平成21年第10回柏市学校適正配置審議会会議録

1 開催日時

平成21年2月16日(月曜日) 午後2時~午後4時

2 開催場所

柏市柏五丁目10番1号

柏市役所第二庁舎5階第2委員会室

3 出席者

(委員)

北川会長、寺嶋副会長、貞廣委員、河嶌委員、津金委員、中村委員、青木委員(7名)

(事務局)

河合教育長、河原学校教育部長、野中学校教育課長、佐藤副参事、田村副参事、中村主任

(他検討チーム等8名)

4 議題

(1)第9回柏市学校適正配置審議会の会議録について

(2)全体調整と取りまとめ(答申案骨子)

5 議事(要旨)

議題に関する資料について事務局から説明をし、審議項目である「全体調整と取りまとめ(答申案骨子)」に関する項目ついて、会長の進行により、審議を行った。その際の、主な意見は次のとおり

1.適正配置・適正規模についての基本的な考え方について

○配置・規模について

・小中学校の適正規模は12~18学級ということが確認されたが、小中学校は別々の設定にすると示しているのは何故か。規模は一緒であるが、教育内容などが異なることや、今後の見直し等を想定した場合等に対応するために表現しているということか。

・適正配置については、規模のみで決まるものではない。規模のことだけでなく距離についても併記しておく必要があるのではないか。

○大規模校・小規模校のメリット・デメリットについて

・小規模校のデメリットとして、児童生徒に目が届くために依存度が高くなりやすいという表現があるが、必ずしもそうではないのではないか。

・児童生徒一人一人の依存度が高いというより、「人間関係が密になるために、教師に対する依存度が高くなりやすい」ということではないか。

・大・小規模の両校の先生等に児童生徒に対する意見を聞くと、基本的には小規模校では受動的、大規模校では自発的になりやすい傾向のようである。ただし、表現方法の問題は考える必要があるのではないか。

・教師の数が多いと互いの切磋琢磨によって、個人の能力向上に繋がり、少数だと切磋琢磨が薄れるため、進歩しにくいということではない。現実に、小規模校の先生も一生懸命に現場で努力をしている状況である。一概に数の話しだけではない。

・単学級の学校に新人の教師が赴任すると1年間乗り切れるかと思うことがある。教師間のある一定の指導体制の中で切磋琢磨が出来ることもあるかと思う。しかし、小規模校が全て対象ということでもないので、表現に気を付けていく必要があるのではないか。

・メリット・デメリットについては、どのようにメリットを活かし、かつデメリットを改善していけるのかが問題となる。細かい項目を表現していくと、各項目に対応策を示さなければならないのではないか。特にデメリットについては改善策を示さないと、市民、保護者等への説明が難しくなるのではないか。

・デメリットの改善策を示したとしても、努力の範囲内で出来るかどうかにより、後々影響が出てくるのではないか。

・規模の大、中、小はそれぞれに良い面、悪い面があるということも事実であるが、具体的な差を明確に表現することには注意しなくてはならない。表現するのであれば、対策をあわせて示す必要がある。示せないのであれば、メリット・デメリットの表現については再検討する必要があるのではないか。

・適正規模に近づけるという前提はあるが、大規模・小規模なりに特色があるため、その中でメリットを活かし、かつデメリットには気を付けていくということではないか。

・メリット・デメリットの扱い方として、「メリット・デメリットがあるから適正規模に近づけることが必要」とするのが良いか、「教育内容、環境を守っていくためには、メリットを活かし、かつデメリットには気を付けていく」とするのが良いかという2つの視点があるのではないか。

・学校規模のメリット・デメリットについては、他自治体では国等のものを引用し、表現しているケースも見られるが、柏市は独自で表現するということか。もし調査等を行い独自に作成したものであるならば、その旨を示したほうが良いのではないか。

・現実的にメリット・デメリットがあるならば、一つのデータとして根拠を示し提示していくことで良いのではないか。

・提示されたメリット・デメリットの資料については、しっかりと審議されていないため、答申案に記載する必要はないのではないか。もし記載するとしても参考資料とするのが良いのではないか。

2.適正配置・適正規模についての実現に向けた対応策について

○事前のルールづくりについて

・これまでの地域と教育委員会との関係もあるが、事前のルールづくりが必要な地域もあるのではないかと思う。地域から意見が多く出てくるケースでは、事態が深刻化してからでは対処がしにくくなる可能性もあるため、早い時期から話し合いを持つとしている自治体もある。

・学校自体が地域の核となっていることもあり、小規模化を放置するとますます進んでしまう。地域と話し、早い段階から検討することにより、状況を変えていけるのではないか。

・何らかの事前のルールは必要だと考えられる。コミュニティースクール等を活用して地域を巻き込んでいくことも考えられるのではないか。

・評議員制度なども活用していくことも良いと思う。進めるにあたってはしっかりとした体制づくりも必要となるのではないか。

・小規模校は校長をはじめとして、改善しようとかなり努力をしている。しかし、現状として、あまりにも児童生徒数が少ないため敬遠される状態となっている。その点を解消していくために、きっかけとなるルールづくりを検討していくということは必要だと感じている。

・「ルールづくりを検討していく」ということはどういうことか。この表現では次に先送りしたと捉えられてしまうので、何らかの方向性を示すべきではないか。

・条件設定としては、複式学級になる直前ではなく、単学級になったら対応策を講じるべきではないか。ある程度ハードルを高く設定しないと効果がないのではないか。

・事前のルールづくりについては、なし崩し的にならないよう明示しておく必要がある。大規模化、小規模化の傾向が見えてきたときには、何らかの組織を立ち上げ検討していく等、表現も示しておく必要があるのではないか。その際には学校の特色化や地域との連携について触れておくことも必要ではないか。

・事前のルールについては、自治体の実情に合わせて設定していくべきだと思うが、設定が柏市の現状に即しているかは検討も必要になる。

・効果を上げるためには厳しい設定値を設けるのも一つの考え方ではある。しかし、これまでの審議の過程からも、条件を設定するまでには至っていないと認識している。今回の答申ではルールづくりを検討していくということで良いのではないか。

・保護者は小規模校をデメリットと感じているのではないか。それにより大規模校に集中してしまい、ますます大規模化が進んでしまうことが考えられる。そういった点を考慮すると、可能であれば小規模校には予算措置をしていくなどの対応も必要になる。予算の使い方によっては小規模化を食い止められる可能性もあるのではないか。

○遠距離通学について

・通学手段の検討の中でスクールバス等が挙げられているが、中学生の場合は部活動等による通学や帰宅の時間差もあるため自転車の使用も考えられるのではないか。

3.北部整備における新設校のあり方について

・新設校のあり方とあるが、あくまでの配置の考え方を示しているため、そのように変更したほうが良いのではないか。

4.柏市全域の通学区域のあり方について

○開発等による児童生徒の増加についての対応

・開発のみとは限らないので、「開発による」という表現は必要ないのではないか。

・開発の状況や学区外就学の状況等も踏まえ、不合理がある場合については学区の見直し等を検討していく必要があるのではないか。

・学区外就学を集団で行っている地域は、学区の変更が可能になると捉えられ、そうなると、学区の定義が崩れてしまうのではないか。

・何でも良いということではなく、学区の定義や様々な点を考慮した上で、妥当性があれば学区の変更を考えるということもあるのではないか。

・開発にあわせて学校を変えていくのか。学校にあわせて開発を考えていくのか。ということになるのではないか。開発に対しても、教育という観点から何らかの指導を行っても良いのではないか。

・他自治体でも条例化している例もあるが、拘束力はないものとなってしまうのではないか。

・開発に対する意思表示として示す方法も考えられるが、実際の効果については疑問である。

・通学区域の見直しで対応することについては審議会で合意したが、学区外就学を制限することについては合意がなかったのではないか。

・学区外就学を受け入れ出来ない場合、実際に制限をかけているということではないか。

○その他

・「通学区域のあり方」の中の項目では、柏市の個別の課題が挙げられている。「通学区域のあり方」というのは、これまで確認してきた「基本的な考え方」「実現に向けた対応策」ということではないか。その考え方をもとに、市の現状で抱えている個別の課題を挙げていくということではないか。その流れでないと、個別の課題のみが通学区域のあり方と捉えられてしまうのではないか。

5.答申案検討委員の選出について

・検討委員は、北川会長、藤井委員、貞廣委員、津金委員,中村委員の5名を選出した。

次回は、これまでの審議を再確認し、答申案について審議を進めることとした。

6 傍聴

(1) 傍聴者

1名

(2) 傍聴の状況

傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。

7 次回開催日時(予定)

平成21年3月24日(火曜日) 午後2時~午後4時