平成27年度第2回柏市いじめ問題対策連絡協議会 会議録

1 開催日時

平成27年9月28日(月曜日)午後1時30分~午後3時30分

2 開催場所

柏市大島田48番地1 柏市沼南庁舎5階大会議室

3 出席者

委員

河原議長、原田委員、鎌倉委員、鈴木委員、諸富委員、津金委員、長瀬委員、羽間委員、表委員、高井委員、小川委員、細田委員、羽間委員 岩崎委員

事務局及び関係部署

山本学校教育部長、大内学校教育部理事、藤江生涯学習部長、秋山こども部長、増山こども福祉課副参事、星こども福祉課専門監、川本学校教育課長、植松学校教育課副参事、片岡指導課長、梅津指導課副参事、大越指導課統括リーダー、関口指導課指導主事(生徒指導担当)、内田教育研究所長、三浦教育研究所統括リーダー(不登校担当)、冨高教育研究所指導主事、山口教育研究所指導主事、宮武少年補導センター所長、麻生少年補導センター指導主事、安齋いじめeメール相談員

4 議題

(1)平成26年度問題行動調査のいじめに関する見直し・平成27年度1学期のいじめ調査報告・児童生徒による自主的ないじめ防止に向けた取組

(2)いじめに関する相談受付状況・サイバーパトロールの実施状況

(3)12月いじめ防止啓発月間の取組について

5 議事(要旨)

  • 教育長挨拶

    それでは、ただ今から、「平成27年度第2回柏市いじめ問題対策連絡協議会を開催いたします。」

    出席確認をいたします。本協議会は、「柏市いじめ防止対策連絡協議会条例施行規則第3条の規定に基づき、委員の半数以上の出席が認められますので、本協議会は成立いたしますことを申し上げます。

    さて前回5月に第1回を行い今回の第2回目を迎える間に岩手県からいじめを苦に中学生が命を落とすというニュースがありました。メディアによる情報を照らし合わせ、柏市は小中学校62校、3万人を超える子どもたちがおり、大きな事案が発生しているとも限らないと考えており、緊張感をもっています

    本日は、第1回以降の1学期のいじめ調査の報告を中心に、関係機関の皆さんより忌憚のないご意見をいただき、学校や教育委員会がいじめという問題にいかに向かっていけばよいか、さらにそれぞれの立場から、児童生徒や保護者、学校に対して、どのような支援をいただけるのかという観点からも積極的にご意見をいただければ幸いです。それではよろしくお願いいたします。

    以降、河原議長進行

(1)平成26年度問題行動調査のいじめに関する見直し・平成27年度1学期のいじめ調査報告・児童生徒による自主的ないじめ防止に向けた取組

 事務局が作成した資料を説明した後、委員による協議を行った。

【主な報告内容】

  • 平成26年度問題行動調査のいじめに関する見直し(指導課)報告
  • 平成27年度1学期のいじめ調査(指導課)報告
  • 児童生徒による自主的ないじめ防止に向けた取組 (指導課)報告

その際に表明された主な意見は、次のとおり。
(河原議長)平成26年度の問題行動調査のいじめに関する調査は、再度見直すようにという通知が出て見直しが行われた。新しい観点で調査しているので、昨年度の調査よりも数が多いということになっている。

(鈴木委員)昨年度の調査について再調査を行ったと報告を受けたが、見直すことは大切であると考える。対人関係のトラブルについて、法務局でも小中学校に協力を得て、我々としても情報について認知する取り組みをしている。小学生高学年女子が対人関係の悩みやトラブルを抱えていることが多い。質問で、対人関係のトラブルから実際再調査をして、どの程度、いじめの認知件数が変わったのか。

→(事務局)いじめと判断し、増えたものの内容は「からかい、陰口を気にしている」など、言葉によっていやな思いをしたもの、それをどこまでいじめと判断したか、また、簡単に注意して解決をしたものは加えていなった等、学校ごとでの判断・基準がはっきりしていないこともあり、対人関係のトラブルをいじめと認知した学校は件数が上がっており、今回の再調査の結果、細かく内容を精査したものが現れてきていると考える。

(河原議長)具体的には、増加した件数を各学校はどういう判断でプラスしてきたのかの集計をまとめてはいないのか。

→(事務局)学校は、調査して報告した通りという学校もあり、再度アンケートを見直した学校もあり、全てを把握していないのが現状である。

(表委員)前回のアンケートを、再アンケートしたというわけではないのか。アンケートを見て再吟味ということか。アンケートで分かった件数とそれ以外で分かった認知数のパーセンテージというのは把握しているのか。

→(事務局)再吟味を行ったものは平成26年度のもので、平成27年度のものは、1学期の各学校・保護者から上がってきたものである。

(羽間委員)いじめの態様の中で、「ひどい段階の暴力」などのいじめの重い段階と考えられる事例については、どのような対処をしているのか。特に緊急を要すると考えるが、どのように把握し、対応しているのか。

→(事務局)いじめの態様の中の被害状況が金品となっているところで、お金ではなく「もの」であると報告を受けている。靴や鉛筆を隠されるというものである。

(河原議長)どういう形で解決を図ったかということだと思うが、教育委員会で把握している部分について説明を。

→(事務局)学校は、いじめに金品が絡んでいる場合については、事実が発覚し次第すぐに事実を確認して直ちに指導して対応をしている。生徒指導アドバイザーもその対応を確認している。

(河原議長)警察に連絡がいくケースはあったのか。

(小川委員)いじめについての直接なものはない。器物破損の事案はあった。

(長瀬委員)いじめの態様であるが、前回の報告のときの平成26年度の同様データと比べると、小学校では1学期倍増、中学校でも微増したといえる。少なくとも、いじめの域を出ているいじめが増えているということは、嫌な感じがする。昨年度の1学期はどうだったのか。2点目に3ページの「いじめの定義」に当てはまらないものとは、どのようなものがあるか。3点目に中学校での生徒の取組と小学校の児童の取組は、どうなのか。他の中学校との温度差はないか。

(河原議長)前年比との比較、分析などしているのか。

→(事務局)1点目の学期ごとの比率でどういういじめが多いのかを把握はしていない。大事な視点なので今後、何月に多いかなど学期ごとの把握をしていきたい。2点目は、例えば兄弟げんか、親に叱られたことをいじめられたというものが上がってきたということで。本人が訴えてきたらいじめとカウントするという定義なので明らかに違うものであるため、様々な機会を通じて話をしていかなければならないと考える。3点目は、昨年度中学生によるネットトラブル防止会議を行い、それを受けて中学校20校中10校が生徒会中心に動いている。 やっていない学校への啓発については、12月いじめ防止啓発月間において、ネットトラブル防止会議の中で生徒からの自主的な行動を広めていこうと考えている。

(長瀬委員)犯罪である場合は警察が対応すると思うが、軽微なものについてはどのような指導をしているか。犯罪のようなものは、子どもたちにいじめの域を超えているという認識をもたせられているのか。

→(事務局)小中学校において補導センターで行っている情報モラルの啓発には必ず刑法をあげて暴行罪等具体的に指導している。

(長瀬委員)小学生では自主的な取組内容として厳しいものもある。小学校においても活動を考えていかなければならないのではないか。

→(事務局)42校の小学校へ、何かの機会でネットトラブル防止会議に絡めて小学校にも影響を与えたり、中学校区で小中連携の中で情報交換をしたり、同じ取組ができるとよい。

(高井委員)いじめの防止について、先生方のいじめを見る目について育てていかなければならない。1学期に力量を上げるための研修を行っているのか。年間の中で取組があるのか。

→(事務局)生徒指導連絡協議会で先生方にレクチャーしている。いじめの対応が後手になっているものもあるので、各中学校区で小中学校が連携して研修を行って、いじめを見抜く目をもたせていきたい。

(鈴木委員)いじめの現状の解消・未解消を見るとその要因は何なのか。その内容はひどい案件なのか、指導する側の問題なのか。児童生徒の対応や現に何が問題で未解消となっているのか。学校における先生と生徒の関係、先生と保護者の関係が、いじめをなくしていくために重要なことと考えている。

→(事務局)「奥深い人間関係トラブルが要因のいじめ」や「ネット上の問題」や「担任1人だけでは解消しきれていない現実」もある。若い先生にとっては、子ども同士の気持ちに寄り添う指導や保護者対応の困難さがあげられる。

(河原議長)悪口は表面上に止まっていても、心打ち解けて元の人間関係に回復しているかどうかは色々な状況がある。解消の判断には時間がかかる事例もある。

(諸富委員)先生がいじめを発見し、対応して解決までどのような流れで取り組んでいるか。

→(事務局)各学校にいじめ防止対策基本方針を策定しているので、その方針に従って早期発見、早期解決につなげている。また、加害と被害の保護者にも知らせ確認している。

(河原議長)柏市の基本方針として義務付けているのが、学期ごとのアンケート3回、年間5回程度のアンケート・相談機会を設けている。実際にその通りに行われているかは学校次第であるが、現在各学校のいじめ対策の基本方針の見直しを依頼している。もう一度教育委員会でも確認し、学校へ返したい。

(諸富委員)学校での対応がこじれ、学校側が困っている時は教育委員会が学校とともに対応するということでよろしいか。

→(事務局)教育委員会に直接の相談もあるので、その場合は教育委員会が聞き取りを行うなど、解決に向けて進めている。

(河原議長)生徒指導アドバイザーは何人か。

→(事務局)生徒指導アドバイザーは6名。

(河原議長)生徒指導アドバイザーが直接聞き取り、一緒に解決のための仕組みを作っている。

(長瀬委員)学校ごとに対応が違うとのことだが、これを改善していく必要があると思う。カバーすることはよいが、数が多いからこそ、誰が対応するのか、そして、複数で対応することが大事なのでは。

→(事務局)いろいろなところで発見する場面があると思うが、起きている状況によって対応の仕方が違う。学年主任、生徒指導主任、何重もの対応をしている。常に情報を共有するシステムになっている。

(長瀬委員)誰かが対応しなければならない問題だが、一人が抱え込むことも問題である。学校内で定期的にディスカッションする場は持っているのか。解消したかどうかより対応しているのかどうかということが問題で、対応してもすぐに解決するわけでないし、対応を継続していけるかどうかが重要。自分たちの評価の仕方も求めていかねばならない。

(鎌倉委員)中学校の生徒会の決議について期待している。ぜひ、成果があったかどうかを検証して欲しい。

(河原議長)結果を分析し取組を活かす趣旨が多かった。組織的対応が見なされるよう各学校をリードして欲しいということに集約される。

(2)いじめに関する相談受付状況・サイバーパトロールの実施状況について

【主な報告内容】

  • いじめeメールの結果報告
  • サイバーパトロールの実施状況 報告
    その際に表明された主な意見は、次のとおり。

(河原議長)意見・感想を頂きたい。

(羽間委員)感想であるが、やまびこ電話相談において、匿名の相談者を特定し、対応できたことは、具体的な解決に向けた取組の成果である。今後もお願いしたい。質問だが、ライン上の問題が多い。ライン上のトラブルは、より表面化しにくいが、どのように対応しているのか。

→(事務局)問題が起きてからの対応ではなく、前に防火と消火に例えるなら防火の方を重点的に啓発している。スマホの持ち始めが一番危険で、柏市では全中学校1年生を対象にネットトラブルの講演を行っている。繰り返し行っていくことが大切であると考えている。

(表委員)ライン上のやりとりが親へ通知される「フィリーというアプリ」の件であるが、隠語もフォローできるものになっているのか。

→(事務局)隠語にも対応できるようにしている。

(河原議長)開発途上のアプリで、補導センター他と協力して検証していく。

(長瀬委員)スマホについてのルールは持ち始めが大切であると考える。市・教育委員会でルールを作るということはいかがか。

→(事務局)市P連と連携して、保護者に啓発することを考えている。柏二中では、ルール作りの動きを行っている。学校ごとにネ

ットトラブル防止会議を経て、委員会で今後検討していく。

(河原議長)教育委員会からモデルが示されるとよい。親子でルール作りが行えるよう後押しをしていきたい。

(細田委員)補導センターの調査でも、所持率が高いという報告を受けているので、心配している。保護者への啓発が大切であると考える。ルール作りからはじめ、親子に啓発していく必要がある。保護者向け、子供向けの講習会を行っていきたい。

(岩﨑委員)スマホを持っているという認識で指導していかなければならないと考えている。家庭の協力がないと難しい。各学年で説明会を行っているが、全ての保護者対象に行っていきたい。

(3)12月いじめ防止啓発月間の取組について

【主な報告内容】

  • NHK「いじめノックアウト~100万人の行動宣言」について
  • 柏市中学生によるネット・トラブル防止会議について
  • 「OMOIYARIポスター展」について
    その際に表明された主な意見は、次のとおり。

(河原議長)昨年度と同様な取組であるが、さらに進化させたいということ。NHK100万人の行動宣言に参加・ネットトラブル防止会議・OMOIYARIポスター展の三点で取組んでいく。効果のあるアイデアをいただきたい。

(表委員)いじめをノックアウト宣言ですが、どういう形で参加したと算定できるのか。また、宣言の文言は番組の文言となっているのか。

→(事務局)番組からの報告である。小中学校が実際に宣言・投稿した内容となっている。

(表委員)参加した人数は実際に番組を見た人数なのか。

→(事務局)参加を呼び掛けて行った経緯の人数である。

(表委員)テレビで拝見して子ども達の様子を見た。実際に柏市の方が参加したのかわからなかったので聞きたい。

(河原議長)参加の仕方をもう少し詳しく説明すると、NHKのホームページに直接書き込むこともできるし、学校で取りまとめて、送付してアップできる等いくつか方法がある。

(表委員)柏市の中学校の男子が輪の中で発言していた。

(河原議長)たくさんの子が参加している市なので、出演依頼された。

→(事務局)一人一人の子ども達が自分でいじめ防止について宣言を作る。学級でまとめてNHKに送付すると一人ひとりアップしてくれる。自分が行動することが100万人行動宣言に参加しているということである。

(河原議長)各学校がとりまとめて、NHKに送付して行動宣言をアップしてもらい。学級で書いたものが保護者の了承を得てアップされているという形である。

(長瀬委員)ネットトラブル防止会議に昨年度参加しなかった学校があったと思うが、どのように考えるか。

→(事務局)参加できなかった1校は、地域行事参加のためで参加しなかったのではなく、参加できなかったと解釈していただきたい。連携ということで中学生が小学校に行って広めていくことも考えたい。

(津金委員)フィリーというアプリについては、始めにリスクを考えておかねばならず、リスクについては、前もって確認しておかなければならない。また、いじめに対する親の調査がない。SNSやいじめの問題は、親抜きでは考えられない。子供との信頼関係等がなくなってきている。もう少し親の意見が吸い上げられる場があるとよい

(原田委員)具体的な話が出て、勉強になった。特に携帯電話の問題は、中学生では遅い気がする。もう少し早く小学生からの対策を考えていかなければならないと考えました。

(河原議長)それでは、以上を持ちまして平成27年度第2回柏市いじめ問題対策連絡協議会を閉会します。事務局へお返しします。

→(事務局)皆様、貴重な意見をありがとうございました。調査の分析をしっかりして対応・対策を打ち出していかねばならないこと。明確な方針・方向性を示していきたい。また、学校の組織的な対応をいかに進めるかの実態を今後報告できるよう今後とも方向性を確認していきたい。

(河原議長)本日予定していた報告及び協議の時間は終わりました。
 次回は、柏市のいじめ調査の結果や実態及び具体的な学校の取組等を話題にしていけるように事務局で考えてもらいたい。
 それでは、以上を持ちまして平成27年度第1回柏市いじめ問題対策連絡協議会を閉会します。事務局へお返しします。

(事務局)それでは次回もよろしくお願いいたします。次回第3回の協議会は3月18日(金)を予定しております。改めて通知文は郵送します。

【閉会】

6 傍聴

(1)傍聴者

7人(うち報道関係3人)

7 予定

次回開催日時
 平成27年度 第3回 平成28年3月18日(金曜日)