平成20年度第2回柏市産業振興会議会議録

1 開催日時

平成20年12月19日(金) 午後2時~午後4時

2 開催場所

柏市柏五丁目10番1号

柏市役所第2庁舎5階第5・第6委員会室

3 出席者

(委員)

髙辻会長、礒田副会長、畔髙委員、石澤委員、石戸委員、勝矢委員、中村委員、森委員、米村委員、池内委員、内田委員、佐藤委員(代理・清水)、久保委員 以上13名

(欠席委員:井上委員、木島委員、藤井委員、葛綿委員 以上4名)

(事務局)

浜田経済産業部長、日暮都市計画部長、伊藤経済産業部次長、結城都市計画部次長、秋山産業政策課長、後藤都市計画課長、山田区画整理課長、渡辺商工課副参事、渡邊市場整備室長、土山農政課長、斉藤市場長、福島主幹、村越主幹、寺嶋主査、森主査、小河原主任 以上16名

4 議 題

郊外における大型商業施設のあり方について

5 議事(要旨)

前回の会議での意見を3点にまとめて会長が報告した後、各委員に対し、意見等を求めた。

会議で表明された主な意見等は、次のとおり。

委員 大型商業施設について、沼南中央地区に関しては、合併時からのことであり理解するが、今後の市としての方向性を示す時期に来たのではないか。全国的にもいい街が急速に悪くなっており、柏駅前周辺でも地盤沈下が起こり得る。その場合、市にとっても大きなマイナスになる。都市計画マスタープランの中で、一定期間、大型店の出店を規制する結論付けが必要である。

委員 沼南中央地区について反対はしないが、工業用地を作ったが工業のテナントが来ないとか、商業施設を作ったが小売のテナントが入らないとなると大変なことになる。既に柏市内では、商業施設は充分間に合っている。今以上商圏が拡大することも考えにくい。遊戯施設等、街の中を補完できるような施設に切り替えるなどを考えたほうが良いのではないか。

会長 沼南中央地区については、反対と言うよりはむしろ市全体にとってうまく行く方法を考えていくべきとのことですね。

委員 柏の商工団体としては、「中心市街地活性化協議会の要望に賛同します。それを応援してください。」との要望を市に提出した。柏市全域で今後の郊外型の大型店出店について、凍結を支持するということが基本である。

沼南中央地区については、合併時の協定に盛り込まれているとのことから例外的に認めようとの考えである。商業施設の面積については、具体的な数値は掲げないが縮小を要望する。

委員 柏市では商業より農業の方が事業をやめていくスピードが速いのではないか。農業者は生産物の販路に困っている。今、直売所がブームになっており、後継者を育てるためにも地元生産物の販売場所として沼南中央地区の商業施設が活用できるのではないかと思う。

委員 利根の田中遊水地は北部の残したい景観としての意見が多いが、その中の農業者にとって農薬問題等がありコストの上昇など非常に厳しい環境になっているのが現状である。

国内の農産物が非常に注目を集めている中、農業の分野として沼南中央地区の商業施設の中で集客できる方法があるのではないか。生産から加工、販売まで一貫したものができるのであれば、周辺との連携で今までの郊外の商業施設とは違った方向が考えられるのではないかと思う。

会長 農商工の連携の方向で、中心部とは違った活かし方があるとのご意見です。郊外の大型店の立地に関して、事務局としてはどう考えていますか。

事務局 都市計画マスタープランでは、将来の都市構造を形成する拠点地区を設けることとしている。特に、沼南中央地区については、地域振興拠点地区として、商工業等の機能集積と農業との連携により地域活性化を促進すると位置付けしている。都市計画での手法としては、用途地域でいうと商業地域、近隣商業地域、準工業地域の三つの用途地域で、1万平米以上の大規模集客施設が立地可能な施設となっている。本来商業を誘導する観点からは、商業地域、近隣商業地域については大規模集客施設を制限することは難しい。しかし、準工業地域については、現行でも1万平米を超える大規模集客施設が立地可能であることから、今回の産業振興会議の意見を聴いて、準工業地域での大規模集客施設についての考え方を都市計画マスタープランに書き込むことも検討している。都市計画マスタープランは今年度末までに策定する予定であり、今後パブリックコメントの実施や都市計画審議会の意見を聞いて最終的にとりまとめることになる。

会長 昨年の11月から、1万平米を超える大規模集客施設は、商業地域、近隣商業地域、準工業地域の三つについては認めるが、準住居地域や2種住居地域では認められないという規制が入ってきた。

商業関係の委員からは、郊外出店については凍結をお願いしたいとの要望であったが、制度的な面では、1万平米以上のものは用途地域的にはかなり限定されていることになる。気になるのは準工業地域はどうなのかということである。

委員 根戸の準工業地域では、営業していない事業所がある。柏だけ規制してもと言う人もいるが、他の地域がどうかということではなく、柏市としてきちんと取り組んでおくべきである。

委員 他の地域では、中心市街地活性化協議会で、準工業地域の大型店の出店規制を行ったうえで、中心部に集める対策をとっている。柏市の場合は、基本計画を作る際、そういう対策を取らなかったという理由はなにか。確かにルール的には、都市圏では準工業地域での規制をしなくて良いことになっているが、だから規制しなかったのか、或いは他に理由があったのか。

事務局 商業振興については、これまで大型店と地域商店会との共存共栄による地域活性化の位置付けをしてきた。柏市では、TX関連の北部地区、柏駅前地区等いくつかの拠点が作られてきた経緯がある。沼南中央地区の土地区画整理事業については、合併時の合意事項というこれまでの経緯上、中心市街地活性化協議会で協議すべき事項ではないことから議題としては出していない。

委員 中心市街地活性化協議会の委員を務め、計画を作ったが、協議会では、一切この大型店のことには説明されていない。中心市街地活性化協議会の基本計画の認定を受ける際には、準工業地域では制限しないといけないということを知らなかったが、そのことの説明もなかったと思う。

事務局 沼南中央地区については、合併時の協議決定事項であることから中心市街地活性化協議会の中では取り上げていない。

会長 中心市街地活性化法の改正があり、中心部はインフラを整備するなり

体力をつけて競争してくださいと言うこと。スピードが大事で、期限を

設定してそれを越えたらお金は出さない。元気があって、地元がまとまってやれる所だけ順次お金を出すことになっている。個人的には、規制と言う話しが出にくかったのではないかと思う。また、商業地域と近隣商業地域は止むを得ないとしても、都市計画の中では準工業地域というのは昔から曖昧な位置づけで何でもありとなってしまう。

今回、都市計画マスタープランの方では、拠点をいくつかメリハリをつけるということだから、そういう所に施設を集約することが望ましいわけで、ある程度拡散する力は防いだほうがいいのではないか。一方で、もし需要があるのに規制してしまうのであれば、どこかで責任を持って提供していかなければならないことになる。その用意はそれぞれ拠点の中でにあるのではないか。

委員 中心市街地活性化協議会の基本計画を作る時には、沼南中央地区の開発の話しは分っていた上で国に申請をしたのであれば、それはそれで責任を持たなければいけないし、沼南中央地区の開発もきちんと指導し、対応しなければと思う。

会長 今回の議論のつながりとするため、郊外での規制について過去に議論されていたのであれば事務局から紹介してもらいたい。

事務局 中心市街地活性化基本計画を作る時点では、沼南中央地区の具体的な規模などが計画策定されていなかったため議論をしていない。その後、

中心市街地活性化基本計画書の中では、都市計画手法の活用ということで、「土地利用転換による大規模集客施設が立地する可能性はすくないものと考えられるが、今後、準工業地域を含めた郊外地域における大規模集客施設の進出により中心市街地の地盤沈下が起こる恐れがある場合には、立地制限を検討する。」と記述している。

委員 検討するということだから、この場で検討して方向性を決めると言うことで理解してよいか。

事務局 ここでの意見を踏まえ都市計画マスタープランに位置付けることを考えていること。具体的な制限は、種々の都市計画決定の手続きが必要である。

委員 景気の悪化により、慎重な意見が出ることは分る。柏市は、北部のTX関連の拠点、そして柏駅を中心とする拠点があるが、旧沼南地区を含め南部地区では、核となるところがない。沼南中央地区の商業施設の規模だけが話題になっているが、この地区の工業、流通分野だけでなく、行政を含め医療関係、社会福祉関係等のまとまった計画ができないか。商業機能だけが話しの中心になっており、農業などの他の視点が抜けているのではないか。

今の懸案は、柏市が先を見てこれからどのような南部地区にしていくのかということだと思う。

会長 長期の視点に立って、商業だけでなく広い視野から施設の立地を考えていただけないかということですね。

委員 今は、急激な経済変化が起きているが、長期的に見れば、人口が減ったり少子高齢化の問題があって変わっていく時代に来ている。国も新しい計画では、国土形成計画に名称を変えて、今まで作ってきたものを再利用したり、機能を変えて活用していこうしている。そういう流れの中で、中心市街地活性化基本計画もつくるし、工業団地も要らないものは閉める必要があるとの検討を始めている。

商業で言うと、大店法が改正され、規制緩和後の出店ラッシュが起き、個別の企業をどうするかというだけではなく、立地の見直しの時期ではないかと思う。長期を見据えて、柏市をどう作りこんでいくのかと考える必要がある。これから長期を見て新生柏市の都市計画を作っていくためには、それぞれの地域に何が必要かを決める必要がある。

特に商業は、需要が無ければ売れないわけで、この計画を凍結するとか、規制が無いから出店できるのではないかと言う議論もあるが、直近の経済の厳しい状況も踏まえて、今決めるのは時期尚早。もう少し議論した方が良いのではないか。市民の立場からは、柏市には多くの課題もあることから、この場でも議論していきたい。

会長 もう少し長期の視点で考える必要があるだろうということですね。

委員 沼南の顔を作るということは大事なことと思う。北部の東急ビレッジの住宅地は、周辺のショッピングセンターの出店ラッシュに巻き込まれて住宅地内の地元小さなスーパーがだめになって住宅地内では食料品すら売っていない状況になった。高齢化が進んでいる中で、その反動が全て住んでいる人たちに回ってきている。今考えておかないといけない。中央地区の北側に新たな近鉄の住宅地ができている。将来的にも住んでよかったと思えるようなものは何かを充分検討する必要がある。沼南地区の顔づくりはぜひとも進めて欲しい。それに反対するものではない。大型店団体の代表としてきているが、これまで大型店は何も考えずに自らのエゴで進めてきたが結果的に大型店同士がだめなった。それに巻き込まれた地元の商店がなくなり、それが住民の生活に影響している。行政としての大型店対策の取り組みが必要だ。この点を行政レベルで検討して欲しい。材料をそろえたうえで議論していきたい。

会長 単に規制するとか規制しないで競争とかと言う問題ではなくて、もう少し計画的に中身を見ながらということですね。

委員 沼南中央地区は、100町歩のうち約3割は、旧都市整備公団が虫食い状態に買い付けてあったため、現状のまま放置しては何にもならない。反対側の風早工業団地は、商業ゾーンが小さかったこと、工業専用にしたことなどが失敗で、今回は色々聞いた結果である。

大型ショッピングセンターは会議所に入らないため、メリットが無いというが、印西市のように地元の商工会議所と行政が強い指導をすればよいのではないか。農業を生かした方策もある。この事業は、市の財政と雇用を考えると欠点ばかりではない。街中の商店街にはそれほど影響の無い形でできるのではないか。

会長 これまでの意見をまとめると、沼南中央地区については、反対と言うのではなく、まちづくりの核になるよう長い目でみて、内容は良く考えてみた方がいいとのご意見である。

また、柏市の郊外の大型店の立地規制の観点からは、準工業地域での規制はある程度必要ではないかとの意見が強かったと思う。しかし、大事な意見としては、一律的には規制するとか、競争だとかということではなく、計画に沿って進めると言うことで、都市計画マスタープランの役割は大きい。

委員 都市計画マスタープランに明記しておくということをはっきりした形で残しておければと思う。もし準工業地域で規制するのであれば3,000平米以上のものは凍結させるとかの方向性を示していただきたい。

会長 準工業地域での規制については、都市計画マスタープランの中できちんと考えて欲しいこと。その時には、ある程度規模の基準について検討していきたいということですね。具体的な数字も出ているわけですから事務局も受け止めていただきたい。

事務局 都市計画マスタープランは、柏市のまちづくりの方向性を概略的に示したもの。用途地域ごとの規制については、別の都市計画の決定の中で定めるもので都市計画マスタープランの中で明確に記載することはできない。今後パブリックコメントや都市計画審議会に諮る際に各委員の意見は十分に参考にしていく。

沼南中央地区の土地区画整理事業は、組合施行事業。この事業では、都市計画施設は考えられていない。よって市がこの地域に直接資金を投入していくことはない。行政はこの地域に相応しいまちづくりのため、事業者の誘導に努めていく。

会長 特定の用途地域で一律に規制するのではなく、それぞれ場所を見てか

らの話だと思う。委員の意見は地区計画の中でも運用していけるものだと思う。また、都市計画マスタープランというより、特定の地域の開発、形成をする時に今の意見が尊重されるものと思う。

副会長 会長が整理されたとおりであるが、産業が担っている役割もう一度考えてみると、当然商業が消費者に商品を売るということで一番中心になる。それが雇用の場になったり、市に税金を納める等、いろいろな点で街に貢献していることから重視されるべきものだ。

特に、柏市の場合は、商業者の方は元気で、街を支えていることを再認識する必要があるし、市もそれをきちんと評価すべきである。

また、これからの少子高齢化の社会を考えると自主財源を確保することは重要で、商業の果たす役割は非常に大きく、長期的にきちんと確保できる方策をみんなで考えていかなくてはならないと感じた。

6 傍聴

(1)傍聴者

4人

(2)傍聴の状況

傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。

7 次回開催日時

平成21年1月28日(水) 午後1時30分~午後3時30分