平成23年度第1回柏市公設総合地方卸売市場運営審議会議事録

1 開催日時

平成23年11月7日(月曜日) 午前10時00分~午前11時40分

2 開催場所

柏市柏五丁目10番1号

柏市役所本庁舎5階 第5、第6委員会室

3 出席者

【委員】

岸会長、小山副会長、山中委員、田中委員、相馬委員、中居委員、小山内委員、松本委員、三好委員、高梨委員、沼澤委員、海老原委員

【事務局】

上野(経済産業部長)、栗原(公設市場長)、加藤(市場整備課長)、西村(公設市場副参事)、 中山(公設市場副主幹)、野口 (公設市場副主幹)、熊井(市場整備課主幹)、岸本(市場整備課主幹)、染谷(市場整備課主査)、渡邉(市場整備課主任)

4 議事

●市場取引委員会の委員の選任

 市場取引委員会について1名の欠員が生じていたことから岸会長の委員指名により次のとおりとする。

 新任委員 小山内委員

5 報告

●柏市公設総合地方卸売市場再整備計画見直しに関する報告

(事務局)再整備計画見直しに関して資料に基づき説明

 公設市場の移転は断念し、今後は場内事業者の方々の意向や市の財政状況を見極めながら、老朽化した施設の耐震性の確保や改修など、現市場での整備を計画的に取組む方針としたことについて説明。

質疑応答

(委員)資料の開設者の状況について、特別会計の状況は、形式収支でわかるのですが、一般会計からの繰入金がどのようになっているのか。一般会計からの繰入れは、本来的な意味では赤字なんです。赤字だったら、一般会計の繰入れをこの資料に出すべきと思う。市場会計は、受益者負担の原則に基づいている訳ですので、そいう面では、一般会計からの繰入れというのは、不足分を補填するという意味を持っていますから、繰入金について教えていただきたい。

(事務局)柏市場概要の13ページに決算状況の推移のところに開設以来の歳入、歳出に関する収支状況を掲載させていただいております。本来であれば、繰入金を含めた収支のわかる内容を資料として、掲載すべきだったと思いますが、今ご覧いただいております柏市場概要で判断していただきたいと思います。

(事務局)補足しますが、平成19年前は、億単位の繰入れだったんですが、19年から減っております。実際には、平成17年度に運営審議会から移転整備という答申が出ておりまして、柏市は大きく移転整備に舵を切りました。それまで、現市場は、移転してやるということで、整備らしい整備はしておりませんでした。繰入金のルールで整備費の2分の1を繰入金に算入するということがなくなり、極端に落ちたと思います。これから、現市場でいろんな整備をやっていきますので、繰入金が増加すると思われます。

(委員)先程、説明いただきました。柏市場再整備の方向のところの3.で、現在検討している移転整備について、本年2月に水産仲卸と関連事業者の2組合から、云々と書いてありますが、差し支えなければ疑問や反対意見がどいう内容か伺いたいと思います。

(事務局)移転整備となりますと設備投資が必要になるため、現在の取扱高が減少しているなかで、設備投資が厳しい状況であるということ。また、松戸市北部市場との統合で話しを進めて参りましたが、不透明な状況であるということ。それから、移転先の市場の形が悪いということで、諸手を上げて賛成できないということでした。また、見直しのなかで、耐震性が不足しているということがありまして、耐震性を優先的に取り組む必要があるのではないかという意見などがありました。

(議長)市場の形が悪いということは、設計の形ですか。

(事務局)移転先の市場用地は、大きな道路が真ん中に入っており、大きな道路に隔てられて一部が分断されているということで、形が悪いという意見がありました。

(委員)PFIについては、公設の地方卸売市場の実績は1件もないですが、中央卸売市場では、神戸の卸売市場がPFIをやっている実績が1件あると思いますが。

(事務局)移転整備ということで、公設市場と民間の収益事業を建築とその後の運営まで、一体的に行うということでの事例がないとういことです。神戸の事例はあります。内容が違うものですから、今回の計画に見合うような事例がなかったということです。

(委員)前向きな話しがなくて、後ろ向きな話しばかりで残念の一言です。これからの新しい時代は、若い人に夢と希望が持てる市場づくりが一番大事なことなんです。柏市場は、その点が欠けている。それから、新しい時代に対応できるような市場づくりという観点からも、現地再整備は、過去の例からもお金と時間も移転より相当かかる事例がある。現地の再整備は、時間とお金がかかるということを申し上げたい。もう一つは、この資料の東日本大震災後の取扱高状況で、大震災の後は、日本だけでなく、世界全体がこのような状況におかれており、あまり参考にならない。この資料に書くということは、問題であると思う。

(事務局)老朽化した施設を再整備するということは、大変困難だと思います。特に市場につきましては、営業を続けながら、しかも生鮮食料品を取扱いますので、衛生面に配慮しながらの再整備になると思います。

 今後、再整備を効率的にできるか、活性化に向けた施設整備ができるか。我々だけでは、当然できませんので、場内事業者さんとお話しさせていただき計画的に目指す方向を決めて行きたいと思います。それから、取扱高の状況ですが、日本全国どの市場も厳しい状況が見受けられています。取扱量をどのように上げていくのか、松戸市北部市場の統合についてどのように取り組んでいくのか、今後考えて行かなければならないと思っています。

(委員)毎年、卸会社の売上げが落ちていくということは、市場の家賃収入や売上げ高割の収入がどんどん落ちていくということです。このまま売上げが低下して収入が減っていくなかで、果たして、50年後、100年後営業できるのか非常に疑問が生まれます。この資料の各整備手法の概算事業費で、柏市の出費が移転整備で41億円、現地改修で20億円差し引き21億円です。21億円の投資を惜しんで、我々の卸売業者が売上げを大きく増やすチャンスをなくしてしまって、果たして柏市場が存続できるのか、非常に心配しています。確かに21億円が大事かもしれませんが、後々、市場の収支が悪化する状況になると思います。私ども花き部は、柏市場に平成18年に来た理由は、移転再整備で売上げ増の可能性があったからです。特に松戸の青果部門との合併は、大きなビジネスチャンスを含む話しでしたので、花き部として現地再整備より、多少の投資の額が大きくなりますが、移転再整備して、青果部門が合併して市場全体で売上げを伸ばすということで、投資をぺイしていくような前向きな考え方を卸として希望しております。

(委員)残念なことに、移転しないで現地の再整備という形に決まったわけですが、これから、柏市場の施設整備だけでも大変な金額が生じるであろうと懸念されます。また、市場自体が大変厳しい状況にどんどん入り込んでいること。このような状況のなかで、活性化を図っていかないと20年、30年後の柏市場がどうなるのか心配です。青果の方も松戸との統合という話しのなかで、何とか活性化を図って柏市場を持ち上げていこうという考えできたわけですが、いろいろな事情があって話しが進まない状況になっています。これからは、スピード感を持って、少なくとも5から10年の間で、柏市場の整備を図っていかないと、一般買受人、ましては松戸の青果の部分についても話しが進まないような感じがします。スピード感と柏市場の運営に強い意志を持って取り組んでいただきたい。柏市場に入っている業者は、もう1回建て直しをするという考えであり、早いうちにいろいろな企画を出していただき、我々もできるだけ協力していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

(委員)私たちは、産地市場と集荷市場を抱えております。産地市場は、非常に取扱い量も厳しく、仲買の高齢化などがあり、市場の統合、品揃え、仲買が買いやすい市場にするという問題に取り組んでいます。柏市場は、どれくらいの取扱いをするのか、当然まわりの市場がありますが、どいう位置づけにするのか、それに対して運営できる、できないがあると思いますが、活性化の具体的な新しい方向を見出す必要があると感じます。

(委員)移転計画が破綻したということは、消費者として残念に思います。整備手法のなかで、移転の場合、4年から5年で終わる。借金が増えたとしても将来を見た場合にここでけちるということが正しいのか疑問に思います。改修計画で、5年から10年という期間は、借金を返す期間か、それとも20億円を使い切る期間か説明してください。

(事務局)この表の事業期間につきましては、工事の期間としてとらえていただきたいと思います。

(委員)市場外流通が増えて市場扱いが減っているのは、柏だけじゃなくて、全国全部がそいう傾向であり、そいうなかで、新しく建て直す、移転するという状況ではないと思います。先程からお金を投資してもいいんじゃないかという意見がありましたが、柏市の財政状況を見れば41億円にしても109億円にしてもここでかける必要がないと思います。大震災の影響もありますので、もう少し状況を見るということも必要と思います。この再整備の方向案については、仕方がないと思いますしベストではなく、ベターだと思います。

(委員)議会に請願があがりました。水産仲卸の方や場内事業者の組合の方から請願があがったんですけども、よくよく見ますと移転整備、即反対ということではなかったと私たちは思っていたんです。現状が厳しい経営のなかで、いろんな意味で市から援助していただきたいととりました。この資料に請願が一つの要因になっていると書いてありますが、そのようには思っておりません。市が最終的に判断したことであり、これ進むも厳しい、退くも厳しいだろうと私たちは、見ています。移転することによって、柏市の生鮮食料品が伸びていくのか、それとも移転しないで、生鮮食料品から撤退する。どちらかだろうと申し上げてきたつもりです。市が決断を下したことで、いろんな問題が生じております。それを一つ一つ解決していただきたいと考えております。

(委員)市場関係者、特に場内事業者が市場運営するわけですから、事業者の方の意見をしっかりと集約していただきたいと思います。事業者が運営しやすいということが一番市場整備の目玉になると思います。青果、水産、花きそれぞれの事業者の意見を集約していただいて、いい方向に導いていただきたい。

(委員)私自身は、このように思っております。水産、花き、青果にいたっては、できるだけ出たい、早く新しいところへ行きたいと思っている。それに付随する仲卸さんたちも、「どうでもいいや」資本金さえ少し助けてもらえば出たいというなかで、この移転整備を没にしたということは、この審議会をないがしろにしていると思っている。私は、できれば移転整備をさらに進めていただきたい。

(委員)改修計画の20億円なんですが、実際、川崎南部市場の改修された施設と金額を見ますと、柏市場が20億円では済まないような実感です。

 一般会計からの繰入れの赤字部分をどのように解消していくかという課題があると思います。たとえば、指定管理者制度を導入する意志があるのか、民営市場化の方向性を追求するのか、さまざまな方式があると思いますが、そのような方式を導入する考えがあるのか伺いたい。

 松戸の統合の問題ですが、市場としての統合か、それとも業者の吸収統合か、どちらかによって状況が全然変わってくると思います。以上3点お願いします。

(事務局)PFI方式につきましては、提案された内容を検討し、施設を建設、運営までも一体的に行い、その後市場施設を柏市の方へいただくような方式を考えておりました。PFI事業の成立性があるかどうか、市の財政をどれくらい削減できるのか、検討していくということで、具体的に指定管理者を含めた検討までは、つめていなかった。

 それから、改修の費用ですが、20億円は、概算の事業費を出した関係で、おっしゃるとおり20億円でおさまるのかという疑問があると思いますが、今後、市の財源を考慮しながら市場運営の事業費などを踏まえて改修をさせていただきたいと考えております。

 松戸市北部市場との統合につきましては、県の第9次の市場整備計画に、柏市場の方向性が決まったら正式に作成するという話しをいただいております。県には、松戸市の北部市場との統合につきましては、基本的な統合について協議をしていくということで説明しております。松戸市の意向や場内事業者の意向を踏まえたうえでの結論となりますので、すべての統合になるのか、一部の統合になるのか、今後の協議ということになっております。

(委員)松戸市との統合をするのであれば、松戸市と柏市の間で、費用負担という問題を含めた協議が必要と思います。業者同士の統合であればいいんですが。柏市は、地域拠点型市場に位置づけられており、柏市だけが費用負担していていいのかという疑問があります。農水省の方針では、地域拠点市場をやれと言いますが、費用負担を周辺から分担してもらえるという議論はないんです。柏市だけが、負担しなければならないのかという議論があると思いますが。

(事務局)統合すると、双方の費用負担というのが発生すると思います。我々もすべて統合で費用負担するのかという問題も生じてきますので、松戸市と卸売会社とつめていきたいと考えております。

(議長)以上で本日の審議会を終了します。

6 傍聴者

(1)傍聴者

   2人

(2)傍聴の状況

   傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。

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