平成28年度第1回柏市社会教育委員会議録

1 開催日時

平成28年7月19日(火曜日)午後1時30分~3時30分

2 開催場所

沼南保健センター 会議室3

3 出席者

(委員)
池沢議長、村田副議長、加藤委員、塚田委員、下田委員、川鍋委員、井上委員、永井委員、岩渕委員、清水委員

(事務局)
篠原生涯学習部長、髙村生涯学習課長、生涯学習課橋本統括リーダー、生涯学習課飯田主査、生涯学習課渡辺主事、大場生涯学習専門アドバイザー、石井生涯学習専門アドバイザー

4 内容

  1. 開会
  2. 生涯学習部長 挨拶
  3. 柏市社会教育委員会議長 挨拶
  4. 委員及び事務局職員紹介
  5. 報告事項
    第3次柏市生涯学習推進計画について
    平成28年度生涯学習部各課・館・所主要事務事業概要について
  6. 協議事項
    子どもの体験活動について
  7. 閉会

5 報告・協議概要(要旨) 

報告事項

事務局より2点報告。

1点目は、第三次柏市生涯学習推進計画が完成したことを報告し、冊子を配布。

2点目は、平成28年度生涯学習部各課・館・所主要事務事業概要について、報告。

協議事項

  • 議長 次第の5、協議事項について。今年度は、子供の体験活動をテーマに協議を行う。協議に入る前に事務局より説明を。
  • 事務局 会議資料に基づき説明。
  • 議長 体験活動に関する資料と説明を参考に、委員の皆様が日ごろなさっていることや、考えていること等について、忌憚のないご意見を述べていただきたい。
  • 委員 オーバーナイトハイクで、最近、大人が「この活動の意義は何ですか?」、「何でこれをやっているんですか?」と正解を求めてくる。私は「自分で探してください」と答えている。子供達も手探りで探しにくるのに、大人が答えを用意しておく必要はない、という思いがある。体験活動に期待される効果は、自分で探していくと言っては丸投げだが、その中で皆が何かを学んでくれたら一番かなと思う。
  • 委員 筑波山から数名のグループに分かれ、一人だけ大人がついて、我孫子のアビスタまで戻ってくるチャレンジウォークという行事を我孫子市でやったが、そこで、子供のときに自分の限界も含めて、また自分の思ってもいない能力について、思い知るということがすごく大切なんだと思った。何年か前にチャレンジウォークに出た子達が今どう思ってるのか少し調べたが、やはり出た子達にとっては本当に得難い体験であり、親にとってもその子供にとっても良かったというアンケートが戻ってきた。自己肯定感ということで私が考えるのは、自己否定につながる様な体験があったとしても、しないよりは絶対良い。自己否定するようなことがあった場合には、読書することで、それらをフォローすることができる。また、体験したことを深めたり、支えたり、広げたりするような力が読書にはある。読書とつなげて考えられるような経験が出来たら本当にいいと思った。
  • 委員 今の時代になって、ほめすぎたことがいけないのでもう少し叱れというのは、ちょっと安易ではないか。どういう人間像を目指すのか、ある程度のものを持たないと、おそらく学校現場も、ほめすぎではいけないみたいになったら、教員達も悩むのではないかと、疑問に思った。
  • 委員 体験活動は必要である。その理由は、一つは、やはり関わりの部分で、自己、他者、社会との関わりによって自分がどう成長して行くか、ということ。それと、地域との関わり合いを持って、その地域力を身に付けていくということで、この体験活動は非常に大事、強いてはこれが自分で豊かな人生を送ることができると、そして文科省から言われている生きる力の育成、というところで必要になってくるのではないかなと思う。したがって、この体験活動が非常に重要な役割を果たすものだと私は解釈する。会議資料のボランティア活動の件。中学生は部活動をやっている関係でボランティアや地域の行事に参加しようと思っても、参加することができないという生徒も多くいるということが、このデータに隠れている。
  • 委員 今、中学校に週5回行っている。そこで思うことは、自己肯定感の無さ、低さ。子供に「何々やろうぜ」と言うと、まず「無理」と答える。何か体験しようという気持ちがそもそも無い。理由を考えると、いわゆる体験学習を親もあまりしていない、あるいはしてこなかった、ということが非常に多いと思う。今後、体験活動をやろうとすれば、親も巻き込むことが大事である。小学校のときに、先生もジャージに着替えて外に行って遊びを体験する。そうすることによって子どもは先生と自分の力の差がわかる。そこで先生には逆らえないとか、大人には逆らえないとか、大人っていうのは一緒に遊んでくれると楽しいとかということを覚えさせることも大事なのかと思う。親の貧困というのがある。貧困家庭はたくさんあるが、親は貧困に見せたくないから、無理をして子供にスマホを買い与えるなどし、一生懸命、貧困じゃないというところを見せている家庭も多い。先ほどの、どこにゴールを持っていくのかという話だが、結局ほめていい。ただ、ほめ方に問題がある。榎本博明先生の「ほめると子供はダメになる」という本に、ほめちゃダメだ、ほめて育てるよりも厳しく育てる方がいいと書いてある。やはり叱らないと野生のままに子供が育ってしまう、と。やはり子供は社会性を身に付けなければいけない。叱られることによって、子供達が社会から受け入れられるような態度や行動を身に付けていく。ほめ方とか叱り方とかいう点にいろいろ問題があると思うので、そういうことを考えながら体験活動をしていくのがよいと思う。
  • 委員 13年ほど前から県民プラザで子供の主体性を育てようということで、子供達に全部任せて大人は何も口を出さないというプロジェクトをやっている。弁当も自分達で作るが、最初驚いたのが、お弁当のご飯だけにきゅうりを1本持ってきた子がいた。周りの子供達が見て馬鹿にした。だが「うまい、うまい」と言って食べていた。自分で作って自分が「これでいい」と決めたからそれでいいと。その潔さが、一気に皆の自主的な気持ちが膨らんでいって、雰囲気が変わって、自分達でどんなお弁当でも持ってくるようになった。そういう子供達を見守っている保護者がどんどん変わっていった。その子は「高校、大学も将来何になりたいか」っていうのを目指しながらちゃんと進んでいけたという話をしていたので、そういった意味でやはり子供達の最初の体験というのは大事かなと思っている。今現在自分は大学生と関わっているが、偽りの自己肯定や体験を周りの大人が作り上げてしまって、偽りの自信みたいなものを持つ子が周りにたくさんいる。周りの大人が、子どもに失敗させないようにし、自分ができると勘違いする子をたくさん育てているのではないかと思う。子供達が自分たちで気づき、自分達で越えていくという、偽りの体験ではなくて本物の自分で乗り越えた体験ではないと、体験的なものの効果というのは出てこないと思う。詰め込み体験をいくらさせても全く変わらないんじゃないかなという思いがある。
  • 委員 体験活動は、学校や地域社会にお願いして、外で身に付けてほしいと思っている。その反面、私は子供達の限界等にチャレンジさせたり、細かいことを経験させたりするのは、やはり親の仕事だと思っている。限界は自分がダメだと思ったところが限界なので、そこをもうちょっと、上にあげさせるところは親の仕事だと思っている。
  • 委員 例えば、飯盒炊飯。火をつけるためにがんばることは分かっている。しかし、理屈は分かってるんだけど、実際には、体験が追いつかない。体験してみないと本当にうまくいくのかわからない。そこはやはり、体験がものを言う。
  • 委員 今たくさんキャンプの話が出たが、私どもの会では、今月の末にサマーキャンプを行う。キャンプでは、何回も何回も朝・昼・晩と皆が自分達でご飯を炊くが、最後には本当においしいご飯を炊けるようになる。経験していくことは、大変に大事だと思うし、そうしたことが自信につながって、その体験が大人になった時に生かされていくと思う。サマーキャンプで夜、土からセミが出てきて脱皮をしていく行程を、子供達はすごく熱心に見ている。セミの、あの茶色以上に極めて綺麗な実際の色に驚嘆したり、ちょっと羽が傷ついているのを観察したりしている。そういうのを見るのも子供達にとっては心に残る一つの体験だと思う。
  • 委員 野球の少年団、本来であれば子供達が自分達の仲間を集めて「おまえは何やれあれやれ」とか、時には、リーダーになってケンカもやる。そういったグループがあって、「そこで社会性を身につけてきました」というのがもともとの姿であると思う。が、しかし、段々に大人がチームを作るようになってしまった。自分自身部活動をやってきて、振り返えると、あまりにも学校に負担がかかり過ぎているようである。さらに、また「体験活動をやりましょう」、「職場体験に行きましょう」、「何々体験に行きましょう」と言うのは、果たしていいのか。もう少し根本から考えるべきと思う。
  • 委員 その通りで、体験学習をさせるということは、体験学習を用意する側もいる。先生方がお忙しいようにやっぱり普通の会社員とか自営の人も忙しいわけで、その中で時間を割いて、よそのお子さんの為に尽力をしてくれている方々がいる。青少年相談員には48歳定年というのがある。48歳は社会で一番忙しい時期。その中で、体験させる側の資質向上というか、フォローも必要になってくる。
  • 委員 だからこそ親子参加。例えば、今我々15人と行政でやったって、絶対無理。やっぱりそこで親子参加。子供を楽しませるのが二番で、一番は親が楽しむこと。親が楽しくやると子供も楽しい。
  • アドバイザー 私も学校現場で体験活動を進めてきた人間として、体験活動は必要だなと思った。今の子育てをしている、ゆとり教育で育った人間がどういう環境で育ったかというと、「サ・ン・マ」の無い社会で育ったんだそうです。サンマというのは食べるサンマではなく、一つは仲間、仲間がいない中で育った親、それから時間が無い、時間の間(ま)。それから空間が無い、いわゆる都市化によって外で遊ぶような場所が無くなってしまったという、いわゆる三間(さんま)の無い環境の中で育った親が今子育てをしているということ。私はそこで、川鍋委員がおっしゃったように、親を巻き込んだ活動をすべきじゃないか、というのに賛成。私は、これからの体験活動は、何でも集団や団体で、いろんな人との関わりの中でやるってことも大事だと思う。だが、身近なところから、家庭教育、家庭の中で親を巻き込んだ、まさしく体験活動が出来るような環境作りをしていくことが大事なのかなと、ちょっと皆さんとは違った視点で考えてみた。
  • 議長 長年の経験から、大変参考になる内容をお話して下さいました。これまでのご発言の中にも出てきましたが、体験活動を積極的に推進することで、子供達がどのように育つのか、どのような人材の育成が期待されるのか?そして体験活動の効果について、協議していきたい
  • 委員 社会的なものを身につけない子は、どんなに頭が良くてもおそらくつぶされていく。やはり失敗をめげない、困難に打ち勝つ、粘り強い精神力。そして、やはり根幹は命を大事にするということ、自分の命を含めて。「どういう子供達に、どういう人物像に育てたいんだ」っていう根幹の共通理解がなければ、やっても、やっても別な価値観のぶつかり合いで、まとまっていかない。
  • 委員 命を大事にするということが一つキーワードと思う。自分自身の自己肯定感とは、自分自身はかけがえのない一個の命、大変な存在であると思えるということ。同様に、他の人たちも同じようにかけがえのない存在だと思えるということ。思いやるということもそこから出てくる。集団の中にいても本当に自己肯定感の強い人は他人と違っていても自分を認めて出せるというか、取り繕わないというところがあると思う。それも目指す一つの人間性と思う。
  • 委員 正しいことをしていて自己肯定するのはすごくいいことだが、悪いことをしていても自己肯定する人もいる。正しい心のほうの自己肯定感というのを作っていかなければならないと思う。だから命という話になったが、例えばお花を採るとか虫を殺すとかということより、我々日々物を殺して生きているわけですから、「いただきます」という言葉の重要性だけで命の勉強になると思う。だからこういう運動ってあいさつ運動と同じで、市内全域に流布すればいいだけの話で、皆さん「いただきます」っていうのはこういう意味ですよ、だからご飯を食べるときに必ず「いただきます」って言いましょうっていうような運動というのはすぐに出来ることだと思うし、そういうことをやっていくことも大事という感じがした。
  • 委員 自分の子供には、思いやりを持った大人になってほしい。他の誰かの為に何かをしてあげられる人になってほしい。それがボランティアではないかなと思う。私の夢は、全国民が何かボランティアに関わる、やり続けることである。そのように大人がやっていたら、その大人の背中を見て子供だってやるだろうし、その中からいろんな意義を見出せたり感じたりするんだろう。コミュニケーション能力も必ず身につくと思うので、そのようになってほしいと思う。
  • 委員 当たり前って何なのかっていうことを考えてほしい。自分は高柳の地域で、高柳祭りっていう盆踊り大会を毎年開催している。去年自分がすごく頭にきたときがあった。雨が降りそうだから30分間体育館に避難してもらった。30分経って雲が逃げたので、また校庭に戻ってもらったら、体育館にゴミがあった。それが許せなかった。自分達のポリシーは借りたときよりもきれいにして返すということ、それなのに「何やってんだ」ということで頭にきて、今年はやめると言った。そして、一年たって実行委員会としてはやるという話になったが、その一年間待ってても、どこからも,「この間は申し訳なかったです、僕らも協力しますからもう一回やりましょう」という話が出てこないというのは、すごく寂しい。だから、そういう人を作りたくないなと。やはり誰かに感謝の気持ちとか自分は地域の一つの歯車だっていうことを、きちんとわかってほしいなと。そういうところがやはり家庭教育だったり、地域の力だったり、学校教育だったりとか、それが皆連携し、くっつかないとできないことだと思う。あと一つ言いたいことは、文科省の方々が「どれだけボランティアをやってるいるのかな」と疑問に思う。
  • 委員 「どんなふうに(こんなふうに)育ってほしいと思う」のは、何か、おこがましく思う。ただ、私達が投げた何かの活動が、彼らの心に、水に投げた石みたいに波紋で残ってくれたら。まあそれでいいかなと。その上であなた達にこうなってほしいと、そこまでは、望んでしまう。
  • 委員 うちの町内会も高齢化して、だいたいそこで話すことは、年配の人が有利になるようなことばかり。だからこういう活動についても、我々がただ満足することだけっていうのではなく、本当に皆にとって有益かどうか地域社会に有益かどうかである。ボランティアっていいことだと思うが、ボランティアが自己満足であってはいけないと思う。だから本当にそれが皆に有益かどうかっていうことを考えつつやっていきたい。
  • 委員 結局は親の背中を見て子供は育つから、親がボランティア、地域活動をしてない人は結局のところダメなのである。(子どもは「していない」その姿を見ていることになる。)どういう子供を育てるかの前に、どういう大人であって、自分達がどう背中を見せられるかというのが大事。

その他

  • 事務局 伝達事項が2点。1点目は、本日の議論も踏まえ、8月31日までに、委員の皆様が取り組んでいる体験活動についてまとめ、ご提出いいただきたい。2点目は、次回の会議の日程を11月8日(火曜日)午後1時30分からとする。
  • 議長 それでは、これをもって、閉会とする。

6 傍聴者

0人

7 資料

社会教育委員会議 会議資料(ワード2003形式 556キロバイト)

平成28年度各課主要事務事業概要(ワード2003形式 127キロバイト)

第3次生涯学習推進計画(PDF形式 2,056キロバイト)

団体事例集(PDF形式 9,669キロバイト)

柏市の地域・市民活動団体設立への手引き書(PDF形式 3,077キロバイト)

社会教育委員関係会議研修会予定一覧(ワード2003形式 18キロバイト)