平成24年度第2回柏市保健衛生審議会健康増進専門分科会

1 開催日時

平成24年8月23日(木曜日)午後1時30分から午後3時30分まで

2 開催場所

ウェルネス柏 4階大会議室 

3 出席者

  • 委員 12名

    小林正之(会長)、石川守、大谷美津子、金子貴美枝、橘房子、田中譲治、二瓶陽子、橋本英樹、平野潤、森信悟、山縣詩乃、吉川良子

  • 市職員 24名 

    山崎保健所長、田村保健所次長(地域健康づくり課長)、中村保健所保健予防課長、坂巻保健所成人健診課長、平塚市民生活部次長(保険年金課長)[代理:西村専門監]、秋山保健福祉部次長(保健福祉総務課長)、松本保健福祉部福祉政策室長、秋谷保健福祉部高齢者支援課長、枝川保健福祉部障害福祉課長[代理:小林副主幹]、宮本保健福祉部障害福祉就労支援センター所長、上野保健福祉部福祉活動推進課長、石橋経済産業部次長(農政課長)[代理:海老原副主幹]、小貫教育委員会事務局生涯学習部スポーツ課長[代理:黒須統括リーダー]、山口教育委員会事務局学校教育部学校保健課長[代理:中村指導主事]、事務局地域健康づくり課職員 

4 傍聴者

無し

5 議事

【議題1.柏市における健康増進に係る取り組みについて 】

 事務局から議題(1) について説明を行った後、委員からの質問、意見、要望等の表明及び委員による議論があった。

[議題(1) についての説明要旨]

 柏市第四次総合計画の「第一次実施計画」と「第五次実施計画」との比較、柏市健康増進関係事業等に関する過去と現在との実績比較の2点について説明。 

「⇒」は事務局の回答

委員
糖尿病の件数のところが大きく減っているという事だが、これはその前に後期高齢者医療制度の導入で、一部国民健康保険から抜けているのがあると思われるが、その分はカウントしているのか。この大きな現象は、恐らくそちらの方の影響をかなり受けていると思うので、これをこのまま数値として出すのは数字が一人歩きしてしまうので確認してほしい。

⇒確認する。

【議題2.柏市健康増進計画の構成について 】

 事務局から議題(2) について説明を行った後、委員からの質問、意見、要望等の表明及び委員による議論があった。

[議題(2) についての説明要旨]

 柏市健康増進計画の構成案について説明。

「⇒」は事務局の回答

委員
「総論」については、具体的な内容がまだ加わっていないので、タイトルだけ見てもなかなか意見の持っていきようがないのではないかと思う。ざっと見て、これ以外に何かどうしても加えた方が良いであろうという項目はないか。もしも特にそういう提案がなければ、実際に具体的な内容が整った段階で、この区分けが適切かどうかを、また再度検討するという形にしていきたいと思う。 

(一同賛同)

委員
「各論」については、前回も話があったように、重点9分野は、厚生労働省が示している重点9項目をそのまま使用するという形になっているので、これはこのままで良いと思う。ただし、問題なのは「ライフステージに応じた目標と取り組み」。構成案では、「幼年期(0~4歳)」、「少年期(5~14歳)」、「青年期(15~24歳)」、「壮年期(25~44歳)」、「中年期(45~64歳)」、「高齢期(65歳~)」の6期に分けているが、この分け方については審議が必要か。

「幼年期」をもう少し細かく分けた方が良いのか、あるいは「壮年期」をもう少し重点的に分けた方が良いのか、あるいは「高齢期」は65歳からで良いのかという個々の問題ではあるが、大まかに見て、普通一般的な分け方がこういう形になるか。それとも、柏市としてこれをそのまま使用するのではなく、新たな項目を挙げるようにするのか。

委員
「高齢期」に関しては、いわゆる古い言葉でいうところの「前期高齢者」、「後期高齢者」、特に法律との関係でいうのであれば、後期高齢者対象の75歳以上を分けるか、分けないかというのは、一応考慮しても良いかと思う。

委員
何歳で区切るかというところは、確かに考えた方が良いと思う。その上で重要になってくるのが、受ける側の市民ニーズが何歳で変わってきそうかという事と、それに対して、提供する側の行政サービスが現行の法体系の中で、どのような区分で行われているかという事との整合性がどれくらい図れるのかという事について、一度整理したものを見せていただけると、ここで区切った方が良いのではないかという話をさらに進めやすいかと思う。

⇒調査・確認する。

委員
項目別に具体的な柏市独特の問題点があるならば、それに基づいて区分けをまた考える、項目別に考えるといっても良いかなとは思う。画一的に考えずに、各項目別に必要に応じて区分を考えていくという事も、ケースバイケースで考えていっても良いのではないか。

[議題3.柏市健康増進計画の内容について ]

 事務局から議題(3) について説明を行った後、委員からの質問、意見、要望等の表明及び委員による議論があった。

[議題(3) についての説明要旨]
 重点9分野のうち5分野(「栄養・食生活」、「身体活動・運動」、「休養・こころの健康づくり」、「喫煙」、「飲酒」)の計画案について説明。

「⇒」は事務局の回答

委員
資料5は厚生労働省から7月に、厚生労働省告示第四百三十号という形で、各都道府県市町村に通知されたものである。これは、来年度から10年か15年にわたっての健康増進計画のたたき台というか、基本的な考え方を厚生労働省が示したもので、この内容からいうと、最終的には目標値を設定するにしても、具体的な内容を設定するにしても、各都道府県の、あるいは市町村の特性を生かして細かい内容については検討するような形のものだと思う。これに基づいて、これから先ほど示された重点項目について、柏市としてどのような取り組みをするかという事をこの分科会で検討していくという方向になると思う。

委員
厚生労働省の内容を見ると細かく、国としての目標設定がきちんと設けられているが、市町村としてそれにプラスアルファというか、市町村の特異性を含めた目標設定をしていくという事が必要であると思う。

「栄養・食生活」

委員
この目標値というものは、根拠を割り出すのがなかなか難しいとは思うが、基本的には国の目標値をベースに進めるということになるのか。

⇒例えば考え方として、設定や評価が難しいものは直さなければいけないという事で、思い切って目標をゼロに設定してしまうか、あるいは実現可能な目標を設定するか、いろいろな設定の仕方があるかと思う。

委員
「柏市食育推進計画」というものはどのようなもので、また、内容についてはどちらかで見られるものなのか。

⇒細かい部分の説明は難しいが、農政課で策定した食全体に関する計画であり、ライフステージに合わせたものとか、事前のアンケートなども採っており、食事の内容もそうだが、地産地消といった内容なども含めた、食事の計画というような形で策定されたものになっている。内容は市のホームページで公表している。

委員
10年後を予想する事はとても難しいと思うが、景気動向によってあまり食べられなくなるという事、不景気という事もあるし、あと、今の高校生や大学生の世代が、例えば、ファミリーレストランに行って、その子たちはどういうことをやっているかというと、セット品で頼むのだが野菜には手を付けないで、そのまま帰ってしまうという。

委員
やせからくる低出生体重児という表現があるが、低出生体重児は最近は不妊治療、そういったところで起きる要因が大きい。その低出生体重児という表現については、ごくごく一般的な健康指標として問題になっている貧血等に。やはり低出生体重児になると、また違ったいろいろなリスクが多分絡んでくるところなので、この表現は低出生体重児よりは、貧血とかごくごく一般的なものにしたほうが良いと思う。

委員
10年後の栄養状態がどうなるかという事は、もう少し検討したほうが良いのでは。ただ肥満とかだけではないような気がするので、状況をもう少し詳しく分析したうえで。内容的にはこれで良いかなという感じだが、10年後のいろいろな要素を予測したものの基で、例えば、糖尿病などの資料についても、平成21年と平成23年の比較だったら、ほとんど比較されてないに等しいわけで。学校給食などもこのあと問題になっているし、放射線の問題が出てくると食生活に関してもいろいろな問題が出てくるかと思うので、そういったところも含めたうえでやらなくてはいけない。概略としては良いが、個々の事例をもう少し検討した方が良いかなという気がする。

委員
将来像が10年後なので難しいと思う。柏市がどうなるであろうということを、最近の人口動向の変化とか、子どもの増えている状況であったり。人口が、確かに柏市は65歳以上も増えている。そこの高齢者の肥満とか、そういった部分も出てきたりする。そうすると、在宅の人たちに対する食事のサービスの提供とか、そういうところに対しても出てくるはずである。だから、いろいろなことを想定してやらなくてはいけないので、たかだか体重の事なのだが、体重は一番難しい。私達も常日頃食育をやっているが、とても難しい。というのは、食育の時に一番問題になるのは、各家庭のお母さん達の意識というのが非常に問題になるものの、最近、それが低下しているかなという気がする。そこのところも難しいので、全部踏まえた上でやっていかなくてはいけない。
例えば、私が参考にすればいいかなと思っているのは、各都道府県別にいろいろな健康指標をやったものが出ている。そうすると、都道府県別の取り組みの中で、例えば長野県などは、とても健康指標が良くなってきて、健康平均寿命が上がっているところもあれば、沖縄県のように「沖縄クライシス」というので頑張っているところもあれば、ほどほどのところでやっているところもあるので、そういったところの取り組みとか、多分10年後、20年後を想定していろいろな事をやっていると思うので、そういうところを拾ってきても良いのではないかなという感じがする。そこの値を統計で、過去10年前といろいろな指標が出てくると思うので、本当は住民健診あたりで、柏市民の身長、体重、脂質、腹囲、BMIなど、そういうところの変化をもう少し見ても良いのではないかと思う。それで、ほかの都道府県と比較して、では、柏市は本当に将来的に10年後に肥満が問題になるのだろうか、女性のやせが問題になるのだろうかという事が浮かぶと思うので、そこをもう少し検討されたら良いと思う。
基本的には、肥満の事は絶対対象として、メタボリックシンドロームをはじめとして、女性の骨塩量の不足とか貧血に対しても、ここは絶対にやっていかなくてはいけないところであるし、食生活とか運動とかで、ライフスタイルの改善でできるところからすれば良いと思うのだが、そういういろいろなところから情報を入れてやっていく。でないと、なかなか柏モデルは作れないと思う。

⇒いろいろな点で調査・分析をしてみて、先生方の協力を得ながら、そこはやってみたい。

委員
自分は歯科の方なので、参考として話をしたい。食育というのは、非常に歯科と関係する事で、残念ながら、自分はそちらの委員の方は直接やっていないので詳しくはないが、「モーニングスローフード作戦」とか、今、いろいろな事を手掛けている。なので、もし良ければ歯科医師会の衛生員の方でもいろいろな事をやっているので、少しアドバイスをもらうとか。そして、是非それと少し関係するような取り組みをやっていただくと、非常にうれしいと思う。
あともう1つは、資料を配って良いか。(委員提供資料を配布)前回、柏歯科医師会の30周年にあたり、その時の記念講演で自分が講演をさせていただく機会があった。その中で、噛む事が体全身、これからの長寿化に、非常に関係があるというような事をまとめたので、そのスライドを持って来た。どれか1つでも入れさせていただければと。これから健康長寿と歯の健康はすごく関係してくるという、いろいろなデータがある。柏市として長寿社会を迎えるにあたって、噛む事はすごく大事な事。その意味も含めていろいろなことを考えて、ここには噛む事と認知症とはということで、認知症と非常に関係があるという事が、いろいろなデータとして数々出ている。そのような事も、この栄養と食生活にも少し関係してくると思う。噛むという事が大事だということ。ひいては、重点項目の歯の健康の方に関係すると思うのだが、そういった事もしっかり力を入れてほしい。高齢の方で歯のある方と比べて、歯のない人の認知症の割合が1.9倍という事が、厚生労働省の調査で分かっていて、いろいろな報が入っているので、その辺も加味して、検討していただくと非常に助かる。

委員
基本的に今回の項目の中で一番問題なのは、いろいろ問題点は出てくるが、全てが個人の努力目標がベースになってしまう。それを自治体、行政として、どこまで後押しするのかというところ、これが一番のポイントになるのではと思う。その辺が、一番最後の部分にまとめてある。ここの部分をもう少し具体的に、いったい何を行政として、保健所としてどのような形で、これを目標達成に向けて努力するのか。その辺のところを、ぜひ明確に示していただくのが重要ではないかと思う。
どうしても、プロパガンダだけになってしまう。個人目標ですから、これを怠るとこんな事がありますよ、だから頑張ってやってくださいというプロパガンダだけになってしまう。それでは目標達成に、本当に到達できるのかどうか、甚だしく頼りない。だから、いったいどういう形で、具体的に対策を市民に打ち出していくのか。その辺のところの具体的な案を出すという事も重要ではないかなと思うので、ぜひ、その点を多少整理していただければと。

⇒具体的な記載を検討する。また、具体的に動けるような目標ではないと、実際にやってもらわなくてはならないので、そういう記載でないと駄目だということ。

委員
参考にしていただきたいのは、特定保健指導をずっとやっていたので、保健予防課と一緒にやって、特定保健指導のノウハウとか、そういう結果を振り返ったものとかを、十分取り入れていただくと、次へのアクションが分かるという事なので、ぜひそれも、保健予防課長としてやっていただくと良いかなと。そうすると、もっと具体的なものになるのではないかと思う。

委員
今日、急遽、資料を2枚配付させていただいた。まず、1枚目が表面「食でつながる社会」、裏面「2012年7月フューチャーセンター 食でつながる社会でありたい」と書いてあるものと、もう1枚が「食でつながる社会フューチャーセンター」という資料になる。ここで、説明させていただく。先ほどから、いろいろ資料の説明を聞き、言いたいと思った事が、資料1にある「人と交流が育まれるまち」「子供達の教育環境を整備する」であるとか、資料5の「健康日本21」の「健康を支え、守るための社会環境の整備」という事があるが、今、柏の中で特に食という事をテーマにして、民間の方にもこういうふうに同様の人がつながって取り組みを進めていこうという動きが、実際に立ち上がって始まっている。私は一応メンバーとして関わっているが、実際にどういう事を目指しているかというと、「食につながる社会」というタイトルの方をご覧いただければと思う。これは「柏まちなかカレッジ」の学長の山下洋輔さん、柏市民の方で、食のフューチャーセンターというものをこれから進めていこうと。メンバーは、「第一歩を踏み出す」というところにいろいろ書いてあるが、農家の方、飲食店関係の方、スーパーの方、学校の先生、区員とか、いろいろな方が多々集まって、とにかく食という事をテーマにムーブメントを起こしていこうという動きが、今立ち上がりつつある。
裏面に、実際にどういう会議をして動き出しているのかという事の説明として、7月22日、東葛高校でこういう話をしたという報告があるので、またお読みいただければと。私がこの中で、食育チームという3つチームがあるが、食への指導をブランディングする、あともう1つがコミュニティ食堂、3つ目が食育推進チームと書かれているが、私は食育推進チームに入っている。ではその中で、先ほどもプロパガンダだけではという話があったが、実際にどういう事がしたいのか、どういう事ができるのかということをぜひ考える参考にしてただきたいと望む。そこで、もう1枚の資料になるが、「食育健康づくり先進都市柏」「フードステーション柏」とあり、いずれも「フードステーション柏」というタイトルで、活動を進めていこうと。もしかすると、今後どちらかでこのタイトルをご覧いただく事があるかもしれないが、その際は、あの時のあの動きなのかなと思っていただければ幸いである。
以下、いろいろまとめてあるのは、去年、柏市の富勢小学校で、PTAの中で健康づくりに関する取り組みをした中で、実際に、私が感じた事をいろいろまとめてみたのだが、健康づくりに関して学校における課題、これは富勢小の中でも実際の課題として挙げている。その際体格がやはり、どうも小さめの傾向があるとか、富勢小に限らず運動能力の低下、あとはお腹が空いたと保健室に来る子どもは、実際に私も見た事がある。つまり、朝ご飯を十分に食べていないという事。あと、放射能の影響で外遊びを推奨できないという事も、今、現実問題として柏にはある。先ほどのお母さんの話があったが、それは、私も当事者として大変身につまされるところではある。しかし、家庭における課題という事で、核家族化で家事や子育ての負担が母親に集中と。また、お母さんも忙しく共働きも増えているし、家事や食事作りに時間をかけられないという現状がある。それで、毎日同じ事を繰り返してしまうので生活面の意識の希薄化も、関心とか意識を持ってもらうというところから働き掛けていかないと、なかなか難しいなという現状がある。そしてその先に、栄養やバランスという事があるという現状が見えてきた。
あとは、母親がなかなか、家事が大変と分かってもらえないという孤独感とか、もう少し、例えばお布団敷きを手伝ってほしいとか、そういう声も実際に挙がっていた。あと地域で出る課題と家庭で出る課題とかなり重なっており、希薄化して、子育て中の母親、高齢者など、同じ世代間ではなかなか交流を持てなくなってきているという事が、私自身がいろいろ思っているところである。
その下は、第1回会議に出席し、その内容をまとめさせていただいた。なかなか情報が伝播しないという話は前回あったので、学校の先生方などにもお渡ししたいと思っている。こういう取り組みを保健所の方でも、また、国を通して行政の方でもあるという事を紹介も兼ねて載せさせていただいたので、何かあれば意見等言っていただければ。
全ての高齢者が健康につながるという事と、あと環境を整備する事などは、私も今、大変必要な事だと思っている。では実際に何ができるのかとなった時、「マザーカフェ」とあるが、お母さん達、本当はお父さんもしてほしいものの、実際ここにあったように、日々ご飯を作ったりというのは圧倒的にお母さん中心なので、では、逆にそこに特化して何か働き掛けはできないかという事で、お母さん達に集まってもらって、ざっくばらんな井戸端会議の場を設け、そこで何か意識とか関心を持ってもらうきっかけにしてもらえないか、あとは楽しく調理をみんなで行ったり、などなど挙げてみた。この中で挙げた「マザーカフェ」という保護者の方を対象にした集まりは、実際に富勢小で実施する事が決まった。ちょうど今日も午前中に、校長先生と相談して、正式にやりましょうとおっしゃっていただき、来年の1月の末頃に、まずは1回目を開催する。内容については、先ほどの食につながる社会で知り合いになった方々の協力をいただき、また富勢小は歯の噛み合わせ指導にも力を入れているところで、子ども達のコンクールを行っているので、一応賞を頂いているのを汚したくないという思いもあり、まず養護の先生に歯磨き指導の話をしていただいたあとに、歯磨きをするという実習がある。あと、ちょうど野菜不足という話もあったので、野菜をたくさん取り入れたメニューのランチなどをひとつ提供して、それも柏の地元の野菜などを使ったメニューで、ちょっとみんなで試食をしてみようかという内容のものになっている。

委員
今の委員の意見は、ものすごく重要なポイントになっていると思う。今回の資料に掲げられている健康目標、これは「知識の普及」というふうにやっているが、実は今回の「健康日本21」の見直しは、知識の普及で失敗した事をどうやって克服するかがポイントとなっている。そういった意味で、例えば朝食を食べていない子どもがいるのを減らそうというのであれば、なぜそういう子達がいるのか。それは朝食を食べないと駄目だよという知識が足りないからなのかというと、多分そうではなく、今、委員が話されたように食べさせる機会がないと。極端なことを言えば、1つの作戦として、小学校で朝食を配ってしまう。そういう作戦もあり得る。そういう事も含めた議論に広げられるようにするためには、なぜそれが起こっているのかといった事。それが意外と格差の問題にもつながってきているので、そうすると、「健康日本21」の資料にある「健康格差対策に取り組み」で「自治体の増加」というところに絡んでくる。今回の「健康日本21」の取り組みのポイントは、一律は駄目だという事だと思う。つまり、ターゲットにバービナブルな大衆作戦で、こういう健康リスクの高い層というのがどこにあるのかをつかまえて、その人たちに重点的に働き掛ける、ある意味格差を持った取り組みをするという事がポイントだと思う。それもちょっと計画内に入れていただければ。

⇒平均値の例を見ては駄目だという事だと思う。そこのところはもう少し深く、その平均値の中に何が隠れているのかという事を掘り下げていかなくてはいけないと思っている。

「身体活動・運動」

委員
運動については、基本的に、昔から言われている1日1万歩歩きましょうという運動は、ずいぶん行われているわけだが、なかなか現状では達成できていない。それをできるだけ達成しようという方向で検討したいという事なのだが。ただ、これもやはり個人の問題で、どこまでそれができるのか、なかなか難しい問題だと思うが、「運動に取り組みやすい環境整備を行い」というところで。これが行政としてできる一番のポイントとなるのだが、具体的にはどのような事を考えているのか。

⇒まだ、具体的な考えは出てこないが、環境整備とともに運動しない事によるリスクについて、逆に、運動する事で疾病予防につながるとか、介護予防につながるとか、そういった事を強調したほうが良いのか、など考えている。

委員
一つは運動習慣が必要であるという事は、もう皆さんよく分かっていて、運動しなくてはいけないという事。体の新陳代謝を常に改善するという意味で運動する、必要である事は、もう皆さん分かっていると思うが、具体的には時間がない、場所がない、そういう環境がない。特に子どもなどに、本当は骨を鍛える意味で、小学校時代にとことん動き回る事が必要だと思うのだが、それも今の小学校では十分にできないというような環境。この環境を何とかしない限り、本当に市民の運動という事が定着できるかどうか。非常に問題があるような気がする。

委員
私は、千葉県ウォーキング協会でウォーキングの普及と、それから具体的にいろいろなイベントを企画してやっている。それで、現実に柏市でも毎年行われているが、11月には「手賀沼ふれあいウォーク」という事で、市民レベルのウォーキング大会を実施している。体を動かす事、これは人間の身体活動においてなくてはならない、基本的な事だろうと思うのだが、食育という面では、今いろいろな方からの意見もあったように、ある程度の浸透を示しているものの、私どもでは幼い時から運動をするという意味で「歩育」。「歩育」というのは「保つ・育む」ではなくて、「歩く・育む」という字を当てはめて「歩育」という事を、今、運動の柱の一つにしている。食育と並んで「歩育」ということを浸透させていこうではないかという事で、一つの運動の目標にしているが、これはウォーキングと言うと、高齢者対象というような事がすぐ念頭に浮かぶが、これも無論大事な事ではあるが、もっと大事な事は幼い時からの歩く習慣。これが以前と比べて、極めて少なくなっているのではないか。それが社会現象の一つになっていると。という事は、車社会を中心とした人間の移動手段が、歩く事ではなく、機械に左右されているという事が大きく影響してる。これが身体活動の不足につながっているという事から、保育園、あるいは幼稚園の頃から正しい姿勢で歩く習慣を身に付けさせる。これが大きな課題ではないかと思う。千葉県の中では船橋市の「ひかり幼稚園」は、ここの園長さんは野田先生とおっしゃる方だが、歩く事を条件に幼稚園の生徒さんを募集している。それで、千葉県内の大きな大会で10キロメートル、あるいは15キロメートルを歩く大会でも、幼稚園のお子さんを参加させる。そして、通園の者に対しても、車で送り迎えは禁止と。必ず歩いて幼稚園に通ってもらうというような方針で、幼稚園を運営されている。この幼稚園のお子さんは小学校、中学校に入ると、ほとんどの方が、そのクラスの中心的な存在になってリードしていくというような、優秀なお子さんが多く育っているというような結果も出ている。そういう事で、私はせっかくこの審議会に参加させていただいているので、この際、市に提案したいのは、幼い頃からの歩く習慣を身に付けさせる。これについて、市の方で何らかの方針を打ち出し、保育園、あるいは幼稚園、その頃から人間として400万年、あるいは700万年前と言われている直立二足歩行によって、今の人間が優秀な動物になったという、この過程を見てからも、歩くという事がいかに大事であるか、これが人間形成において、いかに大事であるかという事を認識していただいて、これを市は先頭になって実施していくと。それについては、幼い時から歩く事が大事であるという事を訴えていくというような方針でおやりになったら、やはりまた、千葉県内、あるいは全国的にも、そういう事で注目されるような市になっていくのではないかと思う。

委員
年令層ごとに必要性が違う。これこそ、ライフステージごとに作ることが大事だと思う。

委員
歩く事は脳を動かす事になり、成長に非常に重要。習慣付ける事が非常に重要である事から、学校の行事に入れるのを考えてもらえれば良いのではないか。

委員
市民の方の多くの意見として、ヨガのサークルを作ってほしいという声が挙がっている。個人のサークルだと年令層が偏ったり、メンバーが固定化しているなど、新しく参加したい方がなかなか参加していけないという状況があるよう。生涯学習として、ヨガ教室などを市の方で開催していただくなどを検討してほしい。

委員
スポーツ推進員として活動している。ヨガ教室などの活動は既にやっており、年間9、600人の方が参加している。市の広報等でも掲載するなどお知らせしているので、参加希望の方は気軽に声を掛けてほしいと思う。やっている事をよりPRしていき、参加者の方へ広く呼びかけていきたいと思う。

「休養・こころの健康づくり」

委員
難しい問題だと思う。心地良いストレスはなくてはならない。行動としてどうコントロールするのかが難しい。施策の一つに入れて、個人ではなかなか対応できないと思う。

⇒公務員は、週休2日でノー残業デーもあり、わりとワークライフバランスがやりやすいと感じているが、民間企業などではどういった状況なのか。

委員
柏市でも自殺予防対策をやっているが、柏市の特徴は30歳代の失業者の方の自殺が多い。子どもの頃から打たれ強い精神力を育てていく事が大事だと思う。また、失業者のストレスも多くなっているので、みんなで相談できるまちづくりをしていただき、自殺予防対策を進めている事を入れてもらえればと思う。相談する形でできているところもある。メンタルヘルスのために、体を動かす事も良いと言われている。ライフステージのところなどで、位置づけて推進していただければ良いと思う。

⇒ストレスのある方で、相談しない人は2割弱というアンケートの結果であった。相談の窓口があっても利用する方が少ない。

委員
悩みごとを何でも相談できる窓口を、保健所などに作っていくのが良いのではないだろうか。

委員
北海道にいった時に、ある施設のトイレに行ったところ、心の相談の問い合わせ先が書いてあるチラシが全てのトイレに貼ってあった。そういう取り組みも面白いと思う。

委員
わたしの若い時は、1日4時間、1週間全く眠れないときもあった。ストレスを楽しみに生活していた。いかにストレスを楽しく受け入れて、日常生活を送るかが大事だと思う。行政でできるのは、まず相談窓口ではないかなと思う。

委員
自殺の事が念頭に浮んだ時に、相談しようという発想に至らない方への対応・予防をどうするか。幼い頃から体を動かす教育が、一番影響してくるのではないだろうか。20~30年先を見据えた計画でやっていくしかないのではないかと思っている。

 「喫煙」

委員
ガイガーカウンターを使って、あるビルの中で放射線量を計測した時に、平常値の0.04を示す場所がほとんどだったが、急に0.08に数値が上がる場所があった。施設の方に聞くと、そこは以前に喫煙所だった場所との事だった。市の施設でもそういったところの放射線量の関係もあるので、ぜひ調べてもらえればと思う。

 「飲酒」

委員
多量の飲酒のリスクが言われているが、日常的な飲酒によるカロリー摂取について、一番最初に扱ってもらえればと思う。

委員
アルコールによるカロリーオーバーが問題。

⇒大きな観点から捉えて、生活習慣病の視点からも捉えた記載をしたいと思う。

委員
飲酒については難しい。飲酒によるカロリー摂取の状況のデータを出していく事が難しい。健康被害からみる指標を考える必要がある。アルコールの分解の量についても個人差があるので、お酒の量では決められないと思う。

⇒飲酒習慣によるものとするデータも出てきている。

委員
データの取り方を工夫されると良いと思う。 [議題3.「柏市の健康増進の課題」及び「今後の策定作業の流れ」について]

 国と柏市との健康増進に関する現状(実績数値)比較の分析からの課題及び今後の策定作業の流れ(説明した課題を元に、9分野毎に原稿案を事務局で策定・提示し、当分科会において順次審議していく。)

(一同了承)

【議題4.その他】

本会議全体を通した、委員からの質問、意見、要望等の表明及び委員による議論

「⇒」は事務局の回答

委員
どうしても気になった点だが、子どもの放射能の検査を大きくなってからではなく、幼い頃から早い段階から検査をやっていただければと思う。国の方針には入っていないが、ぜひ取り組んで欲しい。また、いろいろ柏市が取り組んでいるが、その事が市民には伝わっていないのではないかと思う。確かに伝える事の難しさはある。同じ子どもを持つお母さん方の話を聞くと、学校からの配付物は必ず見ているとの事。市のホームページでは情報を探すのは見にくいので、なかなか見ている方は少ないが、メーリングリストは利用率が高く、メールで送ってくれれば、保護者の方はみなさん必ずチェックするとの事なので、メーリングリストをもっと活用したら良いのではないか。

⇒今ご提案にあったように、逆にこのようにPRしていったら良いかという事を、今後とも提案いただきたいと思う。いろいろな手法を検討していきたいと思っている。

委員
放射線の検査等については現在、医師会と市で放射能についての勉強会をやっており、もう少しでその方針が固まっていくので、もうしばらくお待ちいただきたい。

会議開催回数変更及び日程調整

(1) 会議の開催総回数を4回から5回への変更

(2) 次回以降の会議の開催日程
第3回:10月9日(火曜日)午後1時30分から
第4回:10月25日(木曜日)午後1時30分から
第5回:1月下旬頃予定