平成25年度第2回柏市環境審議会議事録

1 日時 

平成25年9月5日(木曜日)午前10時~正午

2 場所 

柏市役所本庁舎5階第5・6委員会室

3 出席者 

(1)審議会委員(名簿順)

阿久津委員、内山委員、佐藤(仁)委員、佐藤(郁)委員、大平委員、吉田(邦)委員、龍門委員、藁田委員、

大塚委員、鈴木(勲)委員、鈴木(次)委員(計11名出席)

(2)市

柏市 関口(副市長)

環境部 伊原(部長) 

企画調整課 飯田(課長)

廃棄物政策課 國井(課長)(代理) 

商工振興課 小宮山(課長)(代理) 

農政課 石橋(課長)

都市計画課 南條(課長) 

公園緑政課 谷口(課長) 

交通政策課 清水(課長)(代理) 

(事務局)

環境保全課 原田(明)(課長)、中山(副参事)、村山(副主幹)、小平(副主幹)、青木(副主幹)、

原田(圭)(主査)、内埜(主事)、島岡(主事補)(計17名)

4 挨拶

関口柏市副市長より開会のご挨拶があった。

5 議題

(1)柏市地球温暖化対策計画の改訂について

  1. 温暖化の影響と社会動向について
  2. 柏市における温暖化の影響と対策の方針について

(2)柏市環境保全条例施行規則の一部改正について

6 審議内容

(1)柏市地球温暖化対策計画の改訂について

1 温暖化の影響と社会動向について 

  •  資料に基づき、事務局より説明。

平成25年度第2回柏市環境審議会資料(PDF形式:1,961KB)

  • 質疑応答

<委員>

・自分は最近エコ窓を取り入れたが、お金がかかる。エコカーなども、環境にいいことは分かっているけれども、お金がかかる。エコ窓も友達に紹介したりするのだが、1階だけで30何枚、4分の1の助成金が出たけれども、やはり多額だと思う。

・また、柏市の家庭が全部昔の電球からLEDに取り換えたらどれだけCO2減るのか、この部屋の電球もLEDに換えるとどれだけ減るのかを考えたりする。大きなものは助成金が出るが、LEDとかそういった部分も柏市が助成金なりの方法がとれたらいいのではないと考えている。

・あと、他の国でサマータイムがある。10時ごろから暑くなる。クール電力も出来たし、サマータイムで1時間違えば使う電力も変わるのではないかと思う。

<委員>

・柏市がすべてLEDに換えたらどれぐらいCO2減るかは、試算してみるのも面白いかもしれない。LEDに交換してもらうには、市民の意識を高くする必要があると思うが、そのためには、助成等が必要なのではないか。

<市>

・助成による普及策は、省エネに役立つなどの性能のよい家電製品、排ガスの少ない車などは国の制度で助成金があるので、出来るだけその制度を市民の皆様に活用していただくということで、普及を図って生きたい。

・無論、それでは足りないというご指摘は確だが、市の財政も厳しいので、上積みは難しい状況にある。

<委員>

・CO2削減は国の目標であり、東日本大震災等で原子力エネルギー等の見直しで計画が狂った部分もあるが、基本的には国は国で1つの方向性をもって実行しようとしている。柏の温暖化対策の位置づけについてであるが、国が出来ないことをやろうとしているのか、不十分だから補足しようとするためにするのか、それとも、「単独」でやろうとしているのか。柏市が本計画改訂で目指そうとしているのはどれなのか。

<市>

基本的には国の方針に準じる。しかし将来に渡っての電源比率のあり方などエネルギー政策の根幹的部分は自治体レベルではどうにもできないことである。その一方で、柏市だからこそ出来る地域特性を活かした政策も考えられるため、オリジナリティを活かしつつ、概ねのところでは国に準ずるという考えである。

<委員>

・あまり基準を厳しくすると企業が柏市から去っていく可能性があり、競争力、誘致等の面で不利にはたらく。あんまりカッコよくするのも考えものだと思う。

・逆に山林など、現在あるものを出来るだけ残す方法、日本の様々な企業が砂漠に木を植えるなどをやっているが、柏市にある山林とかそういうものは今のまま減らさない、逆に増やす時には市から補助金出す、山林の場合なら相続税や固定資産税の免除などを考えるといいと思う。相続税が高いと結局は売却され、宅地化などでつぶされるという流れになる。

<委員>

規制強化だけではいい結果がでず、むしろ誘導策のようなものを考えたらどうかいう意見だと思うがどうか。

<市>

・ご指摘の通りだと考えている。温暖化対策というと環境に優しい家電製品だとか人工的なイメージがあるが、温暖化対策と自然環境保護は現代では環境政策として一体的に進めるべきだという認識に立っている。緑地の保全等の問題についても他の担当課ともいろいろ協議をしていく予定で、どういう方策でやっていくかについては検討し、審議会であらためて提示をしていきたい。

・CO2の削減と産業の成長との関わりという部分であるが、これもご指摘の通り、やみくもにCO2を削減した結果、産業が衰退したというのはまさに本末転倒だと思う。環境政策が結果的に地域社会の活性化や安定化に資するという視点で政策を進めていきたい。

・CO2の排出源はエネルギーが一番上で、次が産業部門である。そこで産業部門に対してなんらかの規制を加えると、今ご指摘の通りのことが起きかねないので、エネルギー部門をどうするのかが、重要な問題となる。省エネではなく、市のなかでCO2を生み出さないようなエネルギーをいかに創出するかという「創エネ」を考える段階と考えている。

・「まだ省エネする余地がある。省エネすればCO2減る」のか「便利になればやっぱりなんらかの形で電力は消費するから、創エネも組み合わせた方がいい」のかについては、委員の皆様にご意見いただきながら議論を進めていくという形をとっていきたい。

2 柏市における温暖化の影響と対策の方針について

  • 資料に基づき、事務局より説明。

平成25年度第2回柏市環境審議会資料(PDF形式:1,961KB)

  • 質疑応答

<委員>

・運輸部門の増加は、本当に自動車保有台数が最大の原因か。工業出荷額が減って産業部門のCO2が減っているが、一方、運輸部門で増加している。保有台数の影響も可能性としては考えられるが、保有台数の増加は顕著ではないように見える。本当に保有台数が増加しているのが要因なのかどうかは、分かりにくい。

・生産工場は減っているが、物流基地が増えているので、それによってCO2排出が増えている可能性があるのではないか。市外から入ってきている大型トラックが原因の可能性もあるので、はっきりデータで見せていただかないと何とも言えないのではないか。

・また、各課の温暖化対策では、関連各課は計画のもとに作るのか、別途独立なのか。

<市>

・運輸部門に関しては、保有台数以外の要因等について、ご指摘の通りもう少し詳細に分析を加えたいと思う。ただ、どこまでデータが取れるかというところもあるので、少しお時間をいただければと思う。 

2点目の関連各課の計画との関係については、上下関係はない。環境保全課としてははあくまでもCO2削減であるが、各課は各課で本務の目的があるので、そこをまず尊重し、ただし副次的な効果がとしてCO2削減にも寄与できる、と連結部分が分かるように温対計画を作っていきたいという考えである。

・いずれにしても今後、各課協議を本格化していくので、議論の中で方向性や関係性が見えてくるのではないかと思う。

<委員>

柏市の運輸部門からの排出量というのは、柏市に属する自動車以外はカウントしているのか。国道16号を通る車は柏市に関係のないものも多いが、そのあたりはどうなっているのか

<市>

試算の中に通過交通は含まれていない。

<委員>

 最近の保有者はハイブリッドカー同様に、軽自動車も増えている印象がある。軽自動車はCO2排出原単位が少ないから、一概に保有台数増がCO2排出増にはならないのではないか。車種が問題だと思うが、そこまで踏み込んで分析は出来るのか。陸運局ではデータがあるかもしれない。

<市>

 毎年度末に自動車保有台数調査をやっているので、その調査の反映させる事を検討したい。

<委員>

・省エネ+創エネに関する具体的なお考えは次回以降の説明になるのか。

・また、車社会からの脱却ということで自転車等を推進する話があったが、自転車にシフトする場合は駐輪場等の環境整備や美化との兼ね合いなどの解決も必要かと思うが、こちらはどう考えているのか。

<市>

・創エネルギーのメニューについては次回以降で具体的な対策について案を示したいと思う。

・自転車については、「歩く」「自転車を使う」と、ひとつの例として挙げただけであるので、現段階での決定事項ではない。交通政策部門との協議の中で既存の政策の延長線上で位置づけていきたいと考えている。

<委員>

・スライド23で、説明では一人当たりのCO2排出量が増加していると書いているので、表の中でも一人あたり、あるいは一世帯あたりの排出量を掲載した方が主張に適するのではないか。

・急速に高齢化が進行して生産年齢人口が減っていくということに対して、どれぐらいCO2の変化が起こってくるか。生産年齢人口が減れば自動車を使う人たちの状態も変わる上に、東京に通勤する人たちは電車などの公共交通機関を使っているので、それほど負荷は大きくないとは思う。

生産年齢人口の減り方は、今の割合(都内通勤、市内通勤)が維持されて3万人減るのか、それとも東京に通勤する人だけが3万人減るのかによっても変わる。民生家庭部門が増えているという話があるので、今後のことを考えると検討しておかないといけないと思う。

<市>

可能な限り、委員のご指摘の通り、県外に努めているのかどうかのかの調査についてはトライしていきたい。

 単純な理屈として人口減ればCO2減るのだが、私どもが着目したいのは、特に福祉部門が力を入れている「高齢者の社会参加」である。逆の言い方をすれば、今まで通勤していた人がリタイアして家にいるだけでは一日中テレビは見るしエアコンは使うしということで電気を使うので、そういう視点から地域の活性化に資する温暖化政策というものを考えていきたい。

<委員>

・CO2の排出ではなく、固定量とか吸着量の定量的な値というのは出せるのか。

<市>

固定量については、現在ワーキンググループで専門家の有識者の方とも精査を重ねているところなので、次回以降の審議会の中で何かしらの成果を出せるのではないかと考えている。

<委員>

・CO2換算だが、他の温室効果ガスの計算もできるのか?メタンなどは増えていくのではないかと思うので、計算を検討してもらいたい。

<委員>

日本は圧倒的にCO2が多いと思うが、そうでない温室効果ガスについての算出は出来るのか。

<市>

ご指摘の通り、CO2がほぼ温室効果ガスと見なされているが、より精度を高めるためには他のガスの影響等、細かいところの精査もワーキンググループのご意見をいただく中で考えていきたいと考えている。

<委員>

・家庭部門のCO2排出の増減要因ということであるが、この温対計画は行政側から一般市民に対するメディアだと思うが、一般家庭となると今行われている出前出張でやっているものをPRするべきではないかと思う。

・温暖化が害虫に与える農作物への影響など、そういった具体的なものを小中学生とか、これから担う子供たちに具体的に説明するチャンスを作るべきである。学校側に対しても事業や具体的な例を野外活動といったものでPRしていくべきだと思うがどうか。

<市>

・まずは市民へのPRであるが、毎年12月で環境フェスを開催して節電に工夫があるものを発表していただいて、節電方法を知っていただく機会を作っている。どういう風に省エネすればいいかという省エネ意識は、我々はこれからもいろんな形で市民の皆様に知ってもらう、分かってもらうような事業を出来る限りやっていきたい。

・計画との関係については、今回の温対計画の中では特に温暖化の仕組みや将来に何をもたらすかについては、それが1つの教材になり得るようなものにしていけば、いろんな場面で使えるのではないかと考えている。

・詰まるところ、環境教育ということにはなると思うが、すでに学校のほうで要請があれば私たちの方でSOS地球温暖化サポータ―という組織があるので、実際に学校の方で出前講座などの事業をやってもらっているので、そういったものを広め、そしてこうした機会に環境教育として使えるようなものに今回の計画をしていきたい。

<委員>

・PRが足りないのではないか。過剰サービスも困るが。やってる側としてはこれだけやっているのに、というジレンマもあるだろうが、さらなる活動を期待したい。

<委員>

・まとめのところで、自動車保有台数の増加とある。たしかに自転車で来ればCO2排出はゼロだが、車に乗るってことはそれだけ便利だからというのはある。その中で少し運転の仕方を変えただけでリッターあたりの走行距離が変わるので、エコ運転はもっと啓蒙活動していって、全市民が意識してくれれば、柏市にとっては効果があるのではないか。

<市>

・ハイブリッド車の普及ばかりに頼らず、エコドライブの普及にも努めて行きたい。

<委員>

・柏市の中長的な人口で高齢者が増える。

・CO2削減の関係については運輸、産業部門関連では、家庭部門というか民間部門での削減が不可欠。そうすると、市のほうで制度が必要になってくるのでは。そのためには、最初に言ったような補助金とかそういったことも中長期的には考えていった方がいいのではないかと思う。

<委員>

長い計画で道路、自転車専用道路を作れば自発的に自転車で通勤するのではないかと思う。道路がきちっとしていれば自転車で通えば健康にも役立つ。すぐには無理だと思うが、道路行政に対して道路を作るときに自転車道路も一緒に作るというなどすれば、自然と自転車を使う。今の状態では自転車の通行が危険な場所もあるので、長期的な計画になるとは思うが検討していただければと思う。

<委員>

・我々住民の立場としては、まず生活環境が良くなって、暮らしやすくなってほしい。今おっしゃったバイコロジーもいいと思うし、これまで柏市ではどういう変化があったのか。さきほど緑地面積とか山林とかの話もあったと思うけど、同様に沼南町との合併でそれまでの地球温暖化対策は何かは変わっていると思うけど、何が変わったか。

・それから、柏市だけが対策を行うのではなく、近隣都市、たとえば野田市とかいろいろな町ではどんなことをしているのか。本当は連携をとって同じような対策を効率的にやった方がいいと思う。1柏市だけの問題ではないと思うのだが、その辺はどうか。

<市>

・柏市だけが頑張っても意味がないのではという議論はある。しかし、このままでは将来の持続可能性が危ぶまれる中で、それに対して何らかの手を打つというのが自治体としての基本的なスタンスだし、まずは先進国が率先してやろうということが京都議定書につながったという意味では、自治体連携も問題を共有していく事が重要と考えている。

・柏市も日本中の1800の自治体の一つなので、問題の共有化というところで共通する問題について対応していく。そういった中で各自治体がどういうことをやっているのか、連携できるところはしていけたらと考えている。

<委員>

どんな市がどんなことをやっているかぐらいは調べてもらって、柏市にも府指しいもの、オリジナルな部分を探していくということはやった方がいいと思う。

<市>

今後,各課協議とともに他市動向も明らかになってくると思われるので、研究していきたい。

(2)柏市環境保全条例施行規則の一部改正について

  • 資料に基づき、事務局より説明。

柏市環境保全条例施行規則の一部改正について(ワード形式:13KB)

別紙(ワード形式:31KB)

  • 柏市環境審議会として改正を承認した。

関連ファイル