平成30年度第1回柏市いじめ問題対策連絡協議会 会議録

1 開催日時

平成30年5月28日(月曜日)午後2時30分から4時30分

2 開催場所

柏市沼南庁舎 5階大会議室(柏市大島田48番地1)

3 出席者

委員

河嶌議長(柏市教育長)、原田委員(柏市教育委員)、二瓶委員(柏児童相談所)、羽間委員(大学教授)、関根委員(千葉地方法務局柏支局)、諸富委員(千葉県警察少年課)、津金委員(人権擁護委員)、長瀬委員(医師)、表委員(弁護士)、武田委員(柏警察生活安全課)、髙井委員(臨床心理士)、飯田委員(小学校校長)、宮武委員(中学校校長)

事務局及び関係部署

内田学校教育部長、山口学校教育部理事、小貫生涯学習部長、高木こども部長、三富子ども福祉課長、依田学校教育課長、増子教職員課長、高橋教職員課副参事、三浦教職員課副参事、杉本指導課長、岩田指導課副参事、加藤児童生徒課長、藤崎児童生徒課副参事、菅原児童生徒課指導主事、杉本児童生徒課指導主事、小倉児童生徒課指導主事、池田教育研究所長、宮内教育研究所副参事、下妻教育研究所指導主事、北村教育研究所指導主事、長谷川少年補導センター所長、山田少年補導センター指導主事、安齋いじめeメール相談員

(欠席)二瓶委員(柏児童相談所)、羽間委員(大学教授)、宮武委員(中学校校長)

4 議題(報告・協議事項)

  • 委嘱状交付式
  1. 柏市のいじめの実態と未然防止の取組について

  2. スクールソーシャルワーカーとの連携について

1.報告 平成29年度柏市のいじめの状況調査報告及び今年度の未然防止の取組について

上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。

それぞれの報告に際して表明された主な意見は、次のとおり。

(河嶌議長)ご質問ご意見がございましたらお願いいたします。

(表委員)いじめの態様について、平成29年度の報告があったが、前年度からの推移を知りたい。
(事務局)昨年度と比べて大きな変化はない。しかし、気になる点は、「軽くぶつかる」「遊んでいるふりをして叩かれる、蹴られる」といった内容が多くなっている。これは学校が、些細なことも暴力もいじめと同じように認知していくという結果が表れたものであると考えている。些細な暴力が重大ないじめにつながってしまう恐れもあるので、いじめにアンテナを高くして対応していきたいと思う。特に、小学校が多くなっている。中学校については大きく変わりないが、ネットに関わるいじめについては、5、6年前から増加傾向にあったが、昨年度減少した。ストップイットアプリ、情報モラル教育等の成果が少しずつではあるが成果が出ている。

(長瀬委員)昨年度の1学期のデータと1年間を比べると、いじめの態様について「金品をたかられる」が31件ある。1学期が3件なのに対し、年間で見るとトータルで31件と10倍にもなっている。中学校においての態様について、「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷やいやなことをされる」の割合に目を向けてみると、1学期は0.4パーセントだが、年間は4パーセントと10倍になっている。急激に増えているのはなぜなのか。
中学校で夏休み明けに増加していることについては理解できるが、小学校で増えていることについては疑問点がある。ネットに関するいじめについても小学校の平成28年度は9件、29年度15件となっている。いじめ防止の授業を実施したのは29年度からとなっているかが。授業を行っているのにもかかわらず増加しているのはなぜなのか。
また、アンケートの感想について出されているが、いいことがたくさん書いてある。私も中学校に行って感想を書いてもらうことが多い。今回の資料について、いい内容だけがのせられているが、否定的な感想や無記入のものがあると思う。私はそちらのほうが大事だと思う。いいことしか見えてこないのだが、否定的な感想など、チェックしているのか。
(事務局)1学期から急激に増えている点については、夏休み以降、学級の雰囲気等に変化があると考えている。1学期は、子どもたちも周りの様子を見ながら行動している。2学期以降、慣れてきた時期にいじめが増える傾向がある。2学期に増加しているという視点は貴重なデータだと思いますので、学校にもその傾向を伝えていじめに対するアンテナを高くしていきたい。
金品のいじめについては、全て内容をチェックしている。小学生はカードのトラブルが多い。レアなカードのやりとりのトラブルについて多数報告を受けている。昨年度の報告では、多額のお金のやりとりはなかったが、金品が関わるいじめについては、保護者に伝えるなどして、丁寧に対応していきたい。
感想については、否定的なものはあまり多くないが、いい感想などに目を向けてしまいがちなので、否定的な意見や改善を求める意見等についてもしっかり目を向けていきたいと思う。「パソコンや携帯電話等で誹謗中傷やいやなことをされる」の増加について、長期休みに所有が増加していることも要因であると考えている。夏休み前の指導や保護者への啓発を工夫していきたい。

(河嶌議長)夏休みについての話題があったが、小学校ではどうか。
(飯田委員)夏休みについては、子どもたちが学校から離れてしまうので、家庭の力が大切になってくる。学校の指導には限界がある。保護者の教育力に大きく左右されることが多い。子どもたち同士のいじめは解消できても、保護者が関係するいじめの解消は難しくなってしまう。保護者対応は学校として難しい部分がある。

(河嶌議長)今朝のインターネットの記事でも中学校のいじめで高額なお金を要求する内容のものがあった。金品関係も含めて、警察ではどうか。
(武田委員)中学生のケースについて、店に侵入してカードを盗むといった内容があった。また、友達同士のトラブル相談あり、当該の保護者にも指導をしている。侵入してまで盗ろうとするとなると、家庭でしっかりみてもらわないといけない。また、学校でも家庭と協力して指導してほしい。また、状況によっては、関係機関と連携して対応していかなければならない。そういった意味で情報共有が大切だと感じている。
(諸富委員)小学生の金品に絡む相談件数は多くなっている。家のお金を持ち出したり、カードのやりとりでトラブルになったりというケースが多い。友達がほしいと言っているカードをあげることで、友達の気を引き、関係を作ろうとすることもある。そのようなことがきっかけで金品のトラブルやカードをめぐってのトラブルも多くなっている。また、継続して関わっているケースもある。金品で友だちの気を引くのではなく、健全な友だち関係作りを教えていく必要があると感じている。
(津金委員)道徳の教科化が注目されているが、「いじめ防止」やこれまでの道徳に対する不信感が主な理由であると言われている。提案にあったいじめの授業を保護者がどれだけ参観しているのか。また、道徳の授業を授業参観等、保護者や地域に対して公開しているのか。 
(事務局)保護者や地域に公開することはとても大事な視点である。昨年度、各学校において土曜参観等で保護者や地域に授業を公開する等の取り組みを行っている。また、12月には全中学校の代表者を集め、「いじめ防止サミット」を実施した。その内容について、各学校が授業参観等で活用した。

2.報告 スクールソーシャルワーカーとの連携について

上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。

それぞれの報告に際して表明された主な意見は、次のとおり。

(河嶌議長)ご質問やご意見はありますでしょうか。

(表委員)スクールソーシャルワーカー活用事業について、専門的な知識を要すると思うが、資格等は必要なのか。
(事務局)社会福祉士や精神保健福祉士など資格を有するか、教員経験者や保育園長など教育に携わった者もスクールソーシャルワーカーになっている。

(表委員)文科省によると、全校に配置するには10、000人が必要となっているが、ワーカーの育成はしているのか。(事務局)現状では、数が少なく、各自治体の取り合いになってしまうといった状況である。全国的に育成は追いついていない状況である。
(表委員)今後、スクールソーシャルワーカーの役割は必要になってくると思う。柏市が、全国に先駆けて、効果的に活用してほしい。

(津金委員)今回の内容が、この会議の内容と相関があるのか。はっきりしないのではないか。児童福祉の視点からいえば、地域では民生児童委員が存在しているが、実際にどのように関わっていくのか。
(事務局)いじめの相関については、現在検証しているところである。何らかの相関関係があるように感じている。昨年度の後半に1名、学校配置したところ、関わったケース数が増加した。おそらく、そのような人材が配置されれば、様々なニーズに対する相談体制が構築されていくと思う。また、民生委員や地域の力も必要であり、今年度から民生委員との連携も始めたところである。現在、生徒指導主任連絡協議会等で今後は、どのような連携ができるのか検討している
(髙井委員)スクールソーシャルワーカーの存在について、文科省から導入された時、 スクールカウンセラーの立場として、子どもに対しての見立てや支援しているが、すみ分けがどうなっているのか多くのカウンセラーが危惧していた。その中で、スクールカウンセラーは心理的側面、スクールソーシャルワーカーは福祉的側面を専門的な立場として支援することができる。そういう意味で心強い存在である。また、他地域のケースで、家庭面や環境面の厳しさがあり、親は精神的に苦痛を強いられているケースについて、会議を行ってきた。ケース内容を把握した上で、役割分担をしながら関わっていけるとよいと思う。
(河嶌議長)スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの違いについては、教員も理解していないのが現状である。
(長瀬委員)スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの立場だけでなく、医療的側面の立場もある。大事なことは協働していくことであると感じている。協議の中で、柏市の教育課題が3点挙げられたが、いじめの件数は相当なものがある。若手教員への支援も必要である。そのような中で、スクールソーシャルワーカーの人数は足りるのか、また、学校の中にスムーズに入っていけるのか。また、不登校が増加しているが、今後どのように対応していくのか。

(事務局)人材は足りていないのが現状だが、予算の問題もあるのですぐに増やすのは難しい。ただ、昨年度、スクールソーシャルワーカーが入った学校については、相談件数は大幅に増えている。スクールソーシャルワーカーと教員が互いに顔が見える関係になったことが要因であると考えている。また、不登校については、学習の保障が重要である。児童生徒課では、学習相談室や訪問相談、タブレットを使った学習などの支援体制をつくっている。不登校の子どもにとって、関係機関と「つながる」ことがとても大事なことである。
(長瀬委員)各中学校区にスクールソーシャルワーカーが1名いればいいと思う。現状はワーカーの人数が少ないと思うが、「少ないから仕方ない」ということがないようにしてほしい。また、子どもたち個々の考え方を尊重し、社会に適応させていくことが大事である。スクールソーシャルワーカーを配置し、子どもたち一人ひとりに合わせた対応をしていこうとする取組については賛同する。

(河嶌議長)全体を通して、ご質問やご意見はありますでしょうか。

(関根委員)法務局では、人権調査や相談を行っている。子どもの人権相談については、フリーダイヤルが設置されている。今週、各学校に人権作文の依頼をしたところである。また、小中学生に対して、SOSミニレターを配布している。今年度はいつもより早く、6月~7月に学校配布する予定である。子どもからの相談内容について、家庭環境が複雑なケースもあるので、スクールソーシャルワーカーが各学校に1名いるのが望ましいと思う。
(原田委員)カードをめぐる問題については、自分の子どもにも同じようなことがあった。スクールソーシャルワーカーの存在を含めて、相談しやすい環境や人が多くあるのは、保護者にとってもありがたい。道徳の教科化について、多様性を認めるという点で先生方に頑張ってほしい。

(河嶌議長)ご意見ありがとうございました。それでは、以上を持ちまして平成30年度第1回柏市いじめ問題対策連絡協議会を閉会します。事務局へお返しします。

(事務局)皆様、ご意見ありがとうございました。
それでは、以上を持ちまして平成30年度第1回柏市いじめ問題対策連絡協議会を閉会します。 

4 予定

次回開催日時

第2回 平成30年10月2日(火曜日)午後2時30分から

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