平成21年度第2回柏市緑の基本計画策定委員会会議録

1 開催日時

平成21年10月23日(金曜日) 午後2時~4時

2 開催場所

柏市消費生活センター 消費者ルーム

3 出席者

(委員)

  • 落合委員、木村委員、郡司委員、日野原委員、広瀬委員、丸山委員、森市委員、山口委員、山本委員、横張委員、海保委員

(事務局)

  • 公園緑政課:課長 南條、副参事 岡田、副参事 古賀、副主幹 今井、吉岡、小池、本田、細江
  • 公園管理課:課長 奥山
  • (財)みどりの基金:事務局長 寺田
  • 有限会社プラネット・コンサルティングネットワーク:影山、鎌原
  • 東京大学大学院:宮本、古木、三上

4 内容

  1. 柏市緑の基本計画アクションプランの推進について
  2. オープンスペースプロジェクトについて

【緑の基本計画アクションプラン】

1.施策の順位について

(委員)順位の高い低いという話と施策としてすぐやるべきかどうかは必ずしも同じ概念ではないので、単純に総合順位の何点が短期で、何点が中期で、というふうな話とはちょっと違うのではないか。

(市)順位自体は参考になるが、順位が低くても先にやらなければいけないものはある。そういう場合は、先にもっていく調整を行う。

(委員)施策84のガイドブックは、平成25年以降にできるということになっている。前に作って、これでやりましょうよ、というのがガイドブックではないか。

(市)ガイドブックを作って、いい緑化の手法とかをどんどん知ってもらっていかしてもらうという趣旨なので、点数が低くても、前に出していく必要がある。緑化基準も同様で、先に実施する必要があるものは前に出すよう調整する。

(委員)(壁面緑化等について)緑政でガイドラインをつくることになっているが、今、柏に100mのビルが建っている。そこの壁面を緑化したらどうかということは、みんな、きっと思っていると思う。ある程度、暫定でもいいから、壁面何割とか、そういう数値をもっと早く決めることが必要。

(市)一番やらなくてはいけないのが、緑化基準の見直しで、これは、今年から始めて来年には作るという方向で頑張る。一方、全く緑がない開発というのは、むしろ、民間も嫌がっている。緑によって付加価値があがるというようなことも実際ある。再開発の、D街区の図書館(予定)について屋上緑化、壁面緑化をお願いしている。

2.大学等との連携について

(委員)大学としては、地元と連携を図っていくというのが大事な項目のひとつだと認識しており、組織的、計画的に協力ができる。例えば、「環境モニタリングの実施」「講習」などについて協力できる。緑は、ある程度変容することがいたしかたないこともあるが、どういう緑がどのように大事なのか、という情報が継承されていくことについては、積極的でいい。関連の研究室等では、柏をケーススタディにどこにどういう緑があるのか、どうしてそれが大事なのか、実は、こんな歴史があるとか、そんなことを話題として提供できる。また、個別、技術的なことに関して、別途協力できる。

(市)住民参加、調査等、昔よりも多様化、複雑化しており、全部行政がやるということは、殆ど不可能に近い。大学の皆さんや、市民の方々など、多様な主体と協力しあってやっていきたい。特に大学の皆さんとも、これからも協力してやっていきたい。

3.実施主体、関係部署について

(委員)公園緑政課単独で書かれている部分でも、公園緑政課だけでなく、他の部署と連携して行う必要があるものがある。関係部署については、さらに煮詰めてほしい。また、中心となって動く部署についても明確にしてほしい。

(委員)施策65番の「民有地の剪定枝、落葉等のリサイクルシステムの創設検討」で、うまく資源として活用できるシステムが組めて、そこにお金が生まれて、それが、さらに次の管理を推進していくという、いい循環になれば良い。しかし、資源とはいろいろなところに薄く広く散らばっており、どうやって効率的に収集していくかが課題。そういう集め方のシステムは、収集を担当されている部署や現場の創意工夫で、別に制度の創出も何もなく、うまくいくのではないか。

(委員)バイオマスでは、建築廃材など他部署の廃材を共同で処理することで、コスト的にスケールメリットが活かせる。その他の命題に関しても横のつながりを強化することでうまくいくことがあるのではないか。役所の中で、横のつながりを強化して推進してほしい。

(委員)施策13の「緑地保全のための資金の受け入れ体制」とか、「緑地保全のための新たな財源の確保」というところは、緑政課が中心となるが、財政とか企画とか、いろいろな部署と関係をとりながらやっていかなければいけない。

(委員)施策67の「里山の保全」とか、71の「ボランティア団体への支援」は、市民活動推進課とか、市役所の中で連携してやってほしい。関係部署としてはじめから書いた方が進めやすいと思う。

(委員)関連する課がいくつもある場合は、横のつながりとして、他の部署との会議とかそう言ったものは、設けられているのか。

(市)横の部署の関連性については、緑の基本計画をつくるにあたって作業部会を作ってやっている。その関係課と、橋渡しをして施策を進められるようにしていきたい。

(委員)「緑の保全のための新たな財源の確保」とかあっても、施策は誰にやってもらうのか。市民の参加とか言っても、市民の誰にやってもらうのか、具体的になっているのか。

(市)財源の確保は、一義的には、市が確保していかなければならないと思う。その後、企業とか社会的活動の中で出してもらうとか、市民の寄付とかもある。この辺は、協力しながら、ということもあるが、やはり、今の状態だと、財源を確保する場合は、市の中が一番になってくる。それについては、分かるような形にしたい。

(委員)施策77で「学校での環境教育との連携」があるが、熱心な先生は、協力してくれるが、専門外のかた等の協力が得にくい。市という小さな単位の中で、教育委員会に働きかけ、子供たちへの緑の教育を実施してほしい。

(市)学校との連携については、緑政審議会に緑の基本計画を諮問して、答申いただいた時にも、そこは十分に行うようにと言われている。まさに、学校との連携は重要視しているので、学校の現場と話し合いながら進めていきたい。

4.実施主体の表記方法について

(委員)行政の中でこの施策を進めていく上で、どういうふうに動いていくのか、なるべく見える形が望ましい。実施主体は、市民であるか、大学であるか、そういう仕分けと、市役所の中で、行政としてどこの課がかかわってくるのか、を両方書いた方がわかりやすい。主要な課は載せた方が、市民もわかる。主体となるのは、公園緑政課で、かかわりがあるのはどういう課か、見えている方がよい。

(市)両方書けば、わざわざ行政向け、とかつける必要がない。ただ、予算に関して言えば、財政は全部に関わってくるので、全部載せる方がいいのか、その辺は、メリハリをつけた方がいいと思う。

5.都市計画との関連について

(委員)都市計画から言うと、地域区分をしたあとの緑の整合性は、どうするのか。

(市)都市マスの地域区分と緑の基本計画の地域区分が違う。緑の基本計画を都市マスと並列で作ってしまっているため、調整しながらやっていくしかない。

(委員)都市計画の方はどちらかと言うと大雑把に組んであるので、緑の部分については、強く主張してもいいのではないか。

(市)緑に関する部分は、都市計画の区分より細かくやっているが、緑に関する骨格については、本来は、都市計画が良いが、組織的なものと計画の作りかたと言う点で理想通りになっていっていない点もある。

(委員)中核市になったので、都市計画も動きやすい。整合性をとる形で、都市計画を動かすような形でこちらからもっていくことが大事である。

6.沼南中央地域開発計画について

(委員)沼南中央地域再開発計画について、都市計画で決めたようだが、あそこには、貴重な動植物や谷津田がある。その辺の調整はこれからでもできるか。

(市)沼南中央地区の区画整理は、正式の都市計画決定は、今協議している。緑の側からすると、斜面は残すとか、谷津田も埋めないでもらいたいということもあるが、採算性もあるので協議しながらやっていく。

(委員)現在、あの地区は、市街化調整区域で、市街化区域に編入するという手続きが必要で、来年に市街化区域に編入されるだろう。都市緑政部の中の区画整理課が認可権者なので、そこで、そういうことも要請する。公園緑政課が、緑の保全、創設についての指導を行う。事業化まで2年ぐらいかかるだろう。現在は、事業者も熱心で、緑に関しては積極的というか、割と指導に関しては、受け入れてもらっている。

(委員)市街化区域については、開発が優先になってくるんですね。開発をやれば、緑はなくなるということですね。

(市)「開発等による緑地減少への対策」ということで、緑がなくなることに対する代替案、代替措置をお願いしていて、どんな代替措置をやっていったらいいか、という「ガイドライン」をつくり、この中で、指導、誘導していくことを考えている。今の法制度だと、特に、市街化区域については、開発優先になってしまっている。今、都市計画法が、改正されているが、その中で、生物多様性とかの問題もあり、環境寄りに変わってくるのでは無いかと期待している。ガイドラインができても、市だけでは、難しい。国の方がうまく変わっていけば、劇的に変わるんではないかと期待している。

7.屋上緑化、壁面緑化について

(市)ダブルデッキの改修も決まっており、人が歩く交通広場という位置づけになっている。構造を耐震にするために、軽くしたいということがあり、緑化の部分について、都市緑政部で責任持ってやらせてほしいと申し入れてある。どのようにやるか、は、今後の検討課題である。具体的には、ハンギングバスケットで検討している。

(委員)屋上緑化、壁面緑化について、つくるのはいいが、植物は生きているので、その後のランニングコストが非常にかかる。何年か後に、「なんだこれ」というような状態になっていないように、後々のことを考えて計画してほしい。

(委員)植替や、剪定など結構なメンテナンス費用がかかる。千葉県の農業センターで、薄層培地について薄く、軽くするような方法をだいぶ研究しているので、その辺とタイアップすれば、面白いことができると思う。

(市)仮設庁舎の屋上緑化事業等もあるので、参考にしてやっていきたい。

【オープンスペースプロジェクト】

1.コミュニティガーデンの要件について

(委員)広さというのは、だいたいどのくらいかという決まりはあるか。

(市)特に、面積規定は、設けない。オープンスペースの定義に合致し、団体等への無償貸与が可能であれば、表示は可能と考えている。実際にその場所を使いたいか、使いたくないかは、それを利用する団体の判断になる。

2.コミュニティガーデンの現状について

(委員)柏市で、コミュニティガーデンとして活動している団体等はあるか。

(市)水路の脇の法に芝桜とか、チューリップを植えている例がある。

3.コミュニティガーデンのしくみについて

(委員)市が仲介して空いている土地を利用したい団体に貸すというのは、非常に良い。市が間に入るので、地主対利用者でなくてワンクッションあり、調整機能が働く。

(委員)コミュニティガーデンは、中心になって動く人に左右される。実際にコミュニティガーデンを指導している方に講座を1回とは言わずに定期的に開いてもらい、コミュニティガーデンの運営とかのノウハウなども聞く機会をつくってはどうか。

(市)コミュニティガーデンはあまり市民に認知されていないので、講座をやってもらい、啓発したい。

(委員)みどりの基金でも申請があった団体に、プランターや花苗を提供しているが、市民に開放された時に、あまりアピールができてない。もうちょっと、本人達も楽しいし、見る人もきれいで楽しい、というような景観からあわせたような指導があれば、より効果があるのではないか。

(委員)土地を提供する側からすると、期間が気になる。そこを厳しくしてしまうと土地は提供されない。一旦そういうものを結んでしまうと、所有者の自由度が失われてしまうので提供はしたくないということが往々にして見られる。なにか、うまい方策はないか、補足説明があれば。

(市)土地所有者は、市が介在しないと民間の方に貸すのはかなり抵抗がある。市の役割の中には、市が入ることによって地主さんに、安心感をもってもらうこと。また、期間をあまり限定すると、なかなか土地所有者は「うん」と言ってくれない。そこはもう、割り切って、協定を結んだけれどもすぐダメになってもしかたないだろうと思っている。協定は、公共性ということではなくて、オープンスペースが担保されるということに意味をおいているので、すぐ無くなっても、また、次の所に移っていけばと考えている。一方、オープンスペース登録して、公開することになり、市が初期投資を助成する場合には、初期投資したのに、すぐ解除はいけないので、ケースにより差をつけて、3年になるか、5年になるか、協定になるか、契約になるか、そこは、メリハリをつけて考えていきたい。オープンスペース協定と登録で差をつけていきたいと考えている。

(委員)入口は、がちがちに狭めないで、その場その場に応じて最適解を見つけるように市が協力していく形が良い。

(市)割りきるしかない。すぐに解除される例があっても。

(委員)事例を重ね、事例集のようなものをつくり、その次に来るものに対して、こういう風に解決しましたなど、そういうものをストックしていくことが大事。常に更新させながら、ストックの中でもって、少しずついいものにしていく。まずは動いて、動く中で走りながら考えていくことが必要。

(委員)コペンハーゲンで去年見たが、大きなコンテナの様なものを、フォ-クリフトでゲタをはかせて、運べるものを使ってガーデンを作っている。工事の進展とともに、また、次の所に行く。そういうものを、市の方で貸し出し、それをポンと置くんだったら、移動するのも容易である。

4.オープンガーデンについて

(委員)農業者の屋敷は結構広い。利用できる制度があると、邪魔だからきると言う前に、そういうものがあればよい。あと、木の管理をしていくには、金がかかる。さっき、市の補助金とかあったので、何かそんなものと絡めた、利用する手だてはないか。街のなかでも、結構あると思う。それを基礎的に調べてアタックすると、結構いいんじゃないか。

(委員)花屋で、好きな人が写真を撮って、花屋で庭の写真を飾ってくれる。好きな方は、それを見てどこのお宅ですか、と訪ねる、そして種を分けてもらったり、また、咲きましたとご紹介する、という交流はあるようです。そういうものを公にすれば、また、違ってくる。

(市)沼南地域などにはオ-プンガーデンになりそうな家が結構ある。あと、フットパスとか、車とか、はいれない道があって。神社とかあってそういうものと絡めていくと、すごい地域づくりにはなる。

(市)オープンガーデンというのは、流山で大々的にしていて、コンテストみたいなものをやっている。看板を出すことによって、入りづらくなくする。コミュニケーションとしては、看板一つで、よくなる。

(委員)オープンガーデンするには見る方のマナーが大切で、その辺の教育が必要。また、だれか、代表者をつくり、ルールとかいろいろな資料をつくる必要がある。北海道では、イエロ-ブックというものを作っている。

(委員)見学料をとることによってある程度フィルタリングすることもできる。

5.オープンスペースプロジェクトについて

(委員)前向きでいい取り組みではないかと思う。是非、取り組んで、いいものに育てていけたらいい。名前をもう少しかえたらどうか。オープンスペースプロジェクトでは、何も語っていないと思う。もう少しキャッチーなタイトルにするといい。