平成22年度第3回柏市開発審査会

1 開催日時

平成22年8月19日(木曜日)午後1時30分から午後3時

2 開催場所

柏市役所第一庁舎3階306会議室

3 出席者

(開発審査会委員)

芦部委員、伊藤委員、小野委員、保田委員

(宅地課)

谷口課長、清水主幹、藤井副主幹、大竹副主幹

(事務局)

増田都市計画部次長、祐川課長、浅野副主幹、佐々木主査

4 議題

議案第1号 開発行為の許可について
「医療施設」

5 議事(要旨)

議案第1号については、事務局より内容の説明を行い審議の結果全員一致で異議のない旨の結論を得た。主な質疑応答審議内容は以下のとおり。

委 員)3点ほど質問がある。まず1点目は、今回の給排水計画の中に雨水貯留槽が計画されているが、増築区域を対象にしたものか、既設区域を含んだものなのか。また、この貯留槽を設計するにあたり、柏市としての技術基準があるのか。

2点目は、渡り廊下を計画されているようだが、図面上では1階部分に通路があるように見える。この場合、市道を横切ることになるかと思われるが交通安全上どのような配慮をされるのか。

3点目は、図面にST室、HCU室とあるがどのような施設なのかお尋ねしたい。

宅地課)1点目の雨水貯留槽は、増築区域だけを対象として計画している。既設区域については、病院建築当時に雨水流出抑制基準がなかったため、市道に布設されている雨水管に直接流出させている。なお、増築区域の雨水貯留槽は、柏市雨水流出抑制基準に基づいて設計されている。

2点目の1階の通路については、増築後も現況のままである。現在は病院関係者が使用している出入口があるだけで入院患者が使用することはない。市道の通行車両も少ないことから、交通安全上の対策については特段の配慮はしていない。

3点目のST室とは言語療法室のことで、言語のリハビリを行なう施設である。また、HCU室とは準集中治療室のことで、集中治療室ほどの装備ではないがある程度の高度医療に対応ができる。

委 員)現在までに、既設区域周辺での雨水問題は出ていないのか。

宅地課)病院が位置する名戸ヶ谷地域一帯は、地盤が低いことから、雨水幹線の整備がされているため、浸水等の被害は出ていない。

委 員)関係部局からの回答で「周辺の自然環境及び住環境などのまちづくりの観点においても整合が図られており」とあるが、具体的にどのようなことなのか。

また、既設棟の改修後、臨時に使用することができる救急搬入口が設置される説明があったが、その場合、救急車は路上に停車することになるのか、その辺の交通対策について伺いたい。

宅地課)周辺の自然環境においての整合については、現在増築区域隣接の水路部に蛍の生息地がある。今回の計画ではこの生息地を現況のまま保存し、保護ネットを設置するなど、自然環境に配慮した計画としている。

また、住環境などのまちづくりの観点においての整合については、昨年度、柏市で実施した柏市民意識調査において医療体制の充実に高い関心が寄せられている。そのなかで、救急対応ができる病院が少ない柏市南部エリアにおいて、名戸ヶ谷病院は二次救急医療機関として重要な役割を担っており、その施設の増築は、柏市民の住環境の向上を図っているものと考える。

次の臨時救急搬入口を使用する場合の救急車の停車場所は、現在の厨房室の出入口となる。その後は柏市道に抜けるため、路上に停車することはない。

委 員)増築する病院は、一般外来患者や見舞い客の入館はなく、リハビリ患者や職員の利用だけで一階部分の市道の往来はほとんどないという理解でよいのか。

宅地課)一般外来患者の入館はない。ただし、4階の研修室では今後、市民向けの健康講座、実演型講演会を実施する予定があるため、受講者である一般の方の出入りはあるかと思う。

委 員)渡り廊下を計画している箇所は、リハビリ関連のフロアのある3階だけか。

宅地課)そのとおりである。

委 員)増築する建物の4階を使用する場合、人の動線はどのようになるのか。

宅地課)まず東側にある入口から入館し、正面に見えるエレベーターを使用するか、エレベーター前にある屋内階段を使って4階に上がる2通りの方法になると思う。

委 員)人工の緑地を配置する法面は、長い斜面としているが、蛍の生息地になっている法面も同じような斜面にした後に保護ネットを設置するのか。

宅地課)蛍が生息する斜面から水路までの区域は、すでに保護ネットが設置されており、今回の計画では、このネットより先の区域は手をつけない。このため、工事の完成後も現況のままとなる。

委 員)地域医療の充実を図るという点については、よく理解ができた。しかし、結論を出す前に、市街化を促進しないか判断をするためのまとまった情報についてはいかがか。

この区域は新柏駅から続いている市街化区域が隣接した区域であり、以前は湿地で雨が降れば水路となるような場所であった。その後区画整理事業によって現在の市街化区域が整備され、区画整理区域の隣接したところに今回の区域が位置していたため、上流部の区画整理事業により排水施設は完備された。

さらに、今回の開発区域の東側の区域は、旧沼南町の市街地であり、開発区域周辺は旧柏市の境界地であった。また、名戸ヶ谷小学校の東隣にある農地は農業振興地域における農用地となっており、農地として保全されるべき区域である。それ以外の市街化調整区域は、農用地から外れていることもあり、地理的状況から開発がなされた市街化調整区域であるといえる。こうした意味では市街化の促進はないように思う。

しかし、病院の敷地の向かい側には、名戸ヶ谷小学校、厚生施設、バスの転回広場など空地が大きい施設が並び、その脇に名戸ヶ谷ビオトープがあるが、現在この区域の将来計画がはっきり固まっているわけではないと思う。将来この病院の施設が充実した際、それが原因で周りの開発が進みましたという事態は十分に考えられる。関係部局からの回答では、以上のような事態をふまえたうえでのものか。

宅地課)市街化調整区域の開発については、都市計画法第34条で規定しており、一定の要件のものでしか開発できないようになっている。病院があることによって誘発される施設としては、薬局、社会福祉施設等が考えられる。ご指摘のとおり、病院の前面には、10mの市道が新柏方面に延びている他に、国道6号線、16号線、沼南方面からのアクセスもよく、将来何らかの需要があることが予想される。このような開発が計画された場合は、この開発審査会で市街化を促進するかどうか議論する。なお、開発区域近隣の商業施設のようなものは、現行の法令、基準では開発される余地がないため、そういった意味での市街化を促進する開発はないと考える。

また、今回の病院に関しては、診察室、診療科目の増ではなく機能の充実を目的にしている。そのため、従来の一般外来患者の増加を見越している訳ではないので、関係部局の回答は、今回の増築計画はやむを得ないものであるとの考えである。

次に、病院の配置機能については、千葉県保健医療計画に基づき、市関係部局間で協議したうえで宅地課としては、開発審査会に付議する等の判断をしていくことになると考えている。

委 員)先程の開発区域周辺における市街化を促進しないかについての意見だが、都市計画法の表現が当該開発行為の予定建築物等の用途、目的、位置、規模等を個別的に検討して判断するとしている。しかし、あまりに抽象的な表現であり、現在の市街化調整区域における開発行為の実態に即していないのではないかと感じている。市街化調整区域でも、ある程度計画的な土地利用を考え、市民合意ができる方向にもっていければよいのではないかと思う。

宅地課)宅地課としても、現在市街化調整区域の基準の見直しを考えている。市街化調整区域が一律同じではなく、ある程度の色分けを考えながら進めていきたいと考えている。

委 員)先程、市民合意の話があったが、この区域は名戸ヶ谷ビオトープや蛍の生息地があり、地元の方は精力的に市街地の周辺地域の自然環境を守るといる意識でやっておられる。その中で病院関係者の蛍の保護等の協力もあり、ある意味での地域の合意形成が進んでいるものと思う。

6 傍聴者

3名

7 次回開催日

柏市役所第一庁舎3階306会議室(予定)
平成22年10月22日(金曜日)午前10時から