平成17年度第1回柏市都市景観デザイン委員会会議録

1 開催日時

平成17年12月15日(木曜日)午後3時~午後4時40分

2 開催場所

柏市柏四丁目9番7号SKSビル5階 柏市消費生活センター 消費者ルーム

3 出席者

(委員) 北原委員長、宮脇副委員長、小川委員、加藤委員、小林委員、座間委員、平倉委員、福委員、井坂委員、岡田委員、庄司委員及び宮嵜委員

(事務局)綿谷都市計画部長、中川都市計画部次長、窪井都市計画課長(以下同課)、吉田副参事、古市副参事、染谷副主幹、野口副主幹、平野副主幹、森主任及び三溝主任

4 議題

○協議事項

  • 柏の葉キャンパス駅周辺景観重点地区の景観形成基準(案)について

○報告事項

  • 景観行政団体と記念表彰
  • 関東の富士見百景選定
  • 景観まちづくりシンポジウム
  • 重点地区内の状況
  • 柏の葉一丁目、三丁目の状況
  • 景観アドバイザー会議について

○その他

5 議事(要旨)

(1)協議事項の非公開について

柏の葉キャンパス駅周辺景観重点地区の景観形成基準(以下「景観形成基準」と記述)案は、本日の委員会と地権者との意見交換会の開催後に案としてとりまとめ、縦覧、意見書等の手続きの後、再度、委員会に諮り決定したい。現在、まだ確定していない景観形成基準の内容を公にしていくと、誤解や憶測を招き市民の間に混乱を生じさせる恐れがあるため、協議内容については非公開としたい。また、会議録は、次回のデザイン委員会の会議録と合わせて公開したい。

→全会一致で了承された。

(2)協議事項(柏の葉キャンパス駅周辺重点地区の景観形成基準(案)について)

本日の委員会で出された意見を元に、反映できるところは反映して、今後、地権者の方々と協議して詰めていくこと。

意見は以下の通り。

1.デザイン部会について

委員からの問い: この景観形成基準のたたき台はワーキングか何かで作ったものか?また、作成のポイントは?

事務局からの回答: 大学関係者や専門家で構成されるデザイン検討部会で作ったものである。この地区と沿線の他の駅との違いは、東京大学と千葉大学という2つの大学がある点であることから、大学のある街づくりを進めていくことが可能である。また、駅前は商業地区でありマンション開発計画もあるので、基準が無いと後で問題が起こる可能性がある。そこで、大きな開発用地のルール付けについて議論してきたものである。特に千葉大が工夫した点は、八重桜の並木道であり、駅前通りの顔づくりに力を入れている。

委員からの問い: 千葉大が用地を提供して並木を植えるのか?

事務局からの回答: もともと千葉大の用地の中に並木道を作り、一般も通行できる空間として提供する計画である。現在でも、時間を指定して通り抜けができるようになっている。

2.駅までの交通手段、違法駐輪等について

委員からの問い: 現在、駅利用者の交通手段は?バスはどうなっているか?

事務局からの回答: バスは、鉄道の開業とともに路線の変更があった。この地区の中を循環するルートもある。

委員からの問い: 環境に配慮したバスなどを導入しているのか?

事務局からの回答: 市は年1台くらい環境に優しいバスのための補助をしている。

(補足)
市の補助があるのはノンステップバス。環境に優しいバスに対しては、国からの補助がある。

委員からの問い: バス利用者は時間帯で集中しないのか?

事務局からの回答: バス利用が多いのは、がんセンターに行く人と東京大学に行く人である。大学の学生も先生方もなるべく自転車を使いたいということで、自転車のルートや駐輪施設の充実させたい。

委員からの問い: 地区内の駐輪場は?将来的に足りるのか?

事務局からの回答: 駐輪場は駅の北側と南側の高架下に2箇所あり、合わせて2,500台程度駐輪できる。必要に応じて拡充する計画である。

委員からの問い: 人口が増えてくると違法駐輪も増えてくると考えられ、景観計画を阻害する要因とならないか?将来を考え、景観だけでなく駅の近くに生活に必要な施設を設けることも考えておくべきではないか?また、商業施設の附置義務はないのか?

事務局からの回答: 各店舗には条例により附置義務はあるが、商業施設に来る客用であって住民用の駐輪場ではない。通勤用は市が用意する駐輪場を使って欲しい。また、駅周辺は放置自転車禁止区域に指定しており、放置自転車の撤去もできる状況になっている。ただし、壁面後退した所に放置された自転車が問題になることが多く、市としても対応に苦慮している場合が多い。理想をいえば、将来的にはエリアマネジメントをする組織ができ、放置自転車などの管理もして街のグレードを保っていくことが一番望ましいと考えている。今後の課題である。

3.壁面後退について

委員からの問い: 壁面後退が1mの地区があるが少ないのではないか?今からならもっと余裕を持った距離にできないか?

事務局からの回答: この景観形成基準を作るにあたり、ある程度計画がある所については事業者と協議をしつつ進めてきた。東側の南の街区については、事業者から「中央付近に広場を広くとり建物を道路側に寄せる計画にしたい」という意見があり、結果として中央の広場を選んだ。北側の街区については、画地が他と比べて小さいため最小限の1mとし、駅前線については2mということで理解を得ている状況である。

4.敷地内通路について

委員からの問い: 東B街区だけ敷地内通路の設定がないのはどうしてか?

事務局からの回答: この街区以外は基本的には街区全部を所有している地権者のため、協議の中で「中に通路を通してください」という話ができるが、この街区は共同で事業をやっていただかないと通路の整備は難しい状況であるため、今回は設定していない。

委員からの問い: 地権者数が多いということか?

事務局からの回答: 10人以下だが、共同で事業というのは難しい状況である。

委員からの問い: 本来このような基準は地権者が多いときにこそ必要。地権者で敷地内通路を作れることが望ましい。

事務局からの回答: 地権者の意見交換会を設けているが、この街区がまだ使える状況にないこともあり、地権者もやりたいことが具体的になっていない。ただし、景観の美しい町の視察等も行っており、「きれいな街にしたい」という認識はある。

委員からの問い: 千葉大キャンパスと道路を挟んで接する西B街区や西C街区は超高層が建ち得る。千葉大では道路側に緑のバッファーゾーンを設けて景観に配慮しているが、超高層が建つと覗かれる可能性もある。2mではなくもう少し壁面後退できないか。ここだけの問題ではないが、美しい街を作るのだから、それを阻害する要因については、早めに手をうってほしい。

事務局からの回答: 事業者は土地を処分しなければならない。そのため、西B街区は容積率400%、西C街区は300%としており、ある程度の高層ビルも想定している。

委員からの問い: もう少し壁面後退するなど周囲に配慮してもらえるとよい。千葉大だけでなく周辺に圧迫感を与えないようにして欲しい。

事務局からの回答: 千葉県に要望する。

5.樹木について

委員からの問い: はじめから大きな木を植えるのか?

事務局からの回答: できるだけ大きな木を植えてくださいという要望をしている。

委員からの問い: シンボルツリーとはどのようなものか?大きいのか?

事務局からの回答: 西口は欅、楠を移植。東口は椿。もともとゴルフ場内の木なので成熟している。街路樹については、西口側は千葉大の中に生えている世界の楓を譲り受け、東口側も東大の中の桂を提供していただいて植えるように計画している。

6.「ローハスタウン」という言葉について

委員からの問い: ローハスタウンという言葉は一般の人たちには馴染みがない。三井物産の商業戦略として使われているキーワードというイメージが強い。開発業者が「ローハスタウン」という言葉を使うのは構わないが、市が制定する景観形成基準の中で使う必要があるのか。使わなくても問題ないのではないか。

事務局からの回答: 景観形成基準案作成に際して、三井不動産とも協議している。デザイン検討部会で「ロハス、健康と環境を重視する街を作る」というコンセプトが先にあり、三井不動産に「このコンセプトを取り入れた展開をして欲しい」とお願いした経緯がある。「ロハス」はアメリカの社会学者が使ったライフスタイルを指す言葉であり、「ローハスタウン」では商品イメージがあるのであれば「ロハス」という言葉だけでも残したい。

委員からの問い: アメリカの社会学者の言葉「ロハス」を日本に持ち込んだのは三井物産であり、企業戦略として使っているという指摘がかなりある。三井不動産が「ローハスタウン」というのは構わないが、市が使うのは今の段階ではいかがなものか。また、来年4月くらいから「ロハス」を使った場合には、三井物産がお金を取ると言っている、という記事を見たことがある。

事務局からの回答: 協議の中で、行政が使うのは構わないという話をしている。

委員からの問い: 趣旨としては環境に配慮しているということでぴったりではあるが、一企業が「自分のブランドだから使うならお金を取る」という言葉をなぜ市が使うのか?。

事務局からの回答: もう少し検討し、最終的に諮問する段階までに整理する。

7.大学のある街らしさとは

委員からの問い: 商工会議所で商業ビジョンのアクションプログラムを作っているが、「千葉大、東京大の2つの大学があり他の地域にはない「学ぶ」というキーワードがあるので、コンクリートの建物だけでなく、他の町とは違うと感じさせる構造物等をお願いしたい」という意見があった。重点地区の目標の3つめの「大学のある街の駅前」をもっとはっきり出してもいいのではないか?

事務局からの回答: デザインについての協議を大学と行政が協力しながらやっているように、将来的には街のマネジメントなども市民と大学と企業と行政とで運営できるとよいということだと思う。

委員からの問い: 千葉大には大きな建物はないのか?

事務局からの回答: ない。

(3)報告事項について

質問、意見等なし。

(4)その他(委員会の開催日について)

今年度の委員会はあと2回(1.柏の葉キャンパス駅周辺重点地区指定前の諮問2.柏の葉住宅の重点地区の基準について)、来年度の開催回数は確定ではないが3~4回(景観計画、景観表彰制度などについて)を予定している。委員会の開催日として平日の夜か土日に開催してほしいとの意見があったがどうしたらよいか?

→委員長から「今まで通り平日の昼間に開催する。委員会の頻度が多くなる場合には、その都度調整することとする。」という意見が出され、全会一致で了承された。

6 傍聴

1名(ただし、5(1)のとおり、協議事項は非公開となったため、資料提供のみを行った。)