平成30年度第1回柏市文化振興審議会会議録

1.開催日時

平成30年6月27日(水曜日)午後2時30分~4時30分

2.開催場所

沼南庁舎5階 501会議室

3.出席者

(委員)

飯森豊水委員(会長)、鈴木將勝委員(副会長)、乾靖子委員、小竹富士子委員、亀岡浩美委員、香島ひで子委員、手塚ナツ子委員、堀良慶委員、風澤俊一委員

(事務局)

河嶌貞教育長、小貫省三生涯学習部長、小宮山勉文化課長、横山左千江主査、野澤資子副主幹

4.内容

  1. 開会
  2. 教育長挨拶
  3. 会長挨拶
  4. 議事 
    1. 報告事項 
    2. 協議事項

      (1)文化芸術を取り巻く状況の変化について

      (2)他市の文化振興事業の参考事例について 

  5. その他   
  6. 閉会

 5.会議概要

1.平成30年度芸術文化事業について

 事務局よりすでに開催された芸術文化事業について、配布資料に基づき配布資料報告を行った。また、平成30年度にこれから開催する市民ギャラリーでの企画展について、「平山郁夫展」を行うことを報告した。

2.文化芸術推進基本計画(第1期)について

 平成30年3月に政府が定めた「文化芸術推進基本計画(第1期)についてパワーポイント資料に沿って事務局より説明を行った。

 説明後の意見交換は以下のとおり。

(飯森委員)国が新しい計画を策定したが、この計画に対し市はどれくらい意識を払う必要があるのか。

(事務局)市の計画については努力義務となっているが、柏市としてはすでに文化振興計画が第4次まで策定されており、内容も国や県の考えている趣旨と大きくずれていないと考えている。音楽を活かした街作りをすでに行っており、文化振興計画を国計画に先立って進めている。但し、国の新たな計画ではさらに福祉、産業等にも広げていくということがうたわれているので、その点を踏まえ、第5次の計画では何が不足しているのか、4次計画を振り返りながら差を埋めていく作業が必要であると考えている。

(堀委員)今回の策定計画における、国からの補助金等の把握はしているのか。

(事務局)計画を策定するための補助はあると聞いているが、その他の事業に関する補助金について把握はまだできていない。

(亀岡委員)柏市の文化振興事業が様々あるが、情報発信という部分が弱いと感じる。その点に関して、豊島区の事例がとても良いと考えており、新池袋西口モンパルナス西口まちかど回遊美術館というところがあり、そこでは、街中でやっている文化事業が情報発信されている。区のホームページでも区内の文化事業が一覧になってみられるようになっている。柏市でも、いい事業をより知ってもらえるような情報発信の方法に費用をかけていくことが大事なのではないか。

(飯森委員)柏市のホームページはどのようなものになっているのか。

(事務局)柏市の場合、作りこみはCMSという特別なホームページ作成システムで作成するようになっているため、ホームページの構造そのものを変えなくてはならない可能性もある。

(亀岡委員)今柏市が行っている文化事業が明確に分かるような情報提供のしかたが必要なのではないか。活動を広く知ってもらい、市でやっている事業が一目でわかるような発信のし方が望ましい。

(掘委員)国の施策では文化クラスター(文化集積地)、異文化融合、地域振興というキーワードがある。美術については、柏市ではパレット柏をキーステーションにして、外に発信していくようにする。音楽の場合は例えば地域の合唱団を大きなまとまりにした形で発信していくことが、地域活性化に繋がるのではないか。

(乾委員)市内の合唱についても多くの団体が集まって会を開催しており組織力のあるものであるが、意外と知られていない。がんばってる活動の情報発信が足りない気がする。また、音楽等芸術に関して、演奏する技術は上がってきていてもそれを鑑賞する態度等を身につける力をもっと子どもの教育的な観点で必要なのではないかと感じる。

(香島委員)柏市には、現実問題として専門の音楽コンサートホール、美術館がない。そういう施設があれば、情報もそこへ行けば得られるということが自然に浸透してくる。一番の原因はそういう設備がないことが問題なのではないか。

(乾委員)文化会館にはエレベーターがない、トイレも各階にない。みんなが集まって芸術を楽しむための施設としては、ダメージは大きい。

(鈴木委員)県民プラザで毎年行っている東葛飾文化祭だが、県としては重要な事業であると認識されていながらも、予算面、人件費の面から削減傾向にある。予算や人が足りないからできないではなく、県の職員がいなくても各市が協力して運営していこうという方向性が必要だと考えている。いかにして情報発信するか、少し変わった情報発信のし方も考えていく必要があるのではないか。違った発想を持って異文化とのコラボの実現等をしながら、画期的なものを作り出していくことが必要ではないか。

(亀岡委員)立派な文化施設が作れればいいとは思うが、現実的には難しい。豊島区のまちのどこでも美術館という発想は、全体的に雑多なものではあるけれども、今はこういうものが求められている部分もあるのではないかと思うので、参考にするのが良いと思う。柏市の目指すのはそちらの方向かと考える。

(堀委員)国の方針に沿ったものとしていくつか提案したい。千葉県では農産物日本一というものがたくさんあるので、そういうものを県に地域振興事業という観点で立ち上げてもらい、柏市ではパレット柏でその美術(絵画、彫刻、演劇)を広めていくような、コラボする事業を国が望んでいるように感じる。国の補助金も意識しながらコラボをした事業の発信が必要だと考える。

(手塚委員)以前合唱の活動している中で補助金をもらったことがある。今後国の補助金を受けるための条件として東京オリンピックに向けた貢献度が必要であるなど、補助金を受けるための条件はだいぶ厳しくなっていると感じる。東京オリンピックについては、柏市がなんらかの形で応援していく方向はあるのか。

(事務局)柏市としてのアピールについては今のところ具体的にはなっていない。

(飯森委員)今までの議論の中でいろいろな意見が出ているので一度まとめたい。1つ目は情報発信について。柏市でやっている文化事業を伝えるために、事業が全体として見られる情報提供のしかたが大事になってくる、という意見がでており、その点は重要である。2つ目は文化クラスター(文化集積地)について。これは計画の中で実際に行動に移れるようなまとめ方をしたらよいと考える。但しこれにはかなりの情熱をもったまとめ役が必要。審議会としてはそういった方向に向けてバックアップしていけるものは計画に位置付けていくのが大事だと考える。3つ目は、新しい芸術に関する創造について。審議会の中ではなかなか表に出てきていないが、あれば育てる土壌を作り、やりたいと思っている人がやりたことをやりやすい方向になるようバックアップしていく必要がある。施設設備のことについては、限られた予算の中でなかなか一度にはできないので、市民サイドで声をあげていくことが必要。4つ目は、音楽教育に関することだが、子どもの音楽の鑑賞する態度については、市でも毎年定期的に生の音楽を鑑賞する事業も行っており、だんだん学んできているので、そこに関しては市の事業に感謝したいと思う。最後に、東葛飾文化祭の件、豊島区の例等の意見があったが、事例をいろいろ調べていくと、様々な素晴らしいところ、困っているところを個別に議論しても良いのかもしれないと感じた。市の計画を考えるにあたり個別の議論も必要であるので、今後の計画の材料がでてきたのではないかと思う。

(亀岡委員)

市民ギャラリー等で行っている美術鑑賞についても、小学生中学生が観に来る機会は少ないように感じる。アートラインで行っている対話による鑑賞のような鑑賞のしかたもあるので、子どもを対象にした鑑賞を学校教育の中で取り入れていくのが大事ではないかと思う。

(事務局)すでに地域の学校等ではギャラリーに鑑賞にきてもらったりして本物の美術に触れ合う機会を設けている。

(亀岡委員)そのファーストステップを経て、さらにすすめてもらいたいと思う。

(香島委員)道の駅しょうなんが広げられるという予定をきいたが、その拡張に伴い、小中学校のこどもたちに手賀沼を描こうという企画を立てたらどうかと考えている。自然の中で絵に触れるよい機会になり、その絵を展示することで、美術を体感できる良い機会になる。それをいずれ手賀沼をテーマとして全国規模の事業に展開していけたらいいと考えている。

(乾委員)オーストラリアのキャムデンの子どもたちと毎年絵を交換している。それをお祭りの時に展示したり、交流しているが、どうしても狭い範囲で行っているので、そういう広いスペースがあれば県の内外問わず皆が見る機会が増えて良いと思う。 

(風澤委員)情報発信ツールについて急速に時代がスピード感を持って変化しており、発信していくこと自体が非常に難しくなっている。発信するためには何かしらに特化するかお金をかけるか、強力なタレントを呼ぶ等の方法しかなくなってくる。今は情報発信ということより、まず柏市で行っているたくさんあるコミュニティをまとめ、整理整頓し、分類化し見える状態にすることが大事だと思う。

(事務局)前回の審議会での議論でもあった、アートマネージャーという人材が入れば良いのだが、責任や予算の問題を考えるとなかなか厳しい部分もある。委員の方たちの意見を真摯に受け止め対応していきたいと思う。

(飯森委員)審議会としては若い才能の芽のような人を育てていく、審査委員会のようなものを設置して、若い人たちをバックアップしていく姿勢をとることは今後できるのではないかと考える。

(亀岡委員)今はアートコミュニケーション分野が発達しており、企業のマーケティング部門などにも進出していることを考えると、今後素人だけでやっていくのは限界があると感じる。

(鈴木委員)国の施策を読んでいると、柏市はそれに先駆けてやっていると思う。それらの事業や施策を肉付けしていき、色付けしていくよう考えていくことでボリュームアップするのではないかと思う。

(飯森委員)計画の中で説得力をもたせるように、今後議論していくようにしたい。

4.傍聴人

0人

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