平成28年度第1回柏市いじめ問題対策連絡協議会 会議録

1 開催日時

平成28年5月24日(火曜日)午後2時30分から

2 開催場所

柏市沼南庁舎5階大会議室(柏市大島田48番地1)

3 出席者

委員

河嶌議長、原田委員、岡部委員、奥野委員、諸富委員、津金委員、長瀬委員、表委員、田村委員、宇佐見委員、伊藤委員

(欠席)羽間委員、高井委員

 

事務局及び関係部署

山本学校教育部長、山口学校教育部理事、篠原生涯学習部長、田所こども部長、小倉こども福祉課長、星こども福祉課副参事、飯田学校教育課長、菅原教職員課長、杉浦教職員課副参事、麻生教職員課副参事、梅津指導課長、宮武指導課生徒指導室長、福島指導課生徒指導室統括リーダー、関口指導課生徒指導室指導主事、石井指導課生徒指導室指導主事、内田教育研究所長、近藤教育研究所副参事、宮内教育研究所統括リーダー、長谷川少年補導センター所長、麻生少年補導センター指導主事、安齋いじめeメール相談員

 

4 議題(報告・協議事項)

  1. 平成27年度のいじめの状況について
  2. 「柏市ネット型非行抑止サービス」について
  3. 平成28年度柏市のいじめ対策について

5 議事(要旨)

(1)報告1. 平成27年度のいじめの状況について 

(2)報告2. 「柏市ネット型非行抑止サービス」について

(3)報告3. 平成28年度柏市のいじめ対策について

事務局が作成した資料を説明した後、委員による協議を行った。 

(1)報告1. 平成27年度のいじめの状況について 

上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。

その際に表明された主な意見は、次のとおり。

(河嶌議長)

ご質問やご意見はありますでしょうか。

(表委員)

6ページにございますが、生徒指導推進の柱は、子どもに向けたものなのか、教師に向けたものなのか。

(事務局)

両方でございます。子どもたちに向けての生活目標であると同時に、若手教員には、これらの点について率先垂範して体現して欲しいと考えている。

(表委員)

社会人としての基本を身につけていないことに驚きました。若い人はそのようなことができないのか。

(長瀬委員)

いじめの態様で、比較的重たい事例が、年々増加している。比較的重たい事例の内容を見ればこれは「犯罪」である。いじめの認知件数は、定義の変化によって増加することもあると思うが、比較的重たい事例が増えているということは、協議会を継続してきても良くなっていないと言える。この点についてお答えいただきたい。

また、若手の教員は経験が少ないというのはわかるが、年齢だけの問題ではない。若手の教育だけで解決策とするのではなく、教員全体で問題意識を共有していくことが大事なのではないか。

生徒指導推進の柱は、すべて「規律・管理」的内容になっているが、これでは子どもは善悪を判断する力がつくのだろうか。問題解決のためには、自分で考えることが必要である。例えば「時間の遵守」について、「なぜ必要なのか、それによって何が生まれるのか、守らないとどのようなことが起こるのか」を子どもたちに考えさせることが重要であって、それを上から押しつける時代ではないと思う。上から押し付ける古い体制でなく、考えさせることで社会も良い方向へと変わっていくのではないか。

(事務局)

指摘いただいた、重症化している事案の増加については、現実を真摯に受け止め、未然防止や解決に努めていきたい。また、明らかな犯罪行為については、警察等と連携して対応していく。今後、増加しないよう学校と協力して取り組んでいきたい。

生徒指導推進の柱については、決して若手教員がこれをできていないということではなく、「魅力ある学校づくり」をすすめていく中で、これらがとくに学力向上のための下地になる「生徒指導」の基礎となる部分について、体感し会得してもらいたいことが主たる設定理由である。若手教員にとって、これからの成長に必要なことであると考えている。

また、この生徒指導推進の柱の内容についても、決して教条的にすすめるのではなく、子どもたちが自発的に取組めるようになることが理想であると考えている。生徒指導室としては、柏市の公立小中学校の安全安心を下支えできるような方針を打ち出していきたいと考えており、それをもとに各学校で創意工夫してもらい、さらに生徒指導室が各学校に協力して参りたいと考えている。

(河嶌議長)

今の長瀬委員や表委員からのご発言を踏まえて、学校現場の校長から意見をお願いします。

(宇佐見委員)

若手の先生が増えている中で、生徒指導が十分ではない若手の先生が増えていることは感じている。なれあい、友達感覚で子どもとの距離を近づける先生がいることも実態としてある。先生と子どもの間に一線を引いていくことで、生徒指導上、必要な指導が入ると考えている。

(伊藤委員)

私も、生徒指導の柱については疑問に思ったところがあった。いじめへの対応等、(学校の生徒指導体制を構築するにあたって、)職員の中で何が大事で、何を作っていかなければならないのか、意見を述べたい。基本的には報告・連絡・情報の共有であるが、さらに危機意識の共有、即座に対処する、徹底した指導の継続、を大切にしていく必要がある。そのために、若手の教員には「気づきの眼」が不可欠であり、環境の変化や、子どもたちの変容等に気付く必要がある。そのような視点での人材育成が大切であると感じている。

(河嶌議長)

4人の委員に話してもらったが、事務局としても再度確認をして、現場への指導にあたって欲しいと考えます。

(諸富委員)

学校の指導だけでは保護者の気持ちが収まらなく、警察が介入したケースはあったか。

(事務局)

1件あった。学校で再度話を聞いてもらうよう、差し戻された。

(諸富委員)

他市で、収まらなかったケースもあったと聞いた。保護者は事件化を希望しなかったが、警察から指導を行ったケースもある。少年センターでも警察署と協力して対応できる。

(岡部委員)

法務局でも調査をすることもあるが、どの程度を持って「いじめの解決」とみなすのか。

(事務局)

被害者側が加害者側の謝罪を受け入れ、その後いじめがなくなったものが基本的な認識だが、いじめは無くなったが引き続き見守りをしているといった「一定の解消」についても「解消」に含まれているケースもある。

(2)報告2.「柏市ネット型非行抑止サービス」について

上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。

その際に表明された主な意見は、次のとおり。

(河嶌議長)

ご質問やご意見はありますでしょうか。

(表委員)

Filliは新聞でも拝見しました。お子さんの同意が得られない場合はあるのでしょうか。

(事務局)

アンケート結果を集計中であるが、お子さんの同意を得ることができなくて使用できなかったケースがあった。

(表委員)

「子どものプライバシーの保護」が、「LINE」等でのいじめを助長してしまう結果を招いてしまうのなら、本末転倒になってしまう。保護者は、購入時にFilliが組み込まれていたり、また新規に登録するなどの工夫や対策、子どもへの指導をするべき。「LINEいじめは怖いものだ」という認識を与えることも大切。

(原田委員)

保護者として、こどもが大きくなったが、子どもと自分ではLINEの使い方に大きな差異がある。保護者も子どものプライバシーのことがあり、なかなか簡単に踏み切れない。もうすでに携帯を使っている子どもに、Filliのような非行防止サービスを導入させるのは難しいのではないか。今回の実証実験の結果が興味深い。

(河嶌議長)

検証結果について、皆様にご報告いたします。人権上の問題としては、いかがでしょうか。

(津金委員)

民法上は問題ない。しかし、子どもの人権は、子どものうちから認められるべきである、という考え方もある。考えたり、表現することも人権に含まれる。人権という視点から考えると検証は大事だが、危険性も考えなければならない。また、今回の取り組みが子どもの自立や親子間の信頼関係を築けない等の阻害要因になってしまうことを心配している。

(3)報告3. 平成28年度柏市のいじめ対策について

上記項目に関し、事務局が作成した資料を説明した。

その際に表明された主な意見は、次のとおり。

(河嶌議長)

ご質問やご意見はありますでしょうか。

(奥野委員)

スクールソーシャルワーカー(SSW)の活用について。不登校、いじめの加害者について、不適切な家庭環境によるものが多いと感じている。子どものサインを受信するためには、多機関によるアプローチが大切であり、SSWの活躍に期待したい。また、家族問題について、深刻なものが発見された場合は、確実に情報共有、連携をしていきたい。

(田村委員)

不登校の原因には、いろいろな要素が含まれている。家庭の問題、また子どもたちから話を聴くと、「学校に行ってもつまらない」、「友達がいないなど」、また思春期と併せてそういったことが出てくる。そのような子どもをぜひ学校に登校させて、いじめがあった場合は登校意欲が減退するかもしれないが、そういった場合は、こちらへも情報を寄せて欲しいし、東葛少年センターもあるので、知恵を出し合いながら、保護者も含めて、学校、教育委員会とも解決に向けて連携していきたい。ある女子生徒などは、すでに化粧をしている。こういった状況を親が悩んでいることを察すると、何とか解決してあげたいと手を差し伸べてはいるが、本人が行く気にならないと難しい。そういったことを考えると、学校と連携していくことが必要だと感じている。

(事務局)

スクールサポーターが派遣された際に、効果的に運用するためには、どのような点を留意したらよいか教えていただきたい。

(伊藤委員)

配置の要望をするにあたり、スクールサポーター(SP)の活用計画を立案し、教員と協働的な活動ができるようにした。とくに、教員の目が届かないところをSPが動くようにした。SPが朝の打ち合わせで一日の動きを確認し、一日の様子について校長がSPから聴き取り、生徒指導部へ伝える、といった一連の流れがないと活用は難しい。さらに、相談的機能の役割を果たしてもらったことがよかった。いずれにしても、導入する場合は、学校としてきちんとした展望を持つことが必要。スクールサポーター制度は、いい活動であると思っているので、これからも充実させてほしい。 

 (河嶌議長)

今日の会議の中で、「子どものサイン」、「教師の気づき」、「情報の共有」、「学校の主体性」という言葉が出てきましたので、これらの言葉を事務局で精査しまして、対応にあたって欲しいと思っています。

それでは、以上を持ちまして平成28年度第1回柏市いじめ問題対策連絡協議会を閉会します。事務局へお返しします。

(事務局)

皆様、ご意見ありがとうございました。今後の会議日程は、第2回、9月26日(月曜日)に開催する予定です。詳細は後日、ご連絡申し上げますのでよろしくお願いいたします。

これを持ちまして、次第の一切を終了させていただきます。本日は、長時間のご協力ありがとうございました。

  

6 予定

次回開催日時

第2回 平成28年9月26日(月曜日)午後2時30分~

第3回 平成29年3月17日(金曜日)午後2時30分~