平成23年度第3回柏市保健衛生審議会母子保健専門分科会

1 開催日時

平成24年1月20日(金曜日)午後1時30分から午後2時30分まで

2 開催場所

中央体育館管理棟 2階 大会議室

3 出席者

  • 委員 10名
    小林会長、小松崎副会長、阿部委員、上別府委員、窪谷委員、妹尾委員、小堀委員、和田委員、松井委員、小路委員
  • 市職員 22名
    次長兼総務企画課長、地域健康づくり課長、保健予防課長、子ども部技監、こども政策室長、子ども発達センター長、教育研究所長、次長兼児童育成課長、次長兼保育課長、学校保健課副主幹、障害福祉課長、地域健康づくり課職員
     

4 傍聴者

無し

5 議事

柏市母子保健ガイドライン(最終稿)について

《議事》

(会長)
本日の議事は、柏市母子保健ガイドライン最終稿についてである。本日の会議で、ガイドラインを完成させ、全体会にかけたいと思う。まず、事務局から最終稿についての説明をお願いする。

【事務局説明】

(会長)
最終稿ということで、非常に良くまとまっている。特に、最後の用語解説は、わかりやすい。皆さんから何か意見はあるか。

(委員)
良くまとまっている。課題の整理や方向性のくくりについても、その通りだと感じる。細かい所で、2点付け加えて欲しい。『体系図』のうち、『配慮を要する親子への支援』の関係課事業の中で、重要な事業が2つ抜けている。1つは、幼稚園,保育園の巡回支援である。担当課は、こども発達センターと保育課である。もう1つが、障害児通園事業である。担当課は、現時点では、障害福祉課である。

(事務局)
追記する。

(会長)
他に、それぞれの専門的立場で何か意見はあるか。

(委員)
良くまとまっていて、母子保健に係る関連事業もわかりやすい。助産師会としては、事業に関わる人との連携を大事にしながら、今後、このガイドラインをよりよく運用していくことが、大事だと考える。

(地域健康づくり課長)
運用していくのは職員であり、人材育成が大きな課題である。また、数多くの関係団体と連携をとりながら、対象者に対する支援を推進していきたい。

(委員)
とても良く整理されている。前回、要望した特定妊婦について、今回は、全体的に特だしされている。特定妊婦については、まだまだ周知が足りないので、このガイドラインが一助になればと思う。

(会長)
『現状と課題』のうち、地震と放射線の部分は、新たに追加された部分だと思うが、もう少し具体性があった方がよい。方向性も見えにくい。

(地域健康づくり課長)
昨年度の新型インフルエンザのように、様々な想定外の事例が起こる可能性があるので、いろいろなリスクを考えながら、何かが起こった時には、臨機応変に対応していくという意味をこめた表現にしている。逆に、当面の課題に限定した方が良いということであれば、変更していく。

(会長)
柏市の場合、特に、ホットスポットが話題になっているので、保健所が扱う内容について、検討をしていくというような記述があっても良いのではないか。この点について、意見はあるか。

(委員)
想定外という話しがあったが、非常に重要なことである。要支援家庭では、どんな所で、どんな想定外の事例が発生するかが、予想できずに、緊急事態を招くことが多い。
例えば、県外からの柏へ来た家庭から、突然事件が起きることもあるので、想定外という視点は、重要である。放射線の話とは違うが、虐待の部分でも言えることである。

(委員)
学校の立場では、いろいろな部署と連携してやっていかなければならない。そのことが、ガイドラインによって明らかになったのではないか。
今、想定外の問題として、学校では、外国人母親への対応がある。虐待や育児能力の事、言葉が通じない事、そして妊娠までの経過が不透明な事もあり、どのように対応していくのか、不安が多い。駅周辺には、そのような家庭が、特に多いということを認識しておいて欲しい 。

(事務局)
ご意見ありがとうございます。母子保健では、病院、学校など、いろいろな方々にお世話になりながら、一事例一事例、個別の対応をしている。特に、応用の利かないことが、想定外の事例である。ある程度、想定出来る事例は、既にマニュアル化されている。
しかし、健康危機管理として、求められているのは、マニュアル化されていない一事例一事例を、行政と関係する先生、機関と連携してどのように対応していくか、意識を共有した上で、これから、きちんと対応していきたい。
そして、ハイリスクのパターンをキャッチする能力が、今まで足りていなかったので、各事例について、必要情報を、関係機関と共有しながら、丁寧に対応していくことが、想定外への対応にもつながると思う。また、そのような内容を、各論の特定妊婦、要支援家庭の支援事業の実施ポイントの中に追記していく考えです。

(委員)
見やすくてよい。今まで以上に、健康づくり推進員の方々と連携しながら、各事業を進めていきたい。
また、推進員は、先ほどの外国人家庭への訪問も行っている。話が出来ない場合は、保健師の方に協力してもらい、話が出来る場合、例えば、母親が外国人で父親が日本人の場合、父親と話をしながら、また、推進員同士で、繋がりを持って支援につなげていきたいと考えている。そういった繋がりである母と子のつどい等では、2歳半~3歳程度までだが、その後の事も含めて、連携しながら普通の生活が送れるよう支援していきたい。

(委員)
放射線に関して、先日、放射線対策の説明会があり、柏市は、確か12課の連携により、平成24年度まで、具体的な数値目標を設定した除染方針を示していたが、そういった取り組みも記載すべきである。
また、総論というか、事務局が言う大前提の部分である下の2行を最初に持ってくるほうがよい。その後、ホットスポットに関する事で、行政の取り組み状況を記載した方がよい。また、想定外の事が起きている件だが、2年間、医師として行政と携わってきて、昔より、市職員との連携が上手くいってると感じる。従って、かつてより連携し合い、一つ踏み込んだ活動が出来ている。
さらに、そういった考えを持つ若い世代が多くなってきている。そういった事を踏まえれば、想定外の事が万一、起きても、連携したネットワークにより、うまく対応していくこともできるのではないか。

(委員)
ホットスポットに関して、もっと具体的に書いた方がよい。また、予防接種について、ワクチンの予防を具体的に入れたらどうか。

(事務局)
ワクチンの啓発については、予防接種事業の中に含めているが、説明が不十分なところは、具体的にしていきたい。予防接種事業の各論の中にも、ワクチンで予防出来る予防接種の啓発について、記載しているが、職員が対応出来るような形に見直していきたい。

(委員)
今回のガイドラインは、職員の指針としてまとめてあるが、可能であれば、市民に情報発信して欲しい。

(地域健康づくり課長)
発信していく予定である。

(会長)
私もそう思う。各論までは、必要ないかもしれないが、総論だけでも、市民へ向けて発信して欲しい。

(委員)
精神科医の立場から、発達支援の部分で、乳幼児期に、発達の問題が出てくることが多い、しかし、最近の傾向として、幼い頃に問題なく過ごしていた方が、中学・高校で発達に関する問題を発症し、生活・仕事に支障をきたすケースが出てきているので、関係機関の連携をスムーズにしていけたら良いのではないか。
各論部分の発達障害の項目で、幼稚園・小学校、さらには学年があがったところに関しても、周知がもう少し、必要ではないか。

(会長)
発達障害に関しては、世代を超えて、市で取り組むという事であり、特に棲み分けしているわけでもないが、保健所は、小中高くらいまで、成人した場合は、保健福祉部で扱っているという状況である。

(こども発達センター所長)
母子保健については、幼児期だけでなく学齢期、成人になってからの問題がより大きくなっている。市でも、そのような認識はあるが、学齢期、成人期の対応として、具体的な対策をすることが難しい状況にある。ただ、障害者の計画の中で、そうしたものを位置付けていく予定であるまた、今回の計画は、児童を対象としており、具体的な対応を目指していきたい。

(委員)
母子保健に係わる根拠法令に、児童虐待防止法が含まれていないが大丈夫か。

(事務局)
児童虐待防止法については、根拠法令の他、各論の部分も含めて追記する。

(委員)
予防接種について、柏市は他市に先駆けて、接種する医者を対象に研修会を開いて、それに参加しないと予防接種事業に参加させなかった。千葉市でも、それに近い事を行ったのは知っているが、他市で行ったという事は聞いていない。予防医療について、これからは、病院に通院して治す時代ではなく、病気に罹らないようにする時代である。研修会の例でも分かるように、柏市は他市より予防接種事業をしっかり取り組んでいるので、総論にも、予防接種のことを記述したらどうか。

(事務局)
予防接種行政は、法律改正を控えていたり、内容もここ数年、大きく変化している。昨年も、新たに三つの予防接種が増え、受ける子供自身も含め、保護者の方々も、混乱している現状である。委員が言ったように、接種する医療機関も様々な予防接種、法改正に対応に、四苦八苦している。今後も、法改正により、変化していく中で、子供、保護者、医療機関が確実かつ安全に行っていくことが大きな課題である。したがって、そのような内容を追加していきたい。

(委員)
虐待の問題で、なかなか予防が出来ない現状の中で、具体的な予防へのアプローチが必要と考える。産婦人科の分野では、母子愛着形成の支援という事でカンガルーケアというスキントゥスキンコンタクトのケアを行っている。何か答えがある訳ではないが虐待に対する何らかの処方箋があればと感じる。問題は、社会構造なのか出産期の過程なのか等、今後、解明されていくことを期待している。

(地域健康づくり課長)
虐待の件について、最近のハイリスクケースで目につくのは、若年、シングル、貧困という事である。そこで、どの段階で、キャッチ出来るかという事だが、基本的に、妊娠届の提出がないと分からない部分はある。しかし、妊婦健診や幼児健診をきちんと受診しているかという所から把握していき、受診していない家庭は、なぜ受診していないのかという事を一件一件確認してリスクを取り除いていくような活動が大切である。当面は、その辺に力を入れて、早めに情報をキャッチし対応をしていくような体制づくりをしていきたい。

(会長)
個別訪問をこまめに実施している事もどこかに記載されていたと思う。

(地域健康づくり課長)
訪問については接触出来れば問題ないのだが、接触出来ないと問題がでてくる。接触出来ない方々には、何とか接触して支援出来る方向へもっていきたい。

(会長)
他に意見がないようだが、今後の事務手続きは、どうするのか。

(地域健康づくり課長)
本日の意見を踏まえ、修正していくが、ここで皆様の了承が得られれば、修正確認を会長に一任して頂きたい。そして、会長の承認を受けた後、保健衛生審議会に報告して、最終的に市の案としてまとめるという形をとっていきたい。

(会長)
そのようにしてよろしいか。

【異議なしの声】

(会長)
それでは、指摘した部分を事務局に整理して頂いて最終的に私が一任させていただきます。ありがとうございました。それでは、マイクを事務局へお返しする。

  • 閉会挨拶(保健所次長)
  • 閉会