平成20年度第3回柏市都市計画審議会会議録

1 開催日時

平成20年10月24日(金曜日)午後1時30分から午後3時30分

2.開催場所

柏市役所 第2庁舎5階 第5・6委員会室

3.出席者

(委 員) 丸田会長、落合(実)委員、木村委員、花島委員、髙辻委員、福士委員、中沢委員、成島委員、山内委員、菊田委員、留守委員

(事務局)

都市緑政部:海保次長

公園緑政課:南條課長、今井副主幹、田村主査、大山主査

都市計画部:結城次長

都市計画課:後藤課長、奥山副参事、染谷主幹、野口副主幹、遠藤副主幹、小笠原主事

4.議題

(1)議案第1号

柏都市計画特別緑地保全地区の決定について

5.報告事項

(1)柏市都市計画マスタープラン地域別方針(素案)へのパブリックコメント結果報告について

6.議事(要旨)

議案第1号を審議し可決した後、報告事項について質疑応答し閉会。

議案第1号

 柏都市計画特別緑地保全地区の決定について

JR常磐線南柏駅より南方へ約2.2kmに位置する当該地は、「柏市緑の基本計画」において広域の緑の拠点に位置付けられ、江戸時代の放牧場である中野牧の名残りをとどめる野馬土手が現存する約0.8haの樹林地と生産緑地を介して酒井根下田の森の東側に隣接する約0.1haの樹林地であり、酒井根下田の森や生産緑地とともに一団とまとまった緑地を形成しているところである。

都市における良好な自然環境や遺跡を保全することにより、健康で文化的な住民生活に寄与するため、この貴重な緑地の一部を構成する樹林地を特別緑地保全地区に指定し、既に都市計画緑地や生産緑地として担保されている区域とあわせて保全を図るため、都市計画決定を行うもの。

都市計画決定の案の縦覧は、平成20年9月16日から平成20年9月30日までの間、都市緑政部公園緑政課において行い、期間中の縦覧者並びに意見書の提出はなかった。

≪主な質疑応答≫

委 員 当該地は個人の所有とのことだが、損失補償などはされるのか。

事務局 この特別緑地保全地区に指定されると、樹木の伐採や建築に制限が課せられ開発行為等が出来なくなるので、買取請求が地主さんには認められるが、通常の補償はない。

委 員 買取請求が提出されると自動的に買い取ることになるのか。

事務局 自動的ではない。買取請求に応じられない場合は、開発されてしまう主旨からいうと市は買い取る方向になるのではないかと思う。

委 員 所有者の考えは。

事務局 所有者は、この区域一体を所有している方であり、非常に緑地の保全には理解があり、よく説明して理解をいただいている。

委 員 所有者は1名か。

事務局 はい。

委 員 仮にこの地権者に相続等が生じた場合に、その処分として市が買取を検討する場合に、現状での費用負担は、どの程度見込まれているのか。

事務局 基本的には、柏市が買取団体となるが、そのときに特定財源が取得できるかにより変ってくる。国の補助金が採択された場合、基本的に3分の2が市の負担になる。買取の必要が生じた時点での国の予算と全額補助対象となるか等の判断による。

委 員 仮に補助申請が認められなかった場合、土地が売買対象になり得る可能性はあるか。

事務局 売買自体は制限されない。また、売買されても規制は継続される。

委 員 緑地としては所有者が移転しても基本的には残っていくという考え方でよいか。

事務局 地域性の網を被せ、地域に対して制限を加えているので、所有者のかたが変っても制限は継続される。

委 員 固定資産税の免除はあるか。

事務局 保護地区としての補助は可能性がある。

委 員 市に買取請求があった場合、基本的には買い取る前提でなければ指定する意味がないのではないか。

事務局 法的には買い取らないという選択肢もあるが、柏市で指定する場合には、ほとんど財源の裏付け等を得て指定している。

委 員 相続の優遇はあるか。

事務局 はい。

委 員 一般的に緑地保全地域は、これから増やしていこうとする傾向で、税制面では担保されているが、自治体が買い取る場合の予算や相続の面での問題もある。

委 員 緑を保全する場合、木が倒れたり、あるいは木の伐採や間伐、下草など色々な管理があり非常に経費がかかる。そうした管理や保全に対する管理費は地主の負担か。

事務局 基本的には、市の管理ではないので地主の負担になるが、緑の保護地区の制度に、管理費の助成制度がある。

委 員 管理費を市が負担する場合もあるということか。

事務局 管理費の一部です。

委 員 農地も含めた管理の問題は、相続の問題も含め、市の支援が必要ではないか。

委 員 管理の現状は、一般論としてどのようなことがいえるか。

事務局 一般に保護地区に指定すると平米あたり7円の助成をしている。

委 員 まとまった緑地の中心付近にあるホワイトゾーンの地域の土地利用は何か。

事務局 住宅が建っており、今回の指定にあたり検討したが、住宅は特別緑地保全地区には馴染まないと判断した。

委 員 樹林地ではないか。

事務局 指摘されている部分は、庭になっている。

委 員 生産緑地の現状は。

事務局 畑と梅の古木による林地である。

委 員 大事な資源である。

事務局 これら全体で昔の農家の趣きを形成している。

委 員 全体で何ヘクタールぐらいあるのか。

事務局 約1.7haの酒井根下田の森及び周辺の生産緑地1haを合わせ、約3.6haです。

委 員 他に地元の協議会やボランティア団体等から残してほしいといわれている地域はどこか。

事務局 理想を言えば県道までだが、今回の計画決定により要望の8割方になる。

委 員 生産緑地と特別緑地保全地区の法律的な違いは何か。

事務局 生産緑地は農地として、今回は樹林地として指定するものです。

委 員 植生調査や生態的な調査はしてあるか。

事務局 植生調査は、平成14年に緑の基本計画で構成する「拠点の緑」の該当緑地32箇所の樹林地等の状況を調査している。また、生物については、柏の環境ステーションで調査している。

報告事項

柏市都市計画マスタープランの地域別方針(素案)へのパブリックコメント実施結果について

柏市都市計画マスタープランの地域別方針(素案)は、市民委員99名のかたがたに参加いただき、市域を7つ地域に分け、それぞれ市民ワークショップを4回実施し、地域の課題や資源の洗い出しと共有、まちづくりのアイデア、構造図、地域別方針と重点施策の検討を行い、地域別方針(素案)市民意見版として、最終的に取りまとめた。

パブリックコメントの実施概要

○実施期間

・平成20年8月15日(金曜日)から平成20年9月5日(金曜日)

○周知方法

・広報かしわ8月15日号、柏市ホームページ

○閲覧方法

・ホームページでの電子媒体による閲覧、行政資料室、沼南支所行政資料

コーナー、各近隣センター及び都市計画課での紙媒体での閲覧

○意見書数

・11人(66件)

○主な意見

・都市計画マスタープラン全体に関する意見

他の構想、関連計画との整合を図ること

・景観まちづくりに関する意見

景観計画重点区域や景観重要公共施設の設定などの要素を盛り込むこと

・水と緑、環境に関する意見

豊かな自然環境の保全・活用・波及などについて、地域特性を活かした目標・方針を明確にされたい。

・まちづくり推進方策に関する意見

将来を担う子供と高齢者のマンパワーによるまちづくりが適している。

市民が責任を持ってまちづくりに参画できる制度の創設を希望する。

・その他

交通環境や公設市場移転についての意見があった。

パブリックコメントについては、今後、市のホームページ上で、いただいた意見と市の考え方をお知らせする。

現在、この地域別方針(素案)と市の施策を整合させ、地域別構想の策定作業を行っている。

≪主な質疑応答≫

○白地地域

委 員 白地地域への大規模な商業展開の抑制という意見にある「白地地域」とは、どういったところを指しているのか。

事務局 一般的に柏市で「白地地域」といえば、市街化調整区域を指す。

○地域の振興拠点

委 員 商業展開の抑制も急務のはずであるという意見だが、市街化調整区域は自動的に商業施設の立地は、難しいのではないか。

事務局 柏市の市街化調整区域では、調整区域のまま、大規模な商業施設を建てることは基本的には出来ない。

委 員 市の考え方で、市街化調整区域においては、法改正により大規模開発については、地区計画制度を利用しない限り許可されませんと回答されている。

事務局 都市マスでは、現在の調整区域の中で地域の振興拠点として、全体構想の分野別方針の中で、都市の骨格的な構造という形で、地域の振興拠点を2箇所位置付けている。常盤自動車道の北側と、旧沼南地域の国道16号線のオートバックスの反対側の市街化調整区域である。この地域振興拠点は、総合計画、合併前の新市建設計画、総合計画の基本計画、沼南地域整備方針にも位置づけられている。これは、単純に市街化調整区域のまま整備するということではなく、市街化区域に編入して区画整理事業を実施して、計画的な市街地整備をしていくことから都市マスに反映している。

○都市マス策定のスケジュール

委 員 都市マス策定の今後のスケジュールはどうなっているか。

事務局 今回いただいた意見を踏まえて、地域別方針についての庁内調整と、平成18年度に策定した全体構想、分野別方針に今回の地域別方針を反映しながら見直しを進め、今年度末の都市計画審議会に諮問し、来年度の公表を考えている。

○公設市場

委 員 公設市場は移転が計画されているが、既存の市場を景観・歴史的地域資源として位置づける必要性が不明との意見はどのように理解すればよいか。

事務局 柏インターチェンジの北側に市場の移転と合わせた区画整理事業が検討されている中、現在の市場が移転した後の土地利用を考えてくれないかという内容と思う。市場は景観資源、歴史資源の一部であるとした市民委員の意見もあり、それらを含めた位置付けとしている。

○松ヶ崎城址

委 員 松ヶ崎城址も出来る限り修復して保存すべきであるとの意見に対し、市の考えとして、保存にむけた取り組みを行なっているところですと回答があるが、緑地としての価値も含めた協議をしているのか。また、どの程度進んでいるのか。

事務局 教育委員会の定例会会議録の中で、松ヶ崎城址については、平成16年に柏市の文化財の指定しており、これを守っていくために借地として借り上げていく交渉をしており、市の借地の基準に基づいた交渉を行っていくとしている。

7.傍聴

(1) 傍聴者

4名

(2) 傍聴の状況

傍聴要領に反する行為は見受けられなかった。

8.次回開催予定

平成20年12月2日(金曜日)午後3時から午後5時