平成20年度第2回柏市都市景観デザイン委員会会議録

1 開催日時

平成21年3月2日(月曜日) 午後3時~2時30分

2 開催場所

第2庁舎3階 庁議室

3 出席者

(委員)

小川委員、加藤委員、北原委員、平倉委員、福委員、宮脇委員、柳井委員、渡来委員、庄司委員、杉浦委員、古里委員、宮嵜委員

(事務局)

日暮都市計画部長、結城都市計画部次長、後藤都市計画課長、奥山副参事、染谷主幹、寺崎主事、小笠原主事、三溝主査

4 議題

○議案

  • 議案第1号 柏の葉キャンパス駅周辺景観重点地区の指定の変更について
  • 議案第2号 柏の葉キャンパス駅周辺景観重点地区景観形成基準の変更について

○報告

  • (1)柏駅東口ダブルデッキ改修について
  • (2)平成21年度柏市都市景観賞について
  • (3)柏市景観資源ガイドマップについて

5 議事(要旨)

議案1、議案2

・意見、質問等なし → 議案第1号および議案第2号は原案どおり可決された。

報告1 柏駅東口ダブルデッキ改修について

(1)喫煙所について

(委員) 喫煙所はどうなるのか。

(事務局) 現時点では「デッキ上には設けない、どこかには設ける予定だがまだ決まっていない」と聞いている。地上レベル(1階)になるのではないか。

(委員) バスの発着場などに設置されるのか。

(事務局) ポイ捨てや路上喫煙の禁止の面から、喫煙所を設けることは重要であるが、副流煙の被害などについての意見もある。現在の喫煙所は人通りがとても多いため、できるだけ分煙が出来る形をとりたいと思っている。

(会長) 分煙は世の中の流れである。ただ、喫煙される方に対して、喫煙場所がわかりやすいようにしておいて欲しい。

(2)照明灯のバナーについて

(委員) 想定されるバナーはどのようなものか。

(事務局) 80cm×4mの大きさのものが2つ架けられるようになっている。掲示の内容、運用についてはまだ、今後の課題となっている。

(会長) 駅前にふさわしいクオリティを確保できるシステムにしてもらいたい。

(3)アドバイザー会議からの意見(副会長=アドバイザー会議座長)

  • 初案では、景観に配慮しているとは思えなかったため、アドバイザー会議ではこの案件について集中的に議論してきた。今日はある程度調整したものが、報告されている。
  • アドバイザー会議では、多くの指摘事項や公共事業に求められる事項を整理するため、評価表を作成し、「○×△」の三段階と「?」での評価を行った。
  • 評価の項目として、景観まちづくり条例にも記述のある「市民が景観まちづくりの主体」などの項目も盛り込んでいる。公共事業では、この部分も重要である。景観法の趣旨に照らし合わせると、「景観重要公共施設」の指定や「景観協議会の設置」を検討してもよいのでは、と考えている。評価の結果、市民との関係は十分ではない、と評価している委員が多い。市民との対話や意見の交換の場として、アドバイザー会議の公開等も検討すべきである。
  • 設計者の選定においては、設計者選定制度(プロポーザル方式)の導入を実現することができ、意匠についてはデザインの専門家を入れて調整を行っている。デザインについての評価は、概ね○か△であり、協議の成果がでてきていると思う。
  • 緑化については、緑化の意識がないように感じられるため、何とか導入して欲しいと会議の中で言ってきている。
  • アドバイザー会議としては、積み残しが多いと感じている。アドバイザー会議でまとまった意見をデザイン委員会で理解していただき、文章で明らかにしたい。

(4)デッキの下(1階部分)について

(委員) バスの発着所や公衆トイレなど、1階部分の考え方はどうなっているのか

(会長) 穴をふさいだりするので、下にも影響はあるのでは。

(事務局) 「ジャックと豆の木」を撤去してオープンスペースにする考えだが、管理運営方法や使い方は今後の課題である。今回の設計はデッキの改修がメインであり、下については、歩道部分は考えていると思うが車道の改修などはないと思う。トイレはJR敷地のため対象としていない。

(委員) 1階の使い勝手が悪い。利用者の立場で考えれば、1階も重要である。

(事務局) 柱の位置、分離帯は変わらない。修景をどうするかは不明。エスカレーター設置のため、人の動線が変わるので、その部分の工事はあると思う。

(5)緑化について、および景観アドバイザー会議からの要望書について

(委員) 高木など、もっと緑化を考えて欲しい。荷重の関係で「デッキ上はプランターにしたい」とのことなので、しっかり緑化できる可能性があるのは、現在のジャックと豆の木辺りだけである。そのため、しっかり検討してほしい。

(委員) 地権者の主張や希望はさまざまなので、何を優先するか順位をつけて考えなければいけない。例えば、高欄にガラスを採用すると、コストの関係で他の部分がどうなるのかわからない。あれもこれも、と言うとどれもできなくなるのではないかと思う。トイレは、JRの敷地。JRは駅ビルの建築構想があるので、「市民からのお願い」と言う形で要望する方法もあるのではないか。耐震の観点からは、緑は無い方がいいのではないか。通行するだけならあった方がよいが、ごみや草など、管理が大変。管理費等を考えると、市単独の管理運営は現実的でない。管理等をどこかに押しつける形でやってしまうより、「とりあえず初めはなし」というのも1つの考え。予算等を考えながら「これだけは外せない」という統一的な見解を出すのがよいのではないか。

(委員) 立場によって意見が多様でまとまらないのに、市はバラバラに意見を聞いている。協議会などを作って議論すべきではないか。また、市民への説明がない、など、取り組みのしくみ自体に問題があると思う。

(会長) 都市景観デザイン委員会は、設計や整備全般について意見を言う場ではなく、景観面での意見を求められてそれに関する意見を述べる場である。

重要な空間の整備では、協議会設置などが正規のやり方であるが、「今はその場がないのでこの委員会で議論している」という事態は好ましくない。市は、総合的に対応する窓口を作って、市民、地権者等との意見交換をできる場をつくるのが本来だろうと思う。

しかし、この件については、アドバイザー会議として意見を述べ、対応いただいているので、「アドバイザー会議としての意見をまとめ、デザイン委員会の委員に見ていただき、委員会の意見として担当部署へお伝えいただく」ということでいかがか。

(副会長) アドバイザー会議としてではなく都市景観デザイン委員会として、また、担当部署ではなく市長に、書面で伝えたいと考えている。

(会長) 「来年度からのダブルデッキに関する工事においてこの点をぜひ」という内容にしてはどうか。市民参加については、「今後重要な公共工事を行うときにはこういう段取りで」という表現にしてはどうかと思う。

アドバイザー会議としての「市長への提言」を今年度中のできるだけ早いうちにまとめ、デザイン委員に諮り、修正すべき点があれば修正して、都市景観デザイン委員会の意見とする。それをどのような形で市長に提案するかは、会長と副会長で相談しながら進めたいと思う。

(6)景観アドバイザー会議のありかたについて

(委員) 公共施設も民間の建物も、アドバイザー会議で意見を出してもなかなか良くなっていかず、成果がほぼ出ていない、と感じることがある。ダブルデッキの要望書に、今後の景観まちづくり条例の運用の仕方について、付け加えてはどうか。

(会長) アドバイザーが大変苦労されそれなりの成果がでていると思っているのだが、アドバイザー会議としては「このままの制度運用では、アドバイザー会議の存在そのものも疑問である」ということだろうと思う。「アドバイザー会議のあり方、及び今後の柏市の都市景観まちづくりの取り組み方に関して、アドバイザー会議はこう考える」というものは、ダブルデッキの要望書とは別に作成してほしい。それは、デザイン委員会のあり方そのものに関わるため、来年度、デザイン委員会の場で時間をかけて議論するべきではないか。

報告2 平成21年度柏市都市景観賞について

(委員) 緑化に関する募集を行うことを考えると、市民活動あるいは、団地、宅地などの自主的な活動があると思うので、活動自体を表彰してはどうか。景観まちづくり条例の「市民まちづくり」の部分を支えるという意味もある。

(会長) 「花と緑のまちなみ部門」の募集要項の中で取り組みも含めて募集するか、タイトルそのものを「市民活動部門」とするか。広い意味では「花と緑のまちなみ部門」でもいいが、もう少し広がりのある名称にしてはどうか。

(委員) 名称を「まちなみ」とすると、家や通りが対象となるが、里山の保全活動や駅前や通りの緑化などプランターなど、緑についての活動は多様である。対象を絞って募集するか、広く募集するために「花と緑の景観まちづくり部門」とするのか、整理したほうがよい。

市民団体などによる活動を表彰することには賛成。ただし、「所有者、設計者、施工者」という表現では、活動参加者や団体というニュアンスがないため、「表彰の目的」のところに明記したほうがいい。

(委員) 例えば、花壇の整備をしている人(団体)には、成果物としての花壇がある。成果物(花壇)を表彰することで団体も表彰することができると思う。

(会長) 「花と緑のまちづくり部門」として、「市民等の取り組みを探してます」とするのもよいのでは。「商業施設部門」についての意見は?

(委員) 商業は、店舗ごとの景観への配慮、というニュアンスが強く、今までの表彰なら、そのようなスタイルのほうが応募や表彰しやすい。しかし、今後は「商店街」や「通り」(連なり)として表彰できるようになってほしい。今後そういった部門も創設できると柏市の景観は将来楽しみだと思う。

(委員) 他の市(名古屋市)の都市景観賞には、市民やボランティアグループを受賞する枠があり、表彰式がとても盛り上がっていた印象がある。賞をもらうことが励みになるし、緑化の運動をしたくても参加の仕方がわからないとか場所がないからできない人たちに活動を広く知ってもらうことができる。

選考にあたっては、選考会で活動をしている方がプレゼンをしたり、複雑のようだが、柏市でも取り入れると都市景観活動が盛り上がるのでは。

(委員) 市内で、オープンガーデンをやっているグループは?

(事務局) 把握していない。個人宅ではないが、観音寺ではボタンの時期には開放している。妙蓮寺はロウバイなどの花がきれいである。

(委員) 流山市ではオープンガーデンの小冊子もできているらしい。そういう活動が広がっていけば、繋がりのある景観になるのではないか。

(委員) 募集すれば出てくる可能性がある。横須賀市で同じようなことをやっている。道路端の植栽を手入れや建物を利用した文化活動など、必ずしも「花と緑」だけでない。まちの中のいろいろな活動が結果的に、景観に現れてくるというのが魅力だと思う。

(会長) これまでは、「まちなみ」的なものが中心だったが、来年度からは「まちづくり」に着目することで委員の意見が一致した。「花と緑のまちづくり」「商いのあるまちづくり」など。柏市民は非常に活動的な方が多いので、まちづくりに着目すると、新たな活動もできてきて、そういう面での情報交流の場も提供できそうである。「花と緑のまちづくり」にしてはどうかという意見が多いが、その他いろいろなまちづくりが考えられるため、今日の意見を参考に、事務局のほうで案を作ってほしい。

報告3 柏市景観資源ガイドマップについて

(委員) ガイドマップは、普及啓発という利用法だけでなく、「事業者に渡し、場所の特性を理解し周辺に配慮するよう指導する」ために使ってはどうか。

(事務局) 景観計画にも書かれているとおり、そのような使い方をしていきたい。ホームページで見られることを紹介したり、該当部分のコピーを渡しながら指導する、ということも考えられる。

(委員) 緑の基本計画の改訂では緑地評価の1つの指標として「景観資源ガイドマップに掲載された緑地が点数が高い」というように使われるようである。ガイドマップが役にたっていると実感した。確認してください。

(会長) 景観まちづくりの一環として作成したガイドマップが、そのように活用されるのはうれしいこと。ぜひPRしてください。

(委員) 刷物では数に限界があるが、「ホームページ等で誰でもダウンロードできる」ということを広報誌でPRすれば、活用の幅を広げられると思う。

(会長) ぜひ活用してもらえるようにしてほしい。

6 傍聴

1名