第13回柏市下水道事業経営委員会会議録

 1 開催日時

平成28年11月16日(水曜日)午後3時~4時30分

2 開催場所

柏市役所分庁舎2 2階 第1・2会議室

3 出席者

(委員)
落合委員、稲田委員、久能委員、佐藤委員、高橋(和)委員、高橋(初)委員、谷委員、豊田委員、中屋委員、倍委員、平石委員、森脇委員
(事務局) 

君島土木部長、市原土木部次長、山根下水道整備課長、古賀下水道維持管理課長、藤井下水道経営課長 他8名

(注意)職・氏名の記載の順序及び方法は、任意です。

4 議題

  1. 第12回経営委員会におけるQ&A
  2. 平成27年度の決算報告
  3. 今後の収支見通しについて(財政シミュレーション)
  4. 横須賀市視察報告
  5. 使用料の設定について(事務局案) 

5 議事(要旨)

1. 第12回経営委員会におけるQ&A

 第12回経営委員会において保留となっていた質問事項等について説明を行った。特段の質疑なし。

2. 平成27年度の決算報告

事務局より第13回経営委員会の審議内容について説明を行い、この後これらについて質疑応答を行った。質疑内容は以下の通りである。

  • (質問)資料5、9ページ 収益的収支の管渠費等と一括で書かれているが、その内訳を知りたい。
    (回答)決算書33、34ページ参照 管渠費の中の主な項目としては、人件費、委託料、ポンプ場等の費用があり、それらを積み上げた金額である。
  • (質問)資料7ページ 資本的収支の建設改良費は予算現額と決算見込額の差が大きいが、この要因はなにか。
    (回答)平成25年度から3箇年に渡る工事があった。予算組で継続費というものがあり、使わなかった費用は翌年度に繰り越すことができる仕組みになっている。平成27年度は工事の最終年度で予算額が繰り越された結果、実際の支出額と大きな差が出た。それに伴い工事の財源となる企業債などにも差が生じている。
  • (質問)資料9ページ 損益計算書の下水道使用料に対し、流域下水負担金は4億ほど大きく増えているが、なぜか。
    (回答)放射能の関係で東京電力より汚泥処理に係る賠償金を平成24、25、26年と受領していたが、それがほぼ終わり、通常の金額に戻ったため。
    (意見)福島の放射能の関係で柏市にも影響があり、放射能の指定廃棄物8,000ベクレル以上が手賀沼の終末処理場では処分できない指定廃棄物として発生した。平成23年から3箇年、千葉県の流域下水道が主体となって東京電力に賠償請求をしたもの。平成23年度は大きく負担したが、平成24年度~26年度までは賠償請求額が戻ってきたため、一時的に下がった金額となっている。平成27年度からは本来支払うべき負担金の額となっている。
  • (質問)資料9、12、15ページ 平成26年度から平成27年度にかけて、貸借対照表、損益計算書とキャッシュフロー計算書が連動していないが、自治体経営にとってキャッシュは重要ではないのか。今年度に関しては、10億近くマイナスが出ており、資金繰りに問題はないのか。連動した姿の見えない開示は不親切ではないのか。
    (回答)公営企業会計を適応している発生主義においては、現金が発生しないものについては負債で未払金として計上される。投資活動のキャッシュフローが約9億増額していることについては、有形資産取得による支出の29億が対26年度決算書では20億円であり、支払いの発生した時点で計上されたため9億増額となった。千葉県は公営企業会計を適応していないため、出納閉鎖期間を設けており、歳末で支出の原因となるものを締め切ることができる。柏市においては、3月末までの下水道使用料を住民には4月に請求するため、3月分はキャッシュ化されなかったものとして、負債の未払金として計上されてしまう。その結果、将来のキャッシュフローとの差が生じる。こうした差を縮めるために、未払金が発生しないよう県に相談したため、今年度の対比で見ると大きく差の出る結果となった。
  • (質問)資料10ページ 一般会計繰入金が大きく増えているが、これはなぜか。
    (回答)平成26年度から企業会計に移行し、会計制度についても平成26年度に変更している。これにより、当初想定していたものとかけ離れた決算になり、基準外繰入として5億円ほど収益的収支に入れることにより、見かけ上利益を確保したというのが実情。ただし、一般会計の繰入れは総額で30億と決まっており、資本的収支に入る出資金の額を減らした上で振り替えたという形をとっており、トータルでは一般会計からの持ち出し額は変わっていない。

3. 今後の収支見通しについて(財政シミュレーション)

事務局より今後の収支見通しについて説明を行い、この後これらについて質疑応答を行った。質疑内容は以下の通りである。

  • (質問)資料29ページ 今後しばらくは値上げを考えなくても良いように思えるが、その一方で維持管理にかかる費用、老朽管への対応が必要で、資料の情報を鵜呑みにしてはいけないように思える。
    (回答)現在国や下水道協会が示している使用料で回収すべき金額には、将来の改築更新の資本的な投資になるものが入っておらず、ランニングコストが中心となっている。今後、老朽化対策の費用が発生するのは確実だが、起債や国からの補助で対応していくというのが今の仕組みである。今後は、将来の投資的費用を利用者からも回収することが必要になると想定できる。下水道協会では下水道使用料について検討が進められており、設備投資のための仕組みについて論議されている。今現在の使用料のルールでは経費を回収できているが、今後ルールが変わる可能性もある。
    (意見)現在の日本の自治体で使われているルールでは、今後、国からの補助金や一般会計からの繰出しが多く必要となるため、それで耐えられるかどうか。
    (意見)資料21ページ 経営分析のレーダーチャートでは、汚水処理原価や維持管理費が他の自治体に比べ低い。一般会計の繰入額に依存するところが大きいため、見直しがある前提で考える必要があるように思う。
  • (質問)中長期経営計画は10箇年(平成28~平成37)の計画で、5箇年目(平成32)に見直しの予定だが、32年の中間地点の段階で目標値を達成していなくても、計画としては進捗しているとみなして良いのか。
    (回答)中間地点で見直しを行う予定であり、そこで目標値を達成していても、そのまま37年も達成できる訳ではない。中間地点で現行シミュレーションから大幅にズレが生じるようであれば、そこで検討する。
  • (質問)資料24ページ シミュレーションの条件に、平成31年度以降は下水管路の改築を実施とあるが、現在の制度での話であり、将来はさらに費用が掛かる可能性もあるのではないか。
    (回答)あくまでも中長期経営計画の中で設定した事業展開と事業費でシミュレーションしている。ストックマネジメント計画も策定したが、まだ調査の途中段階にある。管路調査を進めれば、将来発生する更新すべき管渠の比率や費用等がわかる。今現在は標準的な劣化度を用いているため、乖離が生じる可能性がある。
  • (質問)5年後の見直し時に大きくかけ離れることがあるということか。
    (回答)今年度から、下水道維持管理課で調査のための予算を5千万円計上して委託契約等を進めている。平成32年時点では、調査結果により必要な費用等についての精度も高まるはずである。

4. 横須賀市視察報告

 事務局より横須賀市視察報告について説明を行った。特段の質疑なし。 

5. 使用料の設定について(事務局案)

 事務局より使用料の設定について(事務局案)について説明を行い、この後これらについて質疑応答を行った。質疑内容は以下の通りである。

  • (質問)使用料算定については、5年後の改定を目指すのか。
    (回答)改定要領は内規のため、経営委員会等で意見をいただいたうえで早期に作成したいと考えている。改定の期間については、中長期経営計画の見直し時期に合わせ、使用料の見直し根拠についても並行して作業を進めることが最善だと考えている。要領そのものは早期作成が可能である。
  • (質問)5年ごとに使用料改定に関して審議するということは、今回据置きで見送ると、余程のことがなければ5年後の33年に議論することになるのか。
    (回答)今回は、中長期経営計画の設定年次より1年遅れて検討しているが、中長期経営計画見直しの収支計画と併せて使用料改定を行うのであれば平成32年度となる。併せて検討する場合は事務方の負担が増えることもあるため、中長期経営計画見直しの1年後とするのが良いのか、併せて進めるのが良いか検討いただき、意見をいただきたい。
  • (質問)資料35ページ 管路の更新が始まる31年辺りには手を打つべきであり、30年には何らかの意思決定が必要ではないか。
    (回答)下水道事業の財政は、資本的支出が増えれば、それに対する起債の額、収入の額を増やして良いという計画になっている。31年度の資本的収入は40億になっているが、キャッシュベースで厳しいというのが明らかになれば、予算をたてる段階でここを50億にすることができる。今回は、中長期経営計画で示した起債の額を減らしていく前提の下でのシミュレーションを行っているため、条件を厳しくみた結果となっている。
    (意見)資料24ページ 人口の見通しは10箇年横ばいと見ている。今後の事業展開は、雨水幹線整備、31年以降は改築をする。改築は使用料に影響する大きな要因となっている。改築の今後の見通しが一つの課題である。ストックマネジメント計画も策定したが、あくまでも国の一定レベルの基準で改築量を出しており、今後は柏市独自の老朽化調査をしながら具体的な改築をする必要がある。しかし、現状では柏の実績がないため、この要因が流動的なところが大きな課題である。また、2つ目の要因として手賀沼の処理場の流域下水道の維持管理も、ここ3、4年ほどで上がる可能性がある。千葉県内3つの流域下水道関連の負担金は5年に1度見直す時期があるため、この見通しを付けてから次回の料金改定を行うのが望ましい。通常、国の基準では3~5年で料金改定をすべきとあり、柏市の場合は算定基準として短い3年でやってきた。しかし、3年ごとでは事業計画とそれに係る費用の関連性が見えないという意見が、前回の改定の審議会で聞かれた。継続的に3年でやるのも良いが、いろいろな要因があるため、今回中長期経営計画の5年周期の料金改定が望ましいと思われる。なお、流域下水道負担金の見直しは、平成30年度中を予定している。
  • (質問)前回3年前に改定されて今回見送って5年後とすると、8年後になるが。
    (回答)企業会計移行後の5年後とは、あくまでも中長期経営計画に合わせたものである。企業会計と以前の料金改定とは一旦切り離して考える方が良い。今回は、議論をした上で据置きということで、まったく検討していないという訳ではなく、必要性があれば実行に移すということ。5年後がちょうど良いと考えている。
  • (質問)横須賀市では、上下水道局を1つにすることによって経費削減しているが、そうした方向性についてはどう考えているのか。
    (回答)柏市水道部はすでに公営企業法を適用しており、下水道事業が企業会計に移行する際には、水道部との統合について検討した。全部適用として水道部と統合する方法もあったが、雨水整備は一般会計で実施すべき事業であり、その決定権は市長にある。一方その他の事業の決定権は統合水道部のトップとなるため、統合した場合は指揮命令系統が2つできてしまう。この関連から、下水道事業は財務適用として一部適用の団体となっている。将来合併がないとは言い切れないが、3年前の検討では別々となる方を選んだ。
    (意見)1つの意見として、答申に統合について検討することも加えても良いのではないか。近隣市の流山市は上下水道局になっており、統合することで工事等においては公益的となる面もある。柏市においては、雨水対策が課題であり、道路部局との連携が非常に大切であったため、一部適用という形で土木部内で実施している。横須賀市の場合は、海に面しているため、河川や港湾の対策部門が大きく下水の方が小さい。一方、柏市では、治水事業、河川部門というのはあまりなく、下水部局が大きい。組織エリア等の違いもあるが、今後、情勢の変化によっては再検討も必要と考えている。
  • (質問)下水道協会というのは下水道の要領等を作っているところなのか。
    (回答)下水道事業を行っている市町村が加入している公益法人である。基本的に下水道の技術や経営に関して、使用料などの全国的な統一基準を、国のバックアップを受けながら作成している。また、技術の開発や経営の研究をしている。
  • (質問)これから技術開発も進んでいるし、下水道を利用しましょうという方向性であり、その様な状況下で使用料の改定にならないのか。
    (意見)国全体で統一的にやるのはなかなか難しく、各自治体の特性に合わせて料金を決めていかなければならない。最終的な判断は各自治体に委ねられるというのが合理的ということになる。下水道協会は大体このような形でと方針を出すことはできる。実際、その方針に基づいた計算結果が、今回の財政シミュレーションの中身である。
  • (質問)5年ごとで区切ってしまって良いのか。途中で課が変わったりする中で、赤字にならなければ5年間は良いと、そういう考えで良いのか。
    (意見)隣接する市との連動も考えた方が良いのでは。市内の事業所等には、地元の人も働いているが近隣市から来ている人もいるため必ず話題になる。足並み揃えた方が良いと思う。
    (意見)据え置きという結論もあって、毎回改定するものでは無い。であれば、事務方としては手間がかかるが、3年ごとに検討はする、据え置きもあるというやり方も残した方が良いのではないか。
    (意見)今年度より本格的に予算をとって管路の調査をしているが、少し調査したら想定外のことになっている可能性もない訳ではない。少しふりを持たせた方が良い。(意見)それも考慮しつつ、基本的には5年ということにしていきたいというニュアンスの文言にするとか。
    (意見)例えば、みなさんにご意見をいただいた中で、3年が良いのか、中間年次の3年が良いのか、中間年次とするのが良いのか検討していただき、答申の中で付帯事項に付記していただくのは別段問題はないかと思う。
    (意見)3年という話もあれば、5年で整合をとるという意見もあることを踏まえて最終的な答申が確定するわけで、あくまでも事務方としては5年を提案したというところである。当然、決算報告等のチェックで異常が見られれば、5年を待たずに改定に踏み切るところである。

 6 傍聴

  1. 傍聴者 0人

7 次回開催日時(予定)

 平成29年1月を予定

関連ファイル