第1回 柏市自転車利用環境整備計画策定協議会会議録

1 開催日

平成26年8月7日(木曜日)午後2時30分~午後4時30分

2 場所

柏市役所別館4階 第5会議室

3 出席者

1.委員

鈴木委員(議長)、佐藤委員、片山委員、永安委員、竹内(昭)委員、片岡委員、寺嶋委員、中村委員(高橋氏代理出席)、長妻委員(小笠原氏代理出席)、竹内(辰)委員、中村委員、後藤(清)委員、後藤(勝)委員、實川委員

2.事務局

交通政策課 清水課長、佐藤副参事、佐々木主幹、後藤副主幹、内藤主事

3.傍聴者

1名

4 議事(概要)

1.計画策定の趣旨について

  • 委員 上位計画の中では歩行者と自転車が並行して記載されているが、両者の分離についてはどう考えているか。
  • 事務局  自転車利用者の中には歩行者の意識で歩道を走っている者もいるが、自転車は軽車両であり、その意識を持ってもらう必要がある。より弱者である歩行者を守ることも考えなければならない。
     
  • 議長 10年を計画期間としているが、もう少し具体的な期間と内容を計画する必要がある。状況はどんどん変わるので、数年に一度は見直すという体制を計画の中に盛り込んだほうが良いのではないか。
  • 事務局 計画の見直しや施策のチェックなど、「前期・中期(5年位)・後期」のスパンを設定しチェックを行い、次につなげていきたい
  • 委員 4年前に柏市総合交通計画を策定した際にアンケートを行ったが、そこでも自転車に対する市民の関心が非常に高く、もっと走りやすい環境をつくってほしいという声がとても多かった。自転車に対する市民の意識をもっと高めたい。歩行者から自動車、公共交通まで、スピードの異なる様々な主体を一つの交通体系の中にどう取り込んでいくかが課題である。総論賛成各論反対という状況を乗り越えて、具体的な施策について議論していきたい。
  • 議長 市民の自転車への関心が高い中で、市民とどれだけ情報を共有できるかが重要である。背景の部分で、事故が多いということが何を示唆しているのか、また、こちらがどのような意図でどういった通行空間をつくりたいと考えているのかを伝えた方がよい。
     
  • 委員 本計画と中心市街地活性化基本計画との関連性を明らかにしてもらいたい。柏市は中心市街地の道路空間がかなり限られているので、その中で自転車利用をどのように考えていくのかということを、他の計画とのすりあわせも含めて明らかにして欲しい。
  • 事務局 中心市街地活性化基本計画とのすり合わせについては、現在柏駅周辺の10ヵ年計画を作ろうとしており、その中では中心市街地活性化基本計画の内容も盛り込んでいくので、そちらとの整合性を図っていきたいと考えている。

2.自転車利用環境の現状と課題

  • 委員 自転車ネットワークの作成においては、さまざまな位置づけを明確にする必要がある。緊急用河川敷道路がサイクリングロードとして利用されている所では、歩行者と自転車の事故が少なくなく、道路交通法が適用されないため規制が行えず、安全対策に管理者、地元自治体、所轄警察署が苦労している例がある。利用者と管理者の両方の取り組みが必要である。ネットワークを検討する際には、マナー遵守の指導などを今から市民らと取り組んでいかないと、後々問題となる可能性がある。
  • 事務局 ネットワークを考えていく際には、単に通行空間を指定するだけではなく、マナーやルールの向上につながるような計画としていきたい。 

     
  • 議長 現在提示しているたたき案は、何か基準をもとに作成されたのか。
  • 事務局 公共施設や医療施設、商業施設など、市民の日常生活の上で中心となる移動経路や、整備の実現性、自転車事故等についても検討を行い、たたき案を作成した。多様な要素をレイヤー(層)として重ねて、重複してくるような路線は当然取り込んでいくが、なるべくネットワークとして連続性があることを重視し、発展性のあるものにしていきたい。ただし、10年という計画期間の中で実現できるかどうかも考えていかなければならない。
  • 議長 今回挙げられた条件やガイドライン(H24年11月『安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン』)に記載されている選定条件など、様々な選択肢を用意すると、みなさんも意見が出しやすいと思われる。 

     
  • 委員 参考資料のP.32の自転車乗車中の年齢層別死者数を見ると、65歳以上の割合が6割を占めるが、これはこの年代にルール違反者が多いということなのか。交通事故の内訳をもう少し詳しく調べて頂きたい。
  • 事務局 高齢者がどういった原因で事故に遭っているかということについて、改めて調査し、後日、皆様にご説明する。
  • 委員 高齢者の中には、自転車の利用が体力的に難しい方がいるということも考えられる。(この世代に対しては)交通手段を自転車から公共交通機関に振り分けるという選択も考えられるのではないか。
  • 議長 同程度の事故に遭った時でも、高齢者の場合は大きな事故になりやすいということが影響していると考えられる。ご指摘の通り、高齢者の交通手段については、自転車の他、公共交通も選択肢として考慮したネットワークを検討するということも計画の中にいれていく方が良い。 
  • 委員 バスの場合、自転車との事故に関して、その相手が高齢者というケースはほとんどなく、若者や学生がほとんどである。若者の自転車のスピードがかなり速く、バスが避けきれないというケースが多い。事故の発生場所は交差点の右左折時が最も多く、道路の形態としてはガードレールや縁石がある路線の方が事故が起こりやすくなっている。その理由はガードレールや縁石の切れ目からの飛び出しが原因である。歩道も車道も走行できる自転車の自由さが事故につながっているとも言え、弊社でも常に安全運転に努めているが、年に数件、自転車に絡んだ事故が発生している。
  • 委員 タクシーもバスと同様の状況であり、高齢者よりもヘッドホンをしてスマートフォンを見ながら、時には両手をハンドルから放した状態で走行する若者が目につき、非常に危険である。
  • 議長 高齢者だけではなく、若者の事故が多いという内容は計画にも入れて頂きたい。 

     
  • 委員 資料P.7に『自転車通行空間のイメージ』があるが、この各々の特性は何かの調査を整理したということか。
  • 事務局 平成21年度策定の『柏の葉自転車利用促進計画』において、市民からの意見聴取を行ったものである。
  • 委員 例えば、自転車専用通行帯については一方通行であることから、行きたい店が反対車線の場合、入りづらくなるといったように、特性の内容をもう少し掘り下げた方が良いのではないか。
  • 事務局 柏市の場合は、幅員が狭い道路も多いので、車道混在型の路線に矢印などのナビマークをつける方法が主流になるかと思われる。先進的な整備を進めている自治体の例をみると、整備後の改善策まで出しているところもあるので、そういったデータも収集して整理したい。参考資料のP.36にあるように、「自転車通行環境整備モデル地区」による整備効果にて、整備前後を比較すると、どの整備形態でも事故が減っているという結果が出ている。
  • 議長 これを見ると、自転車専用通行帯の事故の減少率が高いということが分かる。これはガイドラインにもあるように、車のドライバーから見えやすい位置で自転車が走行していることで、急な飛び出しを避けきれずに衝突するというような事故が減っているのではないかと考えられる。趣旨の部分も含め、上位計画を通して国の動向を見ていくことも一つの方法である。
  • 事務局 国のガイドラインは、関連団体を含め様々な関係者で議論をして策定されたはずなので、対策の有効性などを十分にくみ取って、計画策定の背景等に盛り込み、市民の理解を得ていきたい。 

     
  • 委員 走行空間のイメージについてだが、歩道を走る自転車愛好家はいないが、歩道の中では歩行者・自転車ともに左右の区別が無いのが現状で、ルールを守れていない利用者も少なくない。理想としては自転車専用レーンの設置である。縁石というのは非常に危険である。光線によって見えづらい時もあり、特に古いまちではそうだが、事故の原因になりやすい。
  • 事務局 柏の道路は幅員が狭い道路が多い。その中で自転車道や自転車専用レーンを整備するということは課題がある。
  • 委員 原則、自転車はみな車道を走らなければならないが、そうなると自転車だけでなくドライバー側も走行マナーへの配慮が必要となる。
  • 事務局 車道という走行空間の中で自転車と車がうまく共存していけるように、お互いの意識向上と配慮が必要である。
     
  • 議長 実際に生活されている市民の意見はどうか。
  • 委員 高柳駅を利用しているが、駅は様々な方向からの交通が入り乱れて集中しており、その中で、やはり自転車の若者はスピードを出している。学生には学校等でルールやマナーの啓発活動等を行っているが、自治体からもまた別のアプローチでそのような機会を促進させていくような方法があれば変わるかと思う。
  • 事務局 高柳駅の整備も現在計画しており、現在の自転車環境に手を入れることで、より効果的な改善ができると考えている。
  • 委員 事故のデータをみて驚いたのは、交通量が多い朝夕の通勤通学時間帯だけでなく、どの時間帯でも事故が起こっていること。もう少し事故の要因を調べることで、整備計画策定の有効な材料になるのではないか。
  • 事務局 交通事故の発生状況については、さらなるデータの収集・分析を行いたい。
     
  • 委員 南柏周辺はバス通りでも道路幅員が狭いが、住宅が建て詰まっており、拡幅は難しい状態である。自転車の通行空間が、カラーリングなどで、皆が一目でわかるようにしたら良いのでは。標識だけではわかりにくい。市でも幼稚園や小学生等に指導をしているようだが、幼いころの教育は非常に重要であると思うので、ぜひこれからも継続して行って欲しい。
  • 事務局 自転車通行空間の表示については、先ほどもあった自転車マークや矢印で対応していきたい。近隣市町村と整合を図り、統一性のあるものとして馴染んでいった方が良いと考えている。 
     
  • 議長 路面標示等について、県での基準等はあるのか。
  • 委員 千葉県では特に定めていないが、路面標示等の色がバラバラになると混乱を招く可能性があるので、国のガイドライン等にならい、統一性を図った方がよいと考える。
     
  • 委員 細街路の交差点等でも、ナビマークを設置して利用者の視覚に訴えていく。車道混在の路線ではブルーのラインがひかれていることも多いが、これはドライバーへの注意を促すという意味で効果があるという声も聞かれる。そのあたりを道路管理者も意識すると良いのではないか。
  • 事務局 まだ近隣自治体で実施しているところは少ないので、やはり国のガイドラインがよりどころとなる。路面表示だけでなく、他の手法との組み合わせも検討していきたい。 
     
  • 議長 自転車の走行空間を確立するネットワークをつくるということを、しっかりと意識づけする必要がある。自転車が走りやすいという点も考慮して路線を選定した、のだということを計画の趣旨などで示すと、市民の方にも伝わりやすいのではないか。
  • 事務局 自転車ネットワークは、市民に実際に活用して頂けるものなので、その点も考慮していきたい。
  • 委員 ネットワークでブルーラインを引くに際に、交差点ごとに行先を標示している自治体があった。それも検討してはどうか。

  • 7 次回開催予定

    次回会議は平成26年10月下旬を予定

    会議資料

    自転車環境の現状(表紙・目次)(PDF形式:190KB)
    第1回自転車計画策定協議会資料1(PDF形式:4,156KB)
    第1回自転車計画策定協議会資料2(PDF形式:7,463KB)
    第1回自転車計画策定協議会資料3(PDF形式:5,736KB)