平成24年度第4回柏市保健衛生審議会健康増進専門分科会

1 開催日時

 平成24年10月25日(木曜日)午後1時30分~3時

2 開催場所

 ウェルネス柏 4階大会議室 

3 出席者

  • 委員

    小林正之(会長)、多田紀夫(副会長)、石川守、金子貴美枝、橘房子、田中譲治、二瓶陽子、山縣詩乃、吉川良子 

  • 市職員

    山崎保健所長、関保健所次長(総務企画課長)、田村保健所次長(地域健康づくり課長)、中村保健所保健予防課長、坂巻保健所成人健診課長、平塚市民生活部次長(保険年金課長)、秋山保健福祉部次長(保健福祉総務課長)、松本保健福祉部福祉政策室長、秋谷保健福祉部高齢者支援課長、枝川保健福祉部障害福祉課長、宮本保健福祉部障害福祉就労支援センター所長、上野保健福祉部福祉活動推進課長[代理:根本専門監]、石橋経済産業部次長(農政課長)[代理:牧野統括リーダー]、小貫教育委員会生涯学習部スポーツ課長[代理:黒須統括リーダー]、山口教育委員会学校教育部学校保健課長[代理:中村指導主事]、事務局地域健康づくり課職員 

4 傍聴者

  なし

5 議事

 【議題(1) 柏市健康増進計画の内容について】

分野1~分野5について

1.総論について

事務局から議題(1) 1.について説明を行った後、委員からの質問、意見、要望等の表明及び委員による議論があった。

[議題(1) 1.についての説明要旨]

 総論「1 策定にあたって (1) 計画策定の背景、(2) 計画策定の趣旨、(3)計画の期間、(4) 計画の位置付け」、「2 市民の健康を取り巻く状況 (1) 少子高齢化の進展、(2) 介護が必要な高齢者の状況、(3) 市民の健康に対する意識」、「3 計画の基本的な考え方 (1) 計画の基本目標、(2) 重点分野の設定、(3) ライフステージ区分の設定、(4) 健康目標の設定」に関する案について説明。

 (補足)

  • 「箇条書き」は委員の発言
  • 「⇒」は事務局の回答
  • 「基本目標に対する目標値の設定」の項目で、メタボリックシンドロームの該当者の割合について、40歳以上13.9%ということだが、これは柏市の特定健診の結果でも分かっているように、男性の場合は大体23%、女性が7%とかなり幅がある。これを一緒くたにして考えると、例えば健診で女性が多かったら、何もしなくても数値が下がっていくということが起こってしまう。男女で差がありすぎるので、やはり男女別に設定しなくてはいけないのではないか。

⇒各論の糖尿病についても、やはりメタボリックシンドロームの該当者及び予備該当者は、男女の別なく目標が設定されいる。男女の差異があるということなので、元データを確認し、男女別の設定を検討する。

  • ・メタボリックシンドロームに関しては、本来の男性の基準数値が本当に腹囲85センチメートルで良いのかどうかという、根本的な問題も残っている。今、国がまた検討しているところ。
  • ・なぜ男女で違うか。日本の場合、男性より女性の基準数値が大きくなっているということだが、これはCTを撮って内臓脂肪量が100㎤以上の場合を、メタボリックシンドロームの診断基準にしようと考えているが、全員CTを撮るわけにはいかないため、腹囲のマーカーを取っている。そうなると女性は皮下脂肪があるため、どうしても悪い結果が出てしまう。実際、「内臓脂肪量が100㎤以上になると、いろいろ合併症が増えてくる」という阪大を中心としたデータがあり、日本動脈硬化学会などもそういう線でいっているというのが現状。

⇒参考にし、検討する。

  • ・今回の健康増進計画の中で一番重要なのは平均寿命ではなく、健康寿命ということ。これをどれだけ延ばすかが医療費削減にも一番重要なことだと思う。男性79.40歳、女性82.67歳、両方とも健康寿命というよりは平均寿命に近いが。

⇒今年公表された都道府県レベルだと、男性も女性も大体72歳くらいが健康寿命の平均。国が公表した算出方法に基づいた結果であるが、国、県とは使用する元データが違うため、少し数字的にどうかという感がある。その部分は再度慎重に、早急に検討・確認する。

  • ・健康寿命の目標値が、「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」となっているが、どういうことか。

⇒国の目標と同じ表現であり、考え方としては、これから先、平均寿命はどのくらい延びるか分からないが、延びた分以上に、割合として健康寿命を延ばそうということ。

  • ・総論なので、ここをベースにして各論が出てくることになるため、一番詰めておかなくてはいけないところ。そういう意味で、健康寿命の数値とメタボリックシンドロームの該当者の割合が、一番ポイントになる部分であり、適正な数字を設定してほしい。
  • ・他の基本目標の、「がん・循環器疾患の死亡者数」、「肥満度の割合」等は、各論の中で出てきた数字を、総論に新たに加えたものか。

⇒各論の健康目標から代表的なものを抜粋したもの。

  • ・総論としては、今のポイントだけきちんと確認・修正するということで、流れとしては、これで了承ということでよいか。

  (一同了承)

 

【2.各論「重点9分野及びライフステージ」について】

事務局から議題(1) 2.について説明を行った後、委員からの質問、意見、要望等の表明及び委員による議論があった。

[議題(1) 2.についての説明要旨]

 「重点9分野」については、第3回分科会を受けて修正した部分のみ、抜粋して説明。「ライフステージ」については、ライフステージの区分設定の考え方を説明した上で、「乳幼児期(概ね0~5歳)」、「学童期(概ね6~12歳)」、「思春期(概ね13~19歳)」、「成年期(20~39歳)、「壮年期(40~64歳)」、「高齢期(65歳~)」の6区分を説明。

 (補足)

  • 「箇条書き」は委員の発言
  • 「⇒」は事務局の回答

「重点9分野」

  • ヘモグロビンA1cについて、国ベースは確かに1%だが、この6.1%以上の者の割合ではない。9.0%~9.1%以上の者の割合を1%以下にするというのが国ベースである。そこを、もう一度確認してほしい。

 ⇒再度確認し、訂正する。

  • 「歯・口腔の健康」の『柏市が取り組んでいる「歯・口腔の健康」に関する既存事業【抜粋】』に、「歯周病疾患検診」を入れたほうが良い。

 ⇒追加する。

  • 学校保健との連携という項目が入って良かった。小学校区ごとの活動の推進について、実際にどういう取り組みができるのか、十余二小学校での事例を2つ紹介する。
    1つ目は、9月に実施した「古代人体験会のお知らせ」。十余二小の児童と保護者はもちろんのこと、児童の兄弟である幼児、児童のおじいさん、おばあさんまでと幅広い年代の方が集まって、火おこし体験などをした後、家庭科室で調理した芋煮をみんなで食べた。みんなで作って、みんなで旬の食材を使ったものをいただくという、一つのきっかけにはなったと私の中では位置付けている。
    2つ目は、「マザーズカフェ」。内容、趣旨などは配布資料に記載のとおりだが、昨年度、保健所が開催した健康座談会がもとになっている。2回実施し、十余二小PTAの中で活動したものを、そこで終わらせてほしくないと学校からの意見があり、それを継続発展させる形でこの企画を実施した。十余二小では、活動を続けて保護者の意識付け等も継続していければと思っているが、柏市内42校あるうちの1校だけで細々とやるよりは、あとの41校も、多分その地域ごとでできる取り組みはきっとあると思う。先ほど連携・協働とあったが、実働は地域住民や先生、保護者で何かしら探ってもらい、参考例等も挙げていきながら、できることを一緒に探していくという方向性で、全市で取り組みが進められるように、行政には環境整備してもらいたい。
    今、こういうことにすごく関心を持っている人が多く、マザーズカフェに講師で来る人なども、とても意識が高い人がそろっている。声掛けしてもらえれば、そういう人々につなぐことはできる。

 ⇒参考にしたいと思う。他にも、学校で独自の取り組みをしていると思うが、それらは意外と他の学校には伝わっていないのではないかという気がする。その部分を、どういう形でできるか分からないが、いろいろな取り組みを広く伝えられるような仕組みを考えていきたい。

  • できることがあれば手伝うので、ぜひお願いしたい。
  • 保健所のホームページがあるのであれば、そのホームページの中に学校の活動などを紹介するとか、投稿を募るとか、そういう方法を考えても良いのではないか。
  • 先ほどの糖尿病のコントロールの話だが、間違っていたので訂正する。これは「健康日本21(第2次)」に平成21年のものが入っており、ヘモグロビンA1c、JDS値が8.0パーセント以上の者の割合が、現状では1.2パーセントで、これを1.0パーセントに減らすというのが国の目標。元々のヘモグロビンA1cの値が違ったので、そういった齟齬があった。
  • 各論(重点9分野)としては、これで了承ということでよいか。

 (一同了承)

「ライフステージ」

  • 年代を6つに分ける基本的な発想は、柏市の各種計画(「柏市健康増進計画」、「柏市地域健康福祉計画」、「柏市食育推進計画」等)毎に、区分がみんなばらばらだが、これはケースバイケースで勝手に分けるという形ではなく、基本的な分け方というのは何か存在するのか。公衆衛生的立場から見て、この辺の区分はどうか。
  • 指摘のとおり、区分について一貫性に欠けている。全体的な計画に基づいてやったわけではなく、やはり縦割りで、いろいろやった結果だと思うので、今回を機に、統廃合してより有機的な形にする方が良いと思う。
  • 高齢期を65歳以上で全部ひとくくりにしているが、健康寿命という概念を取り上げたときに、健康寿命を概ね達成した年齢と、平均の健康寿命達成後の年齢に対しての取り組みというものは、絶対に変わってくると思う。そこのところは、あとの各論的なもので実際分けていくのか。特に10年後の人口の構成を考えると、65歳以上が非常に増える。65歳以上になってくるといろいろな疾病、特にがんは高齢と共に加速度的に出てくるので、65歳以上で全部くくってしまうのは少し乱暴ではないかと思う。
    後期高齢者の考え方が良いとは思わないが、10年後の実態を考えたときに健康寿命を想定して、健康寿命以前の年齢の人への試み・考え方と、それ以降の年齢の人に対するQOLの確保とか、それから、例えば栄養学的に、健康寿命以前の年齢の人は十分な栄養が取れているが、健康寿命以降の年齢になってくると、十分な栄養が摂取できないというように全然違ってきてしまう。
    そういうところも踏まえて、総論的には6つの生活のステージとして分けるのはいいが、高齢期はもう少し細かく分け、せっかく健康寿命ということを打ち出すわけなので、それを取り入れた配慮を少しした方が良いと思う。そうすると、いろいろ行政的なものがやりやすくなるのではないかと感じる。
  • 6段階を7段階にするか、そこのところは非常に難しいところで、取りあえず6段階ということで、今回は提示をされている。

 ⇒健康寿命で切るという発想はなかったが、75歳以上辺りで区分する必要はあるかとは少し考えていた。確かに、単純に75歳で区切るよりも、健康寿命のところで区別した方が実態に合っているようにも感じる。

  • 後期高齢者という表現にするのではなくて、健康寿命という立場から見るのは確かに良いかもしれない。今、「はみんぐ」の入所者の平均年齢を見ても80歳前後で、認知症とかそういうものがベースになると、75歳以上になってくる。疾患の質がだいぶ変わってくるということでいうと、高齢をもう一つ入れた方が良いのかもしれない。ただ、それが本当に良いのかどうか、ターゲットをそこに絞ってしまうのも違和感を感じる気もするし、なかなか難しいところ。
  • 今回の趣旨は、今後10年間に向かっていろいろな保健活動をしていくということであり、その保健活動をやりやすいように区分するべき。それは我々が良いというものではなく、行政がこうした方が良いのではないかという、行政主導の形で決めるのが本来の筋だと思う。今回のこの計画は、行政がいかにして柏市民に対してアプローチしていき、どのような健康寿命の延伸とか、保健活動をしていくかということのベースになるものを作成していると思うので、行政が一番やりやすい区分の仕方という観点で考えた方が良いと、個人的には思う。
  • あと一つ違和感があるのが、20~39歳の「青年期」。つまらない表現だけの問題だが、「壮年期」が40~64歳、「高齢期」はもちろんそれは良いのが、39歳まで青年と言っていいのか。日本語で「青年期」というと、どれくらいをイメージするだろうか。やはり20歳前後、30歳くらいまでだと思う。幅がありますので、言葉を2つくっつけて20~29歳を「青壮年期」にして、「壮年期」を「中年期」にしてみても良いかもしれない。
  • 「青」という字を、成人の「成」に変えたらどうだろうか。
  • 成人の「成」の「成人期」。そして「壮年期」。その方が良いかもしれない。それも1つの案。あと「思春期」は、脂肪細胞が一番増える時期。この思春期に脂肪細胞を増やしてしまうと、その後の脂肪が太って肥満になる。その辺も身体的な特徴のところに加えてみたらどうか。この時期に脂肪細胞をできるだけ増やさないように、運動する等の手段によりうまくコントロールできると、次の生活習慣病に関し、大きなパーセンテージを減らす基本になると思うので、少し工夫してみたらどうか。
  • 13~17歳の「身体的な特徴」に、「美容やファッションという視点で、健康を捉えがちな時期」とあるが、今、私どもが入っている臨床栄養学会、臨床栄養協会でも、非常にここを問題としている。どう問題にしているかというと、特に女性のイメージが非常にファッション的なイメージで、細い人は結局良いというイメージをどうしてもみんな持っている。それで、女性がどうしてもこの時期から食事を食べなくなってしまい、健康障害が起きてしまう。ぜひ「美容やファッションという視点で、健康を捉えがちな時期」という認識の中で、イメージをうまく作ってほしい。生活のイメージをどういった形で指導していくかという点については、特に女性について力を入れていきたい。具体的な内容だが、実際それは難しく、我々もどうしようかと思っているので、ぜひ共同でやっていきたいと思う。
  • 歯周疾患についての追加だが、歯科に関しては50歳までは歯周疾患の検診があるが、現在、60歳、70歳、80歳がない。ほかの地区について調べたところ、野田市が60歳と65歳と70歳、千葉市が60歳、習志野が60歳、65歳、70歳、75歳、80歳ということで、歯周疾患の検診をやっている。そういったことも参考にし、これからの取り組みの中の内容として検討してほしい。
  • それは、ライフスタイルに伴う各論になるので、高齢のところに項目を加えることは可能ではないか。
  • 「壮年期」には歯科の歯周疾患が出てきたが、「高齢期」には記載がなかったので、記載を検討してほしい。
  • 各論(ライフステージ)について、基本的にはこれで了承ということで良いか、ということになるが、一つは「青年期」を「成年期」に変えた方が分かりやすいというところ、あとは、高齢者の区分は非常に難しいが、何らかの形で健康寿命以降の年齢で区切る、または65歳を75歳で区切る等、具体的なものとして、どこかに加えた方が良いのでは。

 ⇒問題意識としてきちんと持っているという意味でも、書き込みの中で加えていくとか、いろいろなやり方があるかと思うので検討する。

  • 健康寿命以降の問題は、年齢をどこで区切るかは別として、何らかの形で加えた方が良い。後期高齢者という表現が、非常に社会的に問題になったので、うまく表現してもらいたい。あとは、柏市のいろいろな計画で、いろいろな年代区分が使われているのが少し気になる。急ぐということではないが、ぜひ可能であれば整理して、逐次整合性を図った方が良いかと思う。

 (一同了承)

【3.各論「計画の推進」について】

 事務局から議題(1) 3.について説明を行った後、委員からの質問、意見、要望等の表明及び委員による議論があった。

[議題(1) 3.についての説明要旨]

 (1)推進体制、(2)推進の評価に関する案について説明。

 (補足)

  • 「箇条書き」は委員の発言
  • 「⇒」は事務局の回答
  • ここは、あまり大きな問題はないと思う。
  • 問題はないが、どうしても美辞麗句を並べられて、少し違和感を感じるところである。うがった見方をすると連携というのはどういう形で連携をしていくのかという、つまり具体的な予定として、委員会をつくるのかどうかとか、そういったところを提示してほしい。

 ⇒具体的にこういう形でというのは考えていない。しかし、地域健康づくり課が中心となって計画の進捗状況を常に把握していく。その中で計画の考え方が、各課の所管事業の中に活かされているかどうかの検証をしながら、計画を進めていくということで、足りないところがあれば、それは補っていくということで進めていきたい。この計画は5年後に再評価し、見直しを図る。その際、こういった連携が本当に取れているのかということも検証する。

  • 健康推進報告みたいなものを作って、ここに関係する人が一堂に会してというような組織を、イメージしているわけではないのか。
  • 保健衛生審議会とか、こういった場を活用して報告していく形になっていくと思う。
  • 「計画の推進体制」の中で、PTAはどこに位置付けられているのか。

 ⇒一応、学校のくくりの中に入っているが、「PTA」という個別の位置付けは必要であり、追加する。

  • 先ほどの、各校でどういう取り組みがされているのかというのは、本当に私自身も分からない部分。PTAは既存組織として各校に必ずあり、先生や学校に聞くというより、実際その地域でどういう取り組みがあるか等は、PTAの役員等の方が、むしろよく知っているかもしれない。例えば、各校、各地域でどういう取り組みがありますかとか、現状のアンケート調査等はまんべんなく、多分情報としては集約できると思うので、柏市PTA連絡協議会をうまく活用する、まさに連携して良い取り組みができるのではないかと思う。
  • 確かにPTAは、一番情報が末端まで届く組織ということが以前から言われているので、ぜひ、使えるものは何でも使うという意識が必要がある。

【議題(2) 柏市民の健康を取り巻く状況について】

 [議題(2) についての説明要旨]

 「12月 パブリックコメント募集」→「1月 第5回柏市保健衛生審議会健康増進専門分科会」→「2月 第3回柏市保健衛生審議会[市への答申]」の流れを、今後の予定工程として説明。

 (一同了承)

【議題(3) 柏市の「健康増進にかかる今後の方向性」について】

 特になし

次回の会議の開催日程

 平成25年1月31日(木曜日)午後1時30分から