平成22年度第2回柏市都市計画審議会会議録

1 開催日時

 平成22年12月17日(金曜日) 午後1時45分から午後4時00分

2 開催場所

 柏市柏5丁目10番1号
 柏市役所第2庁舎5階第5・第6委員会室

3 出席者

 (委員)
 丸田会長、落合委員、髙辻委員、花島委員、前田委員、中沢委員、成島委員、山内委員、地引委員、泉委員、菊田委員、日野原委員及び留守委員

 (事務局)
 都市計画部:都市計画部長浜田、都市計画課長岩崎、都市計画課副参事渡辺、他7名
 都市緑政部:都市緑政部長海保、公園緑政課長南條、 他1名
 土 木 部:土木部長吉田、土木部次長石井、下水道整備課副参事市原、他2名

4 議案

(1)柏都市計画特別緑地保全地区の決定について(柏市決定:付議)
 (箕輪特別緑地保全地区)
(2)柏都市計画生産緑地地区の変更について(柏市決定:付議)
(3)柏都市計画下水道の変更について(柏市決定:付議)
 (沼南中央地区)

5 議事(要旨)

 全3議案の審議を行いました。
 審議の結果、議案第1号から議案第3号まで全会一致で原案のとおり可決されました。

議案第1号 柏都市計画特別緑地保全地区の決定について
 都市計画特別緑地保全地区は、都市の無秩序な拡大の防止に資する緑地、都市の歴史的・文化的価値を有する緑地、生態系に配慮したまちづくりのための動植物の生息、生息地となる緑地等の保全を図ることを目的とする地域地区です。
 今回指定する箕輪特別緑地保全地区約0.4ヘクタールは、手賀沼周辺の良好な景観を形成する斜面林であり、手賀大橋周辺にある施設や手賀沼ふれあい緑道から市民が展望できる位置にあります。この優れた自然景観を形成する斜面林を保全し、住民の健全な心身の保持、及び増進のために指定するものです。
 縦覧期間は平成22年12月1日から12月15日まででございます。縦覧者は3名でございます。意見書の提出はございませんでした。

議案第2号 柏都市計画生産緑地地区の変更について
 生産緑地地区は、市街化区域内において農地等を計画的に保全し、良好な都市環境の形成に資することを目的として指定しています。生産緑地地区として指定された農地等は、行為の制限を受けます。しかし、生産緑地地区の指定後30年、または、農業の主たる従事者の死亡、農業に従事することが不可能な故障等があった場合、土地所有者は市町村長に対し、生産緑地法第10条の規定により、買い取り申し出をすることができます。
 この買い取り申し出が行われ、地方公共団体等で買い取りができない等により、申し出後3ヶ月以内に所有権が移転しない場合は、行為の制限が解除されます。
 今回の案件は、以上の買取申し出による変更に加え、次のような案件から都市計画の変更を行うものです。なお、生産緑地地区の都市計画の変更は今回で17回目となります。
1 生産緑地地区の一部が公共施設等の敷地に供され、生産緑地としての機能が失われたため、一部廃止するもの
2 柏市防災協力農地の生産緑地地区への追加
3 土地区画整理事業による仮換地指定及び使用収益開始に伴う変更

 変更理由別生産緑地番号一覧表

変更理由等

生産緑地番号

備 考

買取申出による行為制限の解除に伴う変更

一部廃止

57号、149号、182号、311号、357号

311号から651号を分割する。

全部廃止

173号、175号

 

公共施設等の敷地に供されたことによる変更

584号

 

柏市防災協力農地による追加指定

77号、325号

77号及び325号に各一部を追加

仮換地指定及び使用収益開始に伴う変更

394号、396号、397号、398号、399号、400号

401号、409号

394号から652号を分割、399号及び409号を652号へ統合。396号から653号を分割。398号、400号から654号を分割。

 

 

 

 

 

 

 

 

 縦覧期間は平成22年11月19日から12月3日まででございます。縦覧者はなしでございます。意見書の提出はございませんでした。

議案第3号 柏都市計画下水道の変更について
 沼南中央地区土地区画整理事業は、都市計画区域区分の見直し(千葉県決定)により市街化区域に編入したことから、柏都市計画下水道決定区域の追加(47ヘクタール)を行い、地域の生活環境の向上を図るとともに、公共水域の水質保全に資するものです。今回区域を変更する下水道は、柏市第3号公共下水道であり、追加により汚水面積約5,173ヘクタール、雨水面積4,960ヘクタールとなります。
 縦覧期間は平成22年10月15日から10月29日まででございます。縦覧者はなしでございます。意見書の提出はございませんでした。

6 主な質疑応答

議案第1号 柏都市計画特別緑地保全地区の決定について
委員:なぜこの場所を特別緑地保全地区に指定するかについてはよくわかりました。特別緑地保全地区の制度について説明してください。事務局: このような緑地を残す方法には、通常は都市緑地として残す方法と特別緑地保全地区として残す方法が考えられます。
 今まで柏市では基本的に都市緑地として残し、市が都市施設として決定して基本的には買い上げを行いました。一方、特別緑地保全地区は民地のままで伐採、開発行為等を制限するというものです。
 柏市及び近隣市ではどちらの制度を用いるかについては曖昧です。今回は特別緑地保全地区に指定し、市が将来に亘って買い取りを行わず、本来の法の趣旨にそったものです。
 特別緑地保全地区に指定した場合、地権者にとっては利用権が制限されるが、相続税が8割減となります。法的には地権者が開発を行う場合は許可制となり、当該特別緑地保全地区に重大な影響を及ぼすような開発について市は許可することができませんので通常は不許可になります。その場合、地権者には当該地を市に買い取りを請求することができます。そのためどこの市町村もこの制度の適用に踏み込めませんでした。ただ、今回は地権者に了解を得ており、柏市が許可できず、結果買取を行わねばならなくなるような行為は行わないという趣旨をご理解いただいている。地権者の了承が得られない場合は特別緑地保全地区の場合は難しいです。本来の法の趣旨に沿って市は買い取らない前提で指定しています。

委員:なんらかの理由で地権者が手放すことになる場合は買い取りを行うのですか?
事務局:これから地権者と覚書を締結する予定ですが、売買の際にも継承することを覚書に加えます。ただし、この覚書は歯止めにはなるかもしれないが法的に拘束力があるわけではなく、阻止することはできません。法律自体の問題であると考えています。

委員:地権者には維持管理費、税金などにおいて、メリットはありますか。
事務局:法律では固定資産税の半額免除、柏市の場合は緑の保護地区に指定することと併用して、固定資産税と都市計画税が全額免除されます。加えて相続税についても、評価額が8割軽減されるので大きなメリットになります。

委員:将来買取計画がある緑地のうち、今回は全体の何パーセントですか?
事務局:0.4/30のなので、1.5パーセント弱です。

委員:この地域は調整区域であり保全には賛成だが、北東から見た場合に斜面林が生きているようなので、ビューポイントと斜面林の間にできるだけ邪魔なものができないようにして、視界を確保する工夫ができるとよいと思います。調整区域なので基本的には問題はないのでしょうが、そういう工夫をできるだけしたほうがよいです。また、単なる杉林ではなく、保全すべき種類の樹林であると考えてよいのですか?
事務局:そのとおりです。

委員:どのような経緯で指定に至ったのですか。また、今後はどのように進めていくことを考えていますか。
事務局:景観の観点から考えて要所なので抑える必要がありました。市街化調整区域だがキャンプ場などの観光施設的なものもできうる場所で、実際にそのような動きがありました。理想的には手賀沼周辺斜面林保全方針図における赤色の部分をどんどん進めていきたいが、全てを一度には難しいです。ただ、この区域については他の区域よりも優先的に進めていきたい。柏市独自の買取りを行わないで保全する方法や制度を検討していて、地権者の同意を得られる場所については指定をなるべく推進していきたいと考えております。
委員:今後保全される緑地を増やしてほしいと思います。

委員:地権者の皆様の協力がなければ指定ができず、最終的に市が買取ができない状況のようです。それを考えると協力していただける地権者の方には相続税の8割減等の指定することのメリットを説明しながら、早く協力を要請して、しまったほうがいいと思います。付近にも開発されてしまっている場所があるが、今後そのようなことを避けられる。今回の指定する場所も買取はできないと考えてよいですか。
事務局:現在状況では難しいです。

委員:保全していくことに賛成です。今回指定している場所は県指定の教育の森に含まれているのですか。もしも教育の森に指定されているならば整備計画がありますが、特別緑地保全地区に指定するにあたり、調整はされているのでしょうか。
事務局:当該地は教育の森に指定はされていません。隣接地が教育の森です。
委員:了解しました。

委員:協力が得られる場所から順次指定していくことは賛成ですが、ご協力をお願いするにあたり、全体の方針、例えば県の土地利用計画、都市計画マスタープラン及び緑の基本計画などの情報を地権者さんにお伝えする必要があります。その上で可能なところからやらなければ、何のために行うのか目的をご理解いただけず、都市緑地の指定をすればですむのではとなってしまうと思います。
事務局:了解しました。

委員:植物については説明があったが、小動物の生息状況はどうですか?
事務局:実際に調査はしてませんが、環境から考えると小動物にとっても重要な樹林だと思います。樹林が連続しているので多くの小動物がいると想定されます。植物はしらかし、うらじろ、あしろだ、樹齢400年くらいとされるけやきがあり、ふくろうなどの猛禽類はいるのではないかと考えています。

委員:今後、動植物の調査を行う予定はありますか?
事務局:ここに限らず、柏市緑の基本計画にのっている緑地帯については予算がとれ次第行いたいと考えています。

委員:せっかく指定するのだから、指定する意義は明確にするべきです。生物多様性について社会の意識が高まっています。企業は自分の敷地の中でも保全、あるいは離れたところでも里山、奥山含めて森をつくり、保全していくことを積極的にやっています。このような状況下では指定する意義については明確にしておくほうがよいです。都市計画を決定する際には反対も含め様々な意見があるが、市民のためになるように都市計画を決定してきました。市民のために買い取りするという覚悟も必要です。後日申出があった場合は買うという心積もりがなければならないです。首都圏近郊緑地、例えば千葉市の泉自然公園は買い上げて市民に緑地を提供しています。所有者は所有の負担がなくなり、緑地として残すことができています。柏市民のために前向きに買い取りも考えて下さい。

事務局:買うための財源の確保が難しいのが現状です。景観や生物多様性の観点から優れている場所を保全するためには、市民の方にも少しご協力をお願いしたいと思います。今回の土地については地権者さんには所有し続けてほしいという市の要望について了解を得ています。ただ、柏市としては緑地を買い取ることや今回のように地権者の方の協力を得ることいより、少しの間でも保全維持していきたいという期待を込めています。

議案第2号 柏都市計画生産緑地地区の変更について
委員:反対ではないが、廃止したあとの利用状況が気にかかります。生産緑地を廃止した後に何らかの土地利用をする場合、地図で見る限り前面道路が狭いものがあります。よく柏でも幅員が狭い道を畑沿いにいくと、奥の方に建売住宅があるという光景がありますが、そのような状況になるのではありませんか。何か良好な宅地を誘導する仕掛けはありますか。生産緑地の廃止の際市が買い取れないから廃止になるのだが、宅地化されれば税収につながるので基本的にはいい方向だと思います。論点が外れているかもしれませんが。
事務局:11ページ等は、委員さんからご指摘があったように、相続に伴い処分するのですが処分の相手が宅地開発の予定であり、基本的に500平方メートルを超えて地形形質の変更があれば開発行為に該当するので、ある水準以上の基盤整備がなされます。開発行為に該当しないものはご指摘いただいたようになかなか指導ができていないのが現状です。例えば景観法による届け出が必要になるようなものであれば、その段階でまちにふさわしい計画に誘導しています。生産緑地の廃止をする手続きの中で、市街地への負荷が無いような土地利用をご検討いただきたいと市としてお願いしていきたいと考えています。

委員:健全な市街地形成につながるようにお願いします。
事務局:了解しました。

委員:一の生産緑地を部分的に解除しているケースと全面的に解除している場合がありますが、相続が原因でこのようなことが起きるののですか。
事務局:はい。いろいろなケースが考えられます。土地を相続した主たる農業従事者ができる範囲でやる、大きすぎて無理な部分を一部解除するということはできます。例えば旦那さんが亡くなって主たる農業従事者が奥さんにみになったので、できない部分について解除することはできます。また、基本的に区域の指定は一団の土地であれば所有者が違っても指定しており、一部の所有者の土地だけ解除するということも考えられます。

委員:親が亡くなり、二人の子に相続された場合、そのうちの一人の子が農業ができなければその一部について解除できますか。
事務局:はい。遺産分割協議書により土地を分割する際の区域が明確になっており、そのうち相続人が農業従事者でないなどの理由で農業の継続ができない土地については解除できます。

委員:生産緑地の解除を行う土地は今後増加すると思われます。市の財政状況から考えて、買取はできません。長期的な対策を考えなければ、好ましくない開発が行われ続けるかもしれません。それについて何か考えはありますか。
事務局:生産緑地法では、都市計画法の規定による告示の日から起算して30年を経過したとき、解除することになっています。指定後18年が経過しておりあと12年です。加えて高齢化の進行に伴い、解除する土地が増えています。当初、税制改革との関連があったので農業従事者からの申出によって指定しています。市としては買い取りを行っても公共用地として使えない土地も元々含んでいます。できるだけ都市計画道路にかかっている土地についてはその時点で予算を確保して買い取っていきたいが、それ以外の土地については、民間による土地利用になります。良好な住環境の保全もしくは整備という観点から検討作を考えながら努力していきたいです。

委員:3,000平米以上まとまっているところは防災協力農地として指定できるとのことでしたが、防災協力農地はあくまで防災が目的で市全体で配置計画があるのですか、それとも農地をうまく保全するための方策として考えられているものなのでしょうか。
事務局:生産緑地を指定をする際防災協力農地として協力していただけるなら、生産緑地として指定できます。防災協力農地を確保し柏市の安全のために、生産緑地制度で税の優遇をして促進しています。防災協力農地ついて柏市の防災対策のなかで、位置の計画はありません。地主がご提案、ご協力していただけるという段階で、土地に高低差がなく避難しやすいなどの指定条件等に適合しているか、防災安全課と農政課が確認しています。

委員:このような質問をさせていただいたのは、農地には景観や防災の観点等から、いろいろな意義があると認識しているからです。生産緑地という既存の手法を利用して農地を担保することができているように思えます。農地の存在自体を守るためにこのような一工夫をすることで守ることができると考えられるからです。今後においてヒントになります。

委員:現状、増、減を明確にまとめて、記載の方法をわかりやすくなるようにしてほしいです。
事務局:参考資料の記載方法をわかりやすくなるように次回から心がます。ご説明させていただきます。追加4地区、廃止4地区で、追加の面積は防災協力農地として指定する0.48ヘクタールが増加する分です。廃止の面積のほうが大きいので全体では減少になります。次回からは増減が明確に分かるように資料を提供させていただきます。

委員:全体で生産緑地はどれくらいあるのですか。
事務局:4ページ目をご覧ください。表の右側半分、598地区、183.93ヘクタールです。

議案第3号 柏都市計画下水道の変更について
委員:5ページでは都市計画決定人口が365,000人となっているが、現在の人口よりも5年後は減少するという考えでしょうか。
事務局:都市計画決定人口につきましては、下水道の都市計画決定をした区域の人口であり、柏市の行政人口とは異なります。
委員:了解しました。

委員:処理区分、排水先について図で表現されていないのでわかりにくいです。
事務局:今後そのような形で資料をまとめていきたいと思います。申し訳ありません。ご説明させていただきます。汚水についてですが、赤いエリアが今回追加する下水道の都市計画決定の47ヘクタールです。全て北側に排水を流し、この地区全体が沼南第5の1排水区のエリアです。次に雨水についてですが、染井入落47ヘクタールの内、東側半分の区域は染井入落第4排水区21ヘクタール、西側半分は染井入落第14排水区です。両方集まって、手賀沼に流れる水路に集まります。
委員:この部分だけでも大きくしてほしいと思います。
事務局:申し訳ありません。

委員:雨水は水路に流し、汚水は新しく管渠をいれてわきを通って流すということですか。
事務局:幹線までもっていくということです。

委員:変更前後が、画面でわかるようにしてほしいです。
事務局:今後、市街化区域の編入に伴う下水道都市計画の変更については、土地区画整理事業ありきの下水道の決定なので、区画整理事業計画の構想と関連づけて雨水と汚水の流し方を説明できるようにします。

委員:汚水量の原単位が310リットル/人/日から305リットル/人/日に変更になっています。将来は一人当たり汚水の量が減るという考え方ですが、これはなぜですか?
事務局:上位計画から、現在の水の使用量の実績等を総合的に考えて算出しています。個人的には機械設備の進歩によるものではないかと考えている。

委員:87パーセントの普及率とは汚水のことですか。
事務局:汚水です。

委員:雨水については?
事務局:50.7パーセントです。

委員:元沼南町の区域も含めてですか。
事務局:はい。雨水幹線といわれる幹線延長に対しての整備率です。

委員:豊四季は雨水管も汚水管も入っていないのですが、今後どのような計画ですか。
事務局:豊四季駅前については流末が流山市なので、つくばエクスプレス関連の流山市の区画整理事業にあわせて整備されています。22年度に柏市まで整備できているので、来年度以降整備となります。

7 傍聴

 (1)傍聴者  4人
 (2)傍聴の状況
 傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。
 以上