平成27年度第2回柏市総合交通計画推進協議会 会議録

1 開催日時

平成27年11月30日 月曜日 午後2時から午後4時

2 開催場所

柏市役所分庁舎2第3会議室

3 出席者

委員

  • 学識 藤井委員長
  • 交通事業者 新野委員(代理出席)、小瀧委員、竹内委員、吉﨑委員、瀬戸委員(代理出席)、松丸委員
  • 市民公募 丹藤委員、小川委員
  • 関係行政機関 後藤委員、髙橋(英)委員(代理出席)
  • その他関係団体 佐藤委員

事務局および関係部署

土木部交通政策課 内田課長、佐藤副参事、後藤副主幹、中川主事補

傍聴者

3人

4 議事(概要)

1.前回会議の振り返り

  • 事務局
    柏駅と柏の葉キャンパス駅を結ぶ公共交通軸の強化については、現状の道路幅員等を考慮すると、バス路線強化が現実的である。その他、市民の意識が便利な「クルマ」に向いているが、この意識を公共交通に向けるのが「モビリティマネジメント」である。この点については、バスマップの配布に終始してしまった。今後、戦略的に取り組んでいく。

2.上位・関連計画の位置づけ他について

【事務局にて資料1のP3からP23に掛けて概要を説明。以下、各委員との質疑応答】

  • 委員
    資料1のP19、歩行者・自転車通行環境整備に関して、車道の高さを嵩上げするということだが、ゲリラ降雨時における道路排水対策については考えているのか? 
  • 事務局
    道路に接する宅地の高さを変えることができないので、車道を嵩上げすることになる。現在、道路の排水対策等を考慮したうえで、各種設計等を行っている。
  • 委員
    第4次総合計画の達成度の見通しは?
  • 事務局
    第4次総合計画の達成度については、この場にて説明することはできない。但し、第4次総合計画と柏市総合交通計画は連携を図っている。資料1のP22にて、総合交通計画の最終年度である平成31年度にかけての重点的取組施策のスケジュールをお示しした。スケジュールどおりに進めば、第4次総合計画に位置づけた交通関連施策の大部分が達成したと、考えている。
  • 委員長
    (第5次総合計画は来年度からスタートすることになるが)第5次総合計画と立地適正化計画がほぼ同時進行となるので、両計画のすり合わせが重要。一方、本協議会は総合交通計画に位置づけた施策の中間評価を行うとともに、第5次総合計画へのプロセスを検討していく、という位置づけ。事務局の説明によると、第4次総合計画に位置づけた交通関連施策についてはほぼ形作られるとのこと。
  • 委員
    いかにして「住民が住み易いまち 柏」にするかが重要である。現在、柏市は出生率が死亡率を上回っている数少ない自治体の一つであるものの、高齢化率の高い地域が点在している。生活を営むには外出が必須であり、いかに外出しやすい環境を作るかが鍵である。その中で、鉄道駅のバリアフリー化として施策を展開することも重要だが、そこまでのアプローチについても検討していく必要がある。
  • 事務局
    ご高齢の方々に対して、家からバス停又は駅までの経路を考えていくことは重要。来年度以降、地域公共交通網形成計画の議論を開始するが、生活交通としてきめ細やかな交通網の形成などが議論となるものの、事業採算性が課題。路線バス等を補完するデマンド交通の導入なども検討対象となってくる。
  • 委員
    市民が健康で安全、安心に住める(移動できる)まちづくりが計画の中で一番重要である。私自身、自転車を社会の財産として活用できるよう、様々な取組をしているが、現在の交通体系は「クルマ」が中心であり、自転車・歩行者の立場からするとアンバランスである。自動車、自転車、歩行者が平等となるような社会の仕組みづくりが必要である。
  • 委員長
    市内における移動をどこまで公共交通として維持していくか、公共交通のプログラムと福祉交通のプログラムとが、いかに連携させ、役割分担を持たせるかが鍵となる。
  • 委員
    柏駅と柏の葉キャンパス駅間の交通軸強化について、現状のバス強化が現実的である、との説明があった。以下のことは、交通のハードではなくソフト施策に関する内容なので、本協議会における検討事項ではないが、近郊の大規模SCに奪われた柏の商圏を取り戻すために、(個人的な意見だが)商店会や大型店などの協力を得ながら、両駅間の土日の買い物客のバス料金を無料にする、場合によってはおおたかの森駅とも連携することで両駅又は3駅の商業地域間での買い物客の回遊性を高める方策などを検討してはいかがか。
  • 事務局
    柏駅と柏の葉キャンパス駅間の公共交通軸強化については、バス路線強化が現実的と考えている。それぞれ特徴のある両拠点をどう連携していくかが、今後の柏のまちづくりにもつながる。
  • 委員
    移動し易いまちイコール住み易いまちとなる。来年、駐車台数や商業面積など柏の葉の商業施設を大きく上回る大型商業施設が沼南地区にオープンする。残念ながら、近隣に鉄道駅がないことから車・バス交通が重要となる。この施設オープンにより、沼南地区におけるバス交通等の再編のきっかけとなるかもしれない。2点目は、自転車事故にかかる賠償金が高額となっていることから、自転車が安心して通行できる環境、ルールの周知徹底を図る施策を展開してもらいたい。3点目として、公共交通利用促進としてのモビリティマネジメントについては、柏市民だけでなく近隣市と連携して進めていただきたい。
  • 事務局
    商業施設オープン時でのバス路線再編には間に合わないが、バス会社にて路線の増便等をご検討いただいている。オープン以後も、バスの利用状況を踏まえ意見交換していきたい。自転車通行環境整備については来年度スタート予定である。モデル路線の整備を進めるほか、戦略的な広報を通じてルールマナーの周知を行っていきたい。モビリティマネジメントについては、柏市自体が勉強不足の状態であることから、先進市の事例を参考に進めていきたい。
  • 委員長
    大型商業施設への公共交通をどう展開していくかが課題。例えば、アウトレットモールのオープンに併せてバス路線を充実させるも、来店者の中に「家族構成」が入ると、自家用車による来店が中心となり、やがてバス路線が撤退するというケースをよく目にする。一方、欧州では大人1名に付き子供何名まで無料、といった特典が与えられている。来店者に対してこのような特典が付与されないと、アウトレットモールにおける公共交通の利用促進にはつながらない。
  • 委員
    柏市内の国道6号、16号については通過交通が非常に多い状況下である。国道上で渋滞並びに事故が発生するとバス運行の定時性確保ができなくなることから、国に対して国道16号等の渋滞解消に向けた働きかけをお願いしたい。
  • 事務局
    国道の渋滞解消については、管理者である千葉国道事務所に対して毎年、要望を出している。また、国道16号のバイパスとして千葉柏道路についても検討がなされているが、大きな事業なのですぐには答えが出ない。短期的な対策として、信号標示サイクルの見直し、交差点の改良工事等を行うことで渋滞解消を図っている。一方で、モビリティマネジメントは公共交通の利用促進に主眼を置いている。住民の移動パターンはあるものの、経済的・環境面・健康面での公共交通の良さを発信しつつ、住民が自発的にバス並びにタクシーを利用していく結果として、国道の渋滞解消につながることもあり得る。
  • 委員長
    総合計画の中でも国道16号の渋滞問題は指摘されている。柏市にとっても基幹となる道路であり、(渋滞等で)動かないということは様々な面で支障をきたしている。市の予算で整備を進めることはできないが、市の全体計画の中で積極的に国への要望を行うことが大事。
  • 委員
    鉄道事業者として、駅舎は交通結節点として大きな機能もあることから、全体の交通体系の中で、シンプルではあるが使いやすい駅舎を目指して、柏市と協力しながら進めていきたい。
  • 委員
    資料1のP19、歩行者自転車通行環境整備に関して、当社の運行路線としてモデル2路線(新柏・柏の葉)が該当する。自転車の通行環境が整備されることは良いことだが、自転車に乗っている方の優先意識により、バス発着時におけるトラブル発生が懸念される。資料では千葉市における整備イメージが掲載されているが、柏市における仕様等は決まっているのか。また、柏の葉のモデル路線内に1箇所バスベイがある。歩道に沿ってナビマーク等を標示すると、マーク上にバスが停車することとなるので、施工前に協議していただきたい。
  • 事務局
    自治体ごとに異なる仕様、デザインで路面標示を行うと、広域的に自転車で移動される方々に混乱を招く恐れがあるため、千葉市の事例を参考に整備していくのは勿論、県内で統一の仕様・デザインで整備していくことが望ましい。また、先日、道路管理者や所轄警察署の方々と意見交換を行ったところであるが、国土交通省の方から平成24年度に策定した自転車通行環境整備にかかるガイドラインの見直しを行っており、その項目の一つとしてナビマーク等の仕様を統一させていく、との情報提供を頂いた。その他、バスベイ付近の路面標示については自転車総合計画の策定時においてもご指摘をいただいていることから、着手前に調整等行う予定。
  • 委員長
    国土交通省を中心に路面への標示方法など具体的に検討されているようであり、柏市においても国の指針に基づき整備を進めることで仕様の統一が図られる。
  • 委員
    確認を含めて2点お伺いしたい。1点目は、立地適正化計画と今回の総合交通計画の関連について。立地適正化計画が策定中である状況において、立地適正化計画の策定の方向性を見据えながら、総合交通計画の見直しをする、という考え方でよろしいか。2点目は、今後の総合交通計画の重点的取組施策として、東武アーバンパークラインの六実~逆井間の複線化が挙がっている。東武グループ中期経営計画において、当該区間の複線化の推進を掲げる中、総合交通計画の重点取組施策に位置づけていただくことは、心強いところではあるが、複線化そのものだけを重点取組施策に挙げるのであれば、違和感があるのではないかと思う。また、総合交通計画における前期5ヵ年の課題整理から、今後5ヵ年の重点施策への移り方としても、唐突感があるのではないかと思う。
  • 事務局
    立地適正化計画と総合交通計画との関連は今後の議論の推移によって見えてくる。一般的な計画では「評価」と「見直し」が連動することが多いが、本協議会では計画の中間期における「施策の評価」を行う場であり、「評価」をした上で、今後足らない部分をどう進めるか、までとしたい。一方、複線化については、若干、説明不足の感があった。総合計画策定時には「複線化」という明確な表現ではなく「鉄道輸送力の増強」という表現で、取組施策の一つに位置づけていた。その後の状況変化により、東武の複線化事業の推進に併せて、柏市が行う関連事業(跨線橋等の改修工事)の準備も必要で、両方の工事が一体となり進む必要があると、認識している。
  • 委員長
    この件については、計画策定時の「輸送力の増強」から「鉄道の複線化」ということで、表現並びに位置づけがより明確になっている。市民公表に向けてこれまでの経過等を整理、明確にしていただきたい。 

3.その他

  • 委員長
    本日の議題については以上となるが、(会議の締めくくりとして)出席された委員皆様方から、一言づつご意見ご感想をお願いしたい。
  • 委員
    当社の方針として、地域との連携及び共生を掲げている。今後とも、総合交通体系の中で、柏市と協力しながら、皆様方にとって使いやすい駅を考えていきたい。
  • 委員
    東武アーバンパークラインは、当社の重要な路線であり、東武グループ中期経営計画において、その利便性と快適性の向上を掲げている。11月に入り、来春より大宮~春日部間の急行運転を行い、所要時間が21分から15分へ短縮されること、また、当社として初めて、浅草から運河方面への臨時特急を運行することをプレス発表させていただいた。利便性と快適性の向上に努めていくので、引続き、ご支援、ご協力をお願いしたい。                                                                
  • 委員
    柏駅西口から柏の葉キャンパス駅間のバス路線充実に関して、先行投資をするには容易でない状況下である。また、全国的にバス運転手不足が続いているが、当社では、運転手確保策として2種免許取得に向けた養成制度を開始したところ。その他、自転車の車道通行によりバス運行時間に多少なりの影響を及ぼしている他、バス停留所の新設には近隣住民のご理解によるところが大きい。厳しい状況下ではあるが、引き続き地域社会に貢献していきたい。        
  • 委員
    交通事業者、柏市の方を含めて市内の公共交通を検討する会議に参加することができ、感謝申し上げる。バス路線の延伸など、当社としても柏市に協力することはやぶさかではないが、(バス路線の要望はあっても)市民に乗っていただかないと会社経営が成り立たない、という要素を踏まえていただくとありがたい。
  • 委員
    当社では五香駅からしいの木台経由で高柳駅間でバス路線を運行している。現在、小型バスによる運行を継続しているが、将来、ノンステップバス車両への更新が必要になってくる。また、沼南地区の大型商業施設への公共交通乗り入れとして、既存バス路線の一部を振り分ける予定である。
  • 委員
    今後も高齢化率が高くなり、2025年度に介護のピークを迎えると言われている。タクシー協会としても、年齢や障がいの有無に関係なく、誰もが利用しやすい環境を作るほか、ユニバーサルタクシードライバーの養成などにも取り組んでいく。また、柏市に対してはバリアフリーマップの作成をお願いしたい。
  • 委員
    自転車を通じて、安心安全なまち「柏」に向けて各種取組を進めている。市内の幾つかの高校では、自転車のマナーアップ隊が組織され、一定の効果が見られる。マナーアップ隊が警察官などにも広がると更なる効果が期待できる。その他、柏市でも市民参加型のサイクリング大会の開催をお願いするとともに、大会を自転車マナーの普及及び発信の場としたい。
  • 委員
    重点施策として位置づけた事業については、予算措置など財政サイドと調整の上、スケジュールどおりに進めていきたい。その他、バス停でノンステップ車両からスロープを降ろしている光景を目にした。交通事業者のご協力によりバリアフリー化が進んでいる。引き続きご協力いただきたい。
  • 委員
    柏市内は国道16号を中心に、慢性的な渋滞箇所が多い。その中で、10月の常磐自動車道の通行止めにより、市内の国道へ車が流入し交通がストップする状況となってしまった。こういった状況を避けるべく、市内の主要道路において、交通管理者と道路管理者が協力して信号標示サイクルの適正化を進めているところ。安全で円滑な交通の確保は交通管理者の努めであることから、道路管理者と連携を図り進めてまいりたい。
  • 委員
    柏駅に向かう道路の中で幅員が狭い道路が幾つかある。幅員確保策として電線地中化を進める、可能ならば一方通行化などを検討していただきたい。その他、柏のITS事業についても先進的な取組であることから更なる研究、進展を望みたい。また、マルチ交通シェアリングの進捗度が高いことは理解している。使い方によっては、非常に便利な乗り物である。数年後の評価結果によるが、サイクルポートの数が増加すれば、より多くの市民に使っていただけると思う。 
  • 委員
    今年発表された柏市の意識調査では、回答者数の半数が「住み易いまち」と回答し、その理由として「交通の利便性が良いから」とされている。利便性については各交通事業者のご努力によるところが大きい。しかしながら、今後、少子高齢化が進むと(公共交通等を利用して)移動する住民が減少していくのは否めない。この協議会が、市民からできるだけ公共交通機関を利用する旨、発信する良いきっかけとなればと思う。
  • 委員長
    公共交通を担うにあたり、「市民との協働」が国における取組の中でも主軸となりつつある。公共交通は不要という人はいない、でも(バスなど)を走らせても乗らない。どのようにしてバス路線を延ばすか、については、計画の段階で市民を巻き込むことは勿論、どう公共交通を維持するか、という意識を根付かせる施策を進めていくことが大事。このレベルまで到達しないとモビリティマネジメントの完成には至らないので、高い目標を持って進めていただくほか、来年度以降、柏市では総合交通計画のほか総合計画・立地適正化計画・地域公共交通網形成計画が関連して動き出す。関係者間で連絡を密にして進めていただきたい。 

関連ページ

柏市総合交通計画

関連ファイル