOLの確保の道だと、こういうことです。したがって今回の作業は、この四つのシーンごとに、今言ったような作業を、多職種がどのようにしたらいいんだろうかということを、みんなが積み上げて書き上げたんです。これはもう素晴らしい仕事です。今日の資料でも、上側の「検討結果のまとめ」という、四つのシーンごとに縦軸と横軸で、かなり詳細な、みんなから出てきた意見が並べられている。そして、それをポイントという10行前後の文章にまとめた。これはすごい作業なんですが、私自身、この最後にさらに絞り上げて書いたこのポイントの文章こそ、コアなんですけれども、高林先生がおっしゃったように、これがまた網羅的になってしまってもいけないという中で、私としては、皆が絞り込み詰めていって議論してできたこの文章を、もう一歩踏み込んで、この文章はもうそれぞれのフレーズごとに、どの言葉一つ捨てられない重要な言葉なんですが、これを上側の資料のように、文章をブロック化しまして、「本人の意向」というのを真ん中に置いて、基本的にはこの作業というのは、時間軸ですね、時間の経過を念頭に置いてやっている作業なので、時間の経過を加味して、本人に対して、本人の意向はこうだというものを基本に置いて、どういうことが重要かというブロックを、文書をうまくレイアウトして、各職種がこの四つのシーンを頭に浮かべながら、「私あのシーンではああだった。」、「あのブロックについては、私こんなことで悩んでたんだ。」、「このブロックではこれがポイントなんだ。」というような皆の思いが、本人の意向を中心にして並べたり結んだりした文章のブロックを見ながら、「これの確認が大事なんだな。」、「その時にはあの職種と話し合わないと駄目なんだな。」といったことが、パッと浮かぶようなものを作って、それを各職種が共有して、「こういうことが大事なんだ。」という形で動いていくような、何かそのようなものに、次に進んでいったらありがたいなと思いました。
    並大抵の仕事ではないですけれども、みんなで磨いていくということです。そうすることで、これはもう皆が納得して作り上げたと、現場に基づいて。これはもうコアなんですね、この資料の。したがって、これを何とか皆で、「このシーンはこうなんだな。」って共感できるような、ここのポイントをがちんと練り込んだ資料を、四つ必要ですけど作って、さらに各職種がその資料を見つめながら、自分たちで特に大事なことは何なんだろうということを考えていただいたら、また新しい柏の文化ができていくのではないかと、私はそのように感じました。
    いずれにせよ、皆が納得してここまで、しかも、今日出していただいた説明の背景として重要な仕事すなわち、意向伝達することとサービスの満足度とか、相談相手の有無と満足度とか、非常に実証的な調査をしながら、皆がこれは大事だということを納得して決められたので、この次のステップを楽しみにしております。長くなりましたが、本当に皆様お疲れ様です。もう一歩先に進みましょう。ありがとうございました。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。当初まず、柏モデルを作っていく中で、柏の在宅や地域包括ケアを進めていこうということで、数を増やしたり、どのようにやっていくのかということを進めていくのに、本当に先生方の力があってやってきたんですが、その中で本当に家族や患者さんのためになっているのかを、我々が「これをやらなきゃ。」で進めてきたことが役に立っているのか、というのを見直しましょうということで始まったことではあるんですけれども、本当にこの15年間のいろいろなことを網羅的にはまとめてきたものの、それをやはり、網羅的過ぎないで、同時に背景がある、高林先生のご指摘のような形を何とか、新しく入ってきたスタッフも理解できるような形で作り上げていくのが、最終的には、辻先生などとお話すると、我々柏モデルは単に柏、もちろん柏の市民のために、患者さんのためにやるんですが、同時にこれが日本の在宅医療の中でも役立てば、という使命感を持ってみんなやってくださっていると思いますので、それに繋げていければと思います。
    今話を伺っていて、思い出したことがあって、実は当院の外科医に、まだ本当に現役で手術をしていた先生なんですが、食道がんで亡くなられたんです。進行がんが見つかって、結構あっという間に亡くなられたんですが、最後は在宅で亡くなられて、最後の瞬間には本当にボロボロになっていたんですが、「わが人生に悔いなし」と言って絶命したと。その話を聞いたときに、こういう死に方ができれば本当にいいなというのと同時に、それを見ている皆さんが幸せ、同時に家族もよかったなと思えるような、そういう取り組みをみんなでやっていければいいなと、皆さんのお言葉を聞いていて思いました。
    今日もたくさんの宿題をいただきましたので、一緒になって考えていきたいと思います。本当にいくつもの総括の言葉をいただき、ありがとうございました。
    続きまして報告事項です。本日、3点ございますので、質疑についてはまとめてお伺いしたいと思います。事務局から説明お願いします。

3_報告
(1)連携型BCP・地域BCP策定に関するモデル地域事業について

  • 事務局
    資料5に沿って説明
  • 古賀委員
    はい。ありがとうございます医師会の古賀です。
    今回、この連携型BCP・地域BCPは、厚労省のモデル事業に対して申し込みをしたところ、採択されましたので、早めにできればと思ってやっています。柏市では、まだ本当に始めたばかりですし、在宅医療の現場でBCPを作っているところがあるのかというと、まだまだそれはないんですけれども、今、訪問看護連絡会であるとか介護の事業者さんは皆さん作っていらっしゃるので、そういうことも含めて、柏市として、もちろん柏市には災害対応マニュアルもあるので、医師としてはどのように動くかは決まっているんですけれども、その中で在宅療養者を支えるためにはどういうことができるのかというのを、柏市の今までやってきた、この柏プロジェクトの連携を使って、みんなで取り組んで話し合っていきたいと思います。
    課題はスライド6に書いてあるように、本当にいろいろな課題があるのですが、今回は情報共有について、まずみんなで考えていきたい。情報共有も本当に様々なことがあって、在宅医療をやっている診療所が、本当にその災害の時に生きているかどうかであったり、動くかどうかであったりであるとか、要療養者・要支援者がどこにどうやっているのかという情報共有をどうするのかなど、本当に様々な情報共有があると思っていますので、そのことについては、顔の見える関係会議で考えていきたいと思っています。以上です。
  • 松倉座長
    ありがとうございます。本当に柏モデルだからこそできる、この多職種の連携がもともとベースにあるので、なおかつ診療所同士も、毎月会議もやってということで、連携ができていますので、ぴったりのテーマだなと思って、古賀先生が持ってきてくださったときに、ぜひ進めてくださいと言ってやっていただいたものです。ぜひ良い成果を、と期待しております。
    続きまして、資料6ですね、連携研修会の実施について、事務局から報告願います。

(2)在宅医療推進のための多職種連携研修会の実施状況について

  • 事務局
    資料6に沿って説明
  • 松倉座長
    ありがとうございます。本当に久しぶりに取り組みとして再開したというものですが、古賀先生、織田先生が随分考えてくださって、eラーニングを取り入れて、実際の研修を割とコンパクトにしているということで、今どきというか、学会もだんだんそうなってきていますが、この研修会も成長しているんだなと思いました。ありがとうございます。
    最後に、資料7、柏市豊四季台地域高齢社会研究機構、三者研というものについて、柏市の方から説明をいただきます。よろしくお願いします。

(3)柏市豊四季台地域高齢社会総合研究会(三者研)について

  • 高橋健康医療部長
    はい。柏市健康医療部の高橋です。本日は、私から豊四季台地域高齢社会総合研究会、いわゆる三者研究会の今後の方向性について、資料7に沿ってご報告をさせていただきます。
    この三者研究会ですが、平成22年5月に、東京大学高齢社会総合研究機構IOGとUR都市機構、そして柏市との三者協定により発足した研究会であります。本日開催されております、柏市在宅医療・介護多職種連携協議会が発足したのが平成26年、その契機となったのがこの三者研究会で、都市部における超高齢化に対応したまちづくりを実現するために、豊四季台地域をフィールドに、全国モデルを目指した取り組みを開始し、これまで先進的な施策の立ち上げや、施策を確立するために大きく貢献したのが、この三者研究会であったと認識をしております。
    スライド2をご覧ください。三者研究会では、当初、協定において豊四季台地域を中心に、七つの項目について取り組みを開始いたしました。協定締結から5年後の平成27年5月に、生活支援サービスと健康づくり、介護予防の項目を新たに追加し、協定変更を締結した後も、三者で事業展開をしてきたところであります。
    スライド3ですが、こちらはこれまでの取り組みをまとめたものです。在宅医療や介護予防などの各種協定項目に関し、柏市独自のモデルプロジェクトを展開してきたところであります。地域包括ケアを始めるにあたりましては、在宅医療は不可欠な取り組みであり、在宅医療を担う医療・介護職の育成においては、在宅医療研修や顔の見える関係会議等の象徴的な取り組みを始め、介護保険制度の地域支援事業に位置付けられるなど、全国的に在宅医療と医療・介護連携の推進に取り組むための基盤となったことは、皆様もご存知のことと思います。
    スライド4をご覧ください。こちらは三者研究会の今後の方向性についてまとめたものであります。協定開始から10年以上が経過し、在宅医療の取り組みは、本日参会の皆様を中心に、東京大学のご助言・ご提言を受けて進めてきたところであります。また、UR都市機構が進める団地建て替えも一定のめどがついたことから、来年5月で期限を迎える本協定を終了する方向で、今年度調整を進めておるところであります。三者協定におきましては、在宅医療の取り組みの出発点でございますが、協定終了とともに、この在宅医療推進に係る一連の取り組みが終了するということではなく、今後も豊四季台地域に限らず、UR都市機構とは、案件に応じて連携をさせていただくとともに、東京大学とは既に締結している包括連携協定を踏まえ、柏市としても、これまでと変わりなく、皆様と取り組んで参りたいと考えております。引き続き、よろしくお願いいたします。
  • 松倉座長
    はい、ありがとうございます。それでは質疑に移りたいと思います。三つの報告につきまして何かご質問等ございましたら、委員の皆様から質問を承りたいと思います。いかがでしょうか。
    (質疑なし)
    最後の三者研ですが、これが終了するという話があったときに、市に要請したこととしては、我々のこの柏モデルは、地域包括ケアの一つのモデル事業としてこれだけの労力や気持ちでやってきたのだから、それが終わるのではないということについては、きちんと説明をしてください、とお願いしました。
    同時に、東大と柏市医師会及び多職種については引き続き連携をしていく、そこに柏市も当然コミットし、厚生労働省への情報提供ないしは情報をいただくということについては、これまでと全く同じように進めていっていただきたいということもお伝えをして、それについては変わりない、URさんが入っておられた枠組みが一つなくなって、という説明を受けています。
    今回は「こういう方向で検討しています」ということのようですので、「最終的にこのようになりました」という結果は、第3回の連携協議会で報告があるかと思います。
    それでは、これまで三者研で一緒に動いてくださっていたUR都市機構の岩田委員から、ご報告いただけることがございましたら、お願いしたいと思います
  • 岩田委員
    それでは、1枚資料を用意しましたので、そちらに基づきまして、簡単に豊四季台団地の団地再生事業の状況について、ご報告させていただきます。
    「豊四季台団地_団地再生事業による整備状況」という資料の右下のところに、これまでの事業のあらましを簡単に整理させていただいております。従前戸数、あるいは建設戸数、こちらの方は私どもの管理させていただいている住宅でございます。1.期のところは、平成16年から3月からスタートいたしまして、今まで足かけ20年ほどかけて、第四期まで事業が終了しているというところでございまして、もともとあった団地を順次、建て替えを進めて参りまして、建設戸数のところですけれども、約2,000戸の新しいUR賃貸を整備してございます。それと整備敷地ですけれども、四期までのところ、概ね10ヘクタールほど土地がございますけれども、15.1ヘクタールの内数ですが、整備敷地を整備して参ったという状況です。
    こちらの整備手法ですけれども、図中をご覧いただきますと、主に青い部分が団地の中の土地を活用して、様々な施設を整備していただいているという状況でございます。
    今後ですが、今現在、五期というふうに通称申している部分で、団地全体としては本当に最終コーナーを回ったところですけれども、事業を進めているところです。オレンジでお示ししているスーパーの下のところは、五のA期と申していますけれども、今現在、こちらにある住宅の除却を進めていまして、緑の範囲で新しくUR賃貸住宅を整備しているところでございます。令和9年度の入居を予定しています。
    そのほか、その南側の部分、約1ヘクタールほど土地があるんですけれども、こちらの処分を予定しております。こちらの土地利用の方は、今現在、未定です。
    さらに、こちらの五のAが竣工した暁には、五のBのところ、今現在、既存の住宅が残っている状況ですけれども、そちらに今現在お住まいの方々に移っていただき、そののちに除却を行い敷地整備をして処分をして参ると。今現在、こちらの土地利用計画については、未定となっています。簡単ではございますが、私の方からの説明は以上です。どうもありがとうございました。
  • 松倉座長
    この件について質疑ございませんか。
    (質疑なし)

4_その他

令和5年度第3回は、令和6年3月15日(金曜日)開催予定

お問い合わせ先

所属課室:健康医療部地域医療推進課

柏市豊四季台1丁目1番118号(柏地域医療連携センター1階)

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