平成22年度第1回柏市公設総合地方卸売市場運営審議会

1 開催日時

平成22年8月26日(木曜日)午後1時30分~午後3時20分

2 開催場所

柏市柏五丁目10番1号

柏市役所第二庁舎5階 第5、第6委員会室

3 出席者

委員

山中委員、中沢委員、田中委員、岸委員、兼坂委員、杉山委員、西山委員、中井委員、平井委員、杉田委員、小山委員、松本委員、高野委員、稲橋委員、浅野委員、小林委員、染谷委員、三好委員、石橋委員、染谷委員、米村委員、今津委員、高梨委員、沼澤委員、海老原委員

事務局

上野(経済産業部長)、斉藤(経済産業部次長兼市場長)、加藤(市場整備課長)、國井(市場整備課副参事)、太田(市場整備課副主幹)、岸本(企画調整課主幹)、中山(公設市場副主幹)、野口(公設市場副主幹)

4 議事

・会長の選出

委員の互選により会長に岸委員が選出された。

・副会長の選出

委員の互選により副会長に小山委員が選出された。

・市場取引委員会の設置(委員の指名)

柏市公設総合地方卸売市場運営審議会条例の第6条の2で規定している市場取引委員会について、岸会長の委員指名により市場取引委員会委員11名が次のとおり選出された。

岸委員、中居委員、杉田委員、小山委員、松本委員、高野委員、稲橋委員、浅野委員、小林委員、染谷委員、三好委員 

5 報告

  • 委託手数料の率について
  • 市場の再整備計画の見直し業務について

報告・質疑等

◆委託手数料の率について

(事務局)平成20年8月に当審議会で審議された委託手数料の額の変更に係る条例改正について、その概要とその後の経過を報告。

卸売会社が生産者からいただく手数料の額を従前は条例で定めていたものを、弾力的な運用として条例改正し、卸売会社が事前の届出をもって、委託手数料の額を定めるものとした。

委託手数料新旧対照表のとおり条例改正を行い、平成21年4月1日から委託手数料を事前の届出による額として変更した。

質疑なし

◆市場の再整備計画の見直し業務について

(事務局)再整備計画の見直しについての資料より項目1の移転再整備の必要性から説明。

施設の老朽化、狭隘化、さらには取扱高が減少傾向として、平成  14年7月に当時の市長から市場再整備について当審議会に諮問。

平成17年1月に答申。移転して整備することが有効な方策であるとして、公設市場の移転再整備計画がスタート。

現市場は車両の動線や荷捌きの不便さ、施設の低温化などに対応しておらず、暑い時期の生鮮商品の荷が安全信用を保てる状況でない。建替え又は大規模な修繕で再整備となると、工事期間が長く、コストもそれなりにかかってしまう。また住宅地に隣接している関係から、長時間の営業やトラックの出入も多く、それらの対応も新市場に移転すれば解消される。

新市場では隣接地に民間の加工場や物流倉庫などが設置され、市場関連施設の整備が整って、市場が活性し、経済の活性に繋がるという期待が込められている。

現市場の土地を売却すれば、移転整備費用に当てることもでき、柏キャンパス駅から約10分程度の至近距離にあるので、跡地は有効利用ができ、税収面での効果も上がる。

また松戸の北部市場との統合により、より市場の取扱量が増え拠点市場という位置づけができ、広大な市場を運営できるとして移転再整備の準備を進めてきた。

項目2で移転整備にあたって3原則を設定。

新市場の施設の土地購入にかかる経費は、現市場の土地の売却益、それと国の交付金で賄う。

ランニングコストで人件費や修繕費用は公設市場の特別会計により賄っていく。自立経営を図る。

柏の葉キャンパス駅から近く、柏インターからも近いという立地面から、跡地利用は有効利用を図っていく。

項目3の新市場の位置付けとして、水産は現在でも県内でトップの取扱高があり、松戸の北部市場との統合を含め、青果、水産、花きをメインとした総合卸売市場としてスケールメリットを図りながら、地域拠点市場として大きくし再生を図ることを目標としている。

施設の建設、管理運営方法について、民間活力を活かすとしてPFIによる整備手法も検討する。

項目4の目標取扱額は、青果400億、水産300億、花き20億で全体で720億で目標数値を設定。

この目標設定額の理由は、規模が拡大し施設も低温管理により大型施設となることから、大きなロットで集荷対応ができ、量販店対応もでき、周辺施設の関連施設が整えば、それなりの出荷が見込める。

しかし、この目標高は現状では非常に厳しい状況。

項目5の移転候補地は柏市大青田地先。

合計11haの用地で、その中に水産棟、青果棟、花き棟、関連棟・管理センター棟の4棟が建築予定。

施設面積は5.2ha、全体で30haの土地が市場移転を前提に区画整理事業を計画している場所。

項目6のなぜ計画を見直すのかについては、現市場の売却予定を約84億円で想定していたものが、地価が下落しており、国の交付金を予測して計画を立てていたが、政権交代等により交付金の行方が難しい状況にある。

また場内業者が移転して設備投資し、取扱高を生み出すというのは現実的にどうなのか意見が分かれている。

こうした状況から計画を見直し、移転で進めてきた再整備手法について、現地での建替えや修繕による再整備メニューも検討し資金面や事業者の意向を踏まえた上で、いずれの再整備が無理のない計画であるかを見極めようとするものです。

項目7の見直しの主な視点で大きく5つある。

現市場施設の老朽化・耐震性はどうなっているのか、もし修繕した場合どうなのか、調査し把握し検証する。

移転あるいは修繕それぞれに資金計画、スケジュール的なもの、具体的作業面の内容を検証する。

場内業者の将来の意向・経営状況などを聞いて、今後の見通し、後継者の問題など、どのように考えているのか把握する。

特別会計で独立採算制といっても、再整備については一般会計からの繰入も必要となってくるので、市民の方に理解を得られるものとなるのか検証する。

再整備することで市場の活性化につながるものとなるよう、事例やアイデアなどを収集し、メニューを揃えている。

項目8の見直し業務のスケジュールで、今回建物の老朽化や耐震性といった専門的な技術、作業を伴うことから、業務の一部を委託して作業を進めている。

6月~9月の期間で老朽化・耐震性がどうなのかなど洗い出している。

場内事業者に7月はじめに説明会を行い、その際にアンケートを配り、その後にヒアリングを行い、経営状況、移転に対する意見、活性化の方策などを聞いた。

貢献度ということで、市内にどれだけ商品を出しているのか、荷をどれだけ入れているのか、生産者がどれだけいるのか、話を聞いて基礎データを収集している。

これらの作業を行い検証をかけて、再整備の方向として、11月中には移転するのかしないのか、結論をだして公表していきたい。

その方向性、方針を3月までにとりまとめ、次年度以降の具体的な作業に入っていく予定。

審議会にはこの見直し作業の結果が出たら、ご報告させていただきます。

質疑応答

(委員)三原則はずっと続いていく三原則なのか。

132億円の土地購入費はどれぐらい見込んでいたのか。それは現地の売却代金で見込まなければならないものなのかどうなのか。

建替え修繕の場合、資金手当てはどんなことを考えているのか。

(事務局)基本はこの三原則は今も貫いているという考え。

移転の際には売却益をあてる計画はあるが、現市場でやる場合には他の特定財源的なものが見込めない状況です。

原則は貫いていけるように極力いい答えを出していきたい。

移転にかかる費用で、5haを用地取得し、残り6haは地権者から定期借地でお願いできないか考えている。

その中で52,000平方メートルの建設費用は約95億、用地費用は28億を見込んでおり、諸経費や現市場の解体費用等を含めて、全体で132億で予定をしていた。

売却益が84億は現状ではかなり無理なところで、修繕となった場合は土地売却益は見込めず、建設費など、どの程度の費用が捻出できるのか非常に厳しい状況です。

低温化施設、高機能化施設といった場合には、ある程度の交付金を見込めるところもあるが、未だ不透明な面もあり、収入支出の関係は、老朽化の調査を受けて検証した段階で算出していく考えで、現段階でどのぐらいの費用となるかは、説明ができない状況です。

(委員)取得する費用は市の恒久財産になり、売却代金の中から取得するという考え方をとり続ける必要はないのではないか。

市場の運営費の中から返していくので、売却益で用地取得費を生み出さなければならないというのはどうか。

(事務局)これまで市場会計において、一般会計からの繰入金として約100億近い金額が入っており、土地・建物という資産価値を持っているので、移転に対しての新しい用地購入については、その辺の考え方も訴え掛けていきたい。

(委員)平成17年1月に審議会の答申後に審議会はあったのか。あったならば、17年1月の答申を受けた審議会は、その後にどういう議論をされたのか。

(事務局)平成17年1月に答申をいただき、移転整備の計画をスタートした関係もあり、平成20年8月に公設市場の長期整備の概要として審議会に移転整備の説明をしている。

(議長)審議会に説明した以外に市としてはどのようなことをやっていたのか、経緯を話してほしい。

(事務局)長期の整備基本計画を平成18年3月に策定。

平成18年9月から再整備検討委員会を設置して、11回開催。

19年6月、移転先が土地区画整理事業ということで、柏インター第3地区土地区画整理組合の準備会が結成されている。

19年8月、再整備計画の検討委員会の報告をまとめている。

20年3月に土地区画整理組合の準備会へ11haの用地確保をお願いしている。

その後地元説明会などで地権者へお願いしている状況。

秋山市長就任後、見直しとして方針を変えたこともあり、平成22年1月、場内業者の方に見直しに至る経過を説明した。

今年の7月にその見直しに伴う作業のお願いで、説明会を開催し再整備計画の意向などをアンケートした。

7月後半から場内事業者に個々に約1時間程度時間をかけて話を聞いた。

(議長)資料3項目8の見直し業務スケジュールの中で今後の審議会の中で報告などは今後いつの機会になるのか。

(事務局)今年度内に見直し業務を完了させ、3月末までにまとめる予定。3月以降に報告書ができたときに再度状況説明、報告いたします。

(委員)再整備メニューで移転、建替え、修繕という3つの方向性が示されており、行政の流れは移転ありきで議論がされていて、ここにいくつか計画を見直す点があげられているが、それ以外にどのようなことを観点に移転なのか、現地の建替えなのか、修繕なのかを判断していこうとしているのか。

(事務局)基本的にはこの審議会で答申を受けた内容を貫けるかどうかが根底にある。

その場合に資金面が一番厳しくなっているので、それが成り立つかどうか、その観点からあたっている。移転は無理でも現市場でやっていくといった場合、一般会計からの繰入も想定する事態も考えられる。

どう市民に説明していくか、その際に市場の貢献度なども必要となってくるし、ご意見があった資産形成といった観点から説明していくこともあると思う。

(委員)青果、水産の売上げが毎年落ちているが市民生活にどんな影響があるのか何も感じられない。本質は市場が市民生活にとって本当にどれだけ必要なのか、どう説明してどう市民に理解してもらうかが問題だと思う。

市場の関係者の方がどうしていきたいのか、そこを整理して議論されているのか。市場関係者の方がどう考え何をしたいのか、この審議会の中で議論されなければおかしいと思う。

市場の方から市民の方に市場がどれだけ重要なものなのか、どうしていくべきなのか理論立てをしていただければと思った。

(委員)花き部場内事業者として一言意見を言わせてもらいます。

平成18年に入場し、花き部は当時7億ちょっとしかなかった売上げが、平成18年には対前年度比で150%ほどのV字回復となり、柏市には貢献できていると思っている。

柏市場は水産、青果、花き、この3本柱がしっかりしている恵まれた卸売公設市場という認識を持っている。

東京からわざわざ荷物を持ってきて物流コストを上乗せして販売するよりは、柏市場に荷をおろし安心安全なものを柏市民に提供できている。

長年培ってきた恵まれた環境なので、みんなで意見を出し合っていい市場にしていくのが一番大事なことではないか。

移転ありきで来てくれといわれたので、移転整備を当時の約束に従って進めていただきたい。

(委員)魚の場内業者として意見させていただきます。

安心安全、そして新鮮な魚を消費者に届けることが、一番の基本的考えであると思っている。

水産物に関しては県内で1番の扱いであり、柏市の状況を考えた場合、まだまだ発展する地域である。

安全安心な商品を消費者みなさまに届けるには、非常に問題がある施設であると考えており、そのためには再整備ということで、知恵を出して新しいところに移転して、時代にあった設備として仕事をしていくことが、われわれの取組であると考えている。

(委員)青果部の場内業者です。

松戸北部市場の青果との統合ということで、千葉県の東葛地域に拠点市場として、柏卸売市場が第8次計画に則っていろいろと整備すると聞いている。

安心で安全というコールドチェーン化については、機能のない設備の中で何とかしのいでおり、新市場ありきで、いろいろな機能を持った整備された市場を目指して営業に努力している。

新市場の整備により、市場として大きな規模になっていくと思う。

(委員)取扱高を見ていくと年々減少傾向にある。この減少傾向の原因は何なのか。設備が老朽化して、他の公設市場と比べて魅力がないのか。あるいは市場が小さくて取り扱い品目が少なくて、それが原因となってこのような現象が発生してしまっているのか。

市場を新設して最新設備を使うことにより、魅力ある市場となるように取扱高が増えるんだということなのか。市場の使命が小さくなってきているのかもしれない。

だからこれだけのお金を柏市として投資する価値があるんだということになればいいと思う。

(事務局)報告書の中に最終的にまとめあげていく形になるが、審議会の答申の中にあるように、民間活力の導入のところで、「柏市として今後も市場整備について一定の関与を行っていくことは、卸売市場の持つ公共・公益性、産業支援の面からも必要と考えられる。しかし、施設の再整備に要する経費を市が全面的に負担することは適切ではない。」と書いてあるとおり、こういう観点で進めている。

市場経由率で6割は全体の流通経路の中で重要な役割を担っている。

市としても大きく産業支援、経済活性化といった面からも重要な施設である。今でも3百数十億の卸から仲卸に販売する金額がある。

経済効果は非常にあるものとして、柏市に与える貢献度も見ながら説明していければとして準備をしている。

(議長)この次の審議会はいつごろになる予定か。

再整備の方向とかを委員に知らせていただけるのが良い。

(事務局)途中経過を報告する方法については、極力ご連絡できる体制をとっていきたい。

11月に方向性を出すということは、平成23年度の予算に反映できるようにということで考えている。

(議長)以上で本日の審議会を終了いたします。

6 傍聴

(1) 傍聴者

8人

(2) 傍聴の状況

傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。

● 掲載資料

資料1 審議会次第(PDF形式:45KB)

資料2 再整備計画の見直し(PDF形式:691KB)

資料3 委託手数料新旧対照表(PDF形式:51KB)