平成20年度第2回柏市緑政審議会会議録

1 開催日時

平成20年11月25日(火) 午前10時00分~午後12時00分

2 開催場所

介護予防センターいきいきプラザ研修室(2)

3 出席者

(委員)

石井委員、猪又委員、大森委員、小野委員、小松委員、坂巻委員、佐藤委員、杉野委員、高橋委員、武田委員、那須委員、根本(一)委員、根本(利)委員、森委員、山田(保)委員、山木委員

(事務局)

都市緑政部長 小林

都市緑政部次長 海保

公園緑政課:課長 南條、副参事 岡田、主幹 酒井、副主幹 今井、大山、田村、小池、細江

公園管理課:課長 森山、副参事 川井、主幹 吉井

財団法人みどりの基金:主幹 鈴木

株式会社LAU公共施設研究所:牧野

4 議題

(1)緑の基本計画(素案)について

(2)今後のスケジュールについて

(3)その他

特別緑地保全地区の都市計画決定について等

5 議事(要旨)

(1)緑の基本計画(素案)について

会長:まず「第一部緑の基本計画編」についてご意見を頂きたい。緑の将来像では「水と緑豊かなまち」と謳われている。これは自然の保全と捉えられる。素案の中では「低炭素社会、循環型社会、自然共生社会づくり」の順で記載されているが、低炭素社会、循環型社会はスケールの大きい話なので、自然共生を前面に出したらどうか。また、緑という文言が前面に出ているが、自然資源や水を文章の中に入れたほうが良い。

事務局:根本的な考えとしては自然共生社会づくりが基本であるので再検討したい。水や自然資源についても、もう少し文章中に取り入れていきたい。

会長:柏市が位置する下総台地は水が豊かであり、特に諸外国に比べ湧水が豊かであることに特徴がある。したがって、水と緑の豊かなまちづくりをタイトルだけでなく文章中にも意識的に入れたほうが良い。

委員:緑は50年、100年かかって形成されていくが、長期の視点が欠けているのではないか。長期視点のもとに取り組むものとして、地球環境、人口減少、地形の保全等がある。地球環境に対しては「新たな森づくり」を重要な項目として記載したほうが良い。人口減に対しては「質の高い緑を次世代に引き継ぎます」といった項目を入れて、生物多様性、ビオトープをもう少しはっきりと示したり、環境共生型の田んぼである「ふゆみずたんぼ」という取り組みを緑サイドから提案したらどうか。地形の保全に対しては、千葉県の特徴的な谷津の地形を保全することが大切である。湧水も地形を守ることで保全ができる。

緑の拠点にフィッシングセンターが入っていないのはなぜか。また、斜面林の保全について、森林法による保安林の指定検討はできないのか。農のあるまちづくり、アグリビジネスパークとあるが、「努めます」だと弱い。ぜひ早期実現して欲しい。また、他の自治体では剪定枝の処理に粉砕機の貸し出しを行っているところもある。粉砕機の貸し出しはできないのか。

委員:緑の評価をもうちょっと強調しても良い。また、課題がきれいごとにまとめられているような感じをうける。開発によって緑が伐採されてなくなることが最近非常に多くなっているので、その事実に対しどのように対策をしていくか解決策に触れていく必要がある。

会長:林や畑が宅地化されていくなかで、市としてどういう対策をとるかという記載が本来あるべきである。

委員:湧水は周りの地形があって湧き出てくるものであるから雨水や地形を一体として考えていく必要がある。また、文言で統一されていない部分を統一してほしい。

未利用地の活用が一時的なものでよいのか。多くは個人財産である。将来的に柏市はどういうスタンスで公有地化を進めていくのか。

事務局:語句の言い回しはまだ統一できていないので、これから整理していきたい。未利用地の暫定利用は、従来の考え方を転換して新しい施策として取り入れた。また、斜面林については市が買い上げて保全するのは難しいので、今の時代背景とリンクさせながら企業に買い取りや管理を担ってもらう制度を検討していきたい。

会長:ネーミングライツの発想を取り入れたり、ナショナルトラストの設立を検討してみたらどうか。

委員:施策を推進していくためには、土地所有者を無視して出来ない。里山活動協定のようなかたちで市が潤滑油になってもらわないと緑地保全は難しい。市のスタンスとして土地所有者にどのような同意を求めていくのか。

事務局:市の所有は限られているので、今後は所有者の方が出来るだけ長く持って頂くことに力を入れていきたい。里山活動協定のような土地所有者とボランティアの方の仲立ちを市が行う取り組みを今後推進していきたい。

委員:分譲地になると駐車場スペースもぎりぎりで緑地はゼロになってしまう。道路から何メートルかはセットバックして緑を作って欲しい。

委員:相続税は土地所有者だけでなく、保全したい一般市民も相続税軽減をお願いするといった姿勢が必要だろう。例えばハワイは、道路から8メートル以内は宅地を作らせないといった取り組みをしている。そういった取り組みができないか。

委員:市民に緑の大切さを認識して頂き、緑保全の意識を高めて市民公募債を推進するなど、財源確保をもう少し重視したらどうか。

委員:公募債権を発行すると借金になってしまうので、それよりもナショナルトラストを進め寄付を募るほうが良い。

前回の計画では、利根リバーフロント計画が明記されていたがその計画はもうなくなっているのか。また、手賀沼沿いの斜面林については明記されているが、利根運河は明記しないのか。

事務局:利根リバーフロント計画の昔の計画は河川敷とその周辺をゴルフ場を含むスポーツ公園とする計画であったが、スポーツ公園以外の計画は残っている。利根運河は国と3市合同で利根運河エコパーク構想を現在推進しており、柏市でも骨格の緑として計画に記載している。

会長:今回の計画は緑の回廊の思想が強く出ていない。あたりまえのことであるが、常に意識して拠点の緑をつないでいくことは大事な視点である。柏は手賀沼を基準にして、北部・中部・南部をそれぞれ河川でつなぐことができる。この部分は回廊として残したほうが良いというところを打ち出したほうが良い。

事務局:緑の回廊の考え方は重要視はしているが、具体の明記が弱いので、もう少し強く打ち出していきたい。

委員:大堀川を散歩をしていると河川敷がアレチウリ、オオブタクサなど、帰化植物の天下になっていて見苦しいと感じる。大堀川をススキなどの在来植生に戻したくて識者に相談したところ、5年間ほったらかしておけば在来植生に戻っていくが、その前に草刈をしてしまうので帰化植物が繁茂してしまうと言っていた。

委員:計画書の中の写真がきれいである。これをもっとPRするために柏駅前や高島屋のプロムナードに展示できないか。そうすれば、市民に自分の家の周辺以外についても知ってもらうことができるだろう。

委員:市がコーディネートしていく大切さを感じている。特に次の担い手づくりは重要である。子供たちが小学校ぐらいのときに、緑のボランティア体験をしたり環境教育をしたりして、次の担い手を作っていくことが大切である。大好きな柏をみんなでつくろうという考え方が計画に入ってくれば、もっとあたたかい計画書になると思う。

委員:沼南の東部地区は緑が多いが、すべて市街化調整区域でまちづくりから見放されている場所である。そういう見放された場所では、住民が土地を守ることに精神的に疲れている。まちづくり全体の中で、この場所の重要性をアピールして土地を守るモチベーションをあげてほしい。

会長:第2部を含めた意見を頂きたい。崖や大地の部分は緑にとっても非常に重要である。柏の標高32m地点はどこにあるのか。このあたりは丁寧に書いたほうが良い。読んでもらうこと自体が市の緑を理解してもらううえで重要なので、ちゃんと書いて欲しい。湧水、水質も自然資源として大事である。

事務局:この部分については、内容を充実させるようにしていきたい。

委員:生垣の助成金を利用したり、屋上の緑化のような小さなことの積み重ねが市民にできるのではないか。

委員:柏市北部に雨水調整池とあるが、利根川が氾濫しないための遊水地であるので、雨水調整池という書き方は本来の目的と少し違うと思う。

委員:子供たちの参加できるイベントが少ない。子供が参加できるイベントや環境を市で作って欲しい。

会長:この計画は最終的に市議会にかけるのか

事務局:緑政審議会の諮問をもって計画の策定となる。

(2)今後のスケジュールについて

パブリックコメントを12月10日から1月7日まで実施する。その後2月に策定委員会、緑政審議会を開催する予定。

(3)その他

特別緑地保全地区の都市計画決定について等

6 傍聴

傍聴者 2名