第7回柏市公共下水道事業審議会会議録
1 開催日時
平成20年12月18日(木曜日) 午後3時30分から午後4時30分まで
2 開催場所
柏市柏5丁目10番1号
柏市役所第2庁舎 第5・6委員会室
3 出席者
(委員)
落合会長、森副会長、伊崎委員、上田委員、倉持委員、酒向委員、佐藤委員、沢田委員、須谷委員、中村委員、古川委員、松永委員、眞鍋委員、宮崎委員、吉見委員
(事務局)
飯田土木部長、藪崎土木部次長(兼)下水道整備課長、川上下水道維持管理課長、小川下水道整備課副参事、飯野主幹、増田副主幹、山田副主幹、西牟田主事補
4 議題
・答申書(案)について
・その他
5 会議録
審議については以下のとおり
会長 それでは本日の議題に入ります。事務局から説明をお願いします。
事務局 前回、答申の案について皆様から意見を頂いております。それに基づきまして事務局で案としてまとめたものを送致しておりますが、改めてここで読み上げますので、その後、中身の文言等についてご審議いただきたいと思います。
それでは読み上げさせていただきます。
[答申書(案)及び改定料金(案)を朗読]
会長 ただいまの説明につきまして、ご質問等ございましたらお願いします。
委員 これは意見というより素朴な疑問として聞いていただきたいのですが、8月にだされた諮問と今回の答申(案)を読み比べてみると、私としては若干の違和感を感じます。
諮問を正確に読んでみますと、「本市下水道事業の健全な運営を確保するため、現行の公共下水道使用料の適正化について検討されたい。」とあります。この諮問は、単に3年に一度の改定時期を迎えたからというものではなくて、あくまでも下水道事業の健全な経営を中長期的に確保するためという展望のようなものが、ある程度求められていると思います。
今回の答申(案)を読みますと、これだけで本当に中長期的に下水道事業の健全な経営を確保するという方向付けがなされているのかどうか、若干疑問に感じます。
例えば、地方自治体についての財政健全化法という新しい枠組みが出来たわけですから、そういうものに触れながら、下水道事業が柏市の財政全体の足を引っ張ることがないようにといったニュアンスを付け加えることも、一つの表現ではないかなと思いますが、いかがでしょうか?
会長 今のことについて、事務局はどのように考えていますか?
事務局 おっしゃることはよく解ります。
そもそもこの料金の改定というのは、今までの審議会の中でいろいろ説明させていただいていますけれど、基本は下水道事業の財政の健全化を目指すことが前提であり、その上で現行の料金体系の実状を説明させていただきました。そして本来あるべき姿に近づいていくために改定をしてきたという流れをお示ししました。
この基本として下水道の料金を定めるいろいろな約束事がございまして、その約束事に基づいた料金を頂くために皆さんに審議していただいています。これまでの説明の中では、平たい言葉で言いますと、維持管理に係る経費についてはルールに従って100%頂いています。しかし資本費、国からの借金に対する元利返済金の額については、頂くべき内の約60%しか賄えていないという状況の中であり、料金の改定をしながら、本来あるべき姿に近づけていく、そのための改定の幅ということで説明させていただいています。
もう一点は、この答申(案)の付帯事項の中にも含まれているかと思いますけれど、公共下水道は初期の投資が非常に大きいという問題がございます。そして初期の段階では、一般家庭の方々にたくさん繋いでいただく必要があるのですが、それを公平に下水道使用料として付加すると、非常に負担が大きくなるということがございます。そういうことで累進制度を採っています。
現時点での柏市の下水道の状況は、全体の八割を超える整備率になってきています。少量使用者である一般市民の方々の接続件数も大きくなり、分母が非常に大きくなって負担能力もかなり大きくなってきています。こういう現状の中で、将来にわたっての使用料金のあり方ということで、累進度の適正なあり方を検討していただこうという付帯意見を頂きました。
また次の付帯意見では、そうは言いつつも事業を進めていって皆さんに料金を負荷するにあたっては、大きな意味で、事業を遂行する中で無駄だとかを省いて経費の縮減に努めていけという皆さんのご意見を盛り込んでおります。
そういう意味では、基本に流れているのは財政の健全化を目指すことであり、当面の間は皆さんにどれくらい料金を負担していただいたら良いのかという話で、この案をまとめさせていただいたと認識しております。
会長 これは、料金についてがメインの答申で良いのかという質問を頂いたのだと思います。もっと市全体を考えた下水道事業の意見を出すのではないだろうかということですよね?
委員 はい。答申の補足の部分は、今回の料金改定の中としてはあるいは良いのかもしれませんが、それだけでは少し足りないような気がします。
会長 今委員が言われたように柏市全体として下水道事業はこういう方向だということを審議をする、そのための審議会ですとか委員会などがあって、それでこの場では料金を主体として審議する。何かそういうことであれば、我々はここで料金を主体とすれば良いとなるのですが、それを少し説明していただけますか?
または例えばこの審議会に関する条例の中に目的がありますよね。そこのところを説明していただければいいと思います。
事務局 今手元にありませんが公共下水道の審議会の条例の中では、公共下水道の経営の安定を図るために、公共下水道の受益者負担金と使用料あり方について審議をお願いするという内容であったと思います。
会長 では確認をしてください。
委員 今ここにあります。柏市の公共下水道事業審議会条例が以前頂いた資料の中にあります。そこの第2条のところに所掌事務としてありまして、「審議会は、市長の諮問に応じ、柏市公共下水道の使用料、受益者負担金及び受益者分担金に関する事項について審議する。」と、このようにあります。
事務局 そうですね。それでこの審議会の中で、「下水道の使用料について」と諮問されています。諮問の内容が「本市下水道事業の健全な運営を確保するため、現行の公共下水道使用料の適正化について検討されたい。」とあり、一つの目的が示されています。それについて今回お願いして審議していただきました。
そういうことで今回、料金体系をお願いしました。そしてこの審議会の中で健全化ですとか財政についてとか、いろいろご意見が出てきました。このことについて付帯事項に盛り込んだというふうに私は捉えています。累進度が4.47と大きいので今後はどうするべきだとか、経費削減して合理化を進めるべきだとかいう、今まで頂いた意見を付帯事項に入れて、諮問に答えると判断しています。
委員 例えば累進度の問題というのは、受益者の間でどのように分担しあうかということで、受益者全体の負担を増やすということではないですよね。一番気になるのはその辺りなんです。
もちろん累進度を見直すことも重要ですが、それだけで健全化という方向付けと言えるのですか?要するに今ある100をどう分けるかということではなくて、今の100を120にしなければいけない事もあるのではないかと、そういうことです。
会長 よろしいでしょうか。
私も会長として審議会を進めてきましたが、条例の範囲の中で審議するということです。
それで料金体系を変更する中で、今言われたことも審議してきました。金額を設定するところでそういった審議をしました。また累進度については今回は審議していないので、次にお願いしますということになりました。
次回はきっと累進度も含めて考えた上で、料金収入をどうしようかという審議会になるのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
委員 結構です。最初に申したとおりこれは意見というより素朴な疑問ということ発言させていただきましたから。
会長 そのような意見を交わしながら下水道料金を検討していくのがこの審議会だと思います。
委員 それにもちろん事務局の方々とすれば、健全な運営を行って、万が一にも将来的に柏市全体の財政の足を引っ張るようなことはしないという覚悟をもっておられることは間違いないと思いますので、そういうことをあえて申し上げてから終わります。
会長 他にありませんか?
委員 これを答申に入れるべきかどうかは判りませんが、今回の答申の重要な部分は二部制の採用だと思います。答申ではこのことをさらっと書いています。
今回の審議会で船橋市のホームページを参考にしましたが、大変良い内容でして、例えば市民の節水努力に報いるですとか節水型社会への対応を図るとか、二部制に変換することに対する非常に高尚な基本理念が載せられています。
もちろんこれは船橋市民に対するPRのためのものかもしれませんし、船橋市の審議会で考えられたものかどうかも判りませんが、私は本多市長に出される答申には、こういうことで二部制にしたという内容を入れていただきたい。そうでなければ市長に二部制とはどういうものか伝わらないかもしれない。千葉、船橋に続いて柏が3市目ですし、二部制について答申でもう少し詳しく、どういったものか判るようにしたいと思いますが。
内容は船橋市のとおりだと思います。これを丸々引用するわけにはいきませんが。
事務局 理由でしょうか?審議会の中で議論する中で節水とか環境の面について出てきましたが、そういう項目を入れるということですか?
委員 そうです。二部制にしたその理由、メリット、それがこの答申の基本的な部分になると私は思います。料金収入が4%上がるとかいう問題よりも。
事務局 こちらとしては二部制に移行するということは、そのような理由で十分に審議されて決定したと思っています。そこまで理由を盛り込むとなると、全ての項目について差し替えていかなければならないと思います。
その理由としてですが、審議会自体を公開して行っていますし、議事録としても残っています。ですから今回の答申は最低限の内容だけでいいと思います。今までの答申を見ても、そのように感じます。
答申の中でいろいろ理由付けをしていくことは、私としてはどうかなと思います。審議会で議論を重ねた上でのものでありますから、ここで理由付けをすることはどうでしょうか。
会長 皆さんどうでしょうか。ご意見お願いします。
二部制についてが今回の改正の大きな目玉ではないだろうかということで、それについて理由も入れたらどうかということですが。
委員 今まで下水道事業の概要や下水道に関しての説明、それに基づいて使用料というものがどうあるべきかということを何回かに分けて審議してきました。最終的に料金収入が4%増加する料金体系が適当と判断しましたが、ではなぜ適当と判断したのか。どういう理由で適当としたのか。一つこれを載せるとなると、すべてのことについてその理由なり根拠なりを載せなければなりません。私は答申というものは、そういうものを凝縮したものと捉えていいのかなと考えております。
確かに今事務局がおっしゃったように、審議会の資料や議事録は常に残っていますから、それを見れば例えば4%が適当ということも分かります。ですから答申では省略して表現されて然るべきものかなと思います。
委員 前回も申し上げたのですが、10立方メートル/月までの使用料金をどうするかは、実は体勢には余り影響がないことなので、私は二部制をということを大きく振りかざすことは、あまり好ましくないと思います。
会長 これについては各委員いろいろな考えがあるかと思いますが、考え方として答申というのは結果のみを出すものだと思っております。なぜこうしたかという理由など細かい内容を載せるとなると少し趣向が違うのかなと思いますので、私は答申書としては、この案のかたちがいいのかと思います。
議論の中でいろいろな意見があったということは、議事録などを見ればいいということです。ただ市長にこれをお渡しするときには、そういったことについて私の方からお話させていただく程度にしたいと思うのですが、皆さんどうでしょうか。
委員 今会長が言われたとおり、答申書で伝えるのは単純な内容でいいと思います。最終的には議会にも行くのでしょうが。別のところでこういう経緯がしっかり伝わればいいと思います。
会長 どうでしょうか。このようなかたちで答申してもかまいませんか。
委員 はい。皆さんがそう言うのであれば、結構です。
会長 他にご意見ございますでしょうか?
委員 よろしいですか。文章のことです。
付帯事項2)の項目ですが、「下水道事業の運営にあたっては、経費削減等を図り、経営の健全化と効率化を目指し、・・・」とあります。
この文章では「下水道事業の運営にあたっては、経費削減等を図り」がメインになってしまいますので、「経営の健全化と効率化を目指すために、経費削減を図る」とした方がいいのではないでしょうか。
委員 私が感じたのは、「下水道事業の運営に当たって、経費削減等を図りつつ、経営の健全化と効率化を目指しなさい」と表現するべきなのかなと思います。経費削減をすることによって、経営の健全化なり効率化という目的が達せられるだろうと捉えましたので。
会長 そうですね。今の文章では「図り、」というところで一つ文章が終わっていますね。どちらかの表現の方が良いかもしれません。皆さんどうぞご意見を。
委員 これはニュアンスの問題ですから、どちらでも良いといったら失礼なんですが、どちらに重点を置くかという問題だけだと思うんですね。ですから経営の健全化ということを一番大きな問題とすれば、それを文章の先に持ってくればいいわけですし、経費削減ということを重要視すれば、それを先に持ってくればいいということだと思います。
これは各人の感じ方もありますのでどちらとも言い難いのですが、個人的に言えば始めの表現の方が良いと思います。経営の健全化という方が少し大きな問題かと思いますので。個人的にはそう思いますが、やはりニュアンスの問題ですから。
会長 どちらでも良いということでしょうか?
委員 まあ何とも言い難いので、会長さんにお任せするということで良いと思います。
会長 他にはどうでしょうか?
では私に任せていただくということで、よろしいですか。
委員 はい。
会長 他にありますでしょうか?
委員 改定料金表の一番下に十余二工業団地について書いてありますが、この間の話では十余二工業団地の方は料金の変動が非常に大きくて大変なので、そのことについて別のところで話し合いをするということでした。
ここにはすでに「汚水区分と同じ料金体系に移行する。」と書き込んでいますが、別では話し合いを行っているのですか?
事務局 ここについては蛇足かなという感じもあります。
今十余二工業団地は特定公共下水道ということになっていますが、大きくは流域下水道の中に含まれています。ですから流域下水道の整備が進んでいくと、流域下水道に接続しなければならない義務を負っているのですが、そうなりますと自動的に流域下水道の、つまり柏市の公共下水道料金に切り替わっていくことになります。そういう意味ではこのようなかたちで記載する必要はないのですが、特定公共下水道が廃止され流域下水道となって起こる料金の変化を載せただけでございます。
委員 十余二の人達はこれでいいのですか?
事務局 下水道法の中では、料金が非常に大きく変動したときには配慮をすることができるという内容があります。ただ現在の特定公共下水道の状況がそれに該当するのかどうかは、今後の話となっています。これは料金改定とは別の話になってきますので、あくまでも確認的に書いただけです。
そういう意味では、この部分は削除してもいいのではないかと思っています。
会長 ではこの部分を抜いても良いということですね。
事務局 はい。
会長 誤解を招くおそれがあるということですね。
委員 そうですね。
会長 それではこの部分は除くということでよろしいでしょうか。
委員 はい。
会長 他にございませんでしょうか?
委員 付帯事項1)についてですが、「…累進制の見直しを図り、使用者負担の適正なあり方を講じるよう要望する。」とあります。そしてその前の部分に「累進度は4.47と・・・」とあります。
この付帯事項の要望というのは、要するにこの累進度4.47を今後もっと是正していくようにということです。あるいは前回の審議会の事務局からの資料に累進制についてということで、「将来的には累進制は是正されるべきものと考えられ、次回料金改定以降、段階的に累進度を縮小してゆく方針です。」とありまして、まさにこのことですよね。
ここで「累進制の見直しを図る」ということは、累進制という制度とは別の方法で、料金体系というものの使用者負担を適正な状態にすると捉えられると思います。
ですからここで、累進制における累進度というものの見直しを図ると明記した方が、あるいは次回の審議会にも良く残せるのではないでしょうか?
会長 どうでしょうか?
確かに累進制の見直しとなると少し大きな意味になりますよね。審議してきた中では累進度の見直しだと思いますが。
事務局 今おっしゃられたとおりだと思います。累進制というのは必要な制度ですが、その度合いが大きすぎるということで、それをもう少し現実に合わせた形に将来見直したいということです。
ここでの表現は少し文言を変えて、累進制度の中の累進度と判るようにしたいと思います。
会長 他にございますでしょうか?
ありませんか。よろしいですね?
それでは他に意見が無いようですので、今回修正した内容で再度事務局に作成してもらいます。そして後日、私と副会長で市長にお渡ししたいと考えていますので、ご了承いただきたいと思います。
半年間に渡りまして、各委員の皆様には活発な意見をいただきまして、ありがとうございました。この答申をもちまして、この審議会は終了とさせていただきます。
6 傍聴
傍聴者1名
傍聴状況 傍聴要領に反する行為は見受けられなかった。