第16回柏市下水道事業経営委員会会議録

 1 開催日時

平成29年11月8日(水曜日)午後3時~5時

2 開催場所

柏市役所分庁舎2 2階 第1・2会議室

3 出席者

(委員)
落合委員、谷委員、倍委員、横土委員、弓削田委員、今井委員、森脇委員、竹内委員、中屋委員、黒駒委員、高橋委員、平石委員、稲田委員、豊田委員
(事務局)

 君島土木部長、山根土木部次長兼下水道整備課長、古賀下水道維持管理課長、藤井下水道経営課長 松本雨水排水対策室長 他6名

(注意)職・氏名の記載の順序及び方法は、任意です。

4 議題

  1. 平成28年度の決算報告 
  2. 施策に対する評価指標
  3. 経営指標
  4. 下水道管路の包括的民間委託の導入について
  5. 上下水道組織の統合について

5 議事(要旨)

1. 平成28年度の決算報告(資料1)

平成28年度の決算について説明を行い、この後これらについて質疑応答を行った。

  • (質問) 資料4ページ 資本的支出の流域下水道負担金の決算見込み額が減ったのは流域下水道に接続している面積が減ったということか。

(回答)柏市では汚水を手賀沼下水処理場と江戸川下水処理場に流している。そこに流している水の量に応じてその構成市町村に県から負担金の請求が来ている。今回有収水量という検針して使用料を請求している水量は増える傾向にあったが、処理場で処理する水の全体量が減っている傾向があった。その関係で県から来る負担金の請求の額が減ったということである。考えられる原因は雨である。柏市は合流区域で雨水も一緒に流れる区域があるので、雨水の流れる量が例年より少なかったということが想定される。面積が減ったわけではなく、流れる水の全体量が減ったということである。

  • (質問)資料3、4ページ 有収水量が増えているということで下水道使用料が予算よりも2億円増えているが、流域下水道負担金が減ったという説明がわからない。また4ページの建設改良費が予算の半分以上執行されていないが、なにかあったのか。

(回答)建設改良費について工事が未着手に終わったもの、年度内に工事の完了とお金の支払まで到らず繰り越したものが多くある。繰越金額が15億円ほどあり、予算ベースで見ると資本的支出が少なくなっているということである。有収水量と負担金の額についてであるが、県の処理場には各市町村で検針した有収水量はもちろん、いわゆる「不明水」という、下水道使用料を請求していない水も流れ込んでしまう。県ではそのような、どこから流れてきたのか分からない不明水も含めて処理している。それを各市町村の有収水量の率によって按分して、負担金を請求している。去年は県の処理場にたどり着いた水量が少ない割には市で検針した水量が増えたので、不明水が減っている。不明水の大部分は雨等で構成されるので、雨等が少なくてその分が減ったのではないかと考えられる。柏市では合流区域という雨水も一緒に流す区域を持っているので雨水の影響が出ていると考えられる。

  • (質問)では流域全体の不明水が減ったということでよいか。

(回答)全体として水量は減っており、不明水は減る傾向にあると思われる。

  • (質問)繰越金額が15億円とはいかがなものか。多いと思うが問題はないのか。

(回答)年度当初が閑散期で、年度末に工事が集中するので工事の平準化のため工事の発注時期を遅らせたところもある。また、ほとんどは他企業との工事の調整や、既設埋設管が実際は管理台帳以外のところにあり、工期の変更を余儀なくされたりするなどの要因である。たしかに15億は大きな金額なので、早期発注を目指したい。

(意見)後半に言ったことは分かるが、資本平準化を図るというのであれば継続費に組むなど予算化をした方が良いのではないか。

  • (質問)工事の時期を年度末に意図的にずらすというのはどういうことか。

(回答)ずらすというよりは、債務負担行為という工事で前年度に予算化して、積算し発注するが、実際工事入るのが翌年度の4月以降という案件があるということである。

2.施策に対する評価指標(資料1)

事務局より施策に対する評価指標について説明を行い、この後これらについて質疑応答を行った。質疑内容は以下の通りである。

  • (質問)水道管と下水道管の工事を一緒にできないのか。

(回答)水道管と汚水管や雨水管、合流管と種類があるが深さや管の直径も違う。またストックマネジメント計画に基づき、老朽化が進んでいると思われる管路や、社会活動や市民生活に影響が大きい所から調査を進めている。一緒にできれば合理的で経費も安く済むが、水道の計画との整合性が十分でない。それぞれで計画があるので別々の改修・改築を行っている。

(意見)道路管理者の立場で話をすると、地下占用物には下水道・水道・ガス・東京電力など様々な事業者の管路がある。定期的に占用者会議というものを開いており、そこで各年度の事業のすり合わせを行っている。できる限り重なる部分は同時に施行するように調整はしている。しかし、すべての事業が重なるというのは現実的に難しい。道路管理者側からしてもなんとかしないといけないと考えているが、難しい課題である。道路の破損具合を見える化し、ある占用事業者の工事計画が分かった段階で、他の占用者が今後工事を実施する予定があれば前倒ししてもらうなどの調整ができるように、技術的なところも含めて研究している。

(意見)水道は開削という上から掘る工事が主流であると思うが、下水道の場合は管更生というコンクリート系の管路の中に新たに塩化ビニル管を入れるような方法であるため、なかなか一緒に工事を行うのは難しい。

(意見)本管の入れ替えは難しいにしても、マンホールの蓋は表面が見えるので、極端に古い蓋が集中している地区で水道事業などが工事を行う際、事前に調整して蓋も取り替えることもある。

  • (質問)前期目標達成が可能かどうか5点ほど伺いたい。一つ目は資料1ページ4「下水道施設の耐震化」が、平成28年度「検討中」で860万円使われているがどこまで検討が進んでいるのか。二つ目は資料15ページ「手賀沼の汚濁負荷軽減」のところで合流式下水道の改善率21パーセントが計画当初から変わってないが、どういう見込みか。三つ目が資料16ページ「創エネルギー」の「下水熱利用の実施」が未実施となっているところ。どの程度実施の見込みがあるのか。4つ目が資料18ページ「計画的な維持管理」の「老朽管調査率」が平成28年度で4.0パーセントとなっている。平成26年の段階で14.4パーセントだったと思うが、調査率が下がっているのはどういうことか。また、平成32年度までの実施の見込みはどの程度か。5つ目は、資料19ページ「計画的改築」で平成28年度の管路の健全率が0.0パーセントであるが、前期目標の34.5パーセントまで達成の見込みはどの程度か。

(回答)下水道維持管理課から2つ説明する。一つ目は資料14ページ「下水道施設の耐震化」についての質問。平成28年度は地震対策を検討中で、事業費の860万は下水道総合地震対策計画を策定するために専門のコンサルタント会社に策定業務を委託した費用である。続いて4つ目の質問であった資料18ページ「下水道施設の老朽化対策」の「計画的な維持管理」である。平成26年度では14.4パーセントという数値があったということだが、ストックマネジメント計画が平成27年度に策定され、それを基に改めて柏市内全域の下水道管のいわゆる健康診断を平成28年度から一気に開始した。まっさらな状態から布設後35年以上経過した管きょ560キロを調査対象とする取り組みが平成28年度に開始され、約22キロのカメラ調査を行った。その距離を560キロで割り返すと約4パーセントとなる。

  • (質問)前期目標が達成可能かどうかを伺いたい。

(回答)今年度は約50キロほど延長している。平成28年度、29年度合わせて70キロ強の調査が終わる予定であり、粛々と進めている。しかし、全560キロの調査を終えるには時間がかかるというのが正直なところである。資料15ページ「下水道改善率」であるが、昨年度流量計で汚水量を確認したところ、計画の倍程度流れていることが分かり、今年度さらに細かい詳細設計をするので、平成28年度時点では改善が進んでいない。一方で21パーセントという改善率は、柏駅周辺の合流区域が約192ヘクタールあり、その分流化が完了した面積の割合である。それとは別に豊四季台団地の約38ヘクタールが分流雨水になっているが、最終的に合流の雨水管線に接続している。そこで篠籠田貯留場から豊四季台団地まで約1.2キロ、直径2000ミリのバイパス管の工事を平成28年度に発注しており、平成32年3月までに完成させる予定である。これによって分流の雨水を取り込むことができるので、汚濁負荷の軽減に寄与することができる。

  • (質問)数値的に25パーセントが達成可能であるということでよいか。

(回答)この目標を達成するようにと考えている。また、資料16ページ「創エネルギー」、下水管路の下水熱の利用可能性検討であるが、まだ実施はしていない。平成32年度までに導入可能性を検討するという目標内容である。もう一点、資料19ページ「下水道施設の老朽化対策」管路の健全率についてであるが、ストックマネジメント計画では平成28年に調査を終了し、平成29年に計画を、平成30年に実施設計を立てるとされており、実際の改築工事が始まるのは平成31、32年と見ている。よって平成28年度はまだ調査の段階なので0パーセントとなっている。今後は包括的民間委託を導入して、前期目標値を目指し効率的に管の改築更新を進めていきたい。

  • (質問)管路調査はコンサルタント会社に委託して費用がかかっていないのか。

(回答)管路調査を平成28年度から始めて、改築に結びつけるという流れだが、調査に関しては専門の業者に委託している。

  • (質問)そうすると事業費が計上されているはずだ。

(回答)改築までの作業に到達していないので改築の事業費は発生していない。

  • (質問)調査には専門的な業者が必要ということでよいか。

(回答)そのとおりである。

  • (質問)資料15ページ「手賀沼の汚濁負荷軽減」で「合流式下水道の改善率(分流化)」について。内容的には柏駅周辺の旧柏処理区192ヘクタールの合流区域を分流化するという内容も含まれていると思うが、平成28年度決算報告の説明の際に質問のあった、不明水の問題が分流式下水道でもある。旧柏処理区の分流化を進めてもらうと不明水も減って、それに伴う処理場に入ってくる水の量が減るので流域下水道負担金の額も減ると思う。柏駅前や周辺で工事を行うのも難しいと思うが、ぜひとも分流化を進めてもらいたい。

(回答)資料15ページ分流化の事業費が0円との表記であるが、広い目で見ると本来分流で流せるところを合流区域の管を通じて処理場に流れてしまっている箇所や、道路排水等既存の施設を見直して、合流管に流れ込んでいないかという流量の調査は継続的に行っている。雨水が流れ込むのを減らすことができれば、処理場の処理量を軽減することもでき、費用の面でも軽減できる。駅周辺ということで、実際の工事はなかなかタイミングが難しい。まだ全く決まっていないが、柏駅周辺の再開発などの機会を捉えて分流化等を図っていけたらと考えている。

  • (質問)資料14ページ「地震対策」は柏市民として関心がある。大きな地震が起こった際、水道やガスよりも下水道の復旧が非常に長く時間がかかるようなので、地震対策は重要であると考える。そこで、表の見方であるが、前期目標である平成32年までに地震対策に1000万円を使うということでよいか。

(回答)平成28年に関しては地震対策計画を策定したばかりなので、今後の作業としては管きょについてやっていくのか、建物に耐震工事をするのか、改修物の絞込みをしていかなければならない。特に管きょは道路の真下に入っているので地震があると陥没等に響く。改築計画を立てる中で、耐震の特性を持った管に入れ替える作業を伴うこともある。また、緊急輸送路と呼ばれる道路や鉄道の下を横断している箇所、河川の下を潜り抜けているところもある。

  • (質問)質問は金額についてである。1000万円というのは平成28年から平成32年までの累計額なのか。

(回答)平成32年までの累計の金額である。

(意見)そうするとすでに860万円使ってしまっている。今後4年間地震対策が140万円ではやりようがないと思う。計画が決まったら、予算は議論してほしい。

(意見)地震対策について補足する。14ページの総合地震対策もあるが、資料18ページのストックマネジメント計画でも耐震化を図っていく予定である。地震レベル1、レベル2という基準があり、改築更新と同時にそれに合わせた対策を行う。また、ストックマネジメント計画というのは基本的に50年経過した管しか直せないという基本があるが、総合地震対策は古さではなく、緊急道路や軌道下、河川の下など古い管路ではなくても補助金を使って地震対策を整備できる。14ページの1000万円という金額は計画策定の費用であり、その後の調査・設計・工事については新たに予算化して平成30年度から実施する予定である。

  • (質問)下水道の老朽化について、複数の市町村で協力して管理する方が経費が抑えられると聞いたことがあるが、柏市では行わないのか。

(回答)下水処理場を直営しているような自治体だと、それを複数まとめて委託し、人件費を削って効率を図ることができる。柏市では直営の下水処理場を持っておらず、県の処理場を使って処理している。よって地下の埋設管だけを所有しており、現状それを複数の市町村で合同で管理していこうという話は現段階でない。

  • (質問)結論的には平成28年度のデータ及び平成29年度の進行状況から考えると、前期目標を達成できるということでよいか。

(回答)それを目指として取り組んでいる。経営委員会で頂戴したご意見を踏まえて、予算の執行管理等を行っていく。

3. 経営指標(資料1)

事務局より経営指標について説明を行った。質疑は特になし。

4.水道管路の包括的民間委託の導入について(資料2)

事務局より下水道管路の包括的民間委託の導入について説明を行い、この後これらについて質疑応答を行った。質疑内容は以下の通りである。

  • (質問)資料14ページ 第1フェーズで「地元企業群により事業協同組合の設立を目標」ということは、現在は組合がないのか。

(回答)組合はない。

  • (質問)水道は組合があると思うが。

(回答)管工事組合という組合はあるが、我々が想定しているのは日常管理をするための市内業者の団体である。

  • (質問)例えば夜中に発生した突発的な下水道のトラブルなどへの対応ということか。

(回答)そのとおりである。

  • (質問)今は職員が対応しているのか。

(回答)実際に夜間に現場にいくのは、管工事組合などにお願いしているが、基本的に職員が電話を受けたり現場に行ったりしている。

(意見)昼間は管の流れが悪いとか臭いがするという苦情が入ると、実際に職員が現地に出向いている。夜間の苦情は管工事組合が現場確認している。原因が敷地の中なのか、道路上で起きてるのか確認した上で、市が対応しなければいけない場合は個別に市内の業者に電話などをして対応を依頼をしている。事が起きてから動いているのが現状である。一方で日に日に老朽化する下水道管路に目が届いていない。早期に調査を行い悪い箇所を見つけ、改築する計画を立てなければならないが、そういった業務に職員が腰をすえて取り組めていない。そのような先々のことを見据えた動き業務を民間業者に委託し、普段の業務は我々が行うことで適切な運営ができると考えている。

  • (質問)委託したとなると、責任の所在はどうなるのか。

(回答)もちろん管理者である我々が責任を取らなければならない。業務中になにか悪さをして事が起きれば受託業者の責任にはなるが、基本的に我々に管理責任がある。

(意見)包括的民間委託を導入することで、現場対応が早くなり市民サービスの向上は図れると思う。対応が早くなると、市民の方も安心して下水道を使えるようになると思う。手賀沼下水道事務所では流域下水道で処理場を包括的に民間委託を行い10年近くなるが、民間企業で決まった期間・金額で、ある業務をお願いする。やり方などは民間企業の創意工夫により、ある程度ゆだねる部分があるので、それをどうチェックしていくかが包括的民間委託のポイントでもある。我々も下水処理場を委託している中で業者が適切に業務を行っているかを確認することに重きを置いている。この包括的民間委託を導入するにあたって、業者が適性に業務を履行しているか、その履行チェックの仕組みを合わせて検討するといいのではないか。

(意見)今の意見と同じで、このような包括民間委託では、結局市役所の職員の技術が進歩していないと管理が行き届かないと思う。技術者としての技術の向上というのが裏に隠れている本当の課題ではないかと思う。そのことを考えながら進めていってほしい。

5.下水道組織の統合について(資料3)

  • (質問)下水道の組織統合により経費の節減となるのか。

(回答)そういったご期待が多いと思うが、柏市は過去下水道の職員が70名後半いた。今現在すでに削減された状態であり、下水道事業で給料をもらっている職員は49名である。よって統合により削れる人件費は限定的であると考える。他市では広域化で経費削減できるという例もあるが、処理場等をもっている自治体はその維持管理に携わる職員数がかなり占めると思うので、そういった場合は上下水道で統合することによって維持管理の人員の削減ができる。よって柏市においては難しい。料金徴収の部門であれば、削減の可能性が若干あるという程度である。

(回答)私が言ったのは、削減しなくてもいいのではないかということである。役所では全部「削減」といわれていて、それによって住民サービスがきちんとできるのか。委託の人員を増やせばいいということではなく、住民からしたら職員が対応するのが一番安心できると思う。組織統合は人件費を減らすことが主な目的になってはいけない。住民サービスが滞らないようにするために、組織統合のシステムがふさわしいという考えで進めていってほしいというのが私の考えである。

6 傍聴

傍聴者 0人

7 次回開催日時(予定)

平成30年5月を予定

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