平成23年度第6回柏市建築審査会会議録
1 開催日時
平成24年1月24日(火曜日) 午後2時25分~3時45分
2 開催場所
柏市役所本庁舎3階庁議室(柏市柏5丁目10‐1)
3 出席者
- 委員
坂本会長、平澤会長代理、内田委員、反町委員、髙野山委員、藤井委員 - 説明員
建築指導課:大久保課長、山中副参事、澤副参事、相田主幹、鈴木副主幹、格内主査 - 事務局
都市部:吉川部長、鈴木次長
開発事業調整課:祐川課長、平久副参事、堀江副主幹、佐々木主査
4 議題
建築基準法第48条第10項ただし書の許可に係る案件 1件
5 議事(要旨)
事務局及び説明員から、案件の内容を説明した後審議を行った。その際に表明された主な意見は次のとおり
案件第1号(建築基準法第48条第10項ただし書の許可)
- 委員
平成13年に市街化調整区域から市街化区域の工業専用地域へ変更し、更に平成18年に用途地域を準工業地域へ変更した理由と、当該地域で行っている区画整理事業の目的、今までの実績はどのようなものか教えてほしい。 - 説明員
当該地域の地権者から、区画整理事業を行いたいとの申出があり、事業を開始するにあたって暫定用途として周辺と同じ用途地域を指定したもので、建ぺい率や容積率については、周辺に比較してかなり絞ったものとなっており、区画整理事業を行うために建物の建築を抑制している状況となっていた。その後、事業の熟度が上がり、地権者と市との協議などからまちづくりの方向性が出てきたことによって、最終的な用途として、工業専用地域から準工業地域に変更となったものである。この区画整理事業は元の土地の権利等を整理し、道路などの公共施設を整備して、区域の価値を上げたり、土地を使いやすくしていくなど、まちづくりの目的に沿うような事業として行っているものである。また、基本的な目的としては、この北部地域には周辺に東大や千葉大などの学校施設があり、それらとの連携等を考えながら、モノづくり拠点を造っていくという大きな目標があるため、それに沿った形で区画整理事業を実施していくというものである。 - 委員
道路をどの程度整備したなど、区画整理事業の進捗状況はわかるか。 - 説明員
道路等の公共施設は、整備が完了している。 - 委員
区画整理事業を10年間実施してきて、今現在かなり進捗している状況なのか。 - 説明員
公共施設の整備が完了し、今現在は保留地の販売を行っている状況である。そのあたりが終われば、事業は完了すると聞いている。 - 委員
地区計画については、エリアごとに、制限の内容が決まっているのではないか。 - 説明員
地区計画としては、工業系A、B、Cの3種類の地区に分けられ、各地区については建築物の用途制限が加えられており、それぞれの地区において住宅系の建物や風俗系の建物を建てないなどの用途制限がある。また、建築物の敷地面積の最低限度は200平方メートルと決められており、壁面を道路と敷地の境界から1メートル以上離す、或いは2メートル以上空けるなどの壁面後退の制限もかかっている。その他、敷地境界のかき又はさくの構造についても制限があり、透過性のないブロック塀の高さの制限や、かき・さくを設置する場合は生垣を基本とするなどとなっている。全体の地区計画の目標としては、柏市第四次総合計画及び新しいモノづくり拠点整備計画において、既存産業団地の再編整備と新産業団地の整備等により、職住近接のまちづくりを目指すとし、当地区は、これらの上位計画を受け、区画整理事業により物流機能、生産機能を中心とした新産業の団地を整備し、モノづくり拠点の形成の推進に寄与するまちづくりを目標とするとしている。 - 委員
当該地域の地区計画による用途制限があれば、通常の準工業地域に比べれば、今回の申請建築物については、周辺への影響をそれ程懸念しなくてもよいのではないかと思われるが、制限される用途の内容を具体的に教えてほしい。 - 説明員
工業A地区では、共同住宅、寄宿舎、下宿、長屋、店舗等の床面積が150平方メートルを超えるもの、ホテル、旅館、ボーリング場、カラオケボックス等の風俗関係の建物、劇場、映画館、演芸場、観覧場、病院、公衆浴場、老人ホーム、身体障害者福祉ホーム、自動車教習所、集会場などといったものが制限されることとなっている。 - 委員
実質的には、工業地域の用途制限に近いものとなっているのか。 - 説明員
準工業地域、工業地域では共同住宅など住宅系の建物は建てられるのだが、この地区においてはモノづくりの拠点等を目的としていることから、そういった用途に対しては制限を加えている。今回の申請地は工業系B地区であるが、A地区と同様、住宅系、床面積150平方メートル以上の店舗及び風俗系の建物などが制限されている。ただし、A地区では制限しているホテルなどは制限していない。 - 委員
工業地域の用途制限とほぼ近い状況であり、将来的に工業地域への変更を予定しているのなら、なぜ今の時点で準工業地域から変更しないのか。 - 説明員
今回の計画が上がったときにそういう話もあったのだが、既に当該地区は2回用途変更しているという経過があり、更に変更するためには時間的に難しいということもあって、現在都市計画の担当課と県において協議を進めているが、やはり時間がかかるためすぐには変更できないとのことである。 - 委員
変更後は一定期間経過しないと、更に変更はできないなどの制限的なものはあるのか。 - 説明員
特に法的な制限というわけではないが、用途地域を変更するには、区画整理事業を実施して新たなまちづくりを行うなどの行為がないと、なかなか協議が難しい。今回の場合も計画が出たからすぐに変更というのは、やはり現実的に難しいということである。 - 委員
用途地域決定の権限は県であるのか。 - 説明員
最終的な決定権者は千葉県知事である。 - 委員
計画地付近には住宅地がある。先程の説明では申請建物からの臭気や廃棄物等の飛散については、まずあり得ないとのことだったが、本当に大丈夫か。 - 説明員
まず一つに住宅地とは一定の距離があることと、塗料を調合する過程において、気化して臭い等が拡散するような製造過程にないということであるため、そのような問題で周辺の住宅に影響を与えることはないと考えている。また、既存の同種工場においてそれらのことを確認しているが、屋外においては特に臭気が目立つこともなく、臭気等に関する苦情なども寄せられたことはないとのことである。 - 委員
工場廃水については、場内で処理してから排水するのか。 - 説明員
薬品での吸着処理などを行い、場外へ排水する計画である。 - 委員
周辺の住宅地はいつ頃建てられたものか。 - 説明員
古いものは30年前位で、現在のような建ち並びとなったのは20年前位である。 - 委員
今回の案件は、周辺の状況や配置の状況、特殊な状況などから基本的には差し支えない計画だと思うが、平成18年に準工業地域に用途地域を変更していて、今回それに見合わない用途で、しかも規模の大きいものを認めようとしているのだから、市としては将来的に当該計画に合うような用途地域に変更することに責任を持つということだと思うが、更に用途地域を変更すると、既存不適格になってしまう建物については、路線で準工業地域として不適格にならないようにするなど、今後の都市計画について市が責任を持って行うと考えてよいのか。審査会だけの判断というのは難しい。 - 説明員
用途地域の変更により、一部の建物が用途の不適格とならないよう準工業地域を一部残すということと、今回の計画エリアを工業地域、或いは工業専用地域に変更していくことについて現在協議を進めている。 - 委員
当該施設では常時どの程度の数の労働者が勤務するようになるのか。また、許可申請理由書には雇用の創出が可能になると書かれているが、それはどの程度見込んでいるのか。
- 説明員
こちらの工場については、100名の従業員が予定されている。雇用については、柏市に根ざして事業を行っていくということなので、なるべく市内からの雇用に繋がるようお願いしていく旨担当部局から聞いている。
- 委員
今回の計画地は、柏市とその他の地権者が所有者となっているようだが、申請者は土地は購入せずに建物を建てるだけということなのか。
- 説明員
柏市と区画整理組合の地権者が現在所有している計画地の土地については、今回の建築基準法の許可や市議会の議決等を経て、申請者が購入する予定となっている。
- 委員
市が当該地区の適正なまちづくりとして、今後用途地域の変更等を行っていくことを当審査会としても要請する。
- 委員
地区計画の用途制限については、本来準工業地域で建てられるものがある程度制限されていて、その制限されているものが今回のように大規模な工場などができたときに影響を受ける種類のもののため、少々複雑にはなってしまうが、市がすぐにとれる対応としては、用途制限の中で今後生産の拠点としていきたいという最初のステップは踏めているのではないかと思われる。また、今後用途地域の上でも整合がとれるよう更にステップを踏んでいくということなので、今回の案件は許可相当と考えられる。
- 事務局
中核市への移行に伴い、来年度の4月から用途決定の権限が県から市へ移る。そういったことから、市では責任をもって本来の用途に合うようなものに変更するための準備を進めているところである。
審議の結果
当該建築許可について同意することに決した。
6 傍聴者
6人
7 次回開催予定日
平成24年2月28日(火曜日)午後1時30分から