平成20年度第2回柏市食育推進委員会 会議録

1 開催日時

平成20年12月18日(木) 午後1時30分~3時30分

2 開催場所

柏市高田362番地柏市農業協同組合 2階大会議室

3 出席者

(委員)

安藤委員、倉持委員、佐野委員、杉野委員、布施委員、寺田委員、永井委員、平井委員、矢部委員、油原委員、吉野委員 以上11名

(事務局)

浜田経済産業部長、木村保健福祉部長、秋山産業政策課長、土山農政課長、成嶋保健福祉総務課長、矢口学校保健課長、秋谷指導課長、食育推進合同事務局(村越、小河原、森、原田、増永、山中、麻生、計画策定業務支援事業者)

以上15名

4 開会

開会の宣言、資料確認後、事務局より訂正・補足事項の説明。

学校保健課:

・前回委員会中、市内学校給食における米類の地元産使用率に関する質問に対し、柏産が45%、その他55%との説明を行った。

・精査した結果を踏まえ、「市内全校の一日消費量30俵中、7俵が柏産、23俵が県内産」と訂正の旨、連絡を行った。

5 挨拶

開会にあたり会長から挨拶を行った。

6 議題

(1)柏市食育推進計画素案について

(2)重点プロジェクトについて

(3)その他

7 議事(要旨)

(1)事務局から「柏市食育推進計画素案について」を説明し、会長が委員に意見等を求めた。

副会長

・素案はあらゆる視点を網羅しておく必要があり、それが実際の行動や施策にもつながっていく。

・最近は賞味期限の過ぎた食べ物はすぐに捨てられてしまうが、それは重大な犯罪ではないだろうか。「食の品格」について、食育の中で考えるべきではないかと思う。

会長

・賞味期限が切れた食べ物がすぐに捨てられる事に多くの人が矛盾を感じていると思うが、「食の品格」の中にも食への不安に関する課題が含まれていると思う。

委員

・課題5に関する課題で、「子どもたちに食への感謝の気持ちを持ってほしいというニーズがある」とあるが、生産者としても本当にそう思う。

・物がすぐに捨てられてしまう事は生産者として非常に残念。食べ物の事を大切に思ってほしいが、それは単に知識を持つだけでなく、生産者がどれだけ苦労して育てたかを感じる事でもある。

・農業体験のような、子どもや大人に農業の現場を実際に見ていただく取り組みをぜひ素案に盛り込んでいただきたい。

委員

・食の安全については、「傷があったから安全・安心ではない」などと考えてしまう人が多い。

・農業体験について、たいていは収穫のみの体験と、結局はいいとこ取りになってしまっている。

・時には農家も農薬を使う事も知り、その上で自分にとって必要なものを選ぶという事を子どもの頃から学んでいくような食育にしなければいけない。

委員

・国主導で子どもの農村交流プロジェクトが今年から始まっていて、5年後までには全ての公立小学校で実施するという事だが、柏市の子ども達はこのプロジェクトにおいてどう関わってくるのか。地元で農家訪問をやってほしいが、あるいは柏市と全く異なる文化圏に行かせる事も有効だと思う。その辺の柏市としての方向性をお聞かせ願いたい。

事務局

・今年から農村・漁村体験を始めており、来年度は2校を予定。

・国の予算次第なので詳細は未定だが、1校は福島県で農業体験を行う予定。もう1校は田園部の小規模校なので漁村体験をしたいとの要望あり。中学校では長野県内で農業体験を行うなど、既に取り組みを進めている。

委員

・基本目標内の現状の数値(市民アンケート結果)について。1.の食育の内容理解率とは、何を持って理解していると判断しているのかといった、判定の基準がよく分からない。

事務局

・アンケートの質問文では「あなたは『食育』という言葉やその意味を知っていますか」と尋ね、その回答項目を「言葉の意味も知っている」、「言葉は知っているが意味は知らない」、「言葉も意味を知らない」と設定した。理解度については回答者各個人の自己評価に委ねている。

会長

・この数値は現状をどこまで上げられるか分からない状態で立てているものだから、無闇に全部の項目に対して数値目標を立てるのではなくて、もっと象徴的で数値を設定しやすい項目を絞って、みんなで協働するという事でいいと思う。

(2)事務局から「重点プロジェクトについて」を説明し、会長から各委員に意見等を求めた。

委員

・計画で挙げられている課題に対して、具体的にどこの部署が関わってくるのか。例えば、若年層や保護者の抱える問題に対する学校の関わり方や、一般市民に対する啓発の方法などについて、部署ごとの具体的な動きを明らかにする必要があると思う。

・市民の食や健康に対する関心の高め方はいくらでもあると思う。例えば教育委員会や農協ごとのアプローチの仕方が(明確に)できれば、柏市の食育計画における役割分担ができて、すごく効率的な進め方ができると思う。

・各部署が独立した取り組みを進めているようだと、他の動きがよく分からないままである。市民の方々に啓発するためには、今農協や学校などで何をやっているのかという事について整理した上で、どこと連携すればいいのかが分かり、より効率的な問題解決が図れると思う。

委員

・食に関するコーディネーターを地域に派遣したりすれば、安全面も含めた食育に関する取り組みがスムーズに進むと思う。

委員

・地産地消に関わる現場の方々や生産者との情報収集・意見交換の場から、もっと具体的な話が聞けると思う。

委員

・課題に対して理解はできるが、日々の農作業の中で、どのように食育に関わっていったらいいのかが分からない。

・健康推進委員や農協の方々がより高い問題意識を持てば全体のボトムアップが図れると思うので、その部分(役割や取り組み方)がもっと具体的に出ればよいのではないか。

会長

・基本理念である「野菜・朝食・柏産」についてはいかがだろうか。野菜が象徴として挙げられているところは良いと思うが、ただ、ここでの「食卓」が家庭に限定されていないだろうか。

委員

・事情によって親がご飯を作れない家庭もたくさんある。「家庭」という言葉を省き、「食卓から始まる市民の健康づくり」とした方がいいと思う。同様の事情から、子どもが食事をつくる術を身に付ける事もこれからの食育にはすごく大事だと思う。

会長

・「食の品格」という事は大事な提案であり、食は品格や文化であるという事から教えなければならない。これを含んだ形で計画をまとめていただきたい。

副会長

・基本理念の「家庭の食卓から始まる、健やかで元気なまち」についてだが、「『食べる』から始まる・・・」にした方が、計画の範囲に広がりが出ると思う。

・「お手軽親子料理づくりの推進」について、この取り組みはいい事だと思うが、もともと健全な対象者ばかりが集まり、狙いが外れてしまう事もある。子ども達を引き付けられるかどうかという疑問もあるので、この内容では欠食率ゼロという目標は難しい。本当の狙いへ届くような事業内容を再検討してほしい。

会長

・若い世代には、剥く手間が要らなかったり、ゴミがでにくい、食べやすい野菜・果物が優等生として人気がある。

委員

・親もそのように考えているようであり、家庭の食事事情との関係が深いようである。子どもを通じて親への食育を行いたいと考えているが、対象としたい親がなかなか会合に出てこない。

・子ども同士で誘い合って、取り組みに参加できるようになればいいと思う。

委員

・市民の中には、余りにも食品に対して無知と思われる方もいる。啓発を図る上で、やはり子どもの頃から食について教育する事が重要。

・施策の柱の「魅力的で安心な、地元の食材を味わう」の基本的な方向性で、「市民と事業者が、食の安全性と環境への配慮に対し、共に高め協力し合えるようにする」とあるが、「消費者と生産者」という視点で捉える場合もあると思う。(加工・流通・販売だけでなく)生産過程の事から取り組んでいく考えも必要と考える。

委員

・野菜を自分で育てるなどの実体験を多く提供すれば、子どもたちは親よりも野菜を大切にするようになる。

・プロジェクトの中で体験の機会を多くすれば、一般市民の理解も進むので、ユニークな企画が有効だと思う。

委員

・給食現場においても、柏で取れた野菜をできるだけ使いたいという考えがあり、また、それを子どもにアピールしていきたい。

委員

・親を動かす事は難しいが、子どもたちから先に教育して、その後の子どもの変化を通じて親が関心を持っていく事に繋げていけばよいのではないか。

・「レシピコンテスト」に子ども部門を設けてはどうか。

委員

・施策の柱である「魅力的で安心な、地元の食材を味わう」に関する取り組みで、地元の食材を扱っている飲食店にPRのためのステッカーを店内に貼ってもらう事もいいと思う。

委員

・家庭科の時間で、子ども達がグループで野菜料理のレシピを作り、それについて表彰を行うという事例がある。

・他にも、「野菜博士になろう」というクイズ的な催しを開いて、目標を達成した子どもにプリペイドカードをプレゼントするなどし、子どもたちのモチベーションを保つようにしている。

・食育の取り組みで取り残されているのが中学生から新社会人ぐらいの年代の人たちだと思うので、市全体で何らかの方法でアプローチできないか。

委員

・中学・高校生を対象にする事も考えていいと思う。

・廃棄対象の野菜を集めて特産品になるようなサラダドレッシングがつくれないか。

・「学校給食の定番メニュー化」に関連して、月1回は「柏の料理の日」を設けて、なるべく柏産の食物を使った給食を実施してはどうか。

・「かぶ」や「ほうれん草」は冬場が一番旬な時期であるが、冬場にPRイベントは行いにくいのではないだろうか。

・柏市は様々な野菜があるので、それらの活用・料理もできる。

会長

・柏産のサラダが有名になってくると、需要量によっては市外産野菜で代用しなければならなくなる課題も出てくるだろう。

・サラダを中心に据えつつも、柏市のより豊富な野菜に関する情報の共有もきちんとやってほしい。

・今まで柏市が東京などに野菜を出荷するなどして身に付けてきたパワーと地産地消はちょっと違うから、そういう新しいチャネルをつくる必要があると思う。

・サラダプロジェクトはせっかく立ち上げた事業であるから、これからどんどん大きくしていただきたい。

委員

・小松菜などの単価が非常に安く、ほとんど利益が出ない。

・系統外出荷の野菜は、直売所でならそれなりの値段で買ってもらえるので、生産者としてはありがたい。

委員

・柏市には野菜を育てる土地や農家や技術力がたくさんあるので、流通さえ確立されればみんな取り組んでくれると思う。

・農作業を手伝ってくれた子どもにエコマネーのような商品券を与えて、柏産の野菜を扱っているお店で買い物をできるようにしてはどうか。

会長

・計画が出来上がって具体的な行動になったときに、商工会議所の各部会を通じて広めていく事ができると思う。

・地産地消の一環として、地元産品の加工食品も製造・販売している。具体的には今後、100%柏産の米を使用したお酒を仕込む予定である。

委員

・千葉県は全国有数の農業県である事を子ども達にPRしている。また、学校では農家の方に来ていただいて校内放送や集会でお話をしていただくようにしているので、そういう意味では、子どもの方が地産地消の事を知っている。

会長

・柏市が新しい食物の発信基地になって、素晴らしい食物を広げていくべきだと思う。その辺の役割を主に担うのは商工会議所だと思う。

(3)その他

会長

・柏歯科医師会の食育に関する取り組みについて詳しくお聞かせ願いたいという要望が事務局からあったので、ご説明願いたい。

副会長

・「モーニングスローフード作戦」では子ども達にアンケートを取った結果、食事中の会話時間が長いほど楽しい会話ができていた事がわかった。またこの取組を通して、「早寝早起き」の必要性に対する自覚や理解を促す事もできた。

・介護予防事業の一環として口腔機能向上を行っている。飲む事が上手くできない人が多い事から、様々な予防的事業を展開している。

・食べ物を上手く飲み込めない未熟児や中途障害者などへの支援のために、「ごっくんちょ教室」という勉強会を開いている。他職種との連携がなければできない事業だと考えている。

会長

・今日の議論もこういう形にまとめていただいて、計画の素案に反映するかどうかを検討していただく事になる。

委員

・最近はサラダよりも煮野菜にする方が支持を集めているので、サラダがプロジェクトの中心になっているところについて、ちょっとどうかなと思った。

会長

・キーワードになっている野菜が全てではないと思うが、おそらくサラダが一番分かりやすいところだったのではないか。

委員

・給食で使う野菜は全て加熱するようにしていて、サラダに使う野菜も同様の処理をしている。だから、サラダでもいいのではないかと思う。

8 傍聴者

(1)人数

0人

9 次回開催日時

未定。会長と事務局にて別途調整。

以上