平成30年度第5回柏市環境審議会会議録

1 日時

平成30年11月27日(火曜日)午前10時から正午まで

2 場所

柏市役所分室1 2階 第1会議室

3 出席者

(1)審議会委員

内山会長、村田副会長、佐藤委員、吉田委員、池田委員、川瀬委員、田口委員、星委員、川上委員及び染谷委員(計10名)

(2)事務局

國井環境部長、原田環境部次長兼環境政策課長、阿部副参事、髙橋主幹、野村副主幹、森山主事及び渡部主事(計7名)

4 議題

(1) 柏市地球温暖化対策計画の改定について

5 議事(要旨)

(1) 柏市地球温暖化対策計画の改定について

資料に基づき、事務局より説明。

その際に表明された主な意見は、次のとおり。

  • (川瀬委員)資料No.8(1)改定のポイント2.について、「将来像の設定による、望ましい姿の明示」のイメージ図は決まっているのか。それとも現行計画のものがそのまま適用されるのか。
    (事務局)可能な部分は踏襲したいと考えている。現行計画の施策の将来像は、「エネルギーを賢く使う街」「緑と自然を生かす街」「健康で生きがいのある街」「世代を超えて学び合う街」「エコで活性化する街」の5つであった。「エコで活性化する街」は、市であまり進められなかったことを踏まえ、整理した。
  • (佐藤委員)通常このような計画を決めていくときには、将来像のようなビジョンがある程度明確であり、それに合わせて施策で何をしていく必要があるかを決めていくと思う。現行計画の将来像の1、2、3、4は残っており、これを今回検討すればよいのか。
    (事務局)現行計画の中で進んだところ、あまりうまくいかなかったところを踏まえて、検討する余地がある。基本的な将来像であるため大きく変わることはない。
  • (内山会長)改定するには改定するだけの理由がある。通常なら現行計画の悪かった点について改定することになる。今の佐藤委員のご質問は、そこがよく分からないということだと思う。つまり、アウトカム指標から見て、「今までの取組が駄目であったという評価を受け、駄目だったからこう変える」という話なら分かりやすい。「現行計画のこのようなところが失敗であったため、このように改定する」という論調にした方が良いのではないか。その他、資料No.10の四つの緩和策と三つの適応策についていかがか。
  • (吉田委員)資料No.10の3.「おでかけ促進と公共交通の利用」に違和感がある。おでかけ促進は、緩和策にはならないのではないか。夏の電力が逼迫したときのピークカットの役割は果たすと思うが、温暖化対策としておでかけ促進がプラスになるかマイナスになるかは、明確ではない。
    (事務局)高齢化社会を見据えた場合、高齢者の社会参加が福祉部門の大きな課題になっている。定年退職した人が家にずっと居ることによって、健康面にも良くない。必ずしもピークカットなどが目的ではなく、多くの方の社会参加、外出を促進することによって、在宅での省エネにつながるのではないかと考えた。
  • (吉田委員)車で出かける人もいる。そうすると確実にCO2は増える。そのため、「公共交通等の利用による外出促進のすすめ」などの書き方が良いと思う。
  • (内山会長)家を不在にするときに、クーラーや電気を切ると想定しているのか。そのような人は、ほとんどいないのではないか。
    (事務局)出かけるときは、「電気とテレビとエアコンを切って出かけましょう」という呼び掛けも必要である。
  • (内山会長)文言は、吉田委員のご意見である「公共交通等の利用による外出促進のすすめ」が良いと思う。
  • (川瀬委員)おでかけ促進は、高齢者だけでなく、子育て世代にも関連する。小さな子どもがいる家庭は、公園に行く。これは4.の「環境に配慮したまちづくり」にもつながることであるが、最近の公園は、木が少ない。例えば、新しくできたTX(つくばエクスプレス)のたなか駅前には、木がない。子どもたちを遊ばせるために、公園に行きたくても、木陰がなくて暑いのであれば、やはり涼しい家に居てしまう。おでかけ促進は、4.「環境に配慮したまちづくり」や、2.「緑地や農地の保全」にもつながると思う。
  • (内山会長)これは、単独の施策ではなく、それぞれつながっている。
    (事務局)記述を工夫する。
  • (川瀬委員)他部署にわたることであるため、明確にしていただきたい。
    (事務局)検討させていただきたい。
  • (村田副会長)歩道が十分に整備されていないところや、車が止まらないために横断歩道を渡れないような光景をよく見る。歩くことや、公共交通の推進に合わせ、車のマナーの改善も必要である。観光都市に行くと歩行者優先であるが、柏市は、車が当たり前の社会になっている。
    また、適応策3.「緑地や水辺の保持」で、緑地と水の重要性が書いてあることは、すごいと思った。水はやはり大事である。私たちは水をつくれない。ここに植樹を入れていただきたい。例えば先程公園に木がないとの話があった。柏のクリーンセンター等も木が切られて公園ができたが、何故切ってしまったのかと思った。流山市では、クリーンセンターの周りを植樹している。小学校でも植樹をしている。植樹活動によって、樹木の重要性や、水と木の関係などを学べる。植樹の機会は重要であると思う。静岡県のある専門学校では、市民の人たちが使える公園を造るために、子どもとドングリを拾いに行く会を行っている。そのドングリをトレーに植えて育て、六カ月後に鉢上げし、二年後に植樹をする。そのような長期間の構想は素敵だと思う。植えた子どもたちは、植樹した木に名前を付けるそうで、それも面白い。色々なやり方があるので、一つの例としてお話しさせていただいた。
  • (内山会長)3.「緑地や水辺の保持」は、表現が守備的である。保持するだけでなく、今の感覚に合ったような新しい緑や水辺を積極的につくるべきというご意見である。
    (事務局)ここでは、「水の涵養」を重視したいと思っている。水を涵養するためには、当然緑が必要になるため、確かに植樹も一つの手である。現実的には、植樹をどのように推進するかが難しい。管理する人がいなくなり、間伐されずに荒れ果てて崩壊し始めている森もある。植樹まで手を伸ばすのは難しい。いずれにしても、緑と水の関係を踏まえて、「水の涵養」として適応策を続けていきたいと思う。
  • (吉田委員)私も同じ意見である。緑は緩和策としてはあまり大きな影響はないが、適応策としては非常に重要である。ここでエコロジーとすると現状維持になってしまう。積極的に増やしていくことが、適応という意味では非常に大事だと考える。
  • (星委員)資料No.11エコカーの普及促進だけではなく、低燃費の走り方も重要である。普通車でもエコモードなど、ボタンを押せば低燃費で走れるものがある。あおり運転をする人も多い。低燃費の走り方を啓発するイベントを積極的に開催した方が良いと思う。資料No.13に「自転車利用の環境整備」とあるが、豊洲など発展した都市では、駅前に、レンタルできる自転車がたくさん置いてある。スマートフォンを利用して簡単に借りることができる。そのようなレンタサイクルも駅前に整備した方が良い。
    (事務局)エコドライブの普及として、「エコカー体験&展示会」をディーラーと協力して開催している。これは継続が大事であるため、続けていきたい。自転車の利用について、貴重なご意見をいただいた。自転車の利用促進として、自転車が走るゾーンを決める整備を進めている。ご指摘のようなレンタサイクルも、土木部門と協議しながら進めていきたい。
  • (染谷委員)資料No.11に資源循環とある。ごみの減量には、生ごみを堆肥化して、土に戻して循環させることが大事である。柏市内にはそのようなことを行っている事業所がある。さらに普及させると、ごみの量も減るのではないか。燃やすのが一番安上がりかもれないが、生ごみの循環を柏市で取り組んでいけると良い。
  • (内山会長)柏市は、コンポストの貸出しなどは行っているのか。
    (事務局)購入費の助成金を出している。
  • (内山会長)その成果はどうであるか。
    (事務局)その成果がごみ減量の数字につながっていけば非常に分かりやすいが、統計上、ごみ全体の総量としてみるので、残念ながら目に見えた成果は出ていない。ご指摘のとおり、ごみ減量や再資源化は非常に大事であるため、担当課と協議して進めていかなければならない。また、コスト的に燃やす方が早いのではないかという議論はどうしても出てきてしまう。担当課と一緒に考慮していきたい。
  • (村田副会長)資料No.9の主体的役割、省エネライフスタイルの実践とあるが、「省エネライフスタイル」は、あまりやりたくないと感じてしまう。「エコなライフスタイル」や、「物を大切に丁寧に使う」などの言い方が良いのではないか。
    (事務局)言葉を置き換えたいと思う。
  • (村田副会長)みんながやりたくなるような、言葉にしてほしい。
  • (川瀬委員)資料No.10の施策体系の一番右に【環境学習・協働】とあり、そこから「推進」と矢印が左の施策に伸びている。この矢印の方向は、【環境学習・協働】によって温暖化対策を市民に分かりやすく伝え、進めていくという意味か。また、資料No.18に(3)環境学習、協働とあるが、例えば、今行っているイベントも、限られた人しか参加しなかったり、イベントに関する情報も受け取れない状況である。私の母校では、総合学習などで環境について学習したいとなっても、専門の先生がいない状況である。川をテーマにし、川の歴史や文化、地形、そして環境、ごみ問題など、それぞれチームをつくって取り組んでいるが、専門の先生もおらず、先生たちは手探りの状態で教えている。柏市独自の環境教育などを進めると、大人になっても取り組みやすいと思う。【環境学習・協働】の実践的な部分を考える必要がある。
    (事務局)緩和策と適応策をもって温暖化対策とするときに、一つの方法として環境学習や協働によってこれを推進していくという意味である。もう一つのご質問については、ご指摘のとおり、人材の問題があると思う。地道に活動の実態を継続していく中で、一人でも多くの人たちが、その中に何らかの形で関わっていけるようにすることが重要になると思う。
  • (池田委員)資料No.9に、「柏市,市民(家庭),事業者の各主体が、ライフスタイルやビジネススタイルに応じた取り組みを積極的に実践していくことが不可欠」とある。最近のレストランや事業所などのトイレは、使用していない時は電気が消えている所が多い。そのようなビジネススタイルに変えていってほしい。公共的な所は、電気の消費量が多いのではないかと思う。
    (事務局)人感センサーを利用している所は増えた。事業者にしてみれば、省エネは、温暖化対策以前に経営に資する面がある。そういったメリットを事業者に伝えることや、投資が必要であれば融資制度もあるため、そのような制度のPRが必要であると思う。
  • (内山会長)施策体系について、柏市にはKEMSがある。例えば、緩和策の2.の「緑地・農地の保全」は、農政課の仕事でもある。4.の「環境に配慮したまちづくり」は、都市計画課の仕事でもある。下の適応策についても、色々な課が関わっている。各部局を環境部がトップになって主導している図式の施策体系になり、マネジメントシステムになっていることが分かる。中身については、まだ検討の余地がある。では次に、資料No.19からの「削減目標の例示」に対して意見はあるか。
  • (池田委員)「家電を新しく買い換えると省エネになる」という内容のチラシが家庭に回ってきたが、あれはどこから来たのか。
    (事務局)それは、「家電を買い換えるなら省エネ型に、車ならエコカーに買い換えましょう」という、環境省が提唱する国民運動のクールチョイスである。柏市も積極的にこれを導入し、柏市のクールチョイスとして省エネ家電への買換えを呼び掛けている。
  • (池田委員)特に、シニアにとっては、物を大事にすることがポリシーであった。
    (事務局)違和感がある方もいるかもしれない。節電効果としては、20年、30年前のエアコンをこまめに消すより、最新型のエアコンをつけっ放しにしていた方が、エネルギーの消費は少ないであろう。
  • (内山会長)今の電化製品は、待機電力はあるのか。
  • (吉田委員)昔よりはだいぶ少ない。
  • (内山会長)その他目標値について、いかがか。
  • (吉田委員)目標値について、いろいろな条件で出されているが、一つ確認したい。例えば、県の目標に準ずるパターンDは、千葉県の部門ごとの目標値を柏市に当てはめて目標値を出している。このやり方は、やむを得ない落としどころなのであろうが、非常に面白くないと思う。このような目標値は、理想的には削減目標対策を出して、そのCO2の削減量を足し合わせて、全部でこれだけ削減できる、と持って行く方がよいと思う。それが難しいことは承知している。しかし、国の目標は、積み上げではなく無理やり作っている。柏市も、それに倣ってやろうとすると、検証できるような対策はどこにあるのかということになる。そういう目標値では、「数値目標が入った温暖化対策条例を柏市では制定している」と自慢するには、非常に弱いように思う。
  • (内山会長)今のご意見は、緩和策を取り組めば排出量がどうなるかがなく、目標値を立てているのは、国へ倣っているだけではないかというご質問である。柏市としては、緩和策や適応策で、何とか排出量を減らそうとしていることを意思表示したのであるが、それとは関係なく、独立に目標値が出てきているというご指摘であると思う。国の削減目標値に逆らって目標値を出すことはできないと事務局が考えているのではないか。
    (事務局)ご指摘のとおりである。前半で示した施策の体系と主な事業について、柏市の温暖化対策としてのラインナップは、これでほぼ揃っている。問題は、これらの事業について、どれだけの量を行うかである。例えば、省エネや再エネの補給をどこまでやるかによって、削減量が変わってくる。ただ、数字合わせでやみくもにやっても、現実的にできる事業量は、おのずと決まってくる。実際にできる事業量をにらみながら目標値を立てなければならないと思う。この資料は、あくまでも例である。国や県に倣った場合と、特に新たに何もしなかった最低限の場合などの、両極端の数字を出したものである。これが現実的なのかどうか、あるいは、現実にこれが通用する数字なのかどうかを踏まえて、ご意見をいただきたい。
  • (吉田委員)個人的な予想であるが、「外的要因」は、おそらく実際にはもっとあると思う。再エネの予想以上の普及、あるいは電気自動車の普及など、イノベーションによる削減量があり、結構高い目標値の方に近づけると思う。だが、それは盛り込めない。そのため、現状をベースに対策を積み上げることはものすごく難しいと思う。資料No.22にある家庭の蛍光灯ランプの点灯時間を減らすことなどは、なかなか難しい。そのため、積み上げでは、20パーセントまでは到底見込めないと思う。目標であるため特に問題ないが、これで終わらせると非常につまらない。柏市らしい具体的な計画が欲しい。
    (事務局)CO2や温室効果ガスの削減量目標は、目標で持つとして、それに見合う分の、電力消費量など分かりやすい数で表現することを検討していきたい。
  • (内山会長)なかなか柏市単独でCO2を減らすのは苦しい。柏市は、人が増える見込みで、家庭においても、一生懸命に節電、省エネを努力している中、その上さらに取り組むというのは難しい。産業部門も、出荷額が増えたため、それに連動して排出量も増えた。それであれば、柏市で他の自治体に植林し、柏市の削減量としてカウントしてもらうような取引はできないのかと考える。
    (事務局)商工会の川上委員にお伺いしたい。柏市では製造業の工業出荷額が近年大きく増えている。産業が好転したことは非常に良いことであるが、製造業の方々は、この活力を維持しながらどのように省エネや再エネに取り組むことができるのか。例えば、東日本大震災を経て省エネの動きがあったが、省エネは、ほとんど取り組み尽くし、さらに取り組む余地がない状態なのか。そうであれば、市としても別のアプローチを考える必要がある。その辺りの現場感覚を教えていただきたい。
  • (川上委員)商工会では、大企業も省エネに一生懸命取り組んでいる。
    (事務局)LEDは、普及しているのか。
  • (川上委員)LED化は、中小企業ではまだ取り組めていないところも多い。しかし、中小企業もCO2削減に一生懸命取り組んでいるため、これからも補助などをいただきたい。
    (事務局)どちらかというと、スイッチをまめに切るなど、省エネ行動が主なのか。LED化など、設備投資をある程度伴う省エネはまだ進んでいないのか。
  • (川上委員)設備による省エネをやっている所もある。
  • (内山会長)製造業部門の出荷額当たりのCO2排出量が増えている。柏市として、なぜCO2排出量が増えたのかを精査していただきたいと思う。

6 傍聴者

0名

関連ファイル