平成30年度柏市史編さん委員会 会議録

第1回

1 開催日時

平成30年6月28日(火曜日)午後3時~午後5時

2 開催場所

 沼南庁舎5階 501会議室

3 出席者

(1)委員

中村委員長、川本副委員長、後藤委員、清藤委員、髙林委員、高橋委員、関委員(7名)

(2)市教育委員会・事務局

教育長、他6名

4 傍聴者

1名

5 議題等

  • 平成29年度事業報告及び平成30年度事業計画について(報告)
  • 柏市史編さん刊行計画の進捗確認及び今後の課題等について(議題)
  • そ の 他

6 議事要旨

平成29年度事業報告及び平成30年度事業計画について(報告)

事務局より配付資料1に基づいて説明を行った。

(1)平成29年度事業報告に係る質疑・意見

 意見なし。

(2)平成30年度事業計画に係る質疑・意見

(清藤委員)約52,000点ある写真の整理進捗状況。

(事務局)現状約10,000点。

(関委員)夏季期間中、旧吉田家住宅にて、江戸期の香りも残す女性に焦点に当てた写真展を実施予定。

(清藤委員)デジタル化後の写真保存方法。

(事務局)何らかの基準を設け、残すべきは残すという形を予定。

(中村委員長)広報誌の柏の偉人記事における女性候補。

(事務局)現候補では4人。現在取材・調査中だが全企画中の半数に近い形を目標。

柏市史編さん刊行計画の進捗確認及び今後の課題等について(議題)

 事務局より配付資料2に基づいて説明を行った。

(中村委員長)これまでの史料刊行成果を通じてほぼ9割方、編さん事業は終了したとみなせる。残り1割となる沼南通史について、今回事務局より新提案があった。

 ここには社会事情を踏まえた仕様の再検討、歴史単体事業での困難さなどが含まれている。

(清藤委員)これまで学術的使用に耐えられる史料集がつくられてきたが、その延長としての通史という視点が拾えていない。また、旧町域にこだわらなくてもよいという議論も既にあった。こうした前提の再確認が必要。

 また、市長部局との連携は重要だが、一方で教育委員会は独自性ある主張もすべき。高齢化や人口減といった社会的課題が文化教育分野に押し付けられてしまうことに懸念。委員会だけで考えていくのは難しいという点は理解した。

(事務局)本提案は、現状について認識共有するためのデータとして、まずとらえていただきたい。その上で過去3年連続で予算化されず、今後繰り返される状況も予想される。そのため従前仕様ではなく、エッセンスを凝縮し、市民により手に取ってもらいやすい、見てもらいやすい通史ならば実現可能性も高まるのではと考えてみた。

(中村委員長)仕様変更等もありえるだろうが、一方で継続性も重要。新提案は委員会の役割にかなり踏み込んだものに見えてしまう。

(髙林委員)以前にもソフト路線・ハード路線かの同様な議論があり、その上でハードカバー2分冊という結論に至った。内容や執筆者の選定が進んだ中、新たに考え直すこともまた難しい。

(事務局)これまでの積み上げを軽んじて今回の提案に至ったわけではないことを、まずはご理解いただきたい。

 これまでの積み上げが実現されない状況の継続を憂慮しているため、前に進むべく、姿かたち・視点を変えてみるという提案である。

(中村委員長)配付資料中で「沼南通史編さん上の課題」として、対象者や活用機会の限定性(事業効果)があげられているが、こういう風に捉えられているのかと思うと残念。例えば手賀沼という、旧町域に限定されない共通資産への関心は、市全体で高まっている。

 これからも委員会として必要な説明機会には臨むし、事務局でも課内事業の見直しとかできることもあるはず。そうしたやり方もまだありえる中、路線変更とはなかなかならない。最後の段階だから遅れないで欲しいと思う。

(事務局)事業効果に対する捉え方については、我々も委員会と全く同じ立場。しかし市全体として事業調整が図られる際、こうした視点で指摘され、説明を求められてきたことも事実。全体調整する側にこうした考えがある以上、(これを克服できそうな)異なる方法論の一つを示した。

(高橋委員)高齢化の進展は確かに社会的課題だが、「リタイア後に歴史を知りたいという関心層の増加」と前向きに捉えることもできる。
(事務局)もちろん従前どおりの形で貫くという結論もある。しかしこの3年間、私共の力不足が露呈されている状況なので、もう一つの方法を示させていただいた。

 どこまで受け止めていただけるかは皆様のお考えになろうかと思う。唐突感もあるだろうが、我々の正直な部分を今回見ていただいている。

(髙林委員)ソフトカバーだから予算化されるとは限らないのでは。

(事務局)おっしゃるとおり。市全体での議論はこれから。しかし予算化の可能性としては、今までよりは違うものになると考える。

(事務局)リタイア層や学生等より幅広い市民へ、いかにして歴史への関心を持っていただくかを追求すると、この形もあるのではというのが今回の提案である。

(関委員)確かに市民にとって手に取りやすいとは思う。市や教育委員会の行政負担のみではなく、別の事業費確保の手立てはないか。

(事務局)税収のみではない、外部資金調達の方策についても研究中。今後委員の皆様が提案を受け入れていくという状況があれば、それに応じて考えていこうと思っている。

(事務局)今回、手賀沼アグリを紹介しているが、これも一つの変化球。市全体の総合計画では、手賀沼を何とかしようという試みが上位にある。沼南通史をこれに包含させるという戦略も、今回の提案に含まれている。既に他事業がこれに連動して展開されている中、直球勝負だけでなく、こうした変化球もあるという紹介である。

 我々も想いとしては、何とかして通史をつくりたい。その上で引き続き直球勝負をという結論をいただくことになれば、それも答えとしてきちんと受け止め、これからも全力で予算確保に動いていく。

 ただしこれまでと同じ事をしていたら、同じ結果が繰り返される可能性も見えている。説得を重ねてきたが、市全体の財政を握る立場との交渉では、現場感とギャップのある話も実際出てくる。そこで変化球という新たな手法を示させていただいた。

(中村委員長)手賀沼アグリに反対するものでなく、もしそういうやり方で沼南通史を実現していくという事になれば、我々も知恵出しやアドバイスもできる。例えば手賀沼に関連する歴史・農業情報なら、旧沼南町では行政区をまたがって広域で収集してきた。

 今年度は沼南通史の編集委員会を2回ほど開催する予算が確保できたとの事。その場で今回の提案も含めて検討したい。ただし、編集委員会を開催したものの、それ以降の事業が進捗できないでは困る。過去に一度ご破算となり、今回再び立ち上げるという相当厳しい状況なので、慎重に議論もしていきたい。

(事務局)おっしゃるとおり今日だけで結論が出るとも思っていないので、改めて次の議論の場を設ける。

(清藤委員)事業の推進体制全体のあり方にも考慮いただきたい。

参考情報(事務局より新提案のサンプルとして提示した史料は以下3点)
  • 「市制施行三〇周年記念誌 四街道の歴史」 発行四街道市
  • 「図説 成田の歴史」 発行成田市
  • 「市制施行七〇周年記念 図説木更津のあゆみ」 発行木更津市

 その他

今後の会議開催・招集について、日程調整及び出席への協力を依頼した。

第2回

1 開催日時

平成30年10月29日(月曜日)午後3時~午後4時

2 開催場所

分室1第6会議室分室1-1(柏市本庁舎近隣施設)

3 出席者

(1)委員

中村委員長、川本副委員長、後藤委員、清藤委員、髙林委員、上山委員、関委員(7名)

(2)市教育委員会・事務局

生涯学習部長、他5名

4 傍聴者

なし

5 議題等

  • 「柏市史(原始古代中世 考古資料)」の刊行進捗について(報告)
  • (仮称)沼南通史について(協議)
  • その他(連絡)

6 議事要旨

「柏市史(原始古代中世 考古資料)」の刊行進捗について(報告)

事務局より進捗報告及び今後の予定について説明を行った。

(仮称)沼南通史について(協議)

事務局より配付資料1~3に基づいて説明を行った。

(髙林委員)(既刊で3部作構成の)柏市史は1部1、000ページくらいなので、今回案の800ページ版はそこまで見劣りしないと考える。

(中村委員長)(従前は)持ちやすさを考えてソフトカバーの2分冊構成を考えていたが、今回は800ページ位なのでハードカバー1冊という体裁に落ち着いた。

(上山委員)沼南通史の構成について全体の印象として感じたのが、原始・古代編の配分が柏市史と比べても多いという事。原始・古代は必ずしも地域に根ざしたものではなく比較的、全体的なことが多いイメージ。中世は地域に特化したテーマ・コンセプトが多いが、編集・項目の意図をうかがえたらと思う。

(髙林委員)経緯としては以前、全体的な事を考えながら資料3の「従前ページ数」欄のとおりになったと思う。

(清藤委員)原始・古代編については関係者で各章の検討、会議での検討をまだ行っていない段階。資料内のページ数や項目も周辺の市町村の市史を参考としたもの。

 当時のこの原案をみるとかなり一般的な文言でまとめているが、市町村史である以上、やはり地域の歴史を書いていく必要があると思う。当然これは全体的な再検証の中で修正されるものであると考える。

 また、そのベースとしての各遺跡の発掘については新発見も出てきており、柏市域における各時代の特徴や個性になっているので、そういったことを中心に整理していきたい。

(髙林委員)各時代の内容について、どれくらいの分量が適正かについて話し合い、もしまだ検討の余地もあるということであれば、また編集委員会の中で、ページ数の融通とかをこれからの課題として考えたい。

(中村委員長)機械的に1350ページから何ページにと計算上やっただけであって、項目立ては考え直さなければいけない。これは参考ということで、もう一回ページ数の配分や項目は各時代で考えていただく。

(上山委員)項目立ては各時代で検討するとして、全体の配分というのは委員長とか、大所高所から全体を見計らって、ページの割り振りをやった方がよいと思う。

(中村委員長)項目とかそれに沿ったページの割り振り。今まで2回の編集委員会では、まだそこまでいかなかった。次回の編集委員会でそこにいくと思う。

(髙林委員)次回は、もう少しきちんとした数字を出していきたい。

(中村委員長)事務局でもこの数字はあくまで参考として理解しておいていただきたい。古代史は(現在進行形の)考古資料刊行事業が忙しく、内部での話し合いがまだできない部分もあると思う。

 編さん委員会として沼南通史のおおまかな方向性というのを本日、決めていただかないといけないので、忌憚のない意見を引き続きいただきたい。

(その他意見なし)

(中村委員長)では特に異議がないようなので承認とさせていただく。

 その他

今後の会議開催・招集について、日程調整及び出席への協力を依頼した。

関連ファイル