平成30年度 柏市幼児教育振興審議会会議録

1 開催日時

平成30年10月12日(金曜日)午前10時から11時30分

2 開催場所

柏市大島田48番地1

柏市役所 沼南庁舎5階大会議室

3 出席者 

委員

古橋会長、江島副会長、二瓶委員、大塚委員、吉田委員、渡辺委員、岩﨑委員、高桑委員、鈴木委員、渡邉委員、宇佐見委員、伊藤委員、一瀬委員

関係者

河嶌教育長、内田学校教育部長、松澤こども部子育て支援課長、本田こども部保育運営課専門監

事務局

池田教育研究所長、宮内教育研究所副参事、遠藤教育研究所指導主事、松山教育研究所指導主事

4 議題

柏市立教育研究所における幼児教育関係の取組について

(1)幼保こ小の接続の在り方について

(2)今後の共同研究の在り方について

(3)幼児教育全般について

5 議事等(要旨)

午前10時、定刻になり開会

議事等に先立ち、教育長の挨拶、委員委嘱等を行った。

報告

柏市立教育研究所における幼児教育関係の取組

(1)柏市幼保こ小連絡協議会及び柏市幼保こ小連携研究推進委員会

(2)柏市幼児教育共同研究

協議

事務局による説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。

(1)幼保こ小の接続の在り方について

  • (吉田委員)幼稚園・こども園・保育園と合わせて大事なのが家庭教育である。園児の保護者が、子育てに充てる時間が減ってきているために、家庭教育が薄れている可能性があるのではないかと感じている。そういったところで、園でサポートできる体制の充実が本当に急務である。
  • (鈴木委員)保育園には様々な子どもがいるので、小学校に引き継ぐ時にきめ細かな連絡を取っていかないと、大きな集団に入って埋もれてしまうのではないかと多少の心配がある。子どもは集団の中で人との関わり方を多少身に付けて入学していくが、保護者の方が少子化や兄弟の少ない中で子育てをしているのでとても不安が強い。だから、保護者に対する支援が今大切になっていて、自信を持つよう励ます状況が強くなってきている。「保育所児童保育要録」には、書ききれない部分がどうしてもある。そこは、近隣の小学校との連絡会にて口頭で伝えるので、小学校に受け止めてもらえると、保育園は大変ありがたい。
  • (渡邉委員)たくさんの保育園・幼稚園から上がってきている子どもの引継ぎについて、ミスや漏れがないよう小学校も緊張しながら行っている。学校と幼稚園、保育園が近くにあることで、非常に連携ができている。交流活動も定期的にできていることで、子どもが小学校の先生のことを認知して入学できる。交流活動をきちんと行い、先生同士も知り合いになっていくということが大事である。
  • (渡辺委員)小1プロブレムではなく、小1保護者プロブレムのように感じる。子どもは担任との信頼関係が築けるので、あまり心配せずに園から小学校に送り出しているというのが現状である。小学校は新しい環境になるわけだから、これからは保護者のことを考えていった方がよい。
  • (岩﨑委員)数年前は保護者がいろいろな不安を持っていたが、小学校が総合的な学びということで時間を区切ったり、体を動かす活動をしたり、スムーズにつながるような形のスタートカリキュラムに取り組んでいるので、そういった不安は減ってきた。今よく聞くのは、給食が食べられるのか不安ということである。接続期カリキュラムでは、幼稚園・保育園が遊びを通じて勉強したいという子どもの思いや意欲につながるような活動に取り組むようになっている。それにより、だんだん滑らかに接続してきていると感じる。「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を見ながら、園ではすでに取り組んでいる。
  • (大塚委員)幼稚園に通わせていた時に、小学校で勉強についていけるかどうか不安だったので、幼稚園でももう少し勉強をしてもらえると嬉しい。働いていて忙しい家庭や子どもになかなか手がかけられない家庭もあるが、保護者も自分なりに考えて行動している。
  • (一瀬委員)入学する前に保護者が学校へ行くのは就学説明会と入学説明会の2回しかない。子ども達は小学校に交流へ行ってわかったことを話してくれるが、保護者は2回しか行かないで入学になるので不安なところがある。小学生がどういう感じで授業をしているか入学前に見てみたい保護者はいる。できれば小学校で来年小学校入学予定の保護者にも3学期の授業参観のお知らせをしてほしい。
  • (二瓶委員)柏市は、幼児教育から学校教育に丁寧につなぐということに対して、一生懸命取り組み、とても成果が上がっていると感じた。保護者は子育てを一生懸命やりたいと思っている。家庭での安心感、安全な生活が基本になり、それをどのように支援していくかが大事なことになる。園や小学校がフォローし、変化を見届けているから、子ども達も安心して発達していける。引継ぎでは、「子どものため」ということを考えると、なるべく多くの情報を子ども達のためになんらかの形で引継いでいただきたい。

(2)今後の共同研究の在り方について

  • (渡辺委員)子ども達の運動能力が向上しているということが、5・6歳の間に見られるので、共同研究はよい取組である。手立てについて専門の先生の話を聞いたり指導をもらったりすれば、教職員とも話し合いながら、毎日の遊びの中で取り入れて、子ども達が向上するようなことが少しでもできると思う。
  • (高桑委員)毎年調べていることで、結果が目に見えるので参考になっている。柏市で少しずつ伸びているのは、日頃からの経験を重ねていくことが大事だということであり、それを遊びの中に取り入れていくのがよい。家族で夜が遅かったり、朝ご飯を食べていなかったりする子どもが増えていて、午前中の活動に乗り切れない姿が見られる。家庭のいろいろな環境があるが、子ども達に大切なのは、昼間しっかり目が覚めて活動することなので、そこをどうやって家庭に投げかけていくかを考え、家庭と一緒にやっていかないといけない。
  • (吉田委員)これからの子どもに必要な力が近年の中で大きく変化している。世界経済フォーラムの出典で、2015年の必要とされている力のベスト3が「複雑な問題解決能力」「他者との協調性」「人材マネージメント力」であったのが、2020年には「複雑な問題解決能力」「批判的思考力」「創造力」となった。やはりAIにない力が求められる。身体は基本だから、しっかり身に付けた上で仕事に就けるのがベストである。運動能力テスト等の研究の中では、そういった課題を踏まえて進めていく必要がある。
  • (一瀬委員)結果的には体力等が伸びてきているので、このまま子ども達が伸びていくならボール投げと外遊びについて研究を続けていけば、元気で活発になる。
  • (江島委員)これほど長期間に渡り、同じテーマで研究してきたので、研究の蓄積があり、これをまとめていくということも非常に重要である。その時に、他の自治体の参考になるような視点、全国に資するような研究の成果としてまとめるとよい。今回の一連の研究の中で、子ども達の運動能力が上がったり伸びたりしたということは、一方で先生方の指導力も上がったり変わったりした部分があったと思う。教職員の育成というところも非常に重要な観点である。子どもに向けたプログラムを実施する上で、先生方の指導力向上のための施策や研修体制といった研究も必要になってくる。
  • (伊藤委員)小学校での体力テストを通じて、よく運動してきていると感じることが多い。ただ、鉄棒やマット運動等の器械体操に関してはあまり体験がなくて、回ることを怖がったりまっすぐ回れずに横に転がって起き上がることができなかったりする子ども達もいる。走ったり跳んだりということだけでなく、鉄棒でぶら下がったり、ぐるんと回ったりといった経験もしてくるとよい。縄跳びは園でたくさん経験しているので、昔に比べてできる子がとても多くなっていると感じる。
  • (二瓶委員)保護者へのフィードバックについて、子どもはどのように発達し、どのように伸びてきたかを丁寧に説明する資料があるとよい。支援の必要な子どもの場合には、家庭の中でフィードバックできるような資料になるとよい。

(3)幼児教育全般について

  • (鈴木委員)職員、幼稚園教諭、保育士は現場でいろんなことを学び、経験し、育っていってる。そのスキルアップに少し力を入れていかないといけない。保育指針や幼稚園教育要領、認定こども園教育要領が一斉に改正したということは、子どもはどこで育っても同じだと言える。将来の就学までつながっていくのだから、「主体的、対話的で深い学び」ということを現場がしっかり学んで実践していかなければならない。この主体的というところが今ものすごく欠けている。欠けているところを自分で考えて行動し、自分の行動に責任を持てるような大人になるということを見通しながら教育・保育をしていかなければならない。その中で、教育研究所が先頭に立ってくれるとありがたい。
  • (吉田委員)教える立場の人材確保が著しく困難になっている。その原因は、学生の減少と学生が一般社会に流れてしまうことである。それに加え、こども園や保育園での教職員の処遇改善がかなり進んでいるということがあり、幼稚園教員の確保が著しく難しくなっている。「教育の街 柏」ということで全般的な教育の質の向上が図れるようなそういったスタイルを応援していきたいので、ぜひともそこに携わる者に対して、人材確保のための処遇改善等の厚い対応を進めてほしい。
  • (渡辺委員)市内にはいろいろな施設ができ、様々な環境の保育所等も多く出てきているので、市で把握をし、指導してほしい。保育園は年1回の監査が国で決められている。これを2年か3年に1回にして、その分人手を他の小さな保育所等に向け、見てほしい。

6 傍聴

傍聴者 0人

 

7 次回開催日時(予定)

平成31年10月