平成30年度第4回柏市スポーツ推進審議会

1 開催日時

 平成31年2月20日(水曜日)

 午後7時~午後8時30分

2 開催場所

 柏市柏下65-1

 ウェルネス柏 会議室2

3 出席者

(委員) 11名

 林委員、長谷川委員、内藤委員、藤原委員、松本委員、野呂委員、吉川委員、髙橋委員、露木委員、

 阿部委員、志賀委員

(教育委員会) 6名

 河嶌教育長、小貫生涯学習部長、橋爪スポーツ課長、幕内副参事、鳥塚施設担当リーダー、大久保主事

4 次第

  1. 開会
  2. 会長あいさつ
  3. 答申
  4. 教育長あいさつ
  5. 意見聴取
    平成31年度社会教育関係団体に対する補助金の交付について
  6. 講話
    「子どもの体力・運動習慣の現状とその課題」
    順天堂大学 スポーツ健康科学部 学部長 内藤 久志
  7. 閉会

5 議事(要旨)

 会長あいさつの後、平成29年7月20日に河嶌教育長から諮問を受けた「柏市における将来的なスポーツ施設のあり方」につき、別添「答申書」のとおり教育長に答申した。教育長からあいさつの後、別添「平成31年度社会教育団体に対する補助金の交付について」につき、事務局から説明。後に委員から意見を聴取した。その際に出た意見は以下のとおり。

(志賀委員)

 生涯スポーツ団体振興補助金について、協会毎に一律の補助金額を設定しているようだが、料金は一律でいいのか?総額予算が決まっている中での等分のようだが、競技者数、会員数等は金額に対し考慮されているのか?

また、新たに生涯スポーツ団体が現れた場合には、新たに補助金が交付されるのか。それとも、総予算額が決まっている中での等分なので、一団体に対する交付額が減少するのか。

(事務局)

 補助金の対象団体や、補助金額(限度額)は要綱で定められている。要綱に基づき、補助金の申請内容が、補助要綱に合致しているのか等精査をし、補助金を交付していく。新たに生涯スポーツ団体に名乗りを上げた場合は、補助要綱に基づき、定期的にガイドラインの見直しを図りながら、適正に審査していきたい。

 平成31年度のスポーツ推進審議会では、この社会教育関係団体に対する補助金の交付に係る(交付団体・要綱に係る)ご意見を徴したい。

(議長 阿部委員)

 平成31年度社会教育団体に対する補助金の交付については了承した。

続いて、次第(6)「子どもの体力・運動習慣の現状とその課題」につき、内藤委員に講義をお願いしたい。一旦司会にお返しする。

(事務局)

 事務局より、内藤教授のプロフィールを紹介した。後に、内藤委員より、「子どもの体力・運動習慣の現状とその課題」につき講義を実施。講義概要は以下のとおり。

(内藤委員)

 近年、若い年代の体力低下が叫ばれており、国の調査(体力・運動能力調査)による、小学校6年生と中学校2年生の運動能力データ比較(握力、50メートル走、ボールスロー、反復横跳び、持久走)では、握力とソフトボール投げの記録は、一昔と比較し、成績が明らかに下がっていることが分かる結果となった。走力の面については、50メートル走では、一昔と比較し平均タイムが伸びているように見受けられるが、持久走部門では、平均タイムが落ちている。ボールスローについても、近年では成績の低下が見受けられる。また、調査対象学年の平均身長は、昔と比較し伸びている傾向にあるが、その他運動能力力量につき、一昔と変わらない能力範囲で推移している現状である。以前放送されたクローズアップ現代の放送内容ではあるが、小学校6年生が、25メートル全力走を6回走れない人が増えているとの内容が紹介された。また、走り幅飛びでは、足着地ではなく、膝着地をする者が散見される現象が起きており、運動の基本的動作を身に着けていない子供たちが増えてきていることが分かった。

 また、運動時間に関するサンプリング調査結果によると、調査対象者の中では、1日1時間も運動をしない者が大多数を占める結果となり、最悪のケースでは、1週間で1時間も運動していない者も多く見受けられた。女性だけで見た場合、1日10分も運動しない小学生が8割、中学生になると、運動時間に関わらず、運動するグループ、運動しないグループと二極化される結果となった。国としては、今後スポーツを実施する若者の割合を、どのように増やしていくかが課題である。

 1日5時間以上長時間運動するグループについては、スポーツ庁から、適正な休養期間の設定を目的として、通達・ガイドラインが発出された。この通達の内容によると、「平日、土日それぞれ1日を休養日として設定をする。」との内容が記載されている。ただし実際の背景には、運動部活動における先生の休みの問題があり、また、週2日の休養は、スポーツ障害予防の観点、運動疲労等を考慮したケア等の観点で、この日数の休養が妥当であることから設定された数値である。

 また、調査によると、週16時間以上運動をするグループから、急にスポーツ障害が発生する者が急増することが明らかとなった。このようなことから、1日に運動可能な時間の上限値は、年齢×1時間が妥当であるとの見解が散見されるようになる。例えば、小学6年生であれば、12時間を限度に、中学3年生であれば15時間が、スポーツ障害のリスクを避けつつ、1週間に運動可能な時間の限度であることとなる。これ以上の長時間の運動は、故障だけでなく、メンタル面での燃え尽き症候群を誘発する危険性があり、この考え方は、日本体育協会でも同様な考え方であり、1週間の運動時間の限度は、12~14時間ではないかとの意見である。このようなことから、トレーニングはやればやるほど効果があがるものではなく、一定量を超えた辺りから急激に逆効果を誘発する危険性があることが分かる。

 体力要素を考慮するうえで、握力、走力、跳躍力といった目に見える要素だけでなく、その背景に、スポーツをする「時間」・「仲間」・「機会」といった三大要素が揃っているか、また、子どもたちの生活習慣はどのような状況であるかを考慮する必要がある。スポーツを実施するには、上述の、「時間」「仲間」「機会」の3つの要素が揃う必要があり、この要素を、子どもたちは自分で作り出せず、スポーツをする機会を得られないことが、運動する子どもの人口減少につながると考えられている。大人は、この機会を創出できるようアシストする必要がある。生活習慣においては、早寝早起きをしており、朝食を摂取する習慣があるグループと、夜寝るのが遅く、朝起きることができず、朝食を摂取しないグループとでは、前者の方が体力テストの成績が優れていることが立証されている。後者の生活習慣のグループは、生活習慣の乱れから運動する気力を失っているケースもあるため、生活習慣の改善(早寝早起き朝食摂取)を行うことにより、運動する気力を取り戻すことが可能となる。学校現場では、このように生活習慣の改善をどのように創出するかに注力することが重要である。

 家庭内における、スポーツの普及に果たす役割も大きい。調査対象者に、家庭内で「運動スポーツに関する話をすることがある」「運動スポーツをテレビ等で見ることがある」「運動スポーツを一緒にすることはある」といった択一式のアンケートを取り、どのグループが一番体力テストの成績が優れているのかとの調査を行った。調査結果では、「家庭内で運動スポーツに関する話をすることがある」と回答したグループが、最も体力テストの成績が良いとの結果となり、「運動スポーツをテレビ等で見ることがある」と回答したグループが、次点で良い成績である結果となった。このように、運動習慣や家庭内でスポーツに触れる機会に関する調査結果から、家庭内での役割が、体力向上に果たす役割が非常に大きいことが分かる。

以上

(補足)その後、意見交換の後終了。

6 その他

 特になし。

7 配付資料

  1. 柏市における将来的なスポーツ施設のあり方について(答申書)
  2. 平成31年度社会教育関係団体に対する補助金の交付について

関連ファイル