平成29年度第1回柏市いじめ問題対策連絡協議会 会議録
1 開催日時
平成29年5月1日(月曜日)午後2時30分~午後4時30分
2 開催場所
柏市沼南庁舎5階大会議室(柏市大島田48番地1)
3 出席者
委員
河嶌議長(柏市教育長)、原田委員(柏市教育委員)、奥野委員(柏児童相談所)、岡部委員(千葉地方法務局柏支局)、諸富委員(千葉県警察少年課)、津金委員(人権擁護委員)、長瀬委員(医師)、表委員(弁護士)、牧内委員(柏警察生活安全課)、矢作委員(小学校校長)、小林委員(中学校校長)
事務局及び関係部署
内田学校教育部長、山口学校教育部理事、篠原生涯学習部長、田所こども部長、高木こども福祉課次長、依田学校教育課長、菅原教職員課長、麻生教職員課副参事、高橋教職員課副参事、杉本指導課長、須藤指導課副参事、宮武指導課生徒指導室長、藤崎指導課生徒指導室統括リーダー、菅原指導課生徒指導室指導主事、杉本指導課生徒指導室指導主事、池田教育研究所長、近藤教育研究所副参事、下妻教育研究所指導主事、山口教育研究所指導主事、長谷川少年補導センター所長、山田少年補導センター指導主事、安齋いじめeメール相談員
(欠席)羽間委員(大学教授)、高井委員(臨床心理士)
4 議題(報告・協議事項)
- 委嘱状交付式
- 平成28年度いじめの状況調査について
- 平成29年度いじめ対策について
- ネットいじめを許容しない集団の雰囲気を醸成するための授業の実施について
委員及び事務局が作成した資料を説明した後、委員による協議を行った。
1.報告 平成28年度柏市のいじめの状況について
上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。
それぞれの報告に際して表明された主な意見は、次のとおり。
(河嶌議長)
ご質問ご意見がございましたらお願いいたします。
(表委員)
資料の6ページで小学校について、8ページで中学校について、いじめの態様のグラフがあるが、1人の生徒が「冷やかしを受けた」「金品もたかられた」というような場合はあるのか。また、2つの態様があった場合はそれもカウントされるのか。
(事務局)
そのようになります。
(表委員)
1人の子どもが複数の態様を受けた場合について、立体的に把握はしているのか。
(事務局)
全てのいじめの案件について、聞き取りを行っている。また、全ての案件のカルテがあり、態様については把握している。
(表委員)
せっかく表を作っていただいているので、重複して被害を受けている児童への報告があるとよいのではないか。一人のお子さんがこれだけ被害をうけているのだな、とわかるものも示していただけるとよい。
(事務局)
把握はしているが、今後どのように示せるか検討していきたい。
(河嶌議長)
他にご質問やご意見はありますでしょうか。
(長瀬委員)
いじめの認知件数が増えたのは、チェックする先生方への周知があると思う。学校による違いはあるのか。
(事務局)
全学校の認知件数を周知している。学校の格差についても把握している。一昨年までは、認知が0というものがあったが、昨年度はすべての学校が0ではなくなった。
(長瀬委員)
いじめ認知件数の小2・中1が多い理由は?同じ学年の中でのいじめなのか他の学年のいじめもあるのか教えていただきたい。
(事務局)
小2の原因についてこれから慎重に分析する。これかまで、低学年に関しては、いじめについてのとらえ方をあまりしていなかった。しかし、今は法律上、いじめといわれるものを全て報告している。保護者の主張を取り入れている。また、交通事故件数も多い。発達の段階の影響関係もあるかもしれない。今後しっかりと分析していきたい。中1の原因については、いわゆる中1ギャップが原因であると考えられる。進学した子どもたちが環境のちがいでストレスになっている。小中連携を密にすることで解消を図っていきたい。
(長瀬委員)
小学校で15パーセント、中学校で19パーセントある「重い」いじめは犯罪ではないのか?盗難は犯罪である。いじめのとらえ方が間違っているのではないか。
(事務局)
金品等のいじめについては、鉛筆や消しゴム程度のものがほとんどで、金銭ではない。
(長瀬委員)
いじめを受けていても相談できない児童生徒について知りたい。何年生が多いのか。
(事務局)
平成27年度の問題行動調査をもとに調査をしているが、何年生かというものは出していない。平成28年度問題行動調査では何年生が多いのかも分析していく。いじめの態様の項目は文科省のものを使っている。
(河嶌議長)
中学校ではどのように捉えているか。
(小林委員)
中1の件数が多いのは、中1ギャップが影響していると思う。やはり小学校と中学校との環境のちがいがある。
(河嶌議長)
小学校ではどのように捉えているか。
(矢作委員)
2年生が多いのは、この時期から自我が芽生えてくるからではないか。男の子が多いのは、まわりではけんかとされていることが本人にとっては、いじめられているということが多いのではないか。ギャングエイジの片鱗の時期でもある。
2.報告 平成29年度いじめ対策について
上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。
それぞれの報告に際して表明された主な意見は、次のとおり。
(河嶌議長)
ご質問やご意見はありますでしょうか。
(表委員)
スクールソーシャルワーカーの実績について教えてほしい。受理件数について、小学校が44件、継続704件となっている。これは、継続件数が累積でどんどん増え、解消が難しいということだろうか。
(事務局)
おっしゃる通りである。1件について、継続件数が多くなってしまう。完全な解決になるのが難しい事案が多い。
(表委員)
小学校の件数がそのまま中学校にあがってくる。中学校に引き継ぐことが多いということか。
(事務局)
おっしゃる通りである。中学校に引き継ぐということで、小中の連携が大切であると考えている。
(表委員)
高校との連携についてはどうなのか。県や私立もあるはず。
(事務局)
スクールソーシャルワーカーが係るような事例については、中学を卒業したあとも引き継げるようにしていく。
(表委員)
非常に深刻なケースに係っていただいていると思う。今後も見守りながら、ご尽力いただきたい。
(河嶌議長)
スクールソーシャルワーカーが入ってうまくいくケースはあるのか。
(事務局)
保護者の精神疾患に対して、保健予防課の方が月1回の精神科医の受信をすすめたり、生活支援課の方からのアプローチから受診につなげたりしているのが、うまくまわった事例である。
3.報告 ネットいじめを許容しない集団の雰囲気を醸成するための授業の実施について
上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。
それぞれの報告に際して表明された主な意見は、次のとおり。
(河嶌議長)
何かご意見等ございましたら、よろしくお願いします。
(原田委員)
傍観者教育の授業について、工夫されていてよいと思う。正しいことはわかるが、実際自分が同じ立場でできるかどうか、という立場に立ち、どうしても相談できないという子が活用できるのはよい。しかし、子どもたちに何か問題があったときに、先生にしっかりと相談できる信頼関係づくりも必要である。先生との信頼関係をきちんと作っていただくことが大切だと思う。
(津金委員)
授業については、法務局でも同じようなDVDがあり、小学生バージョンもある。ドラマの展開でそれぞれの考えが述べられている。小4対象である。人権擁護委員が実際に学校に行き、授業を行っている。昨年度の最後にお話ししたが、いじめられている子を救えずに傷つく児童生徒がいるのでは、という部分がぬぐえない。担任がしっかり支えていくことが大切だと思う。アプリについては、匿名性によってほかの混乱が出てくるのではないか。リスクについても考えてほしい。どこのだれだったのかわからず、対応できない場合、問題になるのではないか。また市教委から学校への対応のつながりが心配である。
(牧内委員)
ネットいじめは子どもたちだけではなく大人も多い。以前、四街道にいたが、ネットのいじめから中学生の行方不明事案があった。SNSのルール作りも大切ではないか。四街道の中学校でも「自分たちでSNSのルールを決める」という取り組みを行っていた。子どもたち自身でルールを作ることによって、抑止力につながるのではないか。また、児童会や生徒会で取り組むとよいのではないか。
(奥野委員)
授業が基本であるということ。そのうえでアプリを導入し活用するということは、素晴らしいマッチアップだと思う。授業にしてもアプリケーションにしても、生徒本人が主体であるということが大切である。また、保護者にどのように伝えていくのかが気になった。基本的に、通報なくしては対応できない。通報・相談の数が多くなったときにしっかりと対処ができるのか。やってみないとわからないが、手が付けられないという場合はどうするのか。ダウンロード数との兼ね合いがあると思う。対処方法の整理が必要。明確にさせていかないと混乱することが懸念される。
(岡部委員)
新しい取り組みであると思う。ただし、いじめの主体というのは加害者と被害者である。それを十分に児童生徒が認識をしたうえで、傍観者の視点を受け止めて、おさえていくことが必要である。傍観者ばかりを視点にしてしまうと、いじめの主体者がわかりづらくならないのか懸念される。また、ネットでの対応が大事というのはわかるし、アプリをダウンロードし有効に活用していくというのはよい対応だと思う。しかし、中学生の生徒に浸透していない段階で、急ぎすぎて対応してしまうと難しいところもあるのではないか。ネットの問題については早めの対応が大切だということは、わかるが、根底にあるいじめに対する認識を児童生徒にしっかりと持たせてほしい。そして、アプリのダウンロードというところばかりに意識がいかないように注意してほしい。
(諸富委員)
授業の様子は見させていただいて、とてもわかりやすい。子どもたちに考えさせるという授業は大変よいと思う。ネットトラブルをネットで対応するというのは、手軽でよい部分もあるが、全て対応できるのか心配である。児童生徒が「死にたい」というような深刻なケースについては、匿名ではなくきちんと名前を言って、大人に話すことが大切であると子どもに伝えてほしい。そして、その代わりにしっかり対応するということも伝えていくことが大切ではないか。
(事務局)
貴重なご意見ありがとうございます。情報モラルやいじめに関することでいうと、小学校6年生でも扱うものもある。被害者と加害者の視点を当てて系統的に指導したり計画を立てたりしている。また、ダウンロードしておかないと結局は使わないということになってしまう。生徒がダウンロードするということは、その意義を十分理解させるという授業と学校の教職員や保護者にもどう啓発していくかということも課題だと思っている。様々な対応を検討していきたい。
(河嶌議長)
全体を通して、ご質問やご意見はありますでしょうか。
(長瀬委員)
昨年度の最後にも言わせていただいたが、生徒には多様性があり、それぞれの経験や価値観が違う。同じ価値観の人はいない。それを認め合うことが大切である。今やろうとしている取り組みは、危険性を少し秘めている。傍観者という言い方は、非難されているイメージがある。ただそこにいるだけなのに、絶対にかかわらなければならないのは、ある意味で暴力ではないか。「ぼくはかかわりたくない、嫌だ」という意見も認めてあげることも必要だと思う。このようなことがある中で、「これなら匿名性があって、誰かに相談できるよ」等、いくつかの多様な選択肢があって、その一つがSTOPitだったというのはありだと思う。根底を勘違いしてしまうと、被害を受けていない子まで受けてしまう可能性がある。そういったところは、注意深く考えていかないといけない。きちんとしたセーフティーネットを作って、そういった子も救える環境づくりが必要である。また、症状が出てくるようであれば、医療につなげられるような環境を整えていくことも大切である。
(表委員)
傍観者について、このアプリだけやればいいような印象がある。技術だけをアピールするのではなく、もしいじめがあった時には、本来は先生に言うのが自然である。いろいろな選択肢があるのはいいが、最後の手段として活用できるようにしてほしい。本末転倒にならないようにお願いしたい。
(河嶌議長)
ご意見ありがとうございました。それでは、以上を持ちまして平成29年度第1回柏市いじめ問題対策連絡協議会を閉会します。事務局へお返しします。
(事務局)
皆様、ご意見ありがとうございました。
それでは、以上を持ちまして平成29年度第1回柏市いじめ問題対策連絡協議会を閉会します。
4 予定
次回開催日時
第2回 平成29年9月25日(月曜日)午後2時30分~
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