柏市幼児教育振興審議会会議録 平成22年3月5日

1 開催日時

平成22年2月4日(木曜日)午後3時~5時

2 開催場所

  • 柏市篠籠田119番地
  • 柏市立教育研究所分室2階研修室

3 出席者

(委 員)

木村会長、渡辺副会長、水野委員、坂口委員、村川委員、宮尾委員、溜川委員、秋谷委員、鈴木委員、津金委員、阿部委員、玉川委員、堀委員

(事務局)

鍋島児童家庭部次長兼保育課長、柴田児童育成課長、野中学校教育部長、相楽市立かしわ幼稚園長、佐藤教育研究所長、石塚教育研究所指導主事、藤井教育研究所保育士

4 議題

(1)事業報告

柏市立教育研究所、柏市立かしわ幼稚園、私立幼稚園協会、柏市立保育園

(2)協議

柏市の幼児教育の現状と課題及び今後の幼児教育の在りかたについて

  • 1. 市内全幼稚園と連携した「幼児教育共同研究」
  • 2. 幼保小連携の推進

5 議事(要旨)

柏市立教育研究所・柏市立かしわ幼稚園・市内私立幼稚園・市内保育園について、各関係者からの事業報告とそれについての質義応答を行った。その後、上記1.2.についての質疑応答及び自由討議を行う。その際に出された主な意見は、次の通りである。

○乳幼児保健懇話会では身近な問題を取り上げるようにしている。今年度はアレルギーやけいれんについての研修会を行い、参加者からは大変参考になったとの声があった。

○アレルギーのある子については、保護者、主治医や園医(校医)、担任、給食関係者、園長(校長)が連携をとって対応している。また、成長していくにつれてアレルギーが解除されるものもあるので、医師の指示を受けながら長期的に対応していく。

○規制緩和により保育園でも給食を委託する場合もあるが、調理業務をするところも含め、さらに綿密な連携が必要になる。

○今年度の幼児教育研究協力員調査報告は20年前との比較であったが、親同士の付き合いかたの悩みとして「しつけの考えの違い」があった。具体的にはどのようなことか。

○主なものとしては「子どもの喧嘩の対応の仕方」「おもちゃの与えかたや遊ばせかた」などがある。他には、親同士の生活レベルの違いや食事会の付き合いなどもあった。

○基本的な生活習慣が根本的に崩れてきているという現状から、「早寝早起き朝ごはん」なども含め、食育の必要性が高まってきた。

○食育の大切が言われているが、学校では以前から学校給食法に則って指導している。さらに、県が出している「いきいきちばっ子」という冊子をもとに、担任や栄養士などが協力して食育を進めている。

○幼稚園には自園給食の園が少ないが、秋のやきいもなど行事的な活動の中で食育を大切にしている。また、「がんばろう!お弁当デー」など、保護者にも協力してもらいながら、嫌いなものに挑戦するような指導もしている。

○教育要領の改訂のポイントの一つに幼保小連携の強化があるが、柏市では互いの情報交換など幼保小連携が進んでいる。食育に関しても、学校の栄養教諭が園に出向き、園児や保護者を対象に話をするという実践例がある。

○食育では、栄養面や感謝の心だけでなく、社会性という観点から、食べ物を「分かち合う」ということの意味を子どもたちに話していくことも必要である。

○昔は食べ物が十分でないから非行に走るなどがあったが、今は基本的に満ち足りていても問題行動を起こす子がいる。様々な要因が影響しあっていると考えられる。

○来年度から教育研究所と市内全幼稚園が連携した共同研究が実施される。より良い研究をめざし、主任教諭を中心に進めていきたい。最初の研究テーマは運動能力に関するものだが、これから先、様々な共同研究が進んでいくとよいと思う。

○今年度から学習指導要領や幼稚園教育要領、保育所保育指針が改訂され、それぞれが改訂の趣旨を踏まえた取り組みを進めている。

○幼稚園教育要領の主な改訂点には、幼小連携の強化・時間外の預かり保育・協同的な学び、体験や言葉の重視などがある。ほとんどの幼稚園が預かり保育を実施しているが、長期休業中もおこなうことが保育園の待機児解消につながる。協同学習については、全国的に評価された実践をしている園があり、その研究発表を通して広めていく予定。幼小連携や体験の重視などは既に取り組んでいることであるが、さらに認識を深めて充実させていきたい。

○私立幼稚園協会では、外部講師による研修会だけでなく市内幼稚園長や主任教諭が初任者研修で話をするなど、より身近で実態にあった研修会もおこなっている。

○保育所保育指針の改訂により、小学校へ保育所児童保育要録の送付が義務付けられた。柏市の保育園児童保育要録の様式ができて要録作成に取り掛かっているが、書ききれないこともあるので、今までのように直接会って口頭での引き継ぎも大切にしたい。

○小1プロブレムの問題解決のためには保護者との連携も重要になる。まずは、保護者との信頼関係を築くことが大切。また、家庭訪問も大事にしたい。

○多様な考えの親が増えてきたというが、多様がいけないというのではなく、多様な考えをどう尊重できるか、どうやって同意を築くかが大事になってくる。

○保育課では支援センター事業も進めている。支援センターでは育児相談も実施しており、その中で食事や着替えなどしつけについての相談もしている。

○私立保育園の場合、国や県・市の補助金を使っての建設となる。支援センターや一時保育をすることが前提となっているので、どの園でも様々な支援事業を行っている。

○保育園の入園児が増えて4月当初からいっぱいになり、待機児童も多い。民間保育園が毎年新設されて、現在は10園。平成20年4月私立認可保育園協議会が発足した。職員の資質向上や園全体の質の向上をめざしていきたい。

○基準をみたしている「保育ルーム」や「駅前認証保育施設」には、補助金や助成金が支給される。認可外保育園についても、柏市が指導視察という形で指導している。

6 傍聴

  • (1)傍聴者 1人
  • (2)傍聴の状況 傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。

7 次回開催日時(予定)

平成22年7月22日(木曜日) 午後3時~4時30分