平成23年度第2回柏市保健衛生審議会母子保健専門分科会

1 開催日時

平成23年9月29日(木曜日)午後2時から午後3時10分まで

2 開催場所

ウェルネス柏4階 大会議室

3 出席者

  • 委員 10名

    小林会長、小松崎副会長、阿部委員、上別府委員、窪谷委員、妹尾委員、和田委員、山田委員、松井委員、小路
    委員

  • 柏職員 21名

    保健所長、次長兼総務企画課長、地域健康づくり課長、保健予防課長、こども部技監、こども政策室長、子ども発達
    センター長、教育研究所長、次長兼児童育成課長、次長兼保育課長、学校保健課副主幹、地域健康づくり課職員  

4 傍聴者

 2名

5 議事

  1.  柏市母子保健ガイドライン(第2稿)について
  2.  その他 (次回の日程)

 <議事> 

(会長)
本日の議事は、柏市母子保健ガイドライン第2稿となるが、まず、事務局の方から説明をお願いする。
                     

事務局説明


(会長)
ありがとうございます。それでは、修正あるいは、追加した方が良い所があれば、意見を伺いたい。

(委員)
9Pのネットワーク図について、ふるさと協議会と地区社会福祉協議会は、ほとんど一本化されたが、子育て支援に係る活動費は、地区社会協議会から出ていることもあるので、『ふるさと協議会』の中に地区社会福祉協議会のことも、併記した方が良いのではないか。

(事務局)
ふるさと協議会と併せて、地区社会福祉協議会についても記述していきたい。

(委員)
数点、申し上げる。全般的に、母子保健という観点からか、母親に軸足を置きすぎて、子どもの部分の記述が少し遠慮がちにみえる。保健所の地域健康づくり課が主体となるため、やむを得ないかもしれないが、気になる所である。
例えば、2Pの3番の記述で、『・・・・育児支援と健康支援対策の充実・・・・』とあるが、これは、母親が抱えている課題となっていて、配慮を要する子どもの発達や成長の視点が見えない。
結論を言うと、養育支援や発達支援など、子どもの部分を書かないと、母親なりの育児支援になってしまう。そこが重要な所で欠落しているように思う。これは、あとの文面にも影響を及ぼしているのではないか。
次に、3Pの根拠法の中で、非常に重要な児童福祉法が抜けている。来年4月の法律改正により、障害のあるなしに拘わらず、子どもを支援するようになるので、欠かせない根拠法である。
次に、6Pの(3)アの所は、親子への支援だけでなく、子どもの支援も書かないといけない。そして、文章の結びも「・・・・確保・改善につとめ、早期支援につなげます。」とした方が良いと思う。また、7Pの柏市母子保健推進体系の中で、『配慮を要する親子やの支援』の所にも、発達支援や養育支援などの記述がないといけない。また、8Pの左端の障害福祉課の欄について、法律改正に伴い、来年4月から障害者自立支援協議会が法定化され具体的に位置付けられる。その中で、柏市は子ども部会を設けているが、既に、部会の中で、早期支援連絡会として、保健所、子ども発達センター、障害福祉課、民間も入って現場レベルが、動き出しているので、この連絡会の事を、障害福祉課、或いは、子ども発達センターの中に書いて欲しい。

(会長)
貴重なご指摘ありがとうございました。今の点について、事務局いかがか。

(事務局)
療育支援、発達支援については、子育て支援という事にもつながることから、その視点で書かれているかどうか、もう一度、点検していく。また、根拠法のうち、児童福祉法については、既に記述されている。自立支援協議会については、当課からも参加していて、追記する。
 
(委員)
この分科会では、平成20年度から21年度にかけて「発達障害の早期発見及び相談・支援並びに家族支援体制の整備指針」に関して審議し答申案をまとめた。そのときの整備指針では子どもの立場に軸足を置いたのに比べ、今回のガイドラインは、母親の立場(母子関係)をより配慮しているように思える。そういう意味では、松井委員から指摘があった視点が欠けているものではないものと、自分は認識しているが、どうだろうか。

(事務局)
発達支援や養育支援については、このガイドラインに先行して、整備指針を策定したが、ここでは、改めて、母子保健全般の一環した推進のため、ガイドラインを策定していきたいと考える。決して、発達支援や養育支援を見落とした訳ではない。しかしながら、もう少し、明確に記載した方がよいとご意見を頂いたので、工夫していきたい。
 
(委員)
前回、指摘した点は、改善されている。虐待防止について、妊娠期からの支援が大切であるという内容が、6Pと7Pには、十分書かれている。しかしながら、8Pの『要支援家庭の把握と支援』の所は、虐待防止のイメージが弱く感じる。また、37Pも、要支援家庭の把握と支援について、記載されているが、改正児童虐待防止法にも、『特定妊婦』という用語が使用
され始めているので、その用語を使用した方がハイリスクの妊婦として、しっかり位置付けられると思う。

(事務局)
分かりやすい表現に直していく。

(会長)
このガイドラインは、どこをターゲットにしているのか。職員の業務をベースに考えているのか。市民を含めて作成しているのか。

(事務局)
基本的には、職員の教科書的なものと考えてる。担当者が変わっても、事業の目的や性格が変わることがないようにしたい。
 
(事務局)
これとは、別に、市民に向けたダイジェスト的なものを作成した方が良いのではないかとの意見も頂いている。また、保健所をもっているわけだから、保健所にくればどうにかなるという分かりやすいものを市民は望んでいるのではないかというご意見も頂いている。内容をしっかりさせた上で、さらに、ダイジェスト版の作成等を今後、考えていきたい。 

(会長)
是非、そうして頂きたい。他にあるか。
 
(委員)
10Pの『母子保健の効果的な推進のため』に7項目の記載があるが、個人的には、6番目の(多様な主体の関係機関・関係者との連携・・・)が筆頭にくるものと思う。

(委員)
各論に関係して、事業の数が多いのだが、それぞれの事業は、どの部署が扱うのか、何人が携わるのか、また、似たような事業がいくつかあるが、どの事業とどの事業に同じ担当者が関わっているのか、などが分かるようになると、医者側からは、相談しやすい。
予防接種事業について、ようやく2年程前から厚生労働省が予防接種行政に関して前向きの姿勢になってきた。VPD(Vaccine Preventable Disease=ワクチンで予防出来る病気)という概念が出てきてから、特に、乳児期早期である生後6か月までに、各種のワクチンを接種して、髄膜炎等の重症感染症を積極的に予防することが大事という考えになってきた。
柏市は、中核市というプライドを持ち、VPD対策として、生後2ヶ月からヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンを始めとする乳児の予防接種を積極的に推進すべきと考える。
乳児の健診は、1ヵ月時に産婦人科で、次いで3ヵ月健診時に小児科で受けることになっている。今までは、小児科での3ヵ月健診の時点から三種混合ワクチンやBCGを開始していたが、これからは、それよりも早期に予防接種スケジュールを開始しなければいけない。
2ヵ月時の健診は無いので、初めて小児科の門をくぐる(3ヵ月健診のため)前に、すでに母親は予防接種の知識を身に付けておかねばならない。そのためには、妊娠中から生後1ヵ月健診までの時期に予防接種の啓発をしていくことが重要であり、柏市はその姿勢を示すべきと考える。

(事務局)
各論事業について、担当課は必要であると思うが、担当名や担当人数については、このガイドラインに載せるべきか、対外的にお示しするものに載せるべきか、検討していきたい。また、ご指摘があった10Pの記載の順番について、個人的には、7番目にある職員の人材育成が一番重要ではないかと考える。

(会長)
事務事業評価シートは、部署に関する事がこと細かく書かれていて、人数に関する事も細かすぎるくらい記載されている。ガイドラインに準じたものを作成するのであれば、そのような表記が出てくるのではないかと思う。

(事務局)
確かに、事務事業評価シートについては、細かすぎるというご指摘もあるが、あの中には、何人が業務に従事し、経費や目標値など、必要な事は、記載されている。ただ、それと併せて、どのようにガイドラインに反映できるのか、検討していきたい。

(会長)
現段階では、内部の受け持ち部署に関して言えば、評価できるものになっているが、市民向けに公表すると分かりにくいかもしれない。

(事務局)
事務事業評価シートに関しては、全庁的な取り組みなので、ガイドラインに入っていない各論に関しても、全庁的な流れの中で評価していきたいと考えている。事務事業評価シートに入っていない具体的な事に関しては、ガイドラインの中で職員誰が見ても分かるように、両方を上手く活用していきたい。VPDに関しては、妊娠期からの啓発を心がけていきたいと思う。
 
(委員)
妊娠中からの取り組みとして、ハイリスク妊婦に対し、いろいろ対応してきたが、それ以上に、想像もつかない所で突然起こるケースも増えてきている。初めて起こる事に対応していくために、地域と密着しながら、診療所レベルでも取り組んでいこうという発想から、妊婦に対して、相談援助事業を進めている。様々な形のリスクのある方や支援を必要とする方に、水際ですべき課題も多く存在しているという実感がある。
虐待に関しても、より早期の0歳時に起こる事が増えてきて、軸足が妊娠期から早期の乳児期に移ってきている背景があるので、今の時代、産婦人科の中でも周知して必要がある。実際に、産婦人科医師会でも、積極的に取り組んでいこうと動いている。妊娠初期からの取り組みも重要であると考えているので、出来る限りの取り組みをしていきたい。

(会長)
他にご意見はあるか。母親の立場からどうか。また、虐待の問題が多く取り上げられているが、事例とか問題はあるのか。
 
(委員)
私共の方で、どうしても引き受けられない状況の時、受け皿として、第二のステップも検討いただきたい。予防接種の件で、産婦人科で6ヶ月ワクチンが始まると2ヶ月でやっていかなければならないので、小児科の手だけでは追いつかなくなってしまう。従って、産婦人科の先生の手を借りる事が出来れば、スムーズに進める事が出来ると思う。
 
(会長)
他にあるか。1Pの部分で素晴らしい内容が書かれているが、次のページに接点がつながっていないように感じる。2の『母子保健法を取り巻く課題』との整合性や4の『柏市の母子保健の方向性』に、上手く連動した形で繋いでいって欲しい。
 
(事務局)
ご指摘の通りだと思う。整合性がとれているのか確認し、内容が展開していくような形に直してく。

(委員)
柏市でも、つらい事件が発生したが、日頃からの取り組みが大事と考える。実際、新生児訪問に関わる中で、母親に問題があるケース、子どもに障害があるケースなど、ハイリスクとはっきり分かるケースは、積極的に対応してきている。ただ、グレーゾーンで、もう少し手をかけたり、声を掛ければ防げたと思われるケースにどう対応すべきかという話が、新生児訪問
の仲間であった。その中で感じた事は、マンパワーの必要性である。従って、健康づくり推進員や新生児訪問を行っている方々は、いろんな連携を持ってたくさんのつながりの中で行っていく事が重要な事だと感じる。

(会長)
それぞれのポイントが、ばらばらでは意味がないので、有機的に全てが流れれば良いのではないか。これだけの事業があれば、確かに重複する部分も出てくるので、お互い協働して進めていくことが大切である。

(委員)
ヒアリングや分科会での意見が反映されていてありがたく思う。ネットワーク化がサイクル的になっていることが重要である。学校現場でも、ハイリスク家庭や要支援家庭では、同じようなサイクルをたどる傾向にある。従って、この協働のスタンスを次の世代にきちんと受け継いでいく事や見守っていく体制が重要である。本当に厳しい家庭で育った親には共通点が多く、満足感がなかったり、肯定感が低いことがよくあり、そのような親を暖かく見守っていく事が今後、重要になってくる。

(委員)
 第1回の会議には、想定外であった放射線の問題をこの中に入れていくべきか、検討すべきではないか。

(事務局)
市の中でも検討している部署があるが、健康相談ということで、実験的に、いくつかの保育園で専門家を招いて相談を受け付けた事例がある。 期待されるところがあるが、放射線の専門家がいないことが課題であり、今後、人材確保や体制整備の可能性を含めて検討していきたい。
 
(会長)
補足や追加という形で入れていく必要がある 。

(委員)
訪問に行って会えたり、『母と子のつどい』に参加した人は、その後、幸せに暮らしていることと思うが、会えない人を、どうしていくのか、考えることがある。みんなで誘い合った場合でも、出てこないケースが多々あり、その対応についても、長い間、答えが出せていない。今回の虐待の事件でも、悔しい思いをしたが、このようなガイドラインが出来れば、今後、活用していきたい。

(事務局)
たくさんの意見をいただいたので、一つ一つについて、考え直していきたい。

(委員)
虐待の死亡事例では、未受診事例が話題になっているが、地域と診療所との連携等で何か出来ることはあるのか、ご意見があれば伺いたい。

(委員)
未受診の方々にも、いろいろ理由があるが、保健所等でフォロー出来ない部分をどうするのかについては、産婦人科医での案として、支援制度を充実させるという意見が出ている。
例えば、里親制度や助産制度の機能強化等を考えていく必要があるということである。

(委員)
1歳半健診や3歳健診に関して、従来から柏市は、健診未受診の家庭に関して、虐待が潜んでいる危険性を心配して直接訪問するなど、積極的に関わっている。しかし、チャイムを押しても応答がない、マンション等の集合住宅ではオートロックのため入れないなど、どうしても面談できない事例があることも事実である(乳児健診検討委員会での報告)。ただ、諦めずに積極的に行っているので、その部分は評価したい。
1歳半健診までは保健所での公的な健診が無いので(各医療機関での健診にとどまる)、虐待の問題を含め、行政からの関わり方に難しいところがある。 

(会長)
他にあるか。意見がないようであれば、マイクを事務局へお返しする。 
 

  • 次回の日程説明

第3回の母子保健専門分科会は、平成24年1月20日(金曜日)午後1時30分より、健康管理センター2Fで開催することとする。

  •  閉会