第7回柏市下水道事業経営委員会会議録

1 開催日時

平成27年10月21日(水曜日)午後3時~午後5時

2 開催場所

柏市役所分庁舎2 2階第1、2会議室

3 出席者

(委員)
稲田委員、落合委員、角田委員、久能委員、佐藤委員、高橋(和)委員、高橋(初)委員、谷委員、豊田委員、中屋委員、春木委員、倍委員、森脇委員

(事務局)
石井土木部長、森山土木部次長兼下水道整備課長、古賀下水道維持管理課長、山根雨水排水対策室長、市原下水道経営課長、宇賀野下水道経営課主幹、田中下水道経営課副主幹、工藤下水道経営課副主幹、柳本下水道整備課副参事、冨澤下水道整備課主幹 他4名

(注意)職・氏名の記載の順序及び方法は、任意です。

4 議題

  1. 平成26年度決算概要について
  2. 計画の進行管理について
  3. 柏市下水道事業中長期経営計画(案)について 

5 議事(要旨)

1.平成26年度決算概要について

事務局より平成26年度決算概要について説明を行い、この後これらについて質疑応答を行った。質疑内容は以下の通りである。

  • (質問)これまでに償却した資産はどのくらいあるか。また、今後10年間の改築費用はどのくらいか。
    (回答)これまでに取得した資産が約2,200億円で、このうち平成25年度までに償却した資産が約800億円となっている。今後の改築計画は、当面は調査・点検を実施し、後期5年で整備を進める方針で、約70億円の整備費を見込んでいる。
  • (質問)償却した資産800億円の改築にかかる自主財源はどのくらい必要か。
    (回答)過去の実績では、国の交付金と企業債が約66パーセントで、残りの約34パーセントが自主財源となっている。これを800億円に当てはめると、自主財源は約270億円となる。
  • (質問)下水道事業として運営していくためには自主財源はどの程度必要か。また、水道事業ではどの程度確保しているのか。
    (回答)運営するために必要な自主財源の考え方として、借入金に対する自己資金の比率でみる考え方と、資本に対する内部留保金の比率でみる考え方の2つが挙げられる。
    借入金に対する自己資金の比率について、柏市全体を見ると、市の借入金1,000億円超に対し、公共施設整備基金条例により積み立てている基金は247億円であり、積立金の比率は約23.9パーセントとなっている。水道事業では、借入金69億円に対して内部留保金を含めた積立基金は72億円となっており、その比率は100パーセントを超えている。これは水道事業は早くから企業会計を導入していることによる。一方、下水道事業は今回の決算の結果、借入金残高458億円に対して、内部留保資金25億円を確保しており、比率でいうと約5.5パーセントとなっている。
    また、資本に対する内部留保金の比率について、柏市と同規模の中核市の状況をみると、下水道事業で約4パーセント~32パーセント、水道事業で12~34パーセントとなっており、都市によりばらつきがある。
    柏市としては今後10年で約70億円、さらに平成38~47の10年で174億円の投資を見込んでいる。一例として必要な自主財源を34パーセントとすると、約60億円と算定される。このうち半分は事業開始となる37年度までに確保したいと考えている。
  • (質問)BSとは何か。
    (回答)BSというのはバランスシートという意味で、貸借対照表という財務諸表の1つである。左側に資産、右側に負債と資本が記入されており、財政状態を表す帳票である。
    (コメント)(平成26年度決算の補足説明)収益的収支は下水道の運営に伴う収支である。収入を大きく占めるのは下水道使用料(約63%)となっている。その他の収入は、市の補助金、減価償却の財源となる長期前受金戻入がある。一方、支出は減価償却費、支払利息、営業費用等がある。収入と支出の差額から平成26年度は約1,400万円の黒字となった。これは次年度に持ち越しとしている。(通常は減債積立金、建設改良積立金等に充てられる。)
    一方、資本的収支とは下水道施設建設に伴う財源構成となっている。収入としては、一般会計出資金、企業債、国庫補助金があり、支出は企業債償還金、建設改良費、固定資産購入費がある。中でも支出の企業債償還金は37億円と大きく、企業債残高を管理していくことが今後の運営に重要であると考えている。
  • (質問)収益的収支で出た純利益は、今後何に積み立てていくのか。
    (回答)将来多額に発生すると見込まれている更新投資に備え、出来るだけ建設改良積立金に積み立てたいと考えている。
  • (質問)内部留保資金約25億円の内訳として、減価償却費と長期前受金戻入の差額が約20億円であるが、残りの5億円はどこからきたのか。
    (回答)特別会計から企業会計へ移行する際に収支差額が約8億円発生しており、そこから5億円がきている。
  • (質問)資料P.8に企業債残高の23.9パーセントを積立基金として確保する必要があると記載されているが、この比率が必要と判断した理由は何か。
    (回答)他の事業体をみても積立金の比率にはばらつきがある。柏市全体をみると、高度成長期につくられた施設の老朽化が進んでおり、その対策として基金を設けて借入金の約23.9パーセントの資金を確保している。この考え方を踏襲して約23.9パーセントの確保を当面の目標としていきたいと考えている。
  • (質問)減価償却費と長期前受金戻入の今後の推移は算定しているのか。使用料の改定にも影響する部分であるため、提示をお願いしたい。
    (回答)算定している。今後も整備を進めるため、減価償却費、長期前受金戻入とも増加の傾向にある。詳細は次回の委員会で説明を行う。
  • (質問)基準内繰入金というのは雨水に係る費用であるか。
    (回答)雨水以外にも水質改善、高度処理等、環境対策に伴う部分も総務省で定めた基準内に含まれる。前回委員会資料に基準内外の項目を示している。
  • (質問)市の視点に立つと、基準外を18億円にするというのは、下水道に余計にお金を回していることになるのでは。
    (回答)下水道使用料を大きく上げることが出来ない中、今後の老朽化対策に対応していくためには、企業債を増やす、または内部留保資金を確保する必要がある。企業債を増やすと将来の負担が非常に大きくなることが懸念されるため、できる限り内部留保資金を確保し、老朽化対策の財源としたいと考えている。
  • (質問)資産の償却期間と最終的に残る価値はいくらになるのか。一般企業では固定資産税がかかるため、早期に償却したり、改良ではなく修繕として新たな固定資産が発生しないようにしているが。
    (回答)柏市の資産はほとんどが管渠であり、この耐用年数(50年)を償却期間としている。管渠の改築はライニングも含めてほとんど建設改良に該当する。処理場であれば修繕も考えられるが、柏市の場合は処理場を持たないため、基本建設改良費となる。
  • (質問)一般会計補助金は今後20年間30億円が続くという考え方なのか。これが減額すると料金の値上げも考えられるのか。
    (回答)一般会計繰入金はできるだけ現況の30億円を確保していきたいと考えている。
    これまで特別会計を適用していた時の使用料対象経費は起債の償還額約37億円であったが、企業会計に移行したことにより、これが減価償却費に変わり、約20億円(長期前受金戻入を差し引いた額)となる。これに事業報酬を加味することにより、料金はほぼ現況固定でいきたいと考えている。ただし、事業報酬については、国の方針が議論されている段階であるので、この制度が整ったときに検討を進めたいと考えている。
  • (質問)キャッシュフロー計算書は作成しているのか。
    (回答)平成26年度決算書にキャッシュフロー計算書を入れている。次回委員会資料として配布する。

2.計画の進行管理について

事務局より、計画の進行管理について説明を行い、この後これらについて質疑応答を行った。質疑内容は以下の通りである。

  • (質問)「下水道総合地震対策の策定」、「BCPの策定と活用」、「ストックマネジメント計画の策定」、これらは指標となるのか。
    (回答)委員会で指摘を受けた部分もあり、指標として載せておくことで見落としがなくなると考えている。また、前期5年で計画を策定し、ローリング(見直し)の際に計画を反映した指標を検討する予定である。
  • (質問)レーダーグラフで同規模指標を50としているが、この50になることを目標とするのか。それとも超えることを目指すのか、超えなくても良いものなのか。
    (回答)基本的には50を上回ることを目指すが、現状では全国的に下水道企業会計に移行した事業体が少ないことから、指標は目安として活用していきたいと考えている。企業会計の移行が進めば新たな指標が出てくることも予測されるので、次期ローリングの際に検討していきたいと考えている。
  • (質問)管渠健全率と老朽管調査率があるが、老朽管調査率が上がらないと、健全率が出ないのでは。
    (回答)指摘の通り、調査をしないと老朽管の全体量が把握できない。ある程度調査が進んだ段階で、老朽管の全体量をを推定し、健全率を算定する。
    (コメント)レーダーグラフで、平均的な都市に近づけるという話が出たが、柏市らしい方向を目指すという考え方もあるのでは。
    (コメント)柏市らしさの一つとして、3年ごとの料金改定を進めてきた結果、経費回収率が他市と比べて高い水準となっていることが挙げられる。

3.柏市下水道中長期経営計画(案)に対する意見と対応について

事務局より、柏市下水道中長期経営計画(案)および意見書が配布された。案に対する意見は、意見書にその内容を記載し10月末日までに返信用封筒で送付していただく。
意見に対して案を修正した後、11月15日より一ヶ月間、パブリックコメントを募集する。パブリックコメントの結果は次回委員会で提示する予定である。

6 傍聴者

  1. 傍聴者
    0人
  2. 傍聴の状況
    傍聴人なし 

7 次回開催日時(予定)

平成27年12月21日(月曜日) 午後3時~午後5時

 8 関連ファイル

第7回柏市下水道事業経営委員会会議録(PDF形式:283KB)
第7回柏市下水道事業経営委員会資料(決算の概要)(パワーポイント2003:1,015KB)
第7回下水道事業経営委員会資料(計画の進行管理)(パワーポイント2003:1,547KB)