平成30年度第6回柏市環境審議会会議録

1 日時

平成30年12月27日(木曜日)午後3時から5時まで

2 場所

柏市役所分室1 2階 第1会議室

3 出席者

(1)審議会委員

内山会長、村田副会長、青柳委員、吉田委員、佐藤委員、野村委員、池田委員、川瀬委員、田口委員、星委員、川上委員及び佐々木委員(計12名)

(2)事務局

國井環境部長、原田環境部次長兼環境政策課長、阿部副参事、髙橋主幹、野村副主幹、森山主事及び渡部主事(計7名)

4 議題

(1) 柏市地球温暖化対策計画の改定について

5 議事(要旨)

(1) 柏市地球温暖化対策計画の改定について

資料1に基づき、事務局より説明。

その際に表明された主な意見は、次のとおり。

  • (佐藤委員)No.15の【柏市の動向を反映した試算】の削減目標値は、この後にNo.27からNo.34に提案されている施策を実行すると、100パーセントとは言わずとも、ある程度削減できる可能性がある数値なのか。
    (事務局)ご指摘のとおりである。柏市の施策と、国の施策等を踏まえて設定している。
  • (吉田委員)No.15について、削減目標値18パーセントの基となる削減量が、産業や家庭等のそれぞれの分野で設定されているが、どのようにしてこの数字になったのか。大体このくらいであろうということか。そこに根拠を望んでいるわけではないが、どのように出されたのか。
    (事務局)No.16に説明がある。それぞれの業務部門別に、過去の数値から、削減できるであろう数値を入れ、それぞれの部門の削減パーセントを見て、最終的に国の削減率と、柏市で削減できる量や、パーセントを見比べながら設定した。
  • (吉田委員)大体、このくらいであろうという数字を決めたということか。
    (事務局)おおむねご指摘のとおりである。しかし、一定の考え方をもって、削減量を算出している。削減量の考え方は、No.16に記載のとおりである。まず、産業、業務、家庭、運輸、廃棄物の中で、基礎自治体が一番対策できるのは、やはり家庭部門である。まず家庭部門は、26パーセント程は頑張って削減したい。柏市の産業構造は、業務部門である第3次産業が圧倒的に主流となっているため、業務部門に関しては、過度に目標値を高くすることは、街の活力の観点からはよくない。過去の実績から、大体48万8千トンが限界と考える。運輸については、過去を見ると、ほぼ横ばい状態である。最初、運輸は0パーセントと考えていたが、そうすると、全体の合計が遠く国の目標に及ばず、15パーセントを切ってしまう。低公害車を増やすことで、40万5千トン程は何とか削減したいと考えた。一番悩んだのは産業部門である。ただでさえ柏市は製造業の撤退が続いている。そういったことを極力配慮しなければならないため、過度な削減目標は設定できない。全体で18パーセント程に持っていくためには、どうしても産業で62万トン位は削減しなければならなくなり、12.4パーセントという数字が出てきた。そういった考え方でこの数字は出している。
  • (川瀬委員)産業部門について、沼南の工業地帯の拡大などによって、工業区域の面積は増えていると思う。産業部門の排出量の9割は、化学パルプ等であるが、そういった企業の工場が今後、新しく誘致されることはないのか。新たに工業地帯を整備している所に、そういった企業が入ると排出量が急に増加することが考えられる。今の段階では分からないのか。
    (事務局)今のご質問には2点ポイントがある。一つは、市の産業政策としては、企業や事業所にいかに立地してもらうかが大前提である。たとえ排出量の多い化学企業であったとしても、それが柏市の総合政策という意味合いからすれば、否定はできない。もう一つ、温室効果ガスの構成上、化学部門の排出が非常に多いことは分かっている。ところが、柏市の業種別の額では、化学工業は1.1パーセントしか占めてない。1.1パーセントしか占めてない化学工業が、温室効果ガスになると、何故半分以上を占めているかというと、これは千葉県全体の数字から柏市の工業出荷額で按分して出しているからである。千葉県は、特に市原市や君津市などのコンビナートからの排出量が非常に多い。その大きな母数に引っ張られ、柏市でも計算上はこのくらい出ていることになる。1.1パーセントという数字は、従業員数で出しており、ほぼこれは実態に近い数字である。計算上、そういった問題は起きてしまう。これは温室効果ガスを考える際にどうしても出てくる問題であるが、他の自治体と比較ができる等の総合的なメリットを考え、やむを得ないと考える。そこは、注釈を入れるなりしっかり説明しなければならないと考えている。
  • (川瀬委員)実態は、もしかしたら、そんなに排出していないかもしれないということか。
    (事務局)ご指摘のとおりである。
  • (内山会長)柏市は、環境行政の都市であるため、これまでも柏市に立地している企業に対し、削減の努力をお願いしてきた。企業も一生懸命、省エネルギー化やCO2削減の努力をしてきたと思う。そのため、このまま削減目標値だけを提示するのではなく、まずは、そういった今までの努力を評価する態度が必要である。その上で、千葉県全体の数値から按分するため、柏市の排出量が多くなってしまうという計算上のからくりも、明言することが重要であると思う。家庭でも同じことが言える。
  • (吉田委員)私は、削減目標値に関しては、厳密な正しい決め方はないと思うため、どのような形になろうとも構わない。ただ、施策の内容は、今回提示されているような抽象的なものではなく、具体的なものがよいと思う。例えば、東京都では、白熱電球とLED電球を交換する事業を行った。一番古い冷蔵庫を持っている市民を探すコンテストを行っている自治体もある。そういった少し尖った取組みを行い、省エネ家電に買い換えることで、どのくらいCO2が減ったかを記録していく。それが目標値の幅と合わなくてもいい。しかし、柏市でしっかり取り組んだというエビデンスになる。
  • (青柳委員)吉田委員の意見に賛成である。家電は、大体、10年で一通り買い換える。そのため、10年経って家電を全部一新したら、やはりCO2排出量が2割減っていて、根拠として集めた家電のエネルギー消費の差分を取ってみたら、2割になっているかもしれない。実行するツールを市民に分かりやすくすることで、市民も協力しやすくなる。今後は、具体的なことを考えていくべきである。削減目標値は、18パーセントと24パーセント、どちらでもよいと思うが、そもそも、国と柏市はCO2の排出の構造が全く違う。国は、産業部門の比率が大きく、家庭部門は15パーセント程しかない。しかし、柏市は、産業部門も家庭部門もあまり変わらない。そうなると、家庭部門の比率を重くせざるを得ない。そういった特徴があるため、強弱を思い切ってつけても、産業構造や排出構造が違うということで、きちんと理由がつくのではないか。国の産業部門の削減率は8.5パーセントであるが、実際、国全体の排出量は、家庭部門の何倍もの比率を産業部門が占めているため、絶対量はものすごく減る。そういう違いがあるため、それを数字的に18パーセントになっても24パーセントになっても、説明は可能であると思う。
  • (内山会長)私の基本的な考え方は、国に倣えでは嫌だ。柏市は柏市でこういう特徴があるから、国の目標値とは合わないほうがよいのではないかと思う。
  • (青柳委員)柏市で特化してみると、家庭部門については、世帯数を無視するとCO2の排出量は、10年前の数字よりも多い。No.7を見ると、2005年の家庭部門の排出量は384である。しかし、今の目標値が444であるため、10年前よりもたくさん出してよいということになっている。目標値は10年前の384にしてもよいのではないか。
  • (佐々木委員)産業部門は、千葉県のコンビナート等の数値が加味されたデータということであるが、家庭部門は柏市だけの数値か。
    (事務局)基本的には、全て県の数字の按分である。全て、柏市の生の数字ではなく、千葉県全体としての数字がある。それを産業部門であれば、柏市の工業出荷高で按分する。家庭部門であれば世帯数、あるいは人口で按分している。
  • (佐々木委員)柏市だけの削減量であれば達成できるかもしれないが、さらに努力しなければいけないのかという思いが少しある。
    (事務局)内訳で言うと、確かに千葉県全体の数字に引っ張られる部分もあるとは思う。柏市の産業部門の排出量は、工業出荷額で案分しているため、実態と大きな開きがあるわけではないと思う。
  • (内山会長)つまり、柏市にある工場等がこれだけ排出しているかいうと、そんなことはないということであると思う。仮に、現業部門が市原市にあり、本社機能が柏市にあった場合、柏市に本社があるにもかかわらず、CO2の排出が多いのは現業の市原市と言われるのは変である。そうはなってないとは思うが、本社機能にお願いした方が、現業も下げてくれるから、間接的には市原市も減ることにはなると思う。
    (事務局)先程、吉田委員と青柳委員からいただいたご意見についてであるが、毎年、環境フェスタを年1回開催している。今回、「一番古い冷蔵庫コンテスト」を行った。古い冷蔵庫を持っている方を募集したところ、応募は25件あり、結果、一番古い冷蔵庫は1977年製造のものであった。経過年数の平均は、26年であった。やはり高齢者の世帯などには潜在的に眠っている古い家電は多いと思う。その1977年製造の冷蔵庫を、最新省エネ型の冷蔵庫に換えると、どのくらい、節約・省エネできるか調べられるサイトで計算したところ、1,600キロワットアワー程の数字が出た。No.23で、「10年後までに1世帯あたり685.1キロワットアワーの省エネが必要」としているが、そのくらいの古い冷蔵庫を1台替えれば、1,600キロワットアワーは達成できる。省エネ家電の普及は、何としても進めたいと思っている。環境省が提唱しているクールチョイスは、去年も今年も取り組んだ。省エネを図っていくことは、家庭部門に対しての主軸になる施策になると思う。
  • (佐々木委員)古い冷蔵庫はやはりあると思う。買い換えたほうが省エネになると理解していても、壊れないからもったいないという気持ちで使い続けているのだろうと思う。思い切って換えたほうがいい。
  • (川瀬委員)優勝賞品は新しい冷蔵庫か。
    (事務局)そのとおりである。一番古い冷蔵庫コンテストの受賞者が、「この冷蔵庫には愛着があり、とても大切に使っていた。しかし、地球温暖化に対しては悪いことをしていたみたい」と仰ったことがとても印象深かった。今後は、買換えのタイミング等を啓発していきたい。
  • (内山会長)家庭部門は、10年前と変化が顕著に表れているのか。例えば、つくばエクスプレスが開通して、柏の葉キャンパス駅ができ、大型の高層マンションができると同時に、区画整理事業によって戸建て住宅もたくさん建った。私は、マンションの方が、エネルギーの使用から言うと、効率的であると思う。いろいろ、エネルギー会計とか、整備された高層住宅もある。冬は特に、戸建ての住宅は寒い。戸建て住宅の1世帯と、集合住宅の1世帯とで、どのくらいエネルギーバランスが違うのか、資料があったらぜひ拝見したい。
  • (青柳委員)戸建ても、どういった戸建てを建てるかでだいぶ違う。パッシブソーラーハウスは、エネルギー消費量がかなり少なくなるし、屋根を使ってソーラーパネルを置く方法もある。
    (事務局)平成25年に環境省が行った調査では、1日当たりの電力使用量は、戸建ては12.5kw/h 、集合住宅では8.5kw/hという結果が出ている。
  • (内山会長)環境・省エネという面から言えば、柏市は戸建て住宅の建築許可を出さなければいいという話まで発展していくことも考えられる。次に議題のイ計画(案)全体構成及び総論部分について、事務局から説明をお願いする。
    資料2、3に基づき、事務局より説明。
  • (内山会長)ご意見があれば、お願いしたい。
  • (青柳委員)今回は、とりあえず2030年を目標にしているが、温暖化対策は2030年に終わるわけではなく、まだまだ続くものである。対策の中には、もう少し長期を見据えた対策も入れた方がよい。まちづくりがまさにそうであるが、それだけでなく、住宅対策も、やはり20年、30年先の話になる。住宅をどう建てるかで、省エネが大きく変わる。住みやすさの観点からいえば、ケチケチしないでも省エネできたら一番よい。省エネをやりやすくするために、50年先を見据えて10年後の計画を立てるような視点で、基本的なインフラについて具体的に書いていただきたい。
    (事務局)特にそこの部分は、都市部門と協議しなければならないが、「環境に配慮したまちづくり」の項目で、なるべくイメージしやすい理想のまちの提案ができればよいと考える。
  • (青柳委員)交通についても、柏市も高齢化が進んでいて、免許を手放している方が結構多い。そういうことも踏まえて、公共交通機関を、もう少しきめ細やかにするなど、いろいろ考えればあると思う。その辺は、他の自治体もいろいろ知恵を出して、具体化しているところもある。人口が増える、増えないだけではなく、住宅構造や交通など、いろいろ考えて欲しいと思う。
  • (内山会長)P.3の「1-1地球温暖化の仕組み」の文章がよく分からない。「温められた熱の多くは、宇宙に放出されますが、一部、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素などの温室効果ガスと呼ばれる気体によって吸収されて地表面へ戻されます。」という表現があるが、どういうことか。私は、温室効果ガスが、放出されないで溜まってしまうという理解であった。つまり、CO2などは温室の役割を果たしていて、地球の外側に大きな、温室のガラスのようなものができ、夜中に放射冷却できなくなるものだと思っていた。吸収するという感覚はなかったが、こういう表現でよいのか。
  • (吉田委員)「吸収はされ、地表面へ戻されます。」は、言われてみると変な気もする。
  • (内山会長)私の理解では、昼間は、太陽光が地球に注ぎ暖まる。夜になると暖まった熱が宇宙へ放射される。ところが、CO2によって、温室ができてしまい、放射冷却されないという理解であったが、この絵は、少し雰囲気が違う。私が間違って理解しているのかもしれない。
  • (吉田委員)「暖められた熱の多く」は、要するに、地表面で反射した熱が大気に吸収されるということで、間違ってはいない。
  • (内山会長)「吸収されて」という表現に違和感がある。また、柏市は1人6トンのCO2を排出していると聞いているが、6トンがどのくらいか分からない。タイトルが「地球温暖化問題の理解のために」なのであるから、まずCO2が1トンというのはどういうことなのか、そういうことから読み解かないと分からないのではないか。
    (事務局)先程、家庭の27パーセントは電力で見ると、1世帯当たりどのくらい節電しなければならないのかとご意見があった。そういう分かりやすい指標は、今回新しく作ろうと思う。
  • (内山会長)お願いする。CO2は臭いもなく、体に害もないため、246万トンと言われても分からない。市民に分かりやすく書いて欲しい。また、樹木の吸着効果について触れられていない。排出量に樹木の吸着効果は関係ない。そのため、触れていないことを書いて欲しい。
    (事務局)そこまで触れてはいない。ただし、4章で、緑の吸着効果に着目して、緑の保全を位置付ける。
  • (内山会長)削減目標値に、吸着量でマイナスはしていないことを書いたほうがよい。
  • (村田副会長)戸建て住宅はエネルギー消費量が多いが、木造建築ならばCO2を固定する効果もある。

6 傍聴者

0名

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