更新日令和3(2021)年8月31日

ページID25456

ここから本文です。

令和3年度第1回柏市在宅医療・介護多職種連携協議会会議録

1 開催日時(Web形式)

令和3年6月28日(月曜日)19時

2 参加者

  1. 委員
    柏市医師会長瀬会長(座長)・松倉副会長・織田理事・古賀理事・平野顧問・古田参与、千葉県医師会金江副会長、柏歯科医師会中山会長・松岡専務理事、柏市薬剤師会齊藤会長・大塚副会長、柏市訪問看護ステーション連絡会杉山会長・羽山会計監査、柏市介護支援専門員協議会植野会長・齊藤副会長、千葉県医療ソーシャルワーカー協会鈴木委員、柏市在宅リハビリテーション連絡会金井会長・橋本副会長、認定栄養ケア・ステーション柏市連絡協議会中村会長・小川副会長・土橋副会長、柏市介護サービス事業者協議会横尾会長・柴田理事・曽根委員、柏北部地域包括支援センター山本センター長、柏南部第2地域包括支援センター橋本センター長、柏市社会福祉協議会中川会長、柏市ふるさと協議会連合会佐藤監事、東京大学高齢社会総合研究機構飯島機構長、辻客員研究員、千葉大学医学部附属病院患者支援部部長竹内特任准教授、医療法人社団鼎会三和病院高林顧問、都市再生機構東日本賃貸住宅本部ストック事業推進部西村担当部長
  2. 行政・事務局
    高橋保健福祉部長、橋本福祉政策課長、宮本高齢者支援課長、吉田地域包括支援課長、森川保健所総務企画課主幹、谷口保険年金課長、涌井救急課長(事務局/地域医療推進課)梅澤課長、浅野専門監、野口主幹、徳丸主査、佐々木主任、池畑主任、坂本主事、新名主事、吉田主事補

3 議事項目

  1. 各部会の取り組みについて 
  2. 在宅医療・介護連携の評価について

4 配付資料

【1】次第(PDF:172KB)

【2】名簿(PDF:324KB)

【資料1】多職種連携・情報共有システム部会(PDF:1,215KB)

【資料2】研修部会(PDF:2,031KB)

【資料3】啓発・広報部会(PDF:1,500KB)

【資料4】3部会共通アンケート集計結果報告(PDF:183KB)

【資料5】在宅医療・介護連携の評価(PDF:2,253KB)

【資料6】柏地域医療連携センターの相談状況(PDF:540KB)

【資料7】第8期柏市高齢者いきいきプラン21

【資料8】UR都市機構(PDF:1,677KB)

意見等回答書(ブランク)(ワード:37KB)

事前意見一覧(PDF:1,312KB)

【当日資料】ICT部会追加資料(PDF:329KB)

5 議事経過 

議事録のPDF版はこちら(PDF:1,829KB)

1 開会

事務局 (古田委員欠席の旨報告)

2 議事(1) 各部会の取り組みについて

ア:多職種連携・情報共有システム部会

事務局 (資料1に沿って説明)古賀部会長カシワニネット部屋開設のルール緩和についてご説明お願いいたします。

古賀委員(部会長)(当日資料に基づき説明)現行ルールでは主治医の参加を必須としていました。よって、どうしても主治医に参加が認められない場合は、部屋を開設できないということになっていました。特に病院の医師が主治医であった場合は、忙しくて連携しにくいということは、今までもずいぶん言われていたことです。今回は、病院医師が主治医の場合に、地域連携室などの院内関係職員に参加を要請いたしまして、主治医に報告して頂くという形でお部屋を開設できるようにしてはどうかと考えています。また、診療所医師に参加要請をしても忙しくてなかなか参加できないという場合に、やはり同じように診療所内の関係職員に参加を要請し、そちらから主治医と連携をとっていただくという形を考えています。また、この形にしても参加要請を断られた場合には、部屋開設をする方法として、訪問看護師の参加を条件として、主治医に報告をした上で部屋を開設するという方法もあっても良いのではと部会では考えています。もうひとつ別の話になりますけれども、所在地による参加事業所の制限があり、近隣の松戸、流山、我孫子という他市の事業所が入っている場合、連携が難しいということがありました。現行ルールでは、市内事業所かつ職能団体に所属しているところしか入れない、ということでしたが、今回の緩和ルールとしては、事業所所在地の職能団体に所属していることを条件として、市外事業者にも参加を認めてはどうかということにしています。ルール緩和については以上です。皆さんのご意見をお願いいたします。

長瀬座長 ありがとうございました。この件については地域包括支援センターの山本委員から意見をいただいております。

山本委員 10年の歴史の中で検討されてきたことで、少し見当違いになるかもしれないのですが、素晴らしい有効なツールという認識をしておりまして、ご家族にご説明しても本当に有難いという言葉を頂くので、この素晴らしいツールをご家族様にも共有できないのかと思うことが様々な場面であります。ご家族も支援するチームの一員という風に考えると、例えば、本人の代弁をしたり、意思決定の中で揺らぐ本人の心を代弁したり、それからご家族の心情をみんなで窺い知るとかで、そういう場面でも時と場合によって、緩和もあってはいいのではないかと思っています。

古賀委員 ご意見ありがとうございます。まさにご家族やご本人の参加を検討するというのはごもっともだと思います。今後、部会内で検討したいと思います。

長瀬座長 ありがとうございました。カシワニネットに試行の段階からリーダーとして率いてくださいました、また、この部会のアドバイザーであります平野先生にコメントお願いできればと思います。

平野委員(部会アドバイザー) 今まで、主治医が必ず見なければいけないという縛りがありました。また、在宅を中心に広げてきましたが、古賀先生からご意見があったように、主治医が病院の先生という方も結構いらっしゃいます。やはり病院の先生はなかなか参加できないということもありますので、少し広げていくという意味も含めて、色々な縛りを少し緩めた方が良いのではと思っております。古賀先生たちともお話をした上で、このような案はどうかということです。ケアマネさんや訪問看護師さんから意見を聞くと、忙しくてとても参加できないと医師から断られることが結構あると聞いています。先生方は、例えば参加しなくても見るだけでもいいと思うので、広げていき、こんないいツールを活用できれば、このコロナ禍で例えば、当院でもZoomを使って退院時共同指導をやっております。非常にいいツールなので、まさしくこういう時こそ使って、みんなが集まらないで、いろいろな会議ができますので、ぜひ使っていただきたいし、皆さんに理解してもらいたいなと思っております。是非、少し縛りを緩めて、介護職とか看護職だけでも私はいいのではないかと思います。それをドクターが見て、やっぱり参加すると言っていただければありがたいと思っております。それから、先ほどご意見があったご家族の参加も、前から言われているので検討していければと思っております。よろしくお願いします。

長瀬座長 平野先生、ありがとうございます。家族の参加に関しては、これからまた検討ということでしたが、部会より提案のありましたルール緩和案について承認いただければ、今後こういう形で進めていければと思いますが、皆様いかがでしょうか?承認してくださる方は挙手をお願いできればと思います。(賛成多数)ありがとうございます。まずはここに書いてありますが、主治医に事後報告をすると言うことであったり、参加要請をするということはございますが、基本的には緩和ルールで進めていければと思いますので、よろしくお願いいたします。患者さん、ご家族のことについては、今後部会の方で検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。

イ :研修部会

事務局(資料2に沿って説明)松倉部会長、補足説明をお願いいたします。

松倉委員 今回、すごく丁寧に顔の見える関係会議の作り直しを考えていますが、顔の見える関係会議は柏モデルの中でとても大切なものの1つだと考えております。これまで、5,000人を超える人たちが集まって、ワイワイと楽しく、いろんなテーマについて話し合ってきました。それをブレイクアウトルームというZoomの新しい機能を用いて、それぞれのグループの中で話し合うという形を、試行的に研修部会でもやってみましたので、顔の見える関係会議で人を集めてやっていきたいと考えております。副部会長のワーファさんからも御意見お願いします。

ワーファ氏(副部会長) 研修部会では、オンラインで皆さんからすごく有意義な意見を聞けました。これから未来へ向かって、コロナに負けず柏モデルを発展させていけるように、顔の見える関係会議等しっかり検討して、新しいものを作っていけたらと思っています。よろしくお願いします。

長瀬座長 介護サービス事業者協議会の柴田委員から、顔の見える関係会議に関するご意見をいただいておりますので、コメントをお願いしたいと思います。

柴田委員 顔の見える関係会議には何度か参加させていただきましたが、今、ワーファさんからお話があったように、さらに発展させていくため、今回の新しい取り組みによって、今まで参加していなかった方、また、参加できなかった方が新たに参加していただける良い機会になるのではないかと思います。

長瀬座長 意思決定支援の研修会については、高林先生からご意見を頂けるということでお伺いしております。

高林委員 eラーニングの魅力の1つは能動的な学習、考えさせる、自分でやらせるということで、アクティブラーニングと言いますが、そういう意識付けをするには非常に良く、あるいはしっかりと記憶させるにはいい方法だと思います。もう1つ、なかなか体験できない症例を経験して、失敗の学習も擬似的にでき、免疫をつけるという意味があります。そういうところが魅力で、非常にこの時期にはふさわしいし、やる価値があると思ってお聞きしました。先ほど話したような特徴を活かすものは、プロトコールとかプロシージャ等が決まっているものです。例えば、車をどうやって運転しているかとか、インスリンポンプをどうやって使うかとか、回答が一定なものに関しては非常に有効です。ただ、懸念しなければいけないところは、答えが一律でないものを果たしてどうやってやるのかということになると、気を付けないと、とんでもないところに追い込んでしまうことが心配なところです。もちろんこれは、直接患者さんが使うのではなくて、その研修をするための道具としてあるのであれば良いと思いますが、とにかく結論が出ない機微な問題です。元気で痛くもなければ、みんな生きたいと思うわけですから、そうではない状態の時にどうするんだというのを決めるのは大変難しくて、毎日、本人自身の結論が変わるわけです。私に言わせると、食べたいものが食べられなくなったら、死んだ方が良いって言っていたというその一言で決められたらとんでもないことで、また食べられるようになるかもしれない。簡単に死んでも良いってよく言いますよね。そのことを使って、あの人は死んでも良いって言ったと取られたらとんでもないことになる。逆に言うと、そういうことに気を付けたコンテンツを作っていただけると、とても良いものができると思いました。

長瀬座長 ありがとうございます。とても大事なことだと思います。本当に人間って気持ちがころころと変わっていきますので、いつの時点でということを確認していることが大事なんでしょうか。松倉先生が一生懸命気合いを入れて作ってくれた部分なので、一言お願いします。

松倉委員 まさにそういうことに気を付けながらやっていかなければいけません。同時に介護の方達もどうやってアプローチすればいいか、なかなかわからないというところで悩んでいます。こういう場面だと気持ちを吸い上げられるのではとか、いろいろな場面を想定しながら、動画ないしはアニメといったものを用いながら、わかりやすく、こういったところで吸い上げていこうというのを共有できたらと思っています。ぜひ先生のご意見も注意しながら進めて参りたいと思います。ご指摘ありがとうございます。

高林委員 そもそもACPをわかっていない人がたくさんいるので、そういうことを教えるレベルで充分意味があると思っています。いろいろな考え方があるんだということと、ちょっと言ったから、それがあの人の意見だと決めるようなことが大変危険です。最近、どうもそういう風潮があるので懸念しておりまして、ぜひご勘案いただければ幸いです。

長瀬座長 ありがとうございます。顔の見える関係会議につきましては、本当に顔が見える関係を作るために、これからコロナと共に生きていかなければいけないところもありますから、新しい方法を進めていっていただいて、より進歩的で発展的なやり方ができるよう願っております。よろしくお願いいたします。

ウ :啓発・広報部会

事務局 (資料3に沿って説明)織田部会長、補足説明をお願いいたします

織田委員 今までの啓発活動は、当事者という関心層に向けての発信をずっと続けてきましたが、今年はコロナ禍ということもあり、色々な世代に情報を届ける方向で考えていきたいと考えています。もちろん関心層への情報発信は今までどおり続けますが、加えて、興味のない世代に対してもアプローチをかけるため、まずは、わがやに関して行うということで、部会の皆さんで話し合って決めていきました。スライド6のわがや以外の啓発活動につきましては、今のところ、まだこういう案が出たという段階で、具体的なものまでには落とし込めていませんが、これから考えていきたいと思っています。

長瀬座長 ありがとうございました。啓発・広報部会は、サービスを利用してくださる市民の方の意見がとても大事ですから、市民の方にも参加していただいて、市民目線での意見も出していただいているところだと思います。柏市ふるさと協議会の佐藤委員、この件についてご意見をお願いしたいと思います。

佐藤委員 地域の代表を預かる者としては、情報不足の中にありまして、在宅医療についてお話しする機会や情報を得る機会があれば、幾分か関心を持って行くだろうと思います。しかしながら、どんな事業でも、私ども地域社会でも、自治会、あるいはふるさと協議会でも、自分たちの活動の理解を深めるためのエネルギーは大変で難しいと思います。これは永遠の課題で、粘り強くやっていくことが第1で、地域でその一役を担うのが私どもふるさと協議会や自治会の団体の役割ではないかと思って、特に関心を持っておりますので、できる限り、機会ある度にアプローチしていきたいと考えております。皆さんの中でも、市民に対して知らせたい情報がありましたら、私どもふるさと協議会の中で、取り上げてまいりたいと思います。気が付いたこととして、わがやがどれくらいの部数で、どれくらいのところまで配布されているのでしょうか。財政的な問題も出てくると思うのですが、それぞれの町会長、あるいは民生委員さん等に、広報かしわのように宅配する等、継続的に長く続けていけるシステムも、啓発の視点から見た時には大事かなと考えているところでございます。あとは以前にも言ったことがあると思うのですが、いろいろな自治会、シニアクラブ、また、ふれあいサロン等のちょうど関心を持ちそうな関係団体に、テレビや情報番組でも取り上げられている終活など、受け入れやすい話題で、気が付いたら在宅医療の話になっていた等、そういう風な入り口でどうやって関心をもってもらうか考えるのもいいと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。わがやがどのぐらいの部数で、どこに配布しているかはわかりますか?

事務局 わがやは年に2回、9月と3月に発行していまして、それぞれ191,000部発行しています。配布先としては、柏市内全戸配布をめざして、ポスティングさせていただいています。また、行政機関、柏駅のラック、地域包括支援センター等にも置かせていただいています。

長瀬座長 ありがとうございます。団体の役員の方とか、そういうところには配布しているんでしょうか。

事務局 佐藤委員がおっしゃっていたような団体の役員の方には、部分的にしか配布できておりませんので、検討させていただきます。ありがとうございます。

長瀬座長 ありがとうございます。佐藤委員がおっしゃられたようなところにも配布できるように検討するということですので、よろしくお願いいたします。また、粘り強い活動をやることが役割とおっしゃっていたので、我々も是非そこのところに粘り強く広報活動していきたいと思います。どうぞご協力の程、お願いいたします。啓発・広報部会の副部会長の櫻庭さん一言いかがでしょうか。

櫻庭氏(副部会長) 啓発・広報部会は、織田先生筆頭に柏市の職員さんと委員の皆さんと考えを絞り出して、全市民の皆さんにどう分かりやすく在宅医療のことを理解していただけるかというところと、わがやをはじめ、その他いろいろなプラットフォームと在宅医療を掛け合わせというところで、市民の皆様に御理解いただけるように活動して参りますので、今後ともご支援の方よろしくお願いいたします。

エ:オンライン会議に関するアンケート集計結果

事務局 (資料4に沿って説明)

長瀬座長 時代にマッチしたいいアンケートだったと思います。結果を受け、今後、どういう風に考えていくかが大事だと思います。今回、部会をオンラインで開催しておりますが、実際に参加された立場で少しご意見を頂きたいと思います。認定栄養ケアステーション柏市連絡協議会の土橋委員、一言ご感想をお願いします。

土橋委員 2点ありまして、1点は時間や場所の融通が結構効くところがオンラインのメリットだと思いました。もう1点は、今後、検討することになるかと思うのですが、発言者が限られてくるので、ファシリテーターのサポートが特に重要になってくると思いました。

長瀬座長 ありがとうございます。医師会の執行部と歯科医師会、薬剤師会の執行部及び市の幹部で、春にこういうやり方で会議をやらせていただいたのですが、その時にも土橋委員がおっしゃられているように、ファシリテーターへのサポートの重要性はとても感じましたので、検討が必要かと思います。ただ、この会の中ではファシリテーターが出来る方がたくさんおられるので、あまり危惧はしていないですが、ルール作り等が必要なのかなと思います。今後もこのような意見を踏まえまして、各部会を運営して頂けるよう期待しております。

2 議事(2) 在宅医療・介護連携の評価

事務局 (資料5に沿って説明)本日に関しましては、独自調査項目に絞って議論していただければと考えております。取り組みにつきましては、事前の説明不足もございましたので、本日は共有のみとさせていただき、第2回協議会までに追加できる取り組みがないか個別にお伺いさせていただければと思います。

長瀬座長 複雑になってまいりますが、国の方で示された4つの場面というところを中心に、これまでの指標を検討したいということです。また、ただ単に分類するだけではなく、独自調査を含めて考えているようですから、なかなか大変な作業だと思いますし、みなさまも意見を出すのが大変だったと思います。ありがとうございます。

それでは、まず最初に、入退院支援からご意見を伺いたいと思います。入退院支援では、病院と在宅の連携という柱があり、その中でも多職種の連携と同職種の連携の視点があるように思います。はじめに、病院ソーシャルワーカーの鈴木委員から、病院の立場からご意見をお願いします。

鈴木委員 事前の回答として提出したとおり、ケアマネジャーさんに病院との連携に対する意識調査ができたらいいのではと考えています。どのようなことで困難を抱えているか、どうすればよりスムーズになるかなどのご意見を調査するということを期待しています。入院時にケアマネジャーさんが連携シートを送ってくださったり、届けてくださったりするのですが、それを医療機関がどのように活用しているのか、医療機関に対してアンケートをして、アクションリサーチのような形かもしれませんが、それを有効に活用するための方法を調査してはどうだろうかと思いました。また、退院時に、院内外の職種のカンファレンスについて、退院前に実施したケースと実施できなかった・実施しなかったケースの当事者の方へ満足度調査をしてみてはどうかと考えました。入退院支援の目指す姿というものを定義されていますが、これを体現できたケースにおいて、質的研究をするのも1つではないかと考えました。体現できたケースに関与した事業所だったり、医療機関の多職種から話をお聞きして、そこから上がってくるキーワードをカテゴライズしつつ、何が重要になってくるのか調査したらいいのではないかと思いました。

長瀬座長 ありがとうございます。鈴木委員からケアマネジャーとの連携の視点が出されておりますけれども、柏市介護支援専門員協議会の植野会長、ご意見伺えますか。

植野委員 鈴木委員と重複する部分もありますが、ケアマネジャーとして、入院時に連携シートを相談員さんもしくは病院の方にお渡ししています。また、退院時にも看護サマリー等で情報提供を受けることがあります。実際に病院が連携シートを受け取って何が有効だったか、それだけではなく、病院の方が何を知りたいか、ケアマネジャーとしては退院時に病院から何を受け取ったら有効なのか、受け取った側の必要な情報というところもアンケートに組み込んで頂けると、より有効な手立てになるのではないかと感じています。

長瀬座長 やり取りをしながら、お互いの視点からアンケートを作って頂けると、より良いものができると思います。 とてもいい意見をありがとうございます。病院と在宅の連携では重要な情報共有の1つとして看護サマリーを活用されていると思いますが、同職種連携の視点で柏市訪問看護ステーション連絡会杉山委員お願いします。

杉山委員 おっしゃるとおり、ケアマネさんや相談員さんの方と入退院の時に関わることが多いです。その中でも看護サマリーが看護師としては一番欲しく、利用者の状況がわかる書類です。入院される際に関しても、医療の部分だけではなく、家の問題等も看護サマリーに盛り込んでいます。病院の看護師さんにとっては、もしかしたら、何だろうと思われることも多いかもしれませんが、私達にとっては非常に重要な情報だと思っています。そのサマリーに関してですが、医療保険で算定され、レセプトに反映されるものもありますが、多くが反映されないものです。しかも、多くやり取りされているものですから、客観的にお互いのやり取りした枚数、また、フィードバックしてもらった枚数のカウントはいかがかなと思います。

長瀬座長 なかなか現場でないとわからない視点だと思います。鈴木委員どう思われますか?

鈴木委員 レセプトには反映されない書類、特に入院中の病棟の看護師と訪問看護師が直接的に連絡を取り合うというのが難しく、病棟看護師の勤務の体系上タイミングが合わず、書面上に要約したもので連携する機会は多いです。看護サマリーやリハビリサマリー等のレセプトに反映されない書類の中で実務は成り立っていたり、連携したりしているというところは杉山委員がおっしゃったように、非常にあると考えました。

長瀬座長 ありがとうございます。こうしたサマリーの数、それからフィードバックというものもとても重要だと考えますので、この辺も含めてアンケートを検討いただければ良いなと思いますので、事務局の方よろしくお願いいたします。それでは、柏市薬剤師会の齊藤委員、薬剤師間の連携はいかがでしょうか。

齊藤(泉)委員 我々、薬剤師会は、数年前から病院と一緒に連携して、柏薬(はくやく)の会というチームを作って、病院と薬局との間を取り持つ形を作っていこうとやってきました。去年はコロナの影響で、病院さんも大変な時期になっていますので、集まりはできておりません。去年までのものとしては、入退院の時に情報をいち早くいただきたく、薬剤師としてお互いにどんな情報が必要かということで、例えば、市立柏病院へはFAXで知りたい情報をもらえるように、また、逆に、こちらからも病院の方に送れるような内容になっています。こういうものを使って、患者さんの情報を共有させていただく手法をとっています。当然、これは全くレセプトの点数にはなっておらず、必要と思って行っているものですけれども、例えば、そういうものが、病院の方で点数として認められれば、もっと進んでいくのかなと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。なかなかレセプトの点数に繋がらないと、経営する上では大変ですが、患者さんのことを考えてやっていただいているというのは本当にありがたいことだと思います。感謝申し上げます。そういうことも含めて、今後、どういうことが出来るのか、考えていければと思います。また、アンケートにも反映させていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。続きまして、日常の療養支援です。この場面で事前の意見では、報酬を算定できない連携の会議や医療と介護の連携の実態調査などを挙げていただいているところです。日常の療養支援が活動の主となります、歯科医師会の中山委員からご意見を頂きたいと思います。

中山委員 現状を申しあげますと、歯科介護支援センターで受ける相談件数は、毎年、徐々に伸びています。それに伴い、在宅の訪問調査に至る事例も増加しています。相談のうち、ケアマネジャーを含めた多職種から在宅支援についての相談は、電話相談で終了するものと、病院からの依頼を除くと、全体の割合として、在宅調査依頼に至る件数は半数弱になると思われます。このあたりの伸びを変えていくのが今後の課題であると思われます。歯科医師会としても、今後、さらに対策や周知をしていかなければいけないと思っております。委員意見まとめの「資料5 その他」にも記載していただいてますが、昨年度はコロナ禍により中止した例年開催していたケアマネジャーとの合同研修会を、今年度は開催いたしますので、よろしくお願いいたします。また、この依頼に関しては、ご本人、ご家族の口腔の健康に対する情報を理解し、活用する、いわゆるヘルスリテラシーが深く関わってくると思われます。歯科医師会としてもフレイルになるもっと以前、診療室に通院されている時期から予防に力を入れ、口腔の健康状態をご理解いただく、そして、それが全身の健康につながることを、もっと広く市民に周知していただくよう対策を練ってまいりたいと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。続いて、急変時の対応に移りたいと思います。急変時の対応につきましては、資料5スライド6のイメージ図にありますように、急変時の対応が在宅で完結する場合と、救急搬送で病院に対応をお願いする場合の2つがあると思います。急変に備えた連携の視点を確認したいと思います。まずは、救急搬送の場合について、柏市介護サービス事業者協議会の横尾委員にご意見をお伺いできればと思います。介護職員が急変に備えて、医療職とどのように連携しているかお話しいただきたいと思います。

横尾委員 連携という点で、施設内は看護師と現場のオンライン体制を組んでいるので、緊急時でも施設内の看護師から指示をいただくことができます。一方、多いケースだと思うのですが、例えば、病院に搬送された際は、主治医の先生と協力病院の先生は違う先生になります。そうすると、現場と主治医の先生と協力病院の先生の考え方に違いが出ます。当然、それぞれ正しいことではありますが、協力病院の先生は医療的にどうかという判断をされます。1つの事例でお話しすると、がん患者でいつ急変してもおかしくない状況の方で、本人は食事もそこそこ摂れていて、見た目は元気でした。その方を協力病院に搬送した時「これだけ元気なのになぜ連れて来たのか」と言われました。ただ、現場としてはいつ急変してもおかしくない段階だったので、介護する上で非常に不安が大きいわけです。現場の不安と協力病院の先生が医療的に見た判断と違うため、家族は板挟みになります。もう少しマニュアル的なものを作成して、現場が訴えたいこととか不安と思っている部分を、協力病院の先生にいかにご理解いただくか。そうすれば、協力病院の先生も「あ、ここが不安なのか」となるのではないでしょうか。特に、施設にはドクターが常にはいないので、現場には不安が結構あります。ただ、それをちゃんと伝えないと、先生としては、医療的に治療もないし、ご飯も食べてるし、戻っていいのではという判断になってしまうので、その調整が結構難しいと思っています。現場の不安とするところと、協力病院の先生の言わんとするところの一本化がなかなか難しく、特に、主治医の先生と協力病院の先生のお二人で話していただくのも難しいので、その辺の調整に結構苦慮している部分はあります。

長瀬座長 なかなか難しい問題ですよね。介護サービス事業者の方々ですと、医療の専門的なことを全部説明するのは難しいかもしれません。主治医の方とどこに問題点があるかサマリーを作っていただいて、その時に救急車を呼ぶのか、呼ばないでそのまま看取るのかということも考えて対応しないと、病院の方としても救急車で送られたら、まずは、救命処置をしないといけないというのが病院の受け入れ体制だと思います。介護サービス事業者の方と主治医、救急の受け入れ側と患者本人と家族の意見をきちんと整理していかないと解決できない問題だと思いました。難しいとは思いますが、直接介護されている皆さんは不安でしょうがないでしょうから、このようなところがうまく回るようにみんなで協力して、相互理解と情報共有ができるようになればいいなと思います。ご意見ありがとうございました。 柏市在宅リハビリテーション連絡会の金井委員から、緊急時の連絡先の掲示や主治医の指示について事前意見をいただいています。この件についてご説明お願いします。

金井委員 在宅での訪問リハビリとなると、柏市では訪問看護ステーションと医療機関と特区からの3つのリハビリがあります。医療機関からの訪問リハビリテーションについては、自前の医療機関の先生に急変があった時には連絡するのが大前提となっていますので、割愛させていただきます。訪問看護ステーションからのリハビリの場合は、緊急時の連絡先を見えやすく、共有できるような場所に掲示をしています。もしくは管理者の看護師さんに連絡をして緊急時の対応をするというところが挙げられます。特区からのリハビリに関しては、リハビリ職が管理者をやっているので、医療の担保が無いというところが大前提にあります。指示を書いていただける先生方と事業所の方で、急変時に対応を依頼する協力医療機関協定書を結んで、その上で指示をいただいています。また、訪問リハビリテーション指示書に緊急時の対応の欄を作成していて、そこに主治医の先生から必ず指示を頂いて緊急時の対応をするようにしております。その上で独自調査としては、主治医と関係事業所との連携がどの程度行われているのか実態調査をご提案させていただければと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。きちんとした指示系統が出来上がっていると、安心して対応ができると思いますので、このところも今後、調査をしていければと思います。続きまして、柏市訪問看護ステーション連絡会の杉山委員からご意見いただければと思います。

杉山委員 このところ、訪問リハビリ、ヘルパー、訪問入浴、薬剤師の方々から、いつもとちょっと変なんだということで相談されるケースが増えています。どのように過ごしていきたいか、治療については病院で治療を受けたいなど、日頃の生活の価値観というものを看護師として把握しているので、電話で対応してその場で終わる場合と、緊急訪問で駆けつけて対処するという場合があります。どのような相談を受けて、どのような対処をしたか、どのようなやり取りを訪問系の職種の方々としたかを、調査してみるのもいいかと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。消防局の救急課からもご意見いただいております。涌井課長お願いします。

救急課 出動となると、救急隊はどうしても救命スイッチが入ってしまいます。その中で、ケアマネと施設の方が現場に駆けつけていない時にすごく困る場合があるんです。そうした時の情報共有や救急隊との連携の意識のアンケートは必要だとすごく思います。ひとつの方法として、認知症などがあり、情報収集に時間がかかる方々、在宅医療介護の連携をしている方々に関しては、必ず関係者の方と患者情報シートを記入して、冷蔵庫等に置くといった柏ルールを構築をしていければ、本人の意思も尊重され、救急機関に搬送することが可能になるとともに、早期に搬送が可能となって病状の悪化防止につながり、しいては救命率向上に繋がっていくと思われます。例として、K-Netで登録している方の場合、災害時の救急医療情報キットという筒があって、キットの中に患者さんの情報等が入っていて、冷蔵庫に入れておくことが挙げられます。こうしたことを構築していくことによって、今後、ルールを徹底できた場合の搬送時間と、できなかった場合の搬送時間の調査をすることにも繋がっていくと思いました。

長瀬座長 ありがとうございます。この部分の情報共有は非常に大事だと思います。救急課の御意見は、情報共有のルール化ができたらいいということだと思いますので、関係職種の皆さんで話し合って、何がベストなのか柏でのやり方を考えていただければと思います。続いて、救急搬送ではなく、在宅での対応の場合についても確認していきたいと思います。まずは主治医の立場から、織田委員に普段の緊急時の対応指示を、どのような形で多職種と共有されているのかお話いただきたいと思います。

織田委員 在宅の患者さんの急変時の対応については、訪問看護との連携が一番重要だと思います。柏市では、医師会と訪問看護ステーション連絡会で、密に連携をとる会を今までいろいろと行ってきて、訪問看護師さんができるだけファーストで対応していただいています。その代わり、後ろでしっかり主治医が責任を持つ、という関係がきちんと出来てきていると、日々の診療で実感しております。在宅患者さんの急変に関しましては、そういう理由からほとんどの例で、訪問看護師さんと連携している場合には、訪問看護師さんにまず連絡が入って、訪問看護師さんに対応して頂き、必要に応じて、我々医者が臨時往診に駆けつけたり、看護師さんの情報や判断をもとに救急搬送の方が望ましいとか、そういった判断をくだすのが柏市の流れになっています。独自調査となると難しく、視点は変わるかもしれませんが、在宅患者さんの場合は、急変時も常に救命のための救急をするというのが全てではないので、患者さんご自身の想いやご家族のお考えをいかに訪問看護師さんや主治医が共有できるかがとても重要だと思います。救急搬送をすれば救命できるけれども、それは本当に本人や家族が望んでいることなのかというところも含めて、共有できているかがわかるとすごくいいと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。訪問看護を中心としたお話をいただきました。とても重要なことですので、どのような状況になっているか調査して頂けるといいなと思います。また、訪問看護だけでなくて、ケアマネも多職種との共有をしていると思いますが、柏市介護支援専門員協議会の齊藤委員ご意見をお願いします。

齊藤(志)委員 主治医や訪問看護師さんがいる場合には、その指示をカシワニネットや電話で、直接、皆さんに意見を回すというのがケアマネの仕事だと思います。一方、主治医や看護師さんに言えない事を、私たちが間に入ってご家族とご本人の意見をすり合わせ、まとめて先生にお伝えすることで、急変時のご本人の意思決定に寄り添っていけるのではないかと思いました。

長瀬座長 ありがとうございます。急変時は、医療と介護の連携がとても大事だと思いますので、事前意見として出していただいた実態調査で現状を把握して、課題を明らかにすることも必要だと思いますので、事務局の方よろしくお願いします。それでは看取りの方に移りたいと思います。事前意見の中では、歯科医師会の松岡委員からコメントがございましたのでお願いします。

松岡委員 歯科で看取りのところに関わることはあまりなくて、僕ら歯科医師が看取りで何かできるとしたら、口腔ケアをして安らかな呼吸を提供させて頂くぐらいの事しか無いのですが、報道では、コロナ禍で在宅の看取りが増えたと聞いたのですが、柏ではどのような状況にあるのでしょうか?

長瀬座長 今のことについて、古賀先生いかがでしょうか。

古賀委員 他のクリニックのことをしっかりと把握できているわけではないですが、コロナ禍で病院の面会制限などがあり不自由さが増しています。当院に関しては、病院からの紹介数は以前に比べて増えています。また、最期は家族に看取られたいという人もいるので、当院については少なくとも増えています。

長瀬座長 松岡委員は、歯科だとなかなか看取りのところはと謙遜されていましたが、最期の時ほど口腔ケアは大事だと思っていまして、最期は口の中から感染を起こしていくことも多いでしょうし、最期の時に口へおいしいものを入れてあげるということは大事なことだと思います。是非、ご協力いただきたいと思います。

松倉委員 救急病院では、コロナで入院された高齢の患者さんのご家族から、何故ECMOをやってくれないのかという相談があったと聞いています。それは、コロナで入院した場合は、ECMOまで対応してもらうという認識からくるものであり、通常の肺炎では、そこまでの治療をしないことも多い現状から考えると、こういう時期だからこそ、やはり在宅の先生方とも協力し合って、意思決定支援をきちんとやっておく必要があると、新型コロナの重点医療機関の会議でも意見が出されているところです。年齢や病状に合わせて、繰り返し丁寧にやり取りしておくことが大切で、改めて柏モデルの取り組み、意思決定支援が大事ではないかと感じたので、コメントさせて頂きました。

長瀬座長 ありがとうございます。現場では理不尽なこともいっぱい起こっているので、本当にしんどい思いをしながら、皆さん関わっていらっしゃることを本当にありがたいと思っております。また、それができるだけ関わっていらっしゃる従事者の皆様にとっても良い方向になることも重要ですし、本人にとっても家族にとってもよりよい環境で看取りができるといいなと思いますので、今後とも皆様のご健闘、ご意見のほどよろしくお願いいたします。それでは先に進めさせて頂きます。事前意見の中で訪問看護ステーション連絡会の羽山委員から、連携の質の向上のための独自調査についてご意見をいただいております。

羽山委員 看取り期を切り取ってということではないですが、関わらせていただいた患者さん利用者さんご本人の最期がどうであったかというところを中心に、亡くなった後に関わった職種の皆さん、医師、看護師だけではなく、介護職の方やケアマネジャーさんも時にはお呼びして、デスカンファレンスという形で振り返りをしています。そこで、ご本人やご家族の想いをどのように尊重できたか、それぞれがどのような役割を果たせたか、という想いも含めて、全ケースではありませんが、みんなで話し合って共有して振り返るということを行っています。途中の経過ではカシワニネットを使わせていただき、情報共有は充分にするのですが、それでも振り返ってみると、こういうところがもう少し連携できたら良かった、これはすごく良かったなど、いろいろ具体的な意見が出てきて、それが結果として、次に活かせていると実感しております。そういう話し合いの場を積極的に持って、介護職、医療職だけではなく、多職種全体の連携を深められたらどうかと思いますので、そういう切り口で調査をされたらいかがかなと考えております。

長瀬座長 ありがとうございます。デスカンファレンスのところの検討も考えて頂いて進めていければと思います。人生の最終段階において、ご本人の意向をどのように多職種で共有し、質の高いサービスにつなげられるかは重要なことだと思います。市民一人ひとりがご自分の意向を伝えられることも大事なことです。柏市社会福祉協議会の中川委員より、柏市版エンディングノート「わたしの望みノート」の活用状況や配布数について教えていただけますか。

中川委員 高齢者の終末期の考えを整理するツールとして、「わたしの望みノート」があります。平成26年2月に発行して、平成27年に5,000部、平成28年に5,000部、平成29年増刷 、平成30年に2,000部、令和元年に2,500部、令和2年に2,000部で、これまで16,500部を作りました。令和3年6月時点で15,500部を発行してます。普及方法については、平成28年から出前講座や研修会等をやってます。ただ、平成28年、29年頃は出前講座も24回、21回と結構できていましたが、昨年はコロナの関係もあり激減してしまい、配布数もだいぶ落ちているという実態があります。こちらにつきましては、令和3年から来年にかけて、その時代によって内容も変わってきますので、内容を変えながら、今後、より良いものを作っていきたいと思っております。

長瀬座長 ありがとうございます。ご本人のご意向をご家族と共有するようにご協力いただいているんだと思います。家族へのアンケート調査も事前意見では複数挙げられていましたので、実施について前向きに考えていければと思っております。それでは、全体を通してのご意見、ご感想をいただきたいと思います。千葉大学医学部附属病院患者支援部の竹内委員、お願いします。

竹内委員 様々な指標の検討が行われていて、だんだん精緻になっていくのが非常にすごいなと単純に思います。ただ、いくつか気になる点があって、そのうちの1つがもともとあったストラクチャー・プロセス・アウトカムという考え方が、だんだんぼやけてきたのではないかという気がします。 ストラクチャーというのは、例えば病院の数、診療所の数、医師の数といったようなもの、あるいは、検査のためのレントゲン機器の数というようなものです。プロセスというのは、それがどれだけ使われたか、つまり、診察した数とかになりますから、レセプトという風に言ってもいいのかもしれません。その結果、どれだけの人が救われたかというのがアウトカムだったと思うのです。このストラクチャー・プロセス・アウトカムということに基づいて、在宅医療や地域包括ケアを構築していくということで、もともとスタートして、段々と柏らしく精緻になっていったと思うのですが、その結果、かなり難しくなってしまったなぁ、というのが正直なところです。難しくなったことの背景として、ストラクチャー・プロセス・アウトカムが、元々のどれだけあって、どれだけ使われて、どんないいことがあったかという発想以外のものが、どんどん入り込んで来てしまっているのではないかという気がします。ただ、その以外のものというのが、地域で仕事をする上では最も大事なところだと思います。ストラクチャーがあってもプロセス、つまりモノがあっても使われない、人がいても活躍できない、それは何故というのは、今、ディスカッションしていただいたようなものの中から発見されるものなんだろうと思います。ですので、是非、ストラクチャー・プロセス・アウトカムというものに関しては、他の地域にも話をしなければいけないので、出来るだけシンプルな形にしたほうがいいと思いますが、ストラクチャーがなぜプロセスに繋がらないのか、プロセスがなぜアウトカムに繋がらないのかという、その橋を渡すその部分に関しては、しっかりと協議して行っていただく、あるいは、しっかりと調査していただければと思います。整理に関してちょっと混乱してしまっているなという部分がありますので、その部分に関してコメントさせて頂きました。

長瀬座長 専門的なご意見を頂きまして、ありがとうございます。事務局の方でも、ご意見頂いた内容を咀嚼して、なかなか難しいところもありますので、どういう風にしたらいいのかを考えながら進めて行きたいと思いますし、また、専門的なご意見について、今後も竹内先生、よろしくご指導をお願いしたいと思います。続きまして、東京大学の辻委員お願いします。

辻委員 これから申し上げる意見は竹内委員の言ってることに近い意見で、独自調査が可能かどうかは定かでないのですが、申し訳ありませんが、お話しさせていただきます。ストラクチャーからプロセスまで、情報をより共有するとか、連携を強化するというところまではいいのですが、アウトカムのところで、アウトカムの在宅療養率はプロセスの結果という形で繋がりやすいのですが、アウトカムの満足度は主観的なものを計っているわけです。満足度というのは、従事者の満足度もあるし、本人、家族の満足度もあるんですが、ありていに言えば、本人の希望を踏まえて良かれと思われることを行っておけば、満足度が高いはずだということなんですが、満足度とはそう簡単に言えるものではないと思います。満足度とプロセスとの関係、言ってみれば連携の質みたいな課題があるのではないかということを申し上げたいわけでございます。具体的には、満足度を本人家族の意識面での指数で測っても、それだけでは不十分で、質的に本当に本人の意向どおりに沿ったから満足しているのかどうか、それでいいのかといった、いわば満足の質みたいなものが問われるべきなんです。例えば、織田委員の緊急入院した時の踏まえ方みたいなものはこれで良かったんだろうかということがあります。これは、本人・家族の意向と医療関係職の受け止め方とか、医療職間の適切なコミュニケーションによる丁寧な対応ができているかといった問題でもあります。横尾委員のおっしゃった医師同士の間の考え方の相違みたいなものもあります。広く言えば、本人・家族と専門職の間、専門職の間でも同専門職内、あるいは異なる専門職間の考え方の差です。本人家族の状況を受け止めた時の考え方の差について、どれだけ議論されたのか。その結果、本人のために一番良い選択がなされたかというところは、本当に現場で議論がきちんとなされているのか、このあたりの連携の質が、特にプロセスからアウトカムの過程で重要な事項ではないかということを申し上げたかったんです。具体的には4つの場面で、本人・家族の意向を反映したかどうかまで検討対象に入れるとかなり混乱するんですが、せめて同職種間、あるいは異職種間でそれぞれものの考え方が違う、ズレているというような典型的なシーンが類型的にあると思うんです。そういうものをしっかりと取り上げながら、本人の満足度を高めるには、どういうことが良かったのかということを虚心坦懐に同職種間ないしは異職種間、多職種間の間で、堀り進めていくというような、そういう意味での連携の質みたいなものを議論するべき時に来てるのではないかと思います。連携されてないところは、ともかく連携を強化するべきなんです。情報を共有するとか隙間を詰めるとかいう話です。しかし、連携の質というものについて、典型的な4つ場面のシーンで、これはどうなんだろうというところについての議論がうまくできないのかという問題提起なんです。これが独自調査としてうまく成り立つのかは分からないですが、竹内委員の話をきいてプロセスとアウトカムの間が曖昧でそこをどうするのかという議論でございます。

長瀬座長 ありがとうございます。今回複雑になってきているところがあって、おっしゃるようにシンプルにものを考えなければいけない所もあるでしょうし、物事の本質を捉えて議論する時も必要ということを、辻先生に言って頂いたんだと思います。この辺も踏まえて事務局として考えて頂きながら、多職種みんなで意見を出して、さらに良いものになればいいと思います。続いて、金江委員に県医師会の立場からご意見をいただければと思います。

金江委員 県の医師会で在宅医療を担当していますが、まず最初の入口から難しく、連携ができていない状況です。いろいろなところに聞くと、連携できていると言われていても、中身をよく見てみるとそれほどできていなくて、ほんの一部の少数だけでの連携しかできていないというのが現状です。県の方からも助成金が出てきて、連携を進めるようにという話があるんですが、なかなかそれに飛びついてきていません。今はコロナもあるので、なかなか連携というのは難しいと思うのですが、コロナが落ち着いてから、また、もう1回取り直しかなと思っています。

長瀬座長 ありがとうございます。まだ、市や地域によって温度差はあると思います。県の方で金江委員は頑張っておられるんですが、なかなか大変な状況だということをお聞きしたと思っております。柏市でできることをきっちりと結果として出していくことが、他の地域にも役に立つことだと思います。それでは、全体の総括的なことと今後の進め方も踏まえて、東京大学の飯島委員お願いします。

飯島委員 まず、先ほど竹内先生からのコメントと辻先生からの追加のコメントおっしゃるとおりだなということを、私も再認識したところでもあり、次回に向けてということと思います。次なるステージに入って、応用編に入ってきているからこそ、そういう課題が見えてくるということもあると思うのです。また、東大側も一緒に対応できればと思った次第です。全体としますと、各部会の進捗状況もよくわかりましたし、各職能団体の代表の方々のコメントでも色々聞けて、情報量が満載で幅広く知ることができて良かったです。事務局側の方々の事前のセットアップに改めて御礼申し上げたいと思いました。感想になってしまうかも知れませんが、いくつか感じた点をショートコメントで言いたいと思います。まず、情報共有システムに関しましては、10年経ったのだと改めて思ったのですが、入力のひと手間というのは、ずっと前からも言われているところではありますが、エントリーしておいてよかった、助かったというところをみんなで導き出していただきたいと思います。研修部会では、オンラインのスタイル、eラーニング、アクティブラーニングという言葉もお聞きしました。公の場での膝と膝を突き合わせての研修会で、手を上げにくいという方々もまだまだ多くいらっしゃると思います。そこで、オンライン形式で普段何か違うと悩んでいることや、気にしてることを書き足しやすい場にもなっていけばいいと思います。あと、医療専門職種の方々と介護専門職種の方々の間での言語の違いとか、そういう言葉で往々にして片付けられてしまう場面がありますが、eラーニングやオンラインなど、時間を気にせずにみんなでやれるというものを基盤としながらも、徐々にその言語の違い、ギャップを少しでも解消できるような、そういうプラットフォームになっていければいいなと期待したいと思いました。次に、啓発広報部会に関しまして、わがやのことも取り上げられましたけれども、今までの医師会の先生方であったり、行政の事務局側の方でが経験してきた「あ、こういう情報のルートで知ったんですか?」とか、「あ、こういう感じで在宅をお願いすることの経緯になったんですね。」という症例をみんなで出し合っていくつかあれば、そこを見える化して攻めていくということもひとつではないかと思った次第です。 次に、4つの場面はとても重要で、レセプト解析ではやはり見えにくい部分もあると思います。生活者として継続してあげたいけれど、何故希望通りにならなかったのか、本人・家族が本当に納得されているのかというのは、臨床の現場だと大なり小なりあるのではないか、これはどの自治体でもあると思うのです。そこを、今回のアプローチでいろいろな視点から出し合うということは、積み上げていくと大きなものになっていくのではないかと思った次第です。次に、松倉先生が先ほどコロナの話でコメントされましたが、僕も全く同じ気持ちを持っておりまして、改めて包括的な視点、全体的に見てどういう風に天秤にかけるのかというのがとかく薄れがちです。ICUありき、ECMOありき、デバイスありきになりがちで、それは誰かが悪いというよりは、メディア報道もひとつの功罪というところもあるんですけども、そこを現場がひとつひとつ払拭して、充分な説明のもとに解消していくしかないんだろうと思います。メディア報道はそう簡単には今日、明日で変わりませんから、ある部分はキャッチアップして、ある部分はなびかないというところを、うまく現場の方々と当事者の方々とのコミュニケーションの中でやっていくしかないのではないかと思います。最後に、訪問看護の羽山委員からデスカンファレンスの話を出していただきましたが、デスカンファレンスに限らず、経験したものから何を学んでいくのかということ、症例としては終わってしまったケースかもしれませんが、そこから何を逆算して学んで拾い上げていくのかというのは、とても大きいと思うので、そういう視点もいろいろな形で取り上げられていることを期待したいと思います。全体的には膨大な情報を提供して頂きまして、ありがとうございました。今後も期待したいと思います。

長瀬座長 ありがとうございます。4名の先生方に全体を通してご意見をいただきました。本当にありがとうございます。最後に事務局から今後の予定を説明させていただきます。お願いします。

事務局 皆様、大変貴重なご議論、ご意見を頂きありがとうございました。今後の予定ですが、先ほど説明させていただいたとおり、次回協議会までに追加できる取り組みが無いか再度ヒアリングさせていただければと思います。また、今回ご議論いただいた独自調査についての提示と、レセプトなどデータでお見せできるものを、次回協議会にてご報告させていただければと思っております。評価のフレームに関しましては、今年度中に委員の皆様のご協力を賜りつつ固めていきたいと思っておりますので、ぜひ、お力添えいただければと思います。事務局からは以上です。ありがとうございました。

3 報告

事務局 (資料6に沿って説明)

長瀬座長 ありがとうございました。柏地域医療連携センターの相談対応は、地域包括支援センターと連携してやっていると思うのですが、柏南部第2地域包括支援センターの橋本委員ご意見をお聞かせください。

橋本委員 地域包括支援センターに寄せられる相談としては、介護保険の申請やサービスに関することはもちろん、認知症や虐待など様々な相談が寄せられます。その中で各包括では、半数以上は介護保険の申請やサービスについての相談ですが、今回連携センターの相談者は本人、家族が7割、そして相談内容は在宅医療や介護が7割という内訳になっていました。ここから本人、家族にとっては、相談先の棲み分けが出来ていることがよくわかりましたし、市民が気軽に相談できる窓口としての連携センターの機能の重要性をより強く感じました。

長瀬座長 ありがとうございます。柏地域医療連携センターも地域包括支援センターと連携して相談を受けているということで、市民の役に立てているんだと感じます。

4 団体トピックス

高齢者支援課 (資料7に沿って説明)第8期柏市高齢者いきいきプラン21の概要版という冊子をお配りしていると思います。いきいきプラン21は、今年度から3年間の計画を定めたものでございます。内容をご覧頂ければおわかりいただけると思うのですが、この計画策定に向けて、様々な数値の推計を行いましたので、そこについてご紹介させていただければと思います。まず、4ページ中程の人口の推移をご覧ください。柏市の人口について、これまでの人口と、これから将来の人口の状況でございます。柏市では、今後人口が2030年頃まで増えていきますが、その後減少していきます。ただ、高齢者人口は団塊ジュニアが高齢者となる2040年頃に向けてどんどん増えていく状況です。こういう前提の下でプランを立ててございます。内容はこちらの通りでございます。事前の質問で松岡委員から介護の重度化の進みはどうなんだろうかということを、ご質問頂いていたと思うのですが、今回の資料の中ではご案内をしていないので、ご説明させていただきます。柏市においては、介護の重度化はしていないというのが、率直なところでございます。ここ数年の要介護認定、要支援認定を受けていらっしゃる方を分母として平均の要介護度を出しますと、平成29年が3.72、令和2年が3.61ということで、わずかではございますが、軽度化の傾向がございます。ただし、2025年度以降は後期高齢者が増えていきますので、人数としては重度の要介護の方が増えていくことが見込まれています。介護認定を受けていらっしゃる方、全体の介護度については、引き続き、軽度化の傾向をゆるやかにたどっていくものという推計をしております。

長瀬座長 ありがとうございます。資料7のフレイル予防については、柏市も力を入れて取り組んでいるところですが、フレイル予防の3つの柱の1つは栄養の視点で、認定栄養ケアステーション柏市連絡協議会の中村委員からコメントをいただけますか。

中村委員 先ほど、高齢者支援課の宮本課長からお話いただきました高齢者いきいきプランの中において、フレイル予防が重点的な取組みに含まれています。認定栄養ケアステーションの方でもフレイル予防や重症化予防について、リハビリ職と歯科衛生士と管理栄養士の三者の多職種で取り組みさせていただいておりますので、これからも積極的に取り組んでいきたいと思っています。

長瀬座長 ありがとうございます。続きまして資料8について、都市再生機構の西村委員お願いします。

西村委員 資料8をご覧ください。3月からの豊四季台団地の再生事業の進捗状況を簡単にご説明させていただきます。図面ピンク色のところが2か所ありますけれども、まず下の方、図面の真ん中ですが、建替え住宅の建設を予定通り進めておりまして、令和4年2月の入居に向けて進めております。今は足場も取れまして、内装と外構工事を行っているところです。それから図面の上の方ですが、4期のところでコンビニエンスストアを誘致しておりまして、3月25日にオープンしている状況でございます。

長瀬座長 ありがとうございます。事前意見の中で、柏市介護サービス事業者協議会の曽根委員から、地域包括ケア全般についてご意見を頂いてますのでよろしくお願いいたします。

曽根委員 URさんの報告と共にですが、豊四季台のプロジェクトという形で住み続けられるまちづくりをテーマにしながら、地域包括ケアシステムの具現化をどうしていくのかというプロジェクトだったかと思います。5年経った今、ハードの部分については、こういう進捗なんだという風にわかっているのですが、ソフト部分でどういう住みやすい形になったのかというのを、今後、見せて頂けると助かりますということで、事前に意見を提出させていただきました。

長瀬座長 ありがとうございます。柏プロジェクト全般の取りまとめは、福祉政策課で行っていると聞いています。福祉政策課長からコメントをお願いします。

福祉政策課 地域包括ケアは、住み慣れた地域の中で自分らしい生活を送れるというもので、柏プロジェクトはモデル地区となりやっています。地域包括ケア自体は、住まいを中心に、医療、介護、生活支援、介護予防の必要なサービスをきちんと提供できるということだと思います。在宅医療に関しては、医師会様を中心に在宅医療の推進と多職種連携にも取り組んでおります。高齢者の社会参加については、在宅医療と並んで先行して取り組んでいますが、生涯現役促進協議会という形で柏駅の南口に窓口があり、自走している取り組みとなっています。それに加えて後発では、平成27年以降に、フレイル予防や日常生活圏域での生活支援体制整備事業が始まっております。フレイルチェックは、飯島先生の御指導や医師会様の御指導を賜りまして、全国に先駆けてフレイルチェックを進めておりまして、力を入れているところでございます。いずれにしましても、地域包括ケア自体は、縷々(るる)の事業1つ1つだけでは成立しなくて、これらを重層的に重ねていくということが重要なことだと思いますので、立体的にうまく組み合わせながら、柏市らしいプロジェクトという形で進めていければという風に思います。皆様には、引き続き、ご指導を賜りながら進めていければと思います。

その他

令和3年度第2回は、令和3年10月25日(月曜日)午後7時開催予定

お問い合わせ先

所属課室:健康医療部地域医療推進課

柏市豊四季台1丁目1番118号(柏地域医療連携センター1階)

電話番号:

お問い合わせフォーム