第5回柏市公共下水道事業審議会会議録

1 開催日時

平成20年10月30日(木曜日) 午後2時から午後4時50分まで

2 開催場所

柏市柏5丁目10番1号

柏市役所第2庁舎 第5・6委員会室

3 出席者

(委員)

落合会長、森副会長、倉持委員、酒向委員、佐藤委員、沢田委員、須谷委員、

中村委員、古川委員、松永委員、眞鍋委員、宮崎委員、吉見委員

(事務局)

飯田土木部長、藪崎土木部次長(兼)下水道整備課長、川上下水道維持管理課長、小川下水道整備課副参事、飯野主幹、増田副主幹、山田副主幹、西牟田主事補

4 議題

・下水道使用料について

・その他

5 会議録

審議については以下のとおり

会長 それでは本日の議題に入りたいと思います。事務局から説明をお願いします。

事務局 それでは資料に沿ってプロジェクターを見ながら説明させていただきたいと思います。

まず第一に累進性についてということで、お手元の資料1ページに書いてあります。下水道の使用料金を見ていただきますと、それぞれの水量区分に従って料金が設定されておりますが、使用水量が増加するごとに単位単価が高くなっております。こういう制度のことを累進性と呼んでおります。

この累進制度の考え方ですが、下水を大量に排出する事業者の使用量の変動は、一般の家庭から排出される下水の使用量の変動より大きくなります。その変動に合わせて下水道管の布設をしたり終末処理場の建設をしたりしなければならなくなり、その結果固定費と呼ばれる経費が比較的大きくなります。これが最終的には単位価格に反映される固定費の部分になるということです。累進性というのはここのところに根拠を置いておりまして、妥当性があると下水道の担当セクションでは考えています。

ここでの累進度というのは、みなさんのお手元には下水道の使用量の単価区分がございますけれど、その一番高い単価と一番安い単価の比となります。柏市の場合でいいますと資料4ページに柏市の現行体系がございます。基本料金として10立方メートル/月までは900円、それと2001立方メートル/月以上までは402円。この一番最小単価と最大単価の比をもって累進度といいます。ここから柏地域の場合は4.47となります。資料1を見ていただきますと柏地域の最小単価は90円、最大単価は402円ですから、402円を90円で割って4.47という数字がでてきます。これが累進度となります。

累進度を設定することについては、節水の呼びかけですとかいろいろな事情がございます。しかしこの累進度を設定することによって水使用量の少ない方は負担が少なくなくなります。逆に大口利用者の方は単価が大きくなるので、負担が大きくなります。このような中では、利用者の公平性というものが保たれないのではないかという課題があります。

前回柏市の下水の状況につきまして説明いたしました。そのときに柏市の下水の一つの大きな目安としまして、約98%の利用者が78%の排水を下水で処理しており、これに対する負担が62%ということを説明いたしました。このことは比較的大口利用者が、一般の利用者の方の使用料金の不足分を補っているようなかたちになっているということです。この累進度は、どの程度が正しいのかなかなか難しいですけれども、4.47という五倍近い累進度はこれからもう少し検討していく必要があるのではないかという状況です。柏市としてはこの辺を含めて、将来的には累進度をだんだん縮小していくような方向で考えていきたいとしています。これが累進度についての説明です。

続きまして基本料金の設定ということですが、基本料金というのは通常、固定的に発生する経費を賄いながら安定した経営を確保するためのものです。経営に必要な基盤となる基本的な経費を基本料金で下支えしながら、経営の安定化を図っていく考えで導入しています。

柏市の基本料金は基本水量制を設定しておりまして、10立方メートル/月までは一律900円という料金設定をしております。このほかに基本水量を設定しないで基本料金だけを設定して、それ以降は立方メートル単価というかたちで従量制をもって料金を頂く考え方もございます。

今現在では基本水量制を設定しております。しかしこれまで説明させていただいた中にもありますが、10立方メートル/月までしか使用しない方々が節水努力をしても、その効果が反映されないという話もありますので、基本料金の適正なあり方を検討して、設定方法を見直していきたいと考えております。具体的に今考えているのは二番目の考えでして、基本料金をきちんと設定して二部制の考え方で基本料金制を採っていきたい。基本料金を設定して、それ以外のところでは立方メートルあたりの単価で料金を頂いていくという考え方を採っていきたいと思っています。

続きまして、みなさんに資料をお配りしておりますけれども、下水道料金の改定案の考え方についてご説明していきます。二通りの案で考えています。

一つ目は合併をした折に一市二制度となって、現在まで二つの料金制度で進んできております。前回の使用料改定の折には旧沼南町の使用料金と旧柏市の使用料金の間には差がありすぎるということになり、その差の中間点を沼南地域の改定案として、現行の沼南地域の料金でございますけれどもこれに設定して、それと柏地域の料金との二部制になっています。

前回ではこれと併せまして、水道水を利用して下水道を利用する一般の方々の使用料金と、井戸水を汲み上げて使って下水に排出する場合の料金が異なっていました。この井戸水の使用料金につきましては旧沼南町の体系を採り入れましたので、今は二本の料金体系になっております。

これを今回の料金改定の中で統一していきたいというのが、前回料金改定したときの大きな課題でございます。その趣旨に沿って柏地域と沼南地域の料金体系を一つにして、併せて井戸水を利用している所の下水道使用料金の体系も一本化していきたいというところです。

それから二つ目としまして、料金を一本化した後に料金体系をそれぞれ3%上げた場合、それから5%上げた場合、これらの場合を検討する資料をこれからお示しいたします。

もう一点は旧沼南町と柏市の料金を統一した後、現行の10立方メートル/月までの基本水量制を見直して完全な基本料金制にするものです。そしてそれ以外の使用料は1立方メートル/月から従量区分を設定するという二番目の考え方でして、この案は下水道の少量使用者への節水の貢献性を考え、適正を図っていきたいというものです。

このように大きく分けて二つの案をお示しします。

この表3-1が先ほど申し上げました二つの考え方について、全部で五つの案を示したものでございます。

向かって一番左側のところの水量区分という欄、これが基本水量の10立方メートル/月までを含めたものと、さらに11~20立方メートル/月以下の使用料金区分を示したものです。その下には井戸水を利用する一般家庭を、その世帯人数よって使用量を認定したものがあります。

その右は現行の料金体系です。今の料金体系を柏地域、沼南地域、特定公共に分けてそれぞれ載せています。公共下水道という考え方では、柏地域と沼南地域の二つを指すことになります。特定公共下水道というのは十余二の工業団地から排出される下水だけを処理するためのものです。

今回の改定案ですが、第1案が柏地域と沼南地域の料金体系を柏市に合わせたものです。第2案と第3案につきましては、それぞれ第1案から3%アップしたものと5%アップしたものです。表にはこれらの案における、それぞれの水量区分での単価を示しております。第4案と第5案につきましては、先ほど基本料金のところでご説明しましたが、下水道の使用量の多い少ないに関らず、必然的に掛かる経費については基本料金というかたちで一律500円としていただくものです。その上で10立方メートル/月までの範囲については、第4案では40円/立方メートル、第5案では50円/立方メートルという案です。

その結果第4案につきましては基本的に第1案と同じ状況になります。ただ違うことは、10立方メートル/月までの水量区分では平均使用水量は実績で5.5立方メートル/月です。ここから考えますと第4案では、基本料金500円を頂いて5.5立方メートルに40円/立方メートルかかるので220円となりますから、この方たちからは720円頂くことになります。第1案では使うが使うまいが900円頂くかたちです。

第5案につきましては50円/立方メートルで頂いてますので、下水量5.5立方メートル/月ですと770円です。第1案と比べると若干少なくなります。

それぞれの案の水量区分の料金によって、表の下に載せてある井戸水の世帯人数による認定価格も変わってきます。しかし先ほど申し上げましたように、第1案の場合と第4案の場合ではそれぞれの区分での料金はまったく同じでございます。

お手元の資料では次のページにあるこのグラフが、柏市の維持管理負担金と資本費といった下水道事業費と使用料収入の変化を、将来にわたって推計したものでございます。このいくつかある折れ線グラフは、それぞれの案に改定したときの料金による収入でございます。五つの案でそれぞれ差がありますが、平成32年か平成33年あたりで事業費と収入が逆転するという図になっています。

しかし前回もご説明しましたが、公共下水道の布設を始めてすでに半世紀を経過しようとしていますので、当初に布設された下水管はかなりの老朽化がすすんでいます。ですからこれから徐々に更新ということを考えていかなければなりません。その更新に携わる経費はこの中に見込んでいませんので、今後の課題として、これらを含めて事業として運営していかなければならないということです。またそれに伴ってみなさんにお願いする使用料金の設定の変化については、また先の審議会の中で検討ということになろうかと思います。

今現在行っている下水道事業費と、料金改定をした場合の将来の収支はこのようになっており、そして平成33年ごろに一応の変換点があります。ですから私どもとしてはそれまでの間に、更新やその他のことを含めた下水道事業の将来計画を整理して、より効率的な運営に努めていかなければならないという課題が、この辺からも窺えます。

次に二部制における基本料金の設定ということです。これは基本使用料の中に水量を含めたものではありません。基本使用料とは下水の排出の多寡に関らずに掛かる経費をいただくというものです。使用料については立方メートル単価でいただきますが、そのとき基本料金をどのようにして設定するかということです。

この基本料金の設定の考え方についてでございます。これまでにいろいろ料金を改定させていただきまして、今現在で資本費の算入率が約55%位ということになっております。料金の値上げをすることによって当分の間は約55~61%の範囲の中で、資本費を計算することになろうかと考えています。この範囲の中から資本費算入の見込み額を60%と設定した場合に、それぞれの基本料金に該当する経費がどうなるのか計算しました。

表3-6を見るとまず基本水量単価がございます。こちらは下水道使用料算定のマニュアルがあり、そのマニュアルに沿って細かな計算をし、積み上げた結果でございます。単純に申し上げますと、以前の説明の際に使用料の対象経費についてということで、公共下水道使用料の対象経費としてはこのようなものがありますというルールを説明しましたが、それに沿って平成21~23年度までの必要な対象経費の算定をします。そのあと過去の実績から使用料金に対して、水量区分ごとの下水道使用者の件数、区分ごとの下水量、こういったものを統計処理しまして数量をだします。その後全体をいくつかのグループに分けて、それぞれの中で有収水量の配分を行うなどして細かな計算をします。こういうかたちで三ヶ年間の水量の割振りをし、その中から変動費と固定費に分解して有収水量に乗じたものが、こちらの表の固定費70.57円、それから変動費60.37円となります。これは立方メートルあたりの単価で算出されております。これを足しますと両方で130.94円になります。

それから使用水量の見込みをした中で、0~10立方メートル/月の範囲での平成21年度から23年度の平均を使用水量を計算いたしますと、約6.7立方メートル/月となります。この平均水量6.7立方メートル/月に対して固定費70.57円を掛けますと473円/月。同じように変動費60.37円/月を掛けますと404円となりまして、合計が877円となります。下水道協会の方で望ましい基本料金の考え方として、このような経費のうち固定費にあたる部分を基本料金に充てることが妥当であるという方針が示されております。ですから473円、この端数を繰上げて500円としまして、基本使用料を設定したところでございます。

お手元の資料にこうしたものをまとめて、一覧表にしたものが配られていると思います。この資料に各料金改定案の使用料収入が載せてあります。

先ほど説明した第1案、これは現行の柏地域の料金に統一するというものです。統一した場合に、事業費を算定した予算内の収入見込みが約184億4700万円となります。現行の使用料体系で計算したときとの差額は約9億円です。これは約5%という数字になります。立方メートルあたりの使用料単価は平均して156.27円というかたちになります。この単価でいきますと資本費回収率は約56.08%ということになります。

改定案2と改定案3につきましては、それぞれ改定案1に対して3%と5%値上げしたものでございます。そうしますと改定案2では資本費回収率が約59.4%、それから改定案3では約63%という計算結果になります。

改定案4と改定案5につきましては、先ほど説明いたしましたが改定案1の10立方メートル/月までの基本水量制ではなく、基本料金制を採ったうえで従量制にするという考え方で、基本料金を500円としました。改定案4はそれから10立方メートル/月までの1立方メートル/月ごとの料金を40円としたときの案でございます。三カ年間の収入が約182億円、現行使用料金に対する差がプラス約7億円というかたちです。この場合の資本費の回収率は54.9%、約55%です。

改定案5につきましては、同じように基本料金を500円としまして10立方メートル/月までの使用料金を50円/立方メートルとしました。この結果資本費の回収率は57.35%です。

改定案につきましては現行使用料を統一する第1案、これを基にして3%、5%と値上げしたものを第2案、第3案。それから2部制を採用させていただきまして、基本料金を500円にし、10立方メートル/月までの使用料を40円/立方メートルに設定した場合が改定案4、50円/立方メートルに設定した場合が改定案5です。ちなみに使用料金の対象経費を全て回収することを前提した場合のものを一番下に載せてありますが、これで計算してまいりますと、全体での値上げ率を現行に対して約46%としないと全て回収できないというかたちになっております。

以上で今回用意いたしました資料の説明を終わりにします。

会長 ありがとうございました。

それでは今説明がございましたので、ご質問等お願いします。

委員 今回の資料5ページの中長期的な収入と経費の見通しというグラフを見ますと、非常に薔薇色の将来があるような錯覚をしますが、先ほどのご説明にもありましたように、この中では下水道管の更新等に要する経費は見込んでいません。

下水道管の更新等に要する経費については、先ほどのお話ですと平成33~35年くらいに、収入と経費がほぼ等分になった時点で考えるということでした。しかし現実には更新経費はもう発生し得るわけで、平成33年度までは待ってくれないものです。それを平成33年ごろになって考えるというのは少し現実的ではないのではないでしょうか。ある程度そういうものを見込んだ収支計画を立てるか、あるいはそれを切り離すにしても、切り離してこの5ページのグラフを見るときに収入が経費を上回る時期をもう少し前倒しにしておけないかとか、普通はそういうふうに考えるのではないでしょうか?

事務局 下水道管は布設してから長いもので50年が経過しています。今の時点では修繕というかたちでやっていますので、その予算はグラフでは一番下の維持管理費に含まれています。そういう意味では幸いというべきか、計画を立てて管の更新をするまでには至っていません。

ただいろんな状況から考えますと、もう50年が経過してるので市内の布設管の更新計画を設定しながら、その中で更新に掛かる経費をきちんと見込んでいかなければなりません。そういうことでここ何年かの内にそういう作業をしていきたいと考えています。

委員 ですからそれは今後何年かではなくて常にやっておくべき作業ではないですか。こんなことを言うべきではないかでしょうが、私がいた民間企業では絶対にそんなことはしましせん。後で変動するにしても、常にちゃんと数字を把握して対応を採っています。それが世間の常識だと思います。

会長 長期的なことは役所の中で考えているのですか?予算立てしていないだけであって。

事務局 今言われたとおりだと思います。アセットマネジメントといいますか、物を造ったときに将来的に年間どれくらいの維持管理費が掛かって、何年後には更新時期が来て、その前後何年頃からこうした手立てを採らなければならないということは、形あるものに対しての一般的な予算の取り方です。それは私も理解しています。

ただ公共下水道については国の方針によって、造れ造れと言われてやってきた経緯もあります。その中でコンクリート管の耐用年数すらまだ決定はしていません。当初は100年ということだったんですが、いつの間にか50年という年数に前倒しされています。

去年今年はいわゆるアセットマネジメントについての議論が、議会の中でも高まっております。その中で特に箱物と言われるものの予算について、一定の年からこうした費用が掛かるという計画は必要ということで、特に土木関係では安全を確保するうえで一番大事な橋梁についてはすでに計画に入っています。公共下水道の管や処分場の施設そのものについても、早急に取りまとめる必要があるというふうに私は思っています。

ただ約84%という公共下水道の普及率があるわけですけれど、前にも説明させてもらいましたが、これに対して雨水の普及率が非常に悪い状況です。今後雨水の面積や幹線も含めて事業をやっていかなければなりません。そのなかでの更新ということになると莫大なお金が掛かります。当然あるものは壊れるわけですから、今ご指摘があったとおりなんですけれども、それを含めてまだやっていないのが実状です。ここ数年以内に組み立てる必要があると思っていますが、現実的にはありません。

会長 今のアセットマネジメントについては土木の学会の方でも、橋の方では動き出しています。学会自身もいろいろ手探りの中でやっておりますが、きっと下水道の方もそういう方針とかやり方を採っていくと思いますので、これから始まっていくというのが現状かと思います。

他にございませんか?

委員 ちなみにこの関連でお聞きしたいのですが、もう壊れたりだとか支障がでたりとかいうことは、柏市ではなくてもあるのですか?

事務局 大きい話では聞いていません。

しかし昔使った材料そのものですが、陶管という焼いた管でして、いわゆる土管みたいなものが一部あることは間違いないので、その辺のところではその内出てくるだろうと思います。

こういうことは土木は全てそうだと思いますが維持管理費、いわゆる修繕費ですね、修繕費として毎年多少の予算を持っていますので、その中で改修しています。将来的に云々ではなくて、部分的に壊れたものをその中で改修していくのが実態です。

委員 設備の修繕というのは今までは大方公費でやってきたのではないかと思いますが、基本的な考えとして、そういうものも全部含めて下水道料金に加えていくのかどうか。そういう決定や考え方について、現状の見通しをお願いします。

事務局 以前の審議会のときに下水道料金のあり方や考え方に説明させていただいたのですが、下水道の使用料金は維持管理費、それから建設費とございます。その中で公費で負担すべき部分と私費で負担すべき部分が明確に分けられています。その分けられた中で負担をしていますから、資本費で言えば建設費に対する借入金の返済がこれにあたるものです。ですからこの中には含まれません。

将来も下水道使用料金としてみていった場合には、この範囲のものしかみることができません。全てのものを含めて下水道料金として皆さんにお願いしていくことは、このルールによってできません。

会長 よろしいですか?

他にありませんか?どうぞ。

委員 下水道料金の原則論も確かに重要なところですが、やはり実際に何%上がるかは結構大きいところですよね。ここはやはり押さえなければなりません。

もう少し言うと下水道と水道はセットみたいなところがあると思うのですが、今日の新聞にもありましたが、野田は水道料金を下げるといっているんです。確か7%だったかなと思います。柏はこの間の水道審議会の話を聞くと、老朽化した管の交換をしなければいけないから下げないと言っています。そういうことを見たときに、全体の負担はどうだろうということを意識せざるを得ないと思います。少し感覚的な意見になるのですが。

このことは水道部の方とはどういう話をされているのですか?私の方ではその辺を押さえていないので、そこの辺りを教えていただきたい。

事務局 水を供給してそれを利用したものを下水道で受けるということですから、水道と下水道は一体のものですけれど、経営そのものはまったく別の考え方でそれぞれ採算を追求しています。

それで水道はなんとか黒字ができているという話を聞いています。その一方で下水道の方は、先ほど申し上げましたように本来頂くべき使用料金を設定すると、今の料金体系から50%近い値上げをしなければなりません。そういう状況ですが、連携してトータルでの考え方はありません。

委員 連携しろと言っているのではなく、今の動きはどうなっているのですか?確認していると思いますよ。さっき水道部に聞いたら、下水道のほうから確認していると言っていましたから。その辺はどういう認識なんですか?

事務局 水道は水を売る事業ですよね。下水道は先行投資した下水道管や処理場を利用してもらうという料金だろうと思います。資本率云々について言っていますが、今まで掛かった費用について、個人が負担すべきところの金額を100%負担してプラスマイナスゼロになることが一番の理想になります。ですから水道とは少し違うと私は思います。

感覚的にと委員さんは言いましたが、今の時代が感覚的に上げるべきなのか、野田市で水道料金を下げたから下水道料金がどうなるのか私には判りません。しかし柏地域の排水も沼南地域の排水も、同じ管を使って同じ最終処理場へ行くわけですから、前回の答申に合わせて、柏地域と沼南地域の料金の統一はするべきだと思います。そうして提示させてもらったものがこの改正案1です。

そうしたときに全体で5%上がるわけです。この5%が良いのかどうかはこの場で議論して頂ければいいと思います。

また改定案の中で二部制を提案させていただいていますが、二部制を採用している市町村は現実にはものすごく少ないです。近くでは千葉市と船橋市だけです。これが何を目的にしているかといいますと、節水しているところは安くするべきじゃないかという、環境的な配慮です。

しかし全体の内10立方メートル/月からの収入というのはものすごく少ないです。累進性によって使えば使うほど負担がものすごく大きくなるという料金体系ですから。将来的にはこれは良くないということで、累進度の平均化を進めるべきではないかということは、先ほど次長から説明しました。ただ現時点で何%あげることが妥当なのかということは、市としても答えはでていません。できればここで議論していただければいいなと思います。

ただ資本費回収率を5%は最低上げたい。しかし二部制にした場合は5%より下がる。また少し体系を変えれば変化してくる。こういうことでこの五つの案をだしたというところです。

委員 下げろと言っているのではなくて、上げ幅をどう見るかというときに、水道とのバランスを見ておかないといけないのではないかと言っているんです。同じとは思っていないが、結局市民からすれば負担になるわけですから。いくら上げるかというところを3%でも5%でも、トータルで見たときに市民の負担が増えるわけです。

ですから時期的な問題を私は言っているのでして、今ここでどれだけ上げるかということは、制度論とか理念とかでは決まらないですよね。これらは、どのようにやっていくかという話しですから。そうではなくて現実にどこを落としどころにするかは、そういう状況を見ながら考えていかなければ難しいんじゃないかという趣旨です。

事務局 分かりました。

委員 今の話の関連ですが、私は一市民であり納税者ですからその立場から言いますと、現実には水道料金として上水道も下水道も一括で納付しているわけですよね。ですから例えば柏市においても上水道の値下げがあり得るのであれば、逆に言えば下水道の上げ幅をもっと大きく見込めるのではないかという考え方もあると思います。その辺を現実に応じて、もう少し柔軟に考えていただけないかなというのが、市民としての意見です。

事務局 言われることはよく分かりました。

水道と下水の料金そのものについては、同じところから発生していますので、経費の縮減ということで、水道で一元化して検針しています。しかし財政の考え方は違いますので、それぞれのところで整理して決算をしていきます。そういうことで水道のほうで利益を上げて、その利益を下水のほうに赤字があるから補填するという考え方は採れませんので、今のようなかたちで動いています。

委員 会計を一緒にしろと言っているわけでありませんが、支払う立場から見るとややショックは和らぐのかなということです。野田の場合は上水道が7%値下げるということですから。

事務局 私も今朝新聞を見ましたが、確か野田市は7.1円/立方メートル値下げというふうに書いてあったと思います。これは県水の購入価格が下がったために、それを反映させたということでした。柏の水道では下げるという考え方はまだでていません。

それぞれの水道事業をどう考えるかだと思いますが、かなり早い時期に石綿管だとかいろんな管を布設していって、健康上の問題とかいろいろあって新しい管に入れ変えていく最中であります。ですから多少余力が出たとしても、こちらの整備に充てていく考えがあるのだろうと思います。そこのところを野田市は自分たちの規模などからどう判断したかは分かりませんが、料金を下げたのだろうと思います。

会長 今の話は、お金を払っている方からすると水道と下水は一緒に払っていますので、水道は他のところが安くなるのだから柏も安くなるのではないかと思う。その分下水道を上げてもいいんじゃないかという話ですよね。

その時にこの審議会でも、予算が違うから分かりません、ここだけ考えてくださいというのではなくて、水道の方は長期的に上げられない状況ですから、そういった情報を下さればいいのではないかと私は思ったのですが。

組織が違うのは分かりますし水道は水道の審議会を開いているのでしょうから、どういう方向で動いているのか知りたいというのが、その前のご質問だったのではないかと。

委員 私はもっと端的に、こういう厳しい状況で値上げしていいのかという話が出てくるだろうから、そこは理論武装をちゃんとしておいた方がいいですよということです。

会計が別なのは充分承知しています。ただ理論的なお金の計算や、どこの部分を負担していただくという話だけでは決まらないと言っているのです。

会長 水道は今のままということでしょうか。

事務局 そういう情報は得ています。上げるとか下げるということはないです。ただ余剰金があるとは聞いています。ですがそれは管の改修費用に充てると言っていますし、その事は委員会の中でも明確に言っていると思います。ただ野田市が下げるという情報も今日の朝の話なので、その辺の分析はちょっと分かりませんが。

今委員さんが言われたように上げ幅が何%がいいのか、またその理論武装の意味でも話し合いはしていかなければなりません。

ただ二部制を採用したいという市としての理由は明確にしたいと思います。

もう一つは一市二制度ではなくて一市一制度で、一つにしたい。これは柏地域に合わせる必要はありません。極端な言い方をすれば、柏市地域の料金を沼南地域に合わせるという議論もあるかもしれません。

副会長 前回の答申は3年前ですが、当時は合併当初で一気に合わせるのは大変だから、次回の審議会のときに同一価格に合わせることで結論がでています。ですからきっちり沼南地域の料金を柏地域の料金に合わせることが妥当じゃないかと思います。その後上げるか下げるかは別ですが。

事務局 たまたま今年度に入ってからかなり物価の乱高下がありまして、ガソリンなども急激に上がりました。私どもの方でも社会的にものすごく物価が上がって、一般の方々やいろいろな経営状況などは苦しい状況にあると思っています。

そういうときに料金の話をするのも非常に辛いものがあるのですが、副会長からお話があったとおり、合併する折には旧柏市と旧沼南町の料金に余りにも開きがありました。それを一市で一つの料金体系に到達させるために、先ほど部長も可能性としての話をしていたように、旧沼南町のほうの料金に合わせることを考えたときに、ものすごく収入がダウンしてしまいとても経営が出来るような状況ではなくなるという話になり、柏市に合わせるということを決定しました。

確かこのときには水道の使用料金が、旧沼南町のほうが高くて旧柏市のほうが安い状況でして、旧沼南町の水道料金を旧柏市の料金に合わせました。その合わせたときの差額を、下水のほうの料金に上乗せするかたちになって、下水は旧柏市と旧沼南町の中間のところに料金設定をすることができました。沼南地域の大方の市民の支出はトータルでバランスされるのかなということもありまして、前回は中間点を取ることになりました。その折に次回の料金改定の時には、同じサービスを受けるのに料金が違うという問題もあるので、柏市の方に統一していきたいという話になりました。

今回は本当にそういう意味では、時期的な面を考えるとアンラッキーな感じになってしまうと思っていますが、事業を継続していくにはこの部分はお願いしていきたいところだなと思っています。

事務局 料金体系を統一しても二部制を採っても、上がるのは沼南地域です。その辺を沼南地域の方が耐えられるのかどうかということがあります。

二部制を採った場合は柏地域の部分は少し下がる計算になっています。

委員 沼南の地域の意識はどうなのかが重要だと思います。布設率も低い中で、どうして同じにするのかという声が出なくもないんじゃないかということが危惧されますよね。ちょうど時期的なこともありますし、懇切丁寧というわけではないですが市の意向を公表していかないと、二部制にするしてもなぜなのかということを説明しないと、なかなか納得していただけない値上げになってしまうのではないかなと思います。

事務局 まずは前回の答申があるため、沼南地域を合わせることが基本で料金案を出しています。その前にそれがどうなのかという議論もあります。一市二制度を、多少割合を少なくして、ぴったりくっつけるのではなくできるだけ幅を少なくするという案も極論としては出てくるのかなと私は思っていたのですが、どうしても頭の中に答申ということで、最低限前回に答申されたものだけは守らなければならないということで、この第1案がでたということです。

会長 今の話にありましたように、旧柏の料金に旧沼南が合わせることを前提に話に入っていますので、この辺について委員の皆様に意見を頂きたいと思います。この前提が崩れると話がまったく違ってきますから。

委員 逆の考え方もあると思います。今の話ですと沼南地域のほうが普及率は低いのですか?

事務局 いや、変わりません。

委員 そんなに変わらないんですか。もし低いとすればですが、結局下水道料金で足りない部分は税金からということになりますから、普及率の低い地域のほうが、余計な税金の負担が増えるという考え方もあると思うんですよ。どちらが公平になるのでしょうか。

そもそも下水道を利用できない人たちは、全部下水道料金で賄ってほしいと思うでしょうし、逆に下水道利用者の中にも住民税をまったく負担していない人もいるでしょうから、どちらが公平なのか。

私の主観で言えば、なるべく下水道料金で賄うのが公平だと思っていますけれど。

副会長 こういうことは根本的な問題から考えていかないとならないと思います。柏地域は70%代が市街化区域で、沼南地域は20%代の市街化区域となっています。下水道の予定地でも、沼南地域では本管が無くて暫定的に繋いでいるところが多いんです。ですから約80%の市街化区域になっていて、基盤整備をやったところは100%ですが、市街化区域であっても本管が無いところは多いんです。

ではどうしているかというと合併浄化槽を入れているんです。そこに今度公共下水道が出来たから繋ぎ直してと言っても、誰も繋がなくなってしまいます。ですから市としては初期投資が掛かるかもしれないですけど、区域内では皆さん都市計画税を払っていますので、平等に、早急に下水道管を入れないといけないことだと思います。そういう不満が出ると思います。

金額そのものというのは、同じ柏市になったのだから同じでいいと思います。しかし区域内で都市計画税払っているのに、本管が入っていなくて計画すらまだはっきりしてないというところが多いので、それは問題だと思います。

事務局 今のお話は二つに分けて考えないといけないと思います。

一つは下水道の管網図と言いますか、施設の拡充をしていくということです。下水道はそもそもエリアの中での事業計画をそれぞれの自治体で作っていて、そのエリアの中をきちんと整備していこうということで布設をしていくものです。事業認可に基づいて、現時点では柏地域や沼南地域という話を抜きに、下からやっていくように努力しております。

それと使用料金というのは、下水道が布設されたところにおいて公共下水道というサービスを限定的に受ける方々から、その公共下水道の持つ公共的で税金で負担すべき部分を除いて、サービスの対価に値するところを使用料金として頂くというものです。この場合使用料金を頂く対象はこのサービスを受ける方々となります。

今まで私がいろいろお話をしてきたのはサービスの対価についてでして、ここまでは料金で頂きなさい、頂くべきであるという話です。それが出来るかどうかということは別として、ここまでは必要ですよということです。

そこまでの料金を頂けていないから毎回下水道審議会を開いて、上げる時期や何かについてはいろいろあると思いますが、そういう努力を毎回しなさいということですから、下水道料金をいかがしましょうかということをお伺いを立てているわけです。

ですから整備は整備で一生懸命やっています。これから市街化区域の整備が完了していって、場合によっては調整区域の中でも下水道区域として認定していくということについて、経営的な是非論はあるでしょうが、とにかく市街化区域の中の整備はしていかなければならない。これは一つの柏市となってからは、地域ではなく全体のバランスをとっていかなければならないと思います。

それと整備された区域の中で、特定のサービスを受ける皆さんから適正な下水道の使用料金を頂いていきたいということとは、やはり分けて考えていかなければならないと思います。

会長 お話は分かりますが今の沼南地域のお話は、やはり使っている方としては、市街化区域なのに下水道が来ていないところもありますからと、こういう感覚で言っただけであると思います。言われることはもっともだと思いますが。

他にございませんか?

委員 旧柏と旧沼南の料金体系を歩み寄らせるということは、ちょっと考えてみてもいいのではないでしょうか?

そういうこともありえますか?

事務局 基本的に資本費率が100%に満たない、借金を繰り返して回っている状況で、柏地域の現行料金をさらに下げて、今の経営状態をもっと悪くするということは良くないというふうに思います。

会長 3年ごとでに見直していこうというのは、これからまた次々と費用が掛かってくるでしょうから、3年間で見直していこういうことがあるのでしょう。

やはり赤字があるからどうなのかというところでしょうが、どうですか皆さん?

委員 こういう現状ですから料金を上げても、下げるということは考えなくていいのではないでしょうか。個人的にもそう思います。

これで値下げしても、状況が余りにも複雑になってしまいます。

事務局 財政が黒字であって、非常に良いというのであれば値下げもありえるでしょう。野田市さんはそうだと思うんです。これ以上儲かってはいけないから下げるわけです。

下げて財政が悪くなるということならどこも下げないと思います。何か政策があって、例えば国が関っているだとか、そういうことならまた別でしょうけれど。

例えば水道は企業会計でやっていますが、企業会計の中で赤字になっても下げるということは私はやらないと思います。ですから採算がとれるのでしょう。

ただ委員さんも知っているとおりですが、これは資本費回収率の中に入るかどうかは一つの疑問になると思いますが、何も無いところから始まっているわけですから、市の借金も下水道に関するものがものすごく多いわけです。市の起債に占める下水道の借金の割合は結構多いと思います。ですからやはり現在の柏地域の料金体系は維持したいといった案が出るわけです。

極端な話では、前回の答申では次回には統一するということでしたが、今回はその幅を小さくしてまたしばらく様子を見るとか、そういう議論があってもいいと思います。ただ前回の答申がありまして、必ずそれに合わせなければならないということから始まっていますから、こういう議論になっているんです。

会長 原案は柏地域の方に沼南地域の料金を合わせるというかたちを基本に提案されていますので、まだ発言されていない方にも、これについてご意見を頂きたいと思います。

委員 確かに現行で柏地域と沼南地域の料金体系が違うので統一していこうということは、やはり同じ区域の中ですから、やっていくべきことではないかと思います。ただそれは、先ほど部長がお話していましたが、沼南地域の体系にすり合わせるという考えも一つの議論になるのではないでしょうか。

確かにいろんな案が出ていますが、ただ実際にこれからの下水道使用料をどのように考えるのでしょうか。下水道は特別会計でいわゆる独立採算です。それを運営するために、若干2、3年くらいのズレはありますが資料にあるように、あと13、14年後にはそれなりの状態になるということで、この目安でそれぞれの案が出されているということですね。ではそういう考え方が良いのか、もっと早く追いつくように考えていくべきなのか。そういうことについて、沼南地域に料金を合わせたらどうなるのかという資料はここにありません。

また市のほうでは独立採算での経営の健全化をこのように考えたいから、こういう案でいきたいというお話しが今まで無かったものですから。市としてはどう考えているのかというお話があれば、それをベースにまた議論が出来るのではないかと思うのですが。

事務局 今500億円を超える借金の残高が柏市の中にあります。そこで借換債とかいろいろなことをやって負担を軽減しながら、努力をしています。

毎年の元利の支払いで、借換債を利用しないときでは50億から60億円支払っている状況が続いているわけです。支出の内訳を見れば、建設だとか維持管理に掛かる費用をさしおいて、今まで建設するために借りたお金の返済だけで6割近くが無くなっています。そんな状況で経営がうまくいかず、一般財源を投入してバランスをとっている状態です。

これはその面だけではいいかもしれませんが、皆さんが違ったかたちでそこの部分を負担していることになります。この結果負担の分母が大きくなります。柏市民の納税者全員がそこの部分を負担していることになります。

先ほど申し上げましたようにこの特定のサービスに受けることに対して、必要な使用料をお願いしなさいということがこの下水道使用料のポリシーです。

下水道事業のいろいろな歴史や、下水道事業は初期投資が非常に大きいということがあります。もともと大きな借金をして動いていくものですので、これを長い時間の中で解消していかなければなりません。それを解消するために料金を改定していくということですから、そこの辺りを含めてお考えいただきたい。

今の状況で料金の改定とは、すなわち100%を皆さんから頂けるよう努力していくことなのかなというふうに思います。

会長 100%頂きたいんですけどそこまではいかないでしょうということですね。今はそこまでは無理ということですよね。

事務局 ですから上げ幅についてはいろいろ考えなければならないと思います。

いろいろな状況を客観的に考える中で、下水道利用者の規模は柏地域と沼南地域では10対1くらいの割合になります。ですからどちらかに合わせるという方向で考えると、一つの方向しか見えないのかなと思います。

会長 では順番にご意見をお願いします。

委員 私は沼南地域に住んでいますので、今回料金が上がることになると思いますが、3年前の答申の時に相当議論されて今回の場面に入ってきているということですし、現在の経営状況を踏まえれば赤字ですから、値下げをするわけにはないだろうと思います。

逆にあのようなかたちで答申をされていますから、3年後には上がるというのは沼南地域の意向でしょうし、逆に水道関連では下がったということですから、柏市になったメリットもとれていると思います。そういった意味では、柏市の一員になったわけですから同一料金にするべきかなと思います。

あとは逆に言うと、やはりもう少し普及状況を上げなければいけないと思います。私はガス事業をやっていますが、新しいお客さんを捕まえないと償却もできないし利益も得られないという仕事です。下水道が入っているのに繋がないとか、負担金が払えないという方もいらっしゃるかもしれません。ですがそういった方にもどんどん接続してもらわないといけません。サービスを受けた方が負担するというかたちなのですから。そういった意味合いでは、もう少し普及を促進していくということは必要かと思います。それとあとは料金ということです。

料金についてはいつも定期的に同じように上げていくというわけにはいかないと思いますので、ある程度計画的に長期的な視野に立って、どこまでの段階でどういう状況にするかを打ち出したほうがいいのではないでしょうか。あまり10年も20年も先の計画を立てられても忘れていしまいますから、近い将来で10年以内5年あたりではどういう状況になっていればいいかというものを出せば、今使っている人も5年後はこうなるんだなと、布設はこうなって料金は少し上がるけど街は良くなるなと、考えるのではないかと思います。

会長 何年後にはこうなっているだろうというものが見えれば、負担することも苦にならないだろういうようなことですね。

どうぞ。

委員 前回の審議会の議事録をインターネットで取ったのですが、ここにいらっしゃる方も出席されていますね。それで内容を読むとやはり統一するということになっています。この統一については、柏地域の価格に沼南地域が合わせるものとしか取れない内容です。ここにいらっしゃる方も出席されていますが。

それと計算方式が判らないのですが、沼南地域の料金を柏地域に合わせるだけで現行の料金体系から5%も収入が上がるものでしょうか?これはどういう計算をされたのかは判りませんが。飴と鞭じゃないですが、料金案には10立方メートル/月までは価格が下がるものもありますね。10立方メートル/月より使うと変わりませんが。価格が下がる案と上がる案もありますが、果たして5%も収入が上がるものなのか。私も計算したのですが、こうはならないような気がします。

それからできれば上がるばかりではなく、例えば基本料金の二部制を採りいれると10立方メートル/月までの利用者は使用料が下がるわけです。今は上がる話ばかりされていますけど、一部は上がり、あまりお使いにならない方は下がり、節水すればもっと下がりますというような案で、今回の答申をまとめていただければと思います。

事務局 おっしゃるとおりで、前回までに私が説明した中での統一するという考え方は、柏地域に料金体系に統一するという考え方のものです。

それからその結果5%もアップするのかということについてです。先ほど言葉では触れましたが、実は柏市の料金体系において、市の水道を使っている料金体系がこちらの料金表になります。井戸水を使っている事業所の料金体系はこれよりも低いものです。前回の使用料改定では井戸水を使用している事業所の料金体系は旧沼南町の料金体系に合わせました。

委員 下げたんですね。

事務局 いや、沼南町に合わせることで上がっています。

それで今回沼南地域の料金が柏地域の料金体系と一つになれば、井戸水利用の事業所の料金もそれに併せて上がりますので、トータルで計算しますと5%になります。

委員 一般家庭だけでは5%にはならないですよね。4%くらいですね。

事務局 柏地域の一般家庭は変わらない案ですが、沼南の方だけで3~4%くらいですね。

委員 わかりました。

会長 では、どうぞ。

委員 今までのお話を聞きますと、やはり最終的には柏地域の料金体系に合わせなければならないなと思います。ですが沼南地域の料金を一度に柏に合わせるのではなくて、段階的に合わせていくことを議論するべきと思います。

私も十余二工業団地の者ですが、今回の料金改定にあたって、大量に排出する事業所が悲鳴をあげていると聞いていますから、そういうことも併せて段階的に料金を合わせていくべきではないのかと思います。

会長 段階的という一つの考え方がありますが、そこで前回の答申の内容が非常に大きく関ってきますので、その辺も含めて皆さんにご意見を頂きたいと思います。

どうぞ。

委員 原則として崩してはいけないところはあって、これは崩してはいけないと私は思うんです。それでは話になりません。

あとは何度も言いますが、皆さん頭脳明晰だからいろいろ考えたうえで、これくらいでいいだろうという案になりますが、最終的な決定は頭脳明晰ではない人がするということも考えておかなければなりません。そういうことを考えたときに、私は正直どうなのかなと感覚的に思いますので、こういう場で苦言を呈しているんです。

どこが負担すべきかということはよく解りますが、しかしそれで通らないのが恐ろしいところですから、もっと考えて他との兼ね合いも見ていかなければいけないと思います。みなさんの理論だけで通るならいいですが、よく分からない人もたくさんいますのでお気をつけくださいということです。

委員 今まで議論してきたのは経費であり支出の部分ですが、それとは別に新たに設備投資をして資本費がかかるということもありますよね。先ほど起債残高500億円以上というお話がありましたが、その残高はどうなるのでしょうか?

資本費は元本の返済と利息の支払いは別物です。実際には役所としての支払いは一緒かもしれませんが、こういう審議会ではやはり別にした資料が提示されて、例えば5ページの資料のように平成50年度の起債残高がどうなっているだろうとか、その辺までお示しいただきたい。そうでなければ大きな議論が出来ないと思います。

委員 私も柏地域の下水道料金体系に沼南地域が合わせる答申が前回出ているわけですから、それでいいと思います。起債残高が500億円あって、50億から60億円の支払いをしているということですから、多少の値上げは仕方ないのではないかというふうに思います。

委員 起債の状況などが使用料金に付随していくということ自体が、市民の皆さんにとって納得できないことだろう思っています。

しかしやはり前回の答申もありますし、サービスに見合った使用料を頂くという基本ですから、少しづつということしか今は言えません。

委員 私は主婦ですので主婦の感覚でしか分かりませんが、今回下水道料金を沼南地域が柏地域に合わせるということですから、沼南地域の方の意見が一番貴重になると思います。

それから一つ不思議なことは、何年か前に水道のほうの審議委員をしたときも、すごい赤字ということでした。赤字額が大きすぎて手に負えないということで、値上げの審議になっていました。それが今回この5、6年で水道はきれいになっていると聞いたので驚いています。そして今度は下水道でたくさん赤字があるということで、とても驚いています。

申し訳ありませんでしたが私は先月の審議会を欠席しましたので聞いていないのかもしれませんが、なぜこんなに借金ができてしまったのでしょうか?主婦としてはそのことが先にきてしまします。

ですが最終的には値上げをしないと仕方がないと思います。

事務局 私は水道のほうには携わっていないので分かりませんが、ただそういう話は聞いています。しかしそれも決して潤沢ではなく、取るべきお金が決まっていることなんです。ですから内容的にはちょっと分かりません。

下水については先ほど次長の方からも話がありましたが、初期投資が非常に大きいため、その回収をしなければなりません。事業が始まった当初は普及率が低いので100%の回収ができるわけがありません。そのツケが少しづつたまってきたということです。普及率が増えるほど負担額を増やして100%に近づけることを考えています。これは他の市町村の下水道も同じだと思います。非常に難しいことです。

管が大きいと何百万も掛かる工事もあるわけです。そういうものを少ない人数で負担するというのは不可能に近いので、累積してしまったということです。基本的には利用する人が全額負担するものだと思います。ですから利用者が増えれば増えるほど料金は少なくなるものだと思いますが、やはり何にしても借金が多いということです。

会長 今まで一通り意見を聞きましたが、前回からの答申にもありますように一本化するということです。どこに一本化するかというと、前提として柏地域のレベルに沼南地域が合わせるということですが、前回の審議会の時からこの意見が出ていたというお話もありました。ですから一応ここで、まずこれを前提として考えるということででよろしいですか?そうしないと先へ進みませんからね。

委員 そうですね。

会長 これを確認していませんでしたからね。そうしますと基本は第1案ということですが、この他の考えはどういたしましょうか。ここに出ている五つの案について皆さんで議論ということになります。

今日結論を出すのはなかなか難しいと思いますので、次回に審議会として結論を出したいと思いますがいかがでしょうか?具体的な案が出ていますので次までにゆっくり考えていただいて、次回に決定という流れです。

事務局の方もこういう段取りで間に合いますか?

事務局 十分です。

委員 二部制の料金体系を採っているところがありますよね。船橋市とか千葉市とかの資料をいただけますか?

事務局 できるだけ取り寄せます。ただ二部制を採っているところが少ないということは間違いないです。

会長 この改定案4が先ほど話があったような、飴と鞭ということになるんですか?

委員 これは市の説明が下手ですね。この案は実際は10立方メートル/月までの料金は安くなります。確かに安くなる戸数は少ないですけど、そういう方々の救済にもなるということを、もっとPRされたほうがいいと思います。この話では料金が上がるという説明ばかりですから。

事務局 10立方メートル/月まで使わなければ、その方々には節水した効果が出てきます。

委員 それを強調された方がいいですね。これまでは上がることばかりですが、マイナスもあるんですから。

事務局 はい。

委員 今の会長の段取りでいいのではないですか。

会長 では次回結論を出したいと思いますので、委員の皆さんにはこれをもとにご検討いただきたいと思います。

それと今回もいろいろ議論されましたが、3年ごとに審議会が開かれますので、次回にはこんなことを考えていただいた方がいいのではないかという申し送り事項、要望のようなものを入れて答申できればと思います。次回には、このようなことも考えてもらいたいというような意見も沿えて、考えてきていただきたいと思います。

委員の皆さま、最後に何かありませんか?

委員 私はガス事業をやっていますので、ガスをお客様にお使いいただくという立場での確認になります。

先ほどもありましたが、都市ガスはガス管を布設してガスをお客様に供給するものです。導管の種類は今はポリエチレン管が主流になっていて地震にも強いものになっています。今回は経年管の改修をしていかなければならないというお話でした。我々もそういったように経年管の入替えをして改修をしているのですが、当然土壌によっても影響もあると思いますが、下水道の経年管はどれくらいなのか教えていただきたいというのが一点です。

それと今回特に二部制についてお話をされています。本来どんなものでも料金体系は基本料金があって従量料金があるというかたちを採ります。

基本料金が500円でいいとかどうかということは、しっかりと根拠がなければなりません。固定費があるわけですから、それをきっちりと言わなければならないと思います。

本来あまり使われないお客様からは基本料金を高く取らないといけないという事情はあります。しかしそこは抑えて安くしていますが。そういう意味合いでも基本料金とは本当は何なのかということを、きちんしたい。それでこの金額ですという政策を採らなければならないかなと思います。

よく言われますように都市ガスの場合、本当は水道もそうなんですけれども、本来であれば多く使われるお客様は一般的には安いです。電力は政策なところがあると伺っていますし、水道も実際は高くなっていますが。下水道も処理をする方ですからその後の話になるかと思いますが、ガス事業では本来は多く使っていただけるのであれば、当然その料金の中から設備投資の回収をするという感覚がります。

下水道はもうこういうかたちになっていますので急に変えるわけにはいかないと思いますが、我々ガス事業からしますとそういうものなのかなと思います。

最後になるんですが、ガス事業の場合毎月のように検針をしていまして、それで固定費を支払います。水道や下水道は二ヶ月に一回の検針で、私も最初は計算がよく分からなかったのですが、使った量を半分にして計算されているのかなと思います。

先ほど言いましたように、一生懸命努力すると使う月もあれば使わない月もでてきます。しかしそれは二分の一になってしまう。例えば21立方メートルだと10立方メートル/月を超えてしまいます。本当は夏は多く使ったけどその後は節水していたということがあるかもしれません。検針を毎月やるとまたコストが掛かってしまうので、そのことも考えなければいけませんが。

検針をしたときに、単純に基本料金と二ヶ月分の従量料金という計算をすることが基本なのかなという感じもします。一度量ったらその一回の基本使用料と従量料金で試算するということが本来のかたちかなと思います。

使用量による料金の価格設定がありますから分からないですけれど、そうするとどう変化するのでしょうか。金額が上がるか下がるか、もしかしたら上がるのかもしれないです。二ヶ月分にまとめることで一回の使用量が多くなりますから、ガスは多く使うと安くなりますが下水は多く使うと高くなりますので。カラクリになってしまいますが、そういうかたちもあるかなと思います。

こういうような素朴な質問なんですが、せっかくですのでこの場でお願いします。

会長 先ほど500円の基本料金についての話がありましたが、あれをもう少し解りやすく説明されたらいいのかなと思います。それと最後は、二ヶ月に一回の検針なのですから二ヶ月で考えたらどうかということですよね。平均しないで二ヶ月単位というのも一つ考えということですね。

委員 おそらく基本料金は安いですから、使用量が多くなる分高くなると思うんです。

事務局 下水道管の経年劣化については基準は50年位とされていますが、実際の程度についてはちょっとよく分かりません。

それから基本料金について下水が他の料金体系と違うのは、変動費と固定費で分けて、変動費もかなりの量の変動をしているので、超過変動費や通常の変動費といったものから計算式によって出きた数字の結果、その中から固定費該当部分を基本料金にすることが望ましいという下水道研究の解答があります。

今回その手法に沿って細かく計算しましたが、説明が非常に複雑なものです。ですから資料の一番後ろに固定費、変動費を提示した一列の表を載せましたけれども、あの四つの数字を出すだけで、実は一つの冊子が出来るほどの計算があります。これについてもう少し説明が必要であれば、次回のときまでに整理して説明させていただきたいと思います。このような計算をして473円という数字が出てきまして、それを丸めるかたちで500円としたところです。

それから単価40円/立方メートルと設定したのは、現行の柏地域の基本料金の部分が10立方メートル/月で900円、水量制を採って900円となっていますから、そのまま現行で抑えるかたちにしたものです。そのなかで、節水の努力をした部分は40円/立方メートルづつですけれど報われるようにしました。

それからガスや石油等につきましては大量に使う方が安くなります。下水はそれとは違うところがありまして、例えば100件の家がある地域が一般の家庭系だけだとすれば、200~300mmの管で布設が出来ます。排水量がそんなに変動しなければ、あるいは変動の幅が決まっていれば、その後に続く終末処理場などもそれに見合ったかたちで造れます。ところがそのエリアの中に工場が一つ出来たとすると、その工場の排出量によって、その一番最大の排出量に見合った下水管を入れていかなければならなくなります。このようにやはり一般家庭に比べて事業系の変動費がものすごく大きいです。検証してみますと、排水量が大きくなるにつれてこのような変動の幅が、通常の家庭の幅の二倍から三倍くらいはでてきます。本来は一律か、または排出水量が多いところに安い料金設定をすることが通常の経済観念では当然なんですが、下水ではそういうところを含めて累進性を採っています。

ただ柏の場合は、部長も言いましたけれども、当初初期投資を大量に行ったため、少ない人数でそれを負担することは非常に酷な面があります。だからこのように累進度を高くとっている経緯があります。しかし分母になる一般市民の方が非常にたくさん増えてきまして、50立方メートル/月まで排出する方が全体の件数でいくと98%までになっています。こうゆうふうに負担する方が増えてくれば、今4.47という累進度になっていますけれど、もう少しこれを縮めて、負担能力があるところに負担してもらうことで料金の平均化を進めていくことがこれから必要だろうということです。

ただそこにいくのはもう少し検討していかないといけないのかなというところで、提案として今日出させていただきました。

それから使用料金を二ヶ月ごとにということですが、これは条例の決まりによってこのようにやらせていただいています。二ヶ月で検針したものを二分の一にしたときの端数処理やなにかについても条例の中で設定されていまして、これに基づいて行っているのが現状でございます。

会長 よろしいですか。

委員 素朴な質問だったものですから、勉強させてもらいました。

ガスと下水は気体と液体ですから当然管の大きさが違うのはわかっていますし、最低限の管では溢れてしまうので、余力が相当ある大きい管を入れなければいけないのかなと思います。大きい管を入れれば我々も輸送能力が高くなりますし、そこはある程度最適なかたちをとりながらやるべきですね。

あとはご存知のとおりガスは一般の家庭は低圧ですけれど、その土地に持っていくまでは圧力の高い管を使うことになります。水道は自然の圧力で、あるいはどこかでポンプアップして押し込みますけれど、そういうことで管の太さが変わって費用も変わってくるのかと思います。

特にそれでどうこうではなく、参考までに聞かせてもらいました。

会長 他にありますか?

それでは他に無いようでございますので、これをもちまして本日の審議会を終わりにします。

6 傍聴

傍聴者2名

傍聴状況 傍聴要領に反する行為は見受けられなかった。

7 次回開催予定

平成20年11月27日(木曜日) 午後2時から 柏市役所第2庁舎 第5・6委員会室