第2回 柏市自転車利用環境整備計画策定協議会会議録

1 開催日

平成26年10月27日(月曜日)午後2時~午後4時

2 場所

柏市役所本庁舎5階 第5・6委員会室

3 出席者

1.委員

鈴木委員(議長)、佐藤委員、片山委員、永安委員、竹内(昭)委員、片岡委員、奥田委員(粟飯原氏代理出席)、寺嶋委員、中村委員(高橋氏代理出席)、長妻委員、竹内(辰)委員、中村委員、後藤(清)委員、後藤(勝)委員、實川委員

2.事務局

交通政策課 佐藤副参事、佐々木主幹、後藤副主幹、内藤主事、増田主事

3.傍聴者

1名

4 議事(概要)

1.第1回協議会を振り返って

  • 議長 交通事故の特徴として高齢者並びに自動車対自転車の事故が多いということで間違いないか。
  • 事務局  若年層の死傷者は減少傾向にあるが、高齢者の事故は前年比で増加している。
  • 委員 自転車で音楽を聴きながら、携帯電話を触りながらという乗り方をしている方が多い。先週も、市内で走行中のタクシーに自転車が猛スピードで突っ込んでくるという人身事故があった。結果的に大きな事故にはならなかったが、同様の事故が多発している。
  • 議長 自転車通行環境の整備とともに、正しいルールの徹底を行う必要がある。 

2.自転車利用環境整備の基本方針について

  • 委員 (資料3)P.1の基本方針1で『限られた道路空間を活用し、歩行者、自転車、自動車の通行空間の分離による安全で快適な道路空間・自転車通行空間の創出を図る』とあるが、施策の体系「主要な施策・主な取り組み」の中にも、その文言を追加すべきではないか 。
  • 事務局 さらに道路幅員を広げるといった整備は厳しいので、『限られた…』という文言については記載する。
  • 議長 重要な視点であるので、記載すべきである。
  • 委員 (資料3)P.1の『自転車利用環境整備の取り組み施策』にある『施策の体系1-2  統一的なサイン・路面表示等の整備』は柏市単独では難しいところがあると思われるが、どのようにお考えか。
  • 事務局 次回協議会までの検討課題となるが、千葉市やさいたま市の事例を参考としたい。隣接市同士で混乱が起きないよう、県内での統一感に配慮したい。
  • 議長 これはピクトグラムというデザインで想定されているのか。
  • 事務局 サインは自転車専用通行帯と車道混在の表示が主となるが、ピクトグラムは自転車に乗っているデザインを横から又は縦から見るタイプ、「自転車」という文字だけで示すタイプなどもある。視認性の高いデザインを検討していきたい。
  • 委員 自転車は広域にまたがる交通機関なので、サイン計画は、本来、全国基準があるべきで、市町村単位にばらばらであることは利用者にとって不便である。先日、四国(しまなみ街道)で開催された自転車走行イベントに参加したが、ここでは走行そのものよりも観光に重点を置いており、しっかりとしたサイン計画と自転車が走りやすい道路整備(勾配が3パーセント以下)が連携しており、ぜひ参考にしてもらいたい。
  • 委員 可能ならば車の標識のように全国共通のデザインが望ましいが。
  • 委員 この点に関しては、道路交通法の効力が及ばないので全国的な統一は難しいと思われるが、少なくとも千葉県の中では統一性を出した方が良いと思われるので、県警と連携しつつ進めるべきである。
  • 議長 サインには、法律で自転車専用の通行区間であると定めているものと、法律に規定がないが自転車の通行空間であると定めているものの2種類があり、同じサインとすることはできない。後者は自治体独自のものとなるが、県内でなるべく統一して使用できるものとするのが望ましい。
  • 委員 千葉県だけでなく関東全域で統一できれば、全国にも波及していくだろう。
  • 委員 (資料3)P.1の計画目標2として、ネットワーク路線に対する市民の満足度を8割以上と掲げられている。他の自治体のアンケート調査結果では、満足度が5割というのが一般的であるなかで、8割というのはどういった考えなのか。
  • 事務局 ネットワークモデル路線として何路線か候補を挙げており、そこで整備を実践しようと考えている。整備後、周辺住民にアンケート調査を行い、自転車、歩行者、ドライバーそれぞれの視点からの意見を聴取したい。アンケートの訊き方によって満足度も変わってくると思うが、地域と連携して意見を取り入れ、成功事例を生み出し、HP等で市民にお示ししたい。8割という考えは割合にこだわるのではなく、成功事例を生み出し、それを公表し波及効果として今後につなげていきたい。
  • 議長 豊橋市や堺市等での満足度が5割となったアンケートの事例では、どのような主体を対象に行っているのか。
  • 事務局 まだ把握していない。
  • 議長 自転車レーン等の整備に関するアンケート事例では、自転車の利用者のみを対象としているケースが多いが、歩行者やドライバーの安全も守られることが重要なので、様々な主体を対象とするべきである。但し、アンケート、特に満足度に関しては訊き方が重要となるので、今後検討が必要となるであろう。
  • 委員 (資料3)P.1の『自転車利用環境整備の取り組み施策』にある『施策の体系2-3  サイクル&バスライドの充実』について、当社には車庫以外に数ヶ所の折り返し場やバス停周辺に休憩所はあるが、一部を除いて自転車の駐輪場として割けるスペースはない。この施策の想定として、駐輪場を設けるのはバスのロータリーの中か、それとも外側か。
  • 事務局 貴社バス路線である中の橋バス停近くに駐輪場が整備されている。このような事例が実践できる場所を探し、公共交通と自転車をリンクさせていきたい。もちろん、バスの乗降場に設置できれば利用者にとって利便性が高いので、それも併せて考えていきたい。
  • 議長 シェアサイクルも視野に入れると、来訪者や自転車を持っていない方にとっても市内を移動しやすい環境となるだろう。
  • 委員 同じく『施策の体系1-3  交通安全施設の充実』とあるが、この対象は歩行者なのか、それとも自転車含む車両なのか。
  • 事務局 車の通行速度が高い路線においては、速度抑制等の整備策も併せて行っていくべきケースがあると考えている。
  • 委員 現行のルールでは、自転車が車道に降りることになる。ハンプや狭さく等の整備を行うと、自転車も道路形状に走らなければならず、本当に安全となるのか。また、スピードを落とさせるということは、歩行者に向けた安全ではないのか。
  • 事務局 歩行者の安全については、自転車が車道に降りることにより確保されると考えている。狭さく部分を走行する自転車に影響が出る、ということについては委員ご指摘のとおりだが、狭さく等整備部分を除いて自転車通行空間を整備していきたいと考えている。
  • 委員 交通安全施設の充実の対象を明確にしてもらいたい。
  • 議長 歩道のないところで狭さく等の整備を行うと、歩行者の空間に自転車が入ってくる、ということも考えられるので、配慮が必要かもしれない。

3.自転車ネットワーク整備計画(案)について

  • 委員 (資料3)のP.2に記載の3種類の選定要件による候補路線を重ね合わせ、重複した路線を抽出したのが整備計画となるということだが、ネットワーク選定要件1~3は机上の話であり、ネットワーク整備計画ではなくネットワーク構想ではないのか。実践し進める段階で整備計画となるのでは
  • 事務局 ここに示しているのは事務局(案)であるが、この協議会や計画策定を経ても、あくまで「候補路線」である。その後の実現化に向けては、道路管理者、地域住民、警察等多様な関係機関と協議していく必要がある。ここに示す計画は決定ではなく目指す姿であり、各関係者との協議を進める上でのたたき台のようなものと捉えて頂きたい。 
  • 委員 (資料3)のP.4『整備形態の検討フロー』について、道路の再配分や道路の拡幅が困難な場合は、併行して代替路線の選定を行うこととなるが、その場合はネットワーク路線は変わってくる。その意味からも、机上で選定したものはネットワーク構想という位置付けが良いのではないか。現地も見ないで計画を策定しても実施につながらないのではないか考えられる。
  • 事務局 実際の整備に関しては調査を行い、路線ごとに適した整備形態を検討していくが、国道や県道では整備形態の選定が難しいと想定している。市道で代替可能な路線があれば、市道の整備を進めた方が利用者にとって多少遠回りとなるものの、安全を確保できるということもあるので、関係者と協議の中で検討していきたい。現段階では、国道も県道もネットワーク候補路線への位置付けで進めていきたい。
  • 委員 最終的には、道路管理者を交えて現地を見た上での協議やワークショップを行うことを提案する。そうでないと机上のみの話で終わってしまう。 
  • 委員 現在の議論は、(資料3)P.2の『自転車ネットワーク整備の選定手順のフロー』でいうと、一番上の囲みの部分ということでよろしいか。また、その後の検討によって一番下の「自転車ネットワーク整備路線として選定」にたどり着くが、資料を見る限り、現段階でそこまで進んでいるように見えてしまう。今がどの段階であるのかという位置付けを明確にした方が良いのではないか。
  • 事務局 今どの段階にあるのかということは整理した上で結論付けたい。
  • 委員 選定要件3は、今後の上位計画との関連等の話なので、要件1及び2とは直接的にリンクしていないのではないか。1と2のラップから現実的に絞ってくるのではないか。3は次のステップではないかと思う。今後、市民からパブリックコメント募ることにもなるので、その手順をもう少し明確に判りやすくした方が良いのでは。それが、先ほどの検討フローにも関連してくると思われる。
  • 事務局 ご意見のとおり、選定要件3は実現性を重視した方策という意味で盛り込んでいる。もう少し判りやすく提示するよう検討する。
  • 委員 通勤&通学が優先されるのか、それとも次のステップとして市の主要な観光施設等をめぐるネットワークが優先されるのか。重要なのは通勤&通学路なのかもしれないが優先順位の考え方も検討してほしい。 
  • 議長 候補路線を抽出しているが、この程度の延長や密度のネットワークを作りたい、という位置付けになるだろう。他の整備形態なら整備が可能と考えるのか、用地買収が必要なので現実的には整備は難しいと考えるべきなのか、その選択肢の出し方によって「整備が可能か」という位置付けは変わってくる。また、国道や県道を整備候補路線に入れるかに関しては、選定要件2「自転車及び歩行者交通量が多く錯綜している路線」という要件に該当すると思われる。車道でも自転車が通行できる空間がきちんと用意されているということを示した方が、始めてみる方にも判りやすいのではないか。
  • 委員 国道&県道で自転車専用道を整備するのは現実的に難しいということはあるが、自転車が国道&県道を走っているのは事実である。ブルーラインを引くだけでもドライバーに対して自転車を注意する効果があるという事例も出ているので、何らかの対策を講じることが必要であるのではないかと感じている。
  • 委員 自転車を組み込んだまちづくりを今後どうしていくか、という具体的な議論になったときに、既存の概念で進めることは難しい。柏市で行うことであっても、県レベルでも検討を進めてもらいたい。実際に事故を減らし、住民の安全を守っていくためには、交通規制や道路の仕様形態等も変えていく、というところまで切り込んでいかなければならない。制限速度が30kmの場所では、死亡事故がほとんど起きていないという話を聞いている。生活道路では大胆に速度を抑える、車の通行を遮断するというような方策も必要であると考える。また、自転車もドライバーもルールをきちんと学び、ドライバーの免許更新の時には自転車との棲み分けの指導を徹底してもらいたい。安心安全で住み良いまちづくりを実現する為には、住民のコンセンサスを得ることが一つの大きな推進力になると考えられる。
  • 事務局 実際に国道や県道を走行してみると、駅周辺の一部区間を除けば、歩行者の通行は非常に少ない。優先順位を検討するときに、短路線で優先順位が高い低いということは決められず、区間ごとの特徴を考慮しなければならない。事務局でも現地での調査を行い、その結果や本日頂いた意見等を踏まえ、優先順位やまちづくりへの活かし方、ネットワーク計画についても検討していきたい。
  • 議長 自転車を守るという意味で、通行空間の確保は重要な視点である。また、相互通行の自転車道はガイドラインでも奨励されていないので、一方通行の自転車専用通行帯が望ましい。先ほどもあったように、自転車の通行量が多い路線では、カラーリングを行うだけでも自転車を守ると考えられており、都内においても事例が多くなりつつある。また、教育という点では、学校近くの路線で整備を行うと、生徒が日常的に目にすることになるので、教育効果が上がるというプラスアルファも期待できるのではと考えられる。 
  • 委員 (資料3)のP.4に柏駅周辺の実例写真が掲載されているが、駅周辺では歩道自体も十分でない状況であり、自転車道を設けることは望ましいが、車道に歩行者がはみ出しているような道路においては、第一に歩行者の安全を優先的に図ったほうが良いと思われる。また、ネットワーク候補路線の重ね図について、柏駅東口の駐輪場にアクセスする路線が入っていないようだが、整備を行う予定はないのか。縁石で歩車道分離し、歩車道両方で自転車が走っている状況なので、歩行者の安全確保の為に当該路線も候補に入れるよう検討してもらいたい。
  • 事務局 歩行者に関してはバリアフリー経路等、別の整備の枠組みがあり、市での取組みを進めている。なお、ご指摘の駅東口の駐輪場へのアクセス道路については候補路線とする予定。 
  • 議長 駅近接の駐輪場周辺をネットワーク候補路線に組み込むことは非常に重要であると考えられるので、ぜひ検討いただきたい。
  • 委員 自転車レーンの整備がメインとなってくるにあたり、路上駐車等への対策は考えているか。違反車両を撤去する法的強制力はあるのか。
  • 事務局 自転車レーンについては道路交通法が適用される。他市でも自転車レーンに路上駐車が発生している事例もあり、対策の強化が必要となる。
  • 委員   モデル路線等において、路上駐車や障害物をチェックするモニタリング等を定期的に行う予定はあるのか。
  • 事務局 モニタリングは特に予定していない。
  • 委員 原則、自転車は車道の左側を通行するのだが、右側通行や急な車道の横断等、ルールを守る意識が低いように思われる。また、路上駐車等で自転車レーンが塞がっていると、レーン外に飛び出して通行することが予想される。整備を行うことで、結果的に事故の危険度が増すこともあり得るのではないか。そういったことも考慮した上で、モデル路線の計画をして頂きたい。
  • 事務局 整備はソフト面とハード面の両方を併せて行っていきたい。現在は、自転車がどこを通行するかの明示もなされていないことが多いので、まずは路面に明示するところから始めていく。そうすれば、自転車の不意な飛び出しの可能性や自転車も車両であることを、ドライバーが意識しやすいと考えられる。

  • 7 次回開催予定

    次回会議は平成27年1月下旬を予定

    会議資料

    (資料1)第1回協議会議論のポイント(ワード2003形式:35KB)

    (資料2-1)自転車交通事故に関する主な状況・要因(表紙)(PDF形式:149KB)

    (資料2-2)自転車交通事故に関する主な状況・要因(資料)(PDF形式:2,931KB)

    (資料3)第2回協議会資料(PDF形式:7,743KB)