令和元年度第1回柏市文化振興審議会会議録

開催日時

令和元年6月25日(火曜日)午後3時から午後5時

開催場所

沼南庁舎5階 501会議室

出席者

委員

飯森豊水委員(会長)、鈴木將勝委員(副会長)、林久美子委員、中村眞知子委員、亀岡浩美委員、

手塚ナツ子委員、 堀良慶委員、出浦真緒梨委員

事務局

河嶌貞教育長、小貫省三生涯学習部長、吉田敬文化課長、野澤資子主幹、横山左千江副主幹、

福馬真弓子主事、古瀬康平主事

内容

(委嘱状交付) 

  1. 開会
  2. 教育長挨拶
  3. 会長挨拶
  4. 議事
    1. 報告事項
      • 令和元年度芸術文化事業について
    2. 協議事項
      • 市の文化事業が計画にどのように反映されているかの検証・分析
      • 第五次柏市芸術文化振興計画策定に向けた意見交換
  5. その他
  6. 閉会

会議概要

令和元年度芸術文化事業について・市の文化事業が計画にどのように反映されているかの検証・分析

事務局より、報告事項1の資料に基づき、その事業が第四次 芸術文化振興計画の体系図のどの項目に反映されているのかを説明。写真や動画を用いながら、事業ごとの予算を示し、各事業の目的、効果について説明を行った。また、音楽系の予算と美術系予算について比率を示し、音楽イベントについては、数が多いが、民間団体や企業の力を活用しながら実施しているイベントが多く、少ない予算で効果的に実施しているものが多いとの分析内容を報告した。

第五次柏市芸術文化振興計画策定に向けた意見交換

(飯森委員)第五次芸術文化振興計画を立てるにあたり、まず今行っている事業がどれくらい第四次芸術文化振興計画に合っているのか、それを検証することが大事だと事務局に申し上げた。その結果文化課の職員の目で一度検証してもらい、さらに費用がどのくらいかかるものなのかを提示していただいた。決められた枠組みの中で事業展開しなければならないことを踏まえて、第五次芸術文化振興計画で行っていくべきことを検討する中で、まず第四次の計画で行っている事業がどれくらい合っているのかを確認することが必要だと思っている。検証結果として、今行われている事業が第四次の計画と大きくずれていないことが分かった。だからと言って第五次の計画内容を変える必要がないということではなく、どういうことを変えていけるのかということを今後話し合っていきたい。

(補足)飯森会長より、国の文化芸術基本法及び文化芸術推進基本計画 について説明。また、「若者が考える芸術」とはどんなものか、についての問題提起がある。心から感動した作品、何年たっても忘れられないものについて、という内容で授業を行ったところ、学生たちから、「舞台の刀剣乱舞」「映画1リットルの涙」「映画のびたの恐竜」等様々な意見がでたという説明があった。

(飯森委員)授業でこういう意見がでたことでいろいろ考えさせられた。一般的には芸術とは認められないと思われるものについても、発表した学生たちは、自信をもって「芸術」と呼んでいた。未知、幼稚というのは簡単だが、二十歳前後の男女にとって、文化芸術のイメージがこうしたものであるということは理解しておく必要があると思う。こういう感性に付き合っていくことが必要なことなのかと思う。問題提起として受け止めてもらえればと思う。

(堀委員)提案をさせていただきたいと思う。(委員の提案書配布)

ぜひ、第五次文化振興計画に美術のインフラ整備を入れてもらいたい。箱物は難しいと思うが、収蔵庫、収蔵能力、収蔵機能の充実、収蔵内容をしっかり見極められる学芸員の設置をしてもらいたい。現状として、全国の美術館の収蔵スペースがほとんどなくなって、作品があふれている。寄贈しようとすると入れるところがないので拒否される。コレクターの収蔵庫、コレクターによる作品の展示、ということに焦点をあて、努力している自治体もある。郷土資料展示室の活用について、芹沢銈介だけではなく、他の企画も含め数を増やして行ってほしい。柏わたくし美術館の作品やコレクターの作品は、ほとんどただで提供できるので、企画費用の低減化も図れる。コレクターの活用をすることで、予算の配分が容易になるのではないかと思う。収蔵作品の特徴付けをしてほしい。民芸、コレクターズコレクションの二つを提案したい。砂川コレクションや寺嶋コレクションも加え、うまく利用していけば、コレクターズコレクションとして絞っていけるのではないか。コレクターズコレクションの部屋を作り、収蔵庫を設けるならば、日本中からいい作品が集まってくるのではないかと思う。美術館設立構想として、これはずっと先のことになると思うが、美術普及活動家という人たちが、何人も集まれば、「音楽の街」と同じくらい美術においても発信できるのではないかと思う。また、パレット柏の有効活用がもっとすすめばいいと思う。パレット柏自体の企画展としても、推進してもらえればいいと思う。企画展の枠を少し増やし、質の高い、県・国レベルの企画展ができるようにしてほしいと思う。さらに、市民の意識向上を推進したい。地道な美術普及活動を様々な方たちがベクトルを合わせて推進していくことで、明確なビジョンがたってよいのではないかと思う。また、我孫子市と協力していってほしい。白樺文学館と砂川コレクションはぴったり合う内容であるので、連携した企画をやっていただくこともお願いしたい。松戸市の美術館構想、これはまもなく決定すると思うので、松戸市とも連携をとってほしいと思う。

(亀岡委員)コレクターの活用というのは、大いにあるのだろうと思ってる。アートラインでも1年ごとにコレクターズアイということで、現代アートのコレクターの協力を得て、また一般の方が集めているコレクションを展示するなどして、面白いとの評価をもらっている。お金をかけずに質の高いものを市民にみてもらうことができる。今後、音楽以外のところの予算がどのようになるのかは、第五次芸術文化振興計画の策定に向け、期待するところである。また、郷土資料展示室の活用を活性化してほしい。文化課主催の市民ギャラリーでの企画展も質の高いものを行っている思う。それを、次世代を担うこどもたちにみてもらうことはできないのかなと思う。同じく教育委員会に学校教育部門があるので、その連携をしていけたらいいと思っている。中学生が在校時に1回は生のオーケストラ演奏を聴く機会があるのと同じように、4年から6年の間に質の高いものを柏で見る機会があったらいいと思う。また、対話による鑑賞というものを提案したい。美術は黙っておとなしく見るものではなく自由に感想をお互いを否定せずに伝え合うものという考え方で、対話を通じて面白さを発見していく、そういう面でも実践してもらえたらと思う。

(鈴木委員)芸術の分野の広さをあらためて感じた。芸術とは感動しなければならない、時間の許す限り、藝術祭を取り組んでいく、若い方を取り込んでいく、心に残るようなものでなければならない。みんなが見にいきたいと思うような、芸術を後世に浸透していけるような気持ちで取り組んでいくことが必要だと感じた。どのようにしたら心に残っていくのかということに視点をおいて、連携して五次芸術文化振興計画を策定していくべきではないか。

(出浦委員)展示やイベント等市内で様々なイベントが行われているが、それに気が付かないことが多い。広告等を目にする機会が少ないと感じる。いつどこでやっているのか、とっかかりになる広告があってはじめて行くと思う。インターネット掲載されていても自分で明確に探しにいかない限り気が付かないことが多い。足を運ぶまでのとっかかりになるような広報が足りていないのかもしれない。

(飯森委員)広報をやっていかなければいけないということは、コンセンサスになっている。やり方を変えて、効果的なものにしていかなくてはならない。情報が届くようにしなくてはならない。

(堀委員)千葉市美術館では、駅まえからずっと美術館に向けて旗がたなびいており、目立つし分かりやすい。企画案内も充実しており、市立では日本一の市立美術館だと思っている。

(亀岡委員)フラッグはとてもお金がかかる。駅前に柏市がもっている看板スペースがあるが、そこに文化系の広報が常に貼ってあるということができればいいのだが。

(林委員)広報のしかたは難しいと思う。若手の芸術家を育てていこうということで、音楽家協会としても年数回のコンサートをしていこうと、文化会館と協力しながら準備を進めているところであるが、駅前での広報等が充実し、もっとたくさんの方に来ていただけるといいなと思っている。みんなで協力しあいながら広報活動をすすめていくといいのではないかと考える。若手をたくさん育てていきたいと思っているおり、今後音楽と美術が一体化して、何かできないかと思っている。

(飯森委員)いろいろな意見が出たが、現時点で文化課として答えることのできることがあればお願いしたい。

(文化課長)このような意見を言っていただけることが大切だと思っている。委員のみなさまの意見を受けて、広報担当課に交渉するなり今後もご意見を承りたいと思っている。但し、現実的には収蔵庫の設置も含め箱物を作ることは難しく、芸術文化振興計画も、第五次芸術文化振興計画に外れたものは作れない。たとえ第五次芸術文化振興計画に入れたとしても載せることだけで、役所のコンセンサスを得られなければ実効性のないものになってしまう。市全体の計画を踏まえつつ、第五次芸術文化振興計画には新しい視点、新しい文化芸術の味方になってくる若い世代へのアプローチを盛り込むことは一案であろうと思う。皆様の芸術分野が主体となって連携をとっていただき、市はそれをバックアップしていくことは今もこれからもやっていきたい。役所が出来ること、出来ないことを整理し、役割分担を明確にしていきながらすすめたい。市民に芸術文化が広がっていくことがまずあって、その先に美術館、博物館の構想となっていくのだと思う。第五次の計画ではまだ途中段階にあると認識している。

(亀岡委員)市の第五次総合計画の文化芸術の位置付けを無視することはできないと思う。芸術文化について、税金を使ってなぜ振興しようとする かというと、それが柏市全体のメリットになるということがあるからだと思う。芸術文化が盛んな街というのは選ばれる都市、街のイメージアップのためにとても大切な要素だと思う。そのことを皆さんで共通認識し、そこからどうしていくかを考えるのが大事なのだと思う。

(飯森委員)町おこしは文化庁からの補助金が付きやすい内容だと思う。柏にあるものを結び付けて重点的にやっていくことの説明がつけば継続的に行うこともできる。

(亀岡委員)やはり広報に力を入れるのがいいと思う。

(飯森委員)広報もそうだが、先ほどから出ている質の高いものを提供していくためには、市役所の外に質の高いものを客観的に判断できる人材が必要。どういう仕組みを作るかが大切になってくる。

(堀委員)手塚委員が運営する合唱団ではどのように人材を育てているのか。

(手塚委員)子どもたちを2歳から育てている。プレ合唱団から合唱団に移行する。子どもたちの生活に合わせ、練習時間を長くとっている。コンサートの客演さがしは、自分の長年のかんと経験で選ぶ。本物をみせてあげたいということが根底にあるので、その努力を常にしている。

(飯森委員)これまで数多くの提案がなされてきたと思うが、宙に浮いてしまっている。提案があれば今後は事務局と実現可能かどうかを具体的に考えていきたい。またその提案がどの程度の予算を必要としているのか、どういうやりかたをすればいいのか、もう一歩具体的な提案をいただければ、 内容によっては審議会として意見をまとめることも可能だと思う。

(堀委員)ぜひフォーマットを作っていただきたい。事務局でフォーマットを作成し、各委員の方々の意見を出せるようにしてはどうか、意見が蓄積していけるようなものにできればいいと思う。

(事務局)どのような項目を入れるか等検討し、作成したものを委員の皆様にお送りするようにしたい。

(堀委員)項目には、民がやるのか官がやるのか、協働でやるのか、どんな方法でやるのか等も入れてほしい。

(事務局)メールを使用する委員の方へはメールで、その他は郵便、ファックスで送らせていただく。

(飯森委員)第五次の計画へ向けての委員の意見が、データとして残っていくようにすれば、優先順位を決めていくこともできる。

(亀岡委員)予算が大事になると思う。どのくらいの予算が現実的なのかの見極めが大事になると思う。

(文化課長)予算については、もちろん努力はしていくが、大枠として増えることは難しいと思われ、現実的には減っていく方向性もあると考える。

そのような中で、芸術文化を広めるためにどうやっていけばよいのか。ハードの面では無理でもお金のかからない形でのより良い側面支援がどうあるべきか。今後、委員の皆様のご意見をうかがいながらすすめていきたい。

傍聴人

0人

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