平成20年度第2回柏市都市計画審議会会議録

1 開催日時

平成20年8月5日(火曜日)午後3時00分から午後5時00分

2.開催場所

柏市役所 第2庁舎5階 第5・6委員会室

3.出席者

(委 員) 丸田会長、落合(実)委員、木村委員、萩原委員、原田委員、福士委員、中沢委員、山内委員、倉岡委員、宇佐見委員、落合(富)委員、深野委員、山野辺委員、髙辻臨時委員

(事務局)

土木部:飯田土木部長、藪崎土木部次長(兼)下水道整備課長

下水道整備課:小川副参事、松本副主幹、染谷副主幹

都市計画部:日暮都市計画部長、結城都市計画部次長

都市計画課:後藤課長、奥山副参事、染谷主幹、野口副主幹、遠藤副主幹、小笠原主事

4.議題

(1)議案第1号

柏都市計画下水道の変更について

5.報告事項

(1)柏市都市計画マスタープラン全体構成について

(2)柏市都市計画マスタープラン「地域別方針」素案について

6.議事(要旨)

議案第1号を審議し可決。

報告事項について質疑応答し閉会。

議案第1号

柏都市計画下水道の変更について

柏市第2号公共下水道(十余二工業団地排水区)は、十余二工業団地造成事業に伴い、昭和42年度に都市計画及び事業決定され、昭和45年度より十余二下水処理場の供用を開始している。

手賀沼流域下水道及び流域関連公共下水道事業の進捗により、流域下水道への接続が可能となったことから、第2号公共下水道(十余二工業団地排水区)を廃止するものである。

都市計画の変更の案の縦覧結果については、本年6月15日から6月30日まで縦覧を行い、縦覧者は2名。意見書の提出はなかった。

≪主な質疑応答≫

委 員: 処理施設を廃止した後はどうなるのか。

事務局: 今の段階では、施設が残っているが、廃止した後は普通財産となり、柏市として、適正な方法で財産の使用をこれから検討していく。

委 員: インター第2地区、インター第1地区の下水は、手賀沼流域のほうに接続されているのか。

事務局: まだ接続はされていないが、今回、市施工で接続が完了出来れば、そのまま手賀沼流域下水道で処理するかたちになる。

委 員: 雨水排水はどういうルートになるか。

事務局: 利根運河のルートに流れるかたちになっている。

報告事項1

柏市都市計画マスタープランの全体構成について

○部門別計画と都市計画マスタープランの相関

柏市都市計画マスタープラン(以下、都市マス)は、柏市第四次総合計画及び柏都市計画区域の整備、開発及び保全の方針、この2つの上位計画に即したかたちで、部門別計画との整合を図りながら策定する。

都市マス策定後は、都市マスの中に位置づけられたものに都市計画決定を行い、実施計画をし事業を行なう流れになる。また、都市計画決定しないものも都市整備に関するものは、都市マスの中に位置付けを行い、部門別計画との整合を図りながら、実施計画に記載していく。

○都市計画マスタープランの視点

・市民委員の方々と地域別方針を決定していく中で、分野別方針と地域別方針の将来都市像の整合が少し困難になっている。

・事業の重要度や優先順位を市民と行政の立場から検討する必要がある。

・現在策定中である「緑の基本計画」や農業活性化基本計画と整合を図っていく必要がある。

・時代背景や社会の潮流を捉え、広域的な視点から地域特性を再整理する。

○都市計画マスタープランの目的

・社会の時代背景と地域の想いや考えによる地域別の将来像を捉える。

・地域別将来像を捉えたことから、市全体の将来像を捉える。

・将来都市像を実現するためのプロセスを検討する。

○全体構成の修正

・序 章 都市マスの役割

都市マス導入段階の説明を行なう。

1.目的と役割

2.策定の仕組みと流れ

3.目標年次

短期目標は平成27年度

長期目標は平成37年度

4.将来予測人口

平成27年度は40万4千人

平成37年度は39万人

・第1章 まちづくりの背景

過去から現在までのまちづくりの背景を捉えながら、未来のまちづくりへのビジョンを整理する。

1.柏市の沿革と位置付け

(1)位置と地勢

(2)都市形成の沿革

(3)都市化の状況

(4)広域的な位置付け

2.時代背景を捉えた都市づくり

(1)急激な少子高齢化と人口安定社会への対応

(2)自然環境への配慮

(3)多様な地域特性を活かした魅力ある都市づくり

(4)社会資本、道路、公園、下水道などの効率的な維持、充実

(5)市民の都市づくりへの関心の高まり

3.未来へ繋ぐ都市づくり

(1)水と緑の環境整備

(2)持続可能な都市環境づくり

(3)誰にもやさしい移動の円滑化

(4)人や社会のつながり

(5)柏市をリードするふたつの都市拠点

(6)効率的な都市経営

・第2章 地域別方針

市域を7地域に分類し、市民ワークショップにより作成する。

・第3章 将来都市像

地域別方針を受け、10年後、20年後の柏市の将来像を設計する。

・第4章 分野別方針

将来都市像を実現するために、実現化に向けた部門別計画として、庁内の調整、連携を図りながら、分野別方針を設計する。

・第5章 計画の実現に向けて

PDCAなどのマネジメントサイクルにより、実現化に向けたプロセスを検討する。

報告事項2

柏市都市計画マスタープラン「地域別方針」素案について

平成19年9月から平成20年6月までの間に市民の皆様との市民ワークショップを4回行い、地域別方針の素案をまとめた。

基本的には、市民ワークショップの中で出た市民の皆様の意見をそのまま書き込んだかたちになっている。

市域を7地域に分類し、地域ごとに目標と目標に基づく各方針、そして方針の下に施策のかたちでまとめた。

市民の皆様の意見は、行政が主体となって整備を進めるもの、市民や事業者が主体となって進めるもの、市民、事業者、行政の協働により目標の実現に向けて課題を解決していくもの、実現には時間がかかるが、行政が主体となって目標の実現に向けて継続して進めていくもの、そして、事業主体も決まってなく、今後、実現に向けて計画するかどうか協議、調整、検討を要するものというかたちに分けている。

市民ワークショップは、市民の方99名という限られた方の参加になっているので、今後、パブリックコメントや、それに対する他の市民の皆様の意見を取り入れたうえで、市の施策等を追加するかたちで整理していく。

(補足)
柏市都市計画マスタープランの地域別方針(素案)[市民委員意見版] PDF4.85MB

講評

事務局からのお願いで、昨年9月の市民ワークショップの勉強会、その後4回の市民ワークショップ全てに参加していただいた都市計画マスタープランに係る臨時委員の髙辻委員より、講評というかたちで意見をいただいた。

委 員: 市民の人がワークショップに参加して、意見を出していったものをまとめたもので、行政側からみると都市の物的な側面すべてを洗い尽くしたものではない。今後、もう少し、行政側の問題意識も入れないといけない。必ずしも数量的なチェックを行ないながら計画を立ててきたわけではないので、場合によっては、実現不可能なものは内部でチェックをして、実現可能なものにしていくというふうに聞いているので、地に足が着いたものが出されてくると思う。

市民ワークショップの最初は、市民の人にとっては、計画づくりに参加する意義が見えてこないため、どうしても市役所に対する要望の場となるわけで、計画を作る側は、要望の背景にある目的とは何かを読み取りながら、代わりにこうやったらどうなのかというような読み替えをして練り上げていくことを、きめ細かくやらなければならない。しかし、これを地域別に行なうのは、困難なため、審議会委員あるいはパブリックコメント、庁内の各部署の現場の意見などを、もう少し集めて、現実性のある将来の姿を描くことを進めるべきである。こうした地域別に何かを作るというときには、地域の核をうまく作ろうとする。今日では、大型の商業施設が散らばっていて、ローカルな駅の近隣商店街などが、なんとなく寂れたままでいいのかという気持ちもある。

行政側には、地域レベルで、ふるさと会館、近隣センター、児童館、公民館などの公共公益施設があるが、全部管轄している部署が違うため、バラバラに立地しているというのが現状です。空き店舗をどれくらい利用できるかはわかりませんが、借地の期限が切れたり、建物の立替をしたりなどというような時に、上手く動かして、地域のコアになるようなところに移していくようになればと思う。割と基本的なものがもう少しまとまってくれば、人の集まりというのが地域レベルでもう少し見えてくる。そうすると、道路を整備するにしても、どの路線を集中的に整備すればいいのかということも見えると思う。そういうことが、今後のプランをまとめていくときの作業になる。

事務局の作成したスケジュールでは、9月上旬までパブリックコメントを行い、その後、分野別方針と地域別方針を整合して、年内に都市マスの素案を作成するわけだが、今後の庁内調整が難しいところもあると思うが、できる範囲でお手伝いをしていきたい。

≪主な質疑応答≫

○目標とコスト

委 員: それぞれのここで挙げられた方針を市としては、いつまでにその目標を達成しようと考えているのか。それから、概ねコストがどの程度かかるのかというような数字の公表は行うのか。

事務局: 序章において、目標年次を短期目標平成27年、長期目標平成37年としており、予測人口の平成27年約40万4千人、平成37年約39万人を見据えている。目標を達成するための具体的な整備プログラムは、財政部局との調整等があり、また、総合計画の中期基本計画や、今後策定される後期基本計画等とも整合しながら、見直しを図っていく。

具体的に整備プログラム自体を、いつまでに達成するかは、まだ検討をしていない。ただし、地域別方針の中で市が行っていくもの、短期的に行なっていくものや、市民事業者が行なっていくこと等は整備しており、庁内の連携、調整を図って検討していくとともにパブリックコメントで意見をいただきたいと考えている。

委 員: 市民ワークショップの場合、どうしても市民の方々から要望や、地域の細かい要求等があり、行政側で精査しているとは思うが、ある程度計画の中に持ち込んでいると思う。

大事なことは、いつまでにどの程度のことが出来るのか、その事業は、だいたいどのくらいコストがかかるのかということを我々が知り、議論をしていかなければならない。現時点で平成37年を正確に見通せとは思わないが、おおよその事業費などは、具体的にどこかの時点で示していただきたい。

委 員: 数的な将来目標、数に弱い。観念論で希望などは書いてあるが、詰めとして、将来の柏の財政との関係も盛り込んでいただきたい。

事務局: 庁内連絡会議で関係部局との調整を行なっているので、出来るだけ、具体的な調整をしていきたい。

○緑の基本計画

委 員: 緑の基本計画と都市マスとの関連、位置付けをどう捉えていくのか。また、地域別の計画と緑の基本計画との関連についても伺いたい。

事務局: 緑の基本計画は、今年度策定される。一つは、都市マスの分野別方針に緑関連が入ってくるので、緑の基本計画との整合を図りながら、位置付けをしていきたい。都市マスの策定段階で内部調整をしており、緑の基本計画の主だったものについては、分野別方針の中に入れていきたい。

委 員: 緑の基本計画は、都市マスに入る部分と別の部分があるのか。

事務局: 緑の基本計画は、緑関係の総合的な計画であり、それを全て都市マスに入れることは重複することになる。都市マスは、緑を含めた全体的な都市計画のための主だったものを書いていく。

委 員: 都市マスと緑の基本計画というのは、どんな関係を持ってこれから進めていくのか。例えば、農地についても生産緑地は、緑の基本計画にも出てくるが、都市マスの地域別方針には載ってない場合や、都市マスに載っているが、緑の基本計画に載らないことも考えられるので、十分に関係部署と協議していただきたい。

事務局: 都市マスタープランの策定にあたり、庁内連絡会議がある。また、緑の基本計画でも同じようなかたちで、庁内の関係部署とそれぞれ整合を図り、お互い補完しあい進めている。緑の保全、緑化など具体的に調整していきたい。

委 員: 都市マスの中で、最後は調整をとらなければならない。緑の基本計画を良く読み取って都市マスに組み入れる。すべてが経済性ではない。これから、緑がよけい大事な時代になってきた。低炭素社会がベースになっている。

委 員: 緑の基本計画では、都市の中の生産緑地とかを、保全して伸ばしていく。一方、都市マスでは、この辺は商業区域だということになってくると、それをつぶしていかなければならないことも考えられる。

委 員: 農業地も、将来のいろんな管理の面を考えると、ボランティアもあるだろうし、株式会社もあるだろう。農業は、総合的にやる時代になってきており、今までのことが変るということを知りながら、都市マスを考えていくことが効果的である。

委 員: 柏の中にも、そういった地域があります。国の方針あるいは市の方針が繋がっていなければならない。

○地域別方針と部門別計画

委 員: 何年後にどれくらいやるのかということで、分野別方針に部門別計画をどのくらい描くのか。部門別の調整をどのくらいやるのか。分野別方針をどう描き、部門別計画をどのくらいに整理するのかにかかっていると思う。部門別計画の年次計画のようなものを何か出すつもりはあるのか。

もう一つは、それを地域別の絵として5年後には部門別にこうなる、こういう世界になるから、それをベースにいろいろ考えてくださいとして地域別の絵に落とせるのか。分野別方針のところにどれくらいのことを描かれるのか。今とりあえず考えている部門別計画のイメージというのを、少し説明していただきたい。

事務局: 千葉県の策定している整備開発保全の方針については、5年以内に行なう具体的な事業名を挙げている。それを入れていくにあたっては、関係する部署と協議をしている。

同じように関係部署と協議をして、具体的に調整が整ったものは、5年後10年後、分野別方針の中では、今後庁内で検討しながら進めていきたい。分野別方針に具体的にそういうものが入らなければ、次年度以降、具体的に実現可能なものについて出来るだけ分野別方針の中に入れられるように、庁内での検討を進めていきたい。

委 員: 既にいろんなところで部門別の計画がある。そのうち、5年後にはこれをやる、10年後にはこれができるはずだというのを合わせて、一つの地域に並べたときに整合しているか。地域別に見たときのバランスチェックがなければおかしい。

事務局: 少子高齢化の時代、財政的にも厳しい中では、地域で考えることが大事、地域の視点から考えていこうということで、地域で選択してあるいは集中をして、地域で核施設をつくっていこうとか、地域でマネジメントしていこうといった繋がりも出てこようかと思います。先ほどの数的な目標や、管理部門も行政だけのコスト管理ではなく、地域のトータルコストの観点で考えていければよいと思っている。地域での5年後10年後の姿あるいは地域での反省、振り返り、地域で進めたいことといった地域主体の取り組みといったことも実現化に向けて考えていきたい。

委 員: 地域別の方針とかそういう意見を訊くときに、行政側の持っている計画で5年後にはこれができる、5年後にはこの地域がこういう絵柄になるというのを示し、行政もここまで頑張るので地域でも頑張ってくださいというバランスが望ましいと思う。地域に意見を訊いた、地域の意見を並べた、地域が主体で考えたというのでは、表現が弱い。

○地域への情報提供

委 員: ニュースレターは、どこにどういう人たちに配布されたのか。

事務局: 市民ワークショップに参加された市民委員の方々に配布している。本日の資料は、柏市のホームページシティネットに各回のワークショップの報告をアップしたものです。

委 員: 先ほどから、地域地域という話しがあって、確かにホームページを見たらわかるが、広報かしわに挟み込みとか、回覧など、市民代表のかたたちが、一生懸命話し合ってらっしゃることが、もう少し見えるようなことがあってもいい。

事務局: 実際には、市民の委員の方々に直接送付させていただき、それをもとに地域で話し合いをしていただいているケースもある。不十分だとは思うが、市から配るのではなく、委員の方が、地域でこういうものをやったと皆様の声でお伝えいただき、話し合いをしていただくと大分解消していただけるのではと思う。

○地域別の重要度と優先順位

委 員: 例えば、すごく緑を推進したいという意見がまとまったとしても、逆にそこはマンションとかいっぱい建てたいという意見もあるかもしれないので、利害が対立する段階のことなども取り入れたほうが、より現実的になるのではないか。それから、地域の重要度や優先順位を考えてとなると、地域ごとの絡みも出てくると思うので、地域ごとの関連連絡、話し合いなどをしていかないと計画の推進は難しい。

事務局: 利害ということで、ある程度の時期になったら、いろんな方面に説明していかなければと考えている。

委 員: マスタープランに施策を載せていかないと、将来それが実現していかないわけで、いろんな施策について意見が出てきているが、地域の特性を活かして、その地域にあった方法でやっていくとしたとき、柏市としてどういう方向で、この地域をこういうふうにするという一つの大きな筋があるのではと思う。地域の進路、それが成果として出てくるというところの表現が強く出せるようなものがあればいい。

委 員: 地域別方針を見たときに、地域の方たちそれぞれが、まちづくりをやろうとなっている。緑を残せ、柏の資源、商業地と良く聞くが、具体的に地域の細かいところまではなかなか想像がつかなかったが、自分たちが住んでる地域については具体的に描ける。ただ、これらを具体化するにはすべて予算ですので、優先順位が出てくるし、時代の流れによって変更もある。出来れば、それぞれの地域でどのような要望が出たというのは、回覧などで、お知らせしていって欲しいというのが今回の印象です。

○国際キャンパスタウン構想

委 員: 東京大学柏キャンパスがある北部1地域ですが、特に、この地域は、これから転入されてくる方が非常に多い。あるいは、ここに住んではいないが勤めに来ている人も多いので、以前から住んでいる方の意見だけをあまり重視してしまうと、これから10年20年というものの地域のイメージが違ってくる。あるいは、この地域には国際学術学園都市など、いろんなまちづくりの動きがある。千葉大の関連や東大の関連との調整は十分お願いしたい。この地域で働いている人を集めて説明会をやる予定はあるか。

事務局: まちづくりの背景で、柏市をリードする拠点の中に国際キャンパスタウン構想がとりまとめられているので、しっかり整理して、場合によっては、ヒアリング等をさせていただきながら、広域的なあるいは将来的な、未来的な観点からも整理したい。

委 員: 具体的な事例では、オンデマンドバスの実験を行なっている。来年4月からは地域を広げ、本格的な運用をしようという動きもある。その辺も含めていただければと思う。

事務局: 総合交通計画、交通体系についても見直しを図っていく必要がある。

委 員: 今回、事業者があまり入っていない。事業者、特に中小の事業者の意見はもう少し補足しておく必要がある。

7.傍聴

(1)傍聴者

1名

(2)傍聴の状況

傍聴要領に反する行為は見受けられなかった。

8.次回開催予定

未定