平成30年度第1回柏市立図書館協議会会議録

1 開催日時

平成30年8月9日(木曜日)午後2時30分から5時

2 開催場所

柏市役所第5・6委員会室(柏市柏5丁目10-1)

3 出席者

  • 委員   
    井上会長、三浦副会長、加藤委員、中島委員、山宮委員、田川委員、渡辺委員、菅原委員、田辺委員、白井委員 、野澤委員
  • 事務局
    中山生涯学習部次長、小池図書館長、古川主幹、利光副主幹、後藤副主幹、高村生涯学習課長、橋本副参事、柳川副主幹、川本主任
    岡本氏、鎌倉氏、宮田氏(アカデミック・リソース・ガイド(株))

4 概要

資料に沿って、事務局から説明。委員からの主な意見は、次のとおり。

1 平成29年度主要事業報告

2 平成30年度事業計画

3 平成30年度柏市教育行政重点化方針

4 柏市子ども読書活動推進計画(第三次)の進捗状況

  • 三浦副会長
    国では、不読率の割合を調べている。最近文部科学省からでた「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」によると、小中学生の不読率は長期的に改善傾向にある。国や県、近隣市の動向を気にして進めてほしい。
    文部科学省では、中学校までの読書習慣の形成が不十分という分析をしている。図書館だけでなく、学校と連携して、子ども達の読書活動の傾向を話し合い、分析していくとよいと思う。

5 南部近隣センターのリノベーションについて

  • 渡辺委員
    近隣センター内の図書館分館は、最も地域に身近な図書館である。広く利用してもらうためには、利用されている方に十分に調査し、限られたスペースにどんな本を置いたら有効に利用してもらえるか、どんな層が図書館をよく利用しているのか等を把握し、他の分館にも活用できるようなチャンスになるとよい。
  • 菅原委員
    今後高齢者も増加していくので、居心地のよい図書館ができるとよい。
  • 白井委員
    学校図書館との協働において、子どもが住んでいる地域の分館の活用がポイントになってくるのではないか。また、町会と連携もできるとよい。
  • 野澤委員
    今後も老朽化している近隣センターの改修が続いていくのであれば、その期間借りられなくなる1冊しかない図書も増えてくるわけであり、借りられない図書についての中長期的対策も考えてもらえるとありがたい。

6 柏市図書館のあり方策定に関する報告について

資料これからの図書館-人口減少時代を見すえて-により、国や地方の財政等の状況や全国の先進的な図書館の事例、市民参加による図書館づくりの重要性等について、事務局から説明。委員からの主な意見は次のとおり。

  • 菅原委員
    柏の歴史や人物についての絵本や紙芝居を設置し、小さいうちから読んであげることによって柏市への誇りを感じ、愛着が芽生えていくとよい。
    子どもがお母さんとショッピングに行き、そこに図書館も資料館も美術館もあって、気軽にすべてそこでめぐっていかれるような施設があるとよい。
  • 田辺委員
    人が集まりやすい場所に建物があることが大切だと思う。
    若い人が気軽に集まれる場所で、静けさとにぎやかさが共存するサロン的な図書館があってもいいのでないか。また、古い観念ではなく、新しいイメージを持って、柔軟な考え方で運営できる分館ができるとよい。本館はこれまでの基本を踏襲しつつ静けさと賑やかさの両立を期待。分館は貸出中心ではなく、サロン的な分館があってもよい。
    10年、20年後の若い人のために、柔軟な発想が必要だと痛感。
  • 白井委員
    図書館が郷土資料館や博物館と連携し、AIを活用して、文化を情報としてタブレット端末で見られるようにすることにより、それを通して多くの人が興味を持てば、実物を見よう、とかお年寄りの話を聞こうとかにつながっていく。モノとしての文化が失われていくなか、それを受け止めるのが図書館。失われていくモノを保存できるのは今ではないか。活用できる技術をどんどん活用し、破損し失われていくものを伝えていくことが大切と考える。
    ポイントは財政と持続可能性だと思う。図書館と他の施設を合わせた複合施設ができればすばらしい。財政に余裕があれば新築できるが、予算的に難しいのではないか。
  • 野澤委員
    「行ってみたい」と思わせる図書館を作ってほしい。図書館というと、ハードの話になるが、利用者から見ると、どちらかというとソフト面のほうが大事だと思う。ソフト面と柏市の今あるハード面を上手に活かすような図書館にしてもらえるとよい。
    限られた予算のなかで、「人」「もの」「かね」を考える必要がある。
    今の時代、知りたいことはまずインターネットで調べる。分からなかったら、その次に図書館で調べる、とはならず、人に聞く。図書館で課題解決できることをアピールしていくことが必要である。
  • 中島委員
    市民と協働した複合施設にとても魅力を感じた。例えば、子ども達と郷土の学習をした際、図書館に行き、すぐ近くで実物が見られるとよい。一箇所で見ることができれば、子ども達にとって良い勉強となると思う。
  • 加藤委員
    学校図書館は子どもたちが安心して使える図書館、調べ学習としての資料がそろっている図書館を目指してきた。子どもたちの興味関心が変わってきているので、今日の話を踏まえて、考えていきたい。
    分館は、運営面に関わりやすいので、本館は市民が使える図書館として、分館は本館とは違うコンセプトとして特長を出すことも考えられる。
  • 中島委員
    子どもたちに、どんな図書館があったらいいか聞いているが、その中で出てくる意見と、今日の話の内容は重なる。特に、複合施設についてはそうであり、理想の一つでもある。
    分館の機能を残してほしい。自宅から近いところで、図書館の本を貸出しするだけではなく、そのなかでちょっとしたお話をしたり、趣味的なものができたり、といったことができるところが必要だと思う。特に高齢者を中心に交流できる場となって欲しい。
    田中分館の田中スタンダードを、地域での交流に生かしている。今後もこういう分館を増やし、地域の人と交流を深めて欲しい。
  • 山宮委員
    今後、財政的に厳しい社会となることを突きつけられた。「良い図書館があれば老後も楽しい」と仲間と話していたが、それだけでは済まされない、と理解した。何も知らないと、「ハード面で良い図書館を」というけれど、現実は難しいことが分かった。
    図書館などの公共施設を、人が集える場所として捉えることには賛成。
    厳しい社会状況を皆で理解していく場が必要ではないかと思うが、それが分かった上でも、図書館はハードという感じがする。本という文化をどう私達の心に残していくかということを考えていかなくてはならない。また、子どもや孫にどういう形で残していけばいいのかもう一度考えてみたい。
  • 田川委員
    市役所はそれぞれの課が分かれていてわかりずらい。複合施設でまるくなるとよい。世代交流も生まれて楽しいかと思う。
  • 渡辺委員
    若い人はパソコンで情報収集する。古本も新刊本もインターネットで手に入る時代であることを踏まえて、図書館の存在意義の議論が必要だと感じる。
    パソコンの時代に、図書館ではどのように情報発見や課題解決するのか。インターネットにはない魅力を市民にどう伝えるのか、あらためて聞きたい。
  • 三浦副会長
    子どもや高齢者にとって、身近なところに図書館がないと行けないという現実問題がある。今後の年齢別の人口比を考えると、高齢者にどのようなサービスができるのかを考える必要がある。
    貸出しだけでなく、図書館は課題解決することが重要。
    図書館のあり方を策定するにあたり、これからも市民の意見を聞くと同時に、図書館職員の話を聞く機会をもち、実際に利用している方と職員の意見を反映して良いものを作ってほしいと願っている。
  • 井上会長
    財政的なものでなく何かできるといいと思うが、ここぞという時には柏市も無駄のないやり方でお金をかけてほしい。図書館には、勉強をしたいとか、子どもたちで賑わいたいとか、静かに調べものをしたいとか、いろいろな要求があり、そこに公民館やいろんな機能が入っている。それを上手くゾーニング分けし、財政的にクリアして、柏市の図書館が将来明るくなることを望んでいる。

5 傍聴

傍聴者 9名

6 次回開催予定

平成30年10月24日(水曜日)

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