平成15年度第4回廃棄物処理清掃審議会 水戸市視察(議事録)

1 日時

平成15年10月6日(月曜)午前8時45分~午後3時30分

2 参加者

【委員】

山中会長、鬼沢委員、神林委員、佐藤委員、田中委員、塚田委員、塚原委員、寺嶋委員、遠山委員、長野委員

【事務局】

環境部長、クリーン推進課長、クリーン推進課 福島、石名坂

3 行程

柏市役所→水戸市役所(合併先進都市視察)→柏市役所

4 視察概要

平成4年3月に、隣接する常澄村(つねずみむら)を編入合併した水戸市に対し、一部事務組合(現大洗、旭、水戸環境衛生組合)で行うごみ・し尿の収集処理等について、別紙のとおり状況の説明を受け、今後の沼南町との市町合併協議の上で参考とすべく、清掃行政全般にわたる課題の整理、並びに今後の調整方策の視察を行った。

5 質疑応答

(柏市) 毎年5~7%のし尿処理量が減少しているというが、水戸市の水洗化率はどの程度か?

(水戸市) 概ね80%以上である。但し、下水道化率は40%程度である。浄化槽の設置数は平成15年3月現在で24000件である。

(柏市) ごみの排出袋の変更があったようだが、従前の排出方法はどのようなものだったのか?また、変更した理由は何か?

(水戸市) 以前は黒袋やダンボールでの排出がほとんどだった。常澄地区から排出されたごみが原因で清掃工場での爆発事故が起こった。そこで、工場及び収集時の事故防止への対応のため無色透明袋での排出に変更した。

(柏市) 合併後の対応について〔1〕運用体制、〔2〕職員の配置、他の行政部門との連携はどのように進めたのか?

(水戸市) まず、運用体制については、15年程度は現在と同様の処理体制で行きたいと事務側は考えている。次に職員の配置と他の行政部門との連携については数年の経過措置をとりつつうまく融合するように運用していった。 現在、内原町(注:水戸市の西南部隣接の町で別の一部事務組合に参加。ごみ有料化も実施。)との合併の話が進んでおり、合併すると水戸市は2つの一部事務組合と直営の工場/収集の3つの体制を含んだ清掃処理をすることとなる。

(柏市) 「当分の間」という文言が多く使われているが、この当分の間とはどのくらいの期間を想定していたのか?

(水戸市) 合併協議の当初は概ね7年程度を想定していた。

(柏市) 処理施設の状況は問題ないのか?

(水戸市) 今後プラ・紙を分別してリサイクルプラザを作り、焼却量を減らせば現状の施設をまだ維持できると考えている。

(柏市) 平成14年に常澄地区も水戸市の分別区分に合わせたが、一部事務組合の旭村、大洗町も変更したのか?

(水戸市) 水戸市に合わせたのは、旧常澄村のみである。

水戸市の状況について

1 水戸市の概要

水戸市概要 備考
人口

248,875人

平成15年9月1日現在
世帯数

99,599世帯

平成15年9月1日現在
面積

175.90km2

分別区分(水戸地区) 資源ごみ 紙類(新聞、ダンボール、その他紙、紙パック)、布類、びん・缶類、PETボトル
もえるごみ 生ごみ、紙くず、プラスチック類、布団
もえないごみ 金属類、蛍光管、瀬戸物、ガラス
乾電池 ニカド電池、ボタン電池含む
分別区分(常澄地区) もえるごみ 生ごみ、紙くず、プラスチック類、布団
もえないごみ 金属類、蛍光管、瀬戸物、ガラス
乾電池 ニカド電池、ボタン電池含む
資源ごみ(集団回収) 紙類(新聞、ダンボール、その他紙、紙パック)、布類、びん・缶類、PETボトル
処理方法(ごみ)
再資源化 中間処理 最終処分
水戸地区 小吹清掃工場不燃物再資源化施設
、民間施設
小吹清掃工場、処理センター(粗大) 水戸市一般廃棄物第二最終処分場
焼却130トン×3炉 破砕50トン/5時間
常澄地区 民間施設 大洗、旭、水戸環境衛生組合衛生プラント(大洗町) 大洗、旭、水戸環境衛生組合衛生プラント(旭村)
焼却40トン×2炉 破砕30トン/5時間
【参考:合併当時の概況】
水戸市 旧常澄村 合計
人口(合併時)

236,217人

10,704人

246,921人

面積

147.01キロメートル2

28.89キロメートル2

175.90キロメートル2

産業構造(H2)

142,569人

3,353人

145,819人

第1次産業

5,131人

1,273人

6,404人

第2次産業

27,744人

955人

28,699人

第3次産業

109,694人

1,125人

110,819人

2 合併前後の状況について

(1)ごみ・し尿の収集

〔1〕ごみ収集  ごみ収集については、合併後水戸市全域を市で行っている。可燃ごみは直営と一部委託、不燃ごみは委託。合併以前、常澄村は自家処理が中心であったため、収集は行われていなかった。
〔2〕し尿収集  合併以前の収集方法をそれぞれ継続している。(合併前後と同様)

処理体制
水戸地区 常澄地区
委託(区域割で昭和43年から3社に委託)
定額制 1人350円 従量制 10円/lkl
組合による許可制で、合併前の許可業5社
(実際は2社のみが稼働)

(2) ごみ・し尿の処理

処理体制
水戸地区 常澄地区
水戸市で処理 組合で処理
〔し尿処理施設〕
昭和58年稼動 処理能力:310kl/日
(H14処理量:151kl/日)
〔し尿処理施設〕
昭和58年稼動 処理能力:80kl/日

(補足)
水戸市の水洗化率は80%以上だが、下水道率は40%代と低い。

(3) 一般廃棄物許可業者の許可

収集運搬の許可は、市内2地区に分けて許可している。

水戸地区 常澄地区
市で許可 組合で許可

(4) ごみの排出方法について

合併後の平成5年から、両地区とも透明袋を採用。資源回収については、水戸市では昭和53年から行っていたが、常澄地区は新たに実施。(月1回の集団収集)。分別については、合併当時でも大きな分別の違いはなかったため、特に調整はしていない。細かな違いについては、平成14年度に全戸配布した「ごみ分別事典」作成時に統一を図った。  収集頻度は、水戸地区、常澄地区とで、異なる部分もあるが、特に調整していない。

(5) 手数料について 搬入手数料については、水戸市、組合ともに合併以降に改定しているが、金額は統一されていない。

水戸市 組合
〔搬入手数料〕 13円/kg、60kgまで無料 (合併時6円/kg) 10円/kg、 家庭系のみ60kgまで無料 (合併時7円/kg)
〔浄化槽汚泥搬入手数料〕 20円/10kg 350円/2トン車,550円/3トン車、700/4トン車,900円/4トン超車

(6) 最終処分場

水戸市 組合
平成23~24年まで現最終処分場の使用が可能 現在の最終処分場は旭村にあるが、使用後は、水戸に建設予定
(組合構成団体間の協定による)。

3 合併時の調整事項等

(1)調整方針  【合併当初の調整方針】

  • 常澄村のごみの収集・運搬体制については、可燃ごみは直営方式、不燃ごみは委託方式で行うものとする。
  • 常澄村のごみ処理については当分の間、大洗、旭村、常澄環境衛生組合の施設で行うものとする。
  • 常澄村のし尿の収集、処理については、当分の間現行どおりとする。 

(補足)
「当分の間」・・・概ね7年以内と解釈した。そのため7年程度で調整する方向で合併協議を進めていた。

(2)市と組合との役割分担   常澄地区のごみ、し尿の処理については、合併後も組合処理を実施。

4 合併後の調整事項

(1)排出袋の調整   水戸地区では平成5年4月より無色透明のポリエチレン袋を使用することとなり、組合と調整し、常澄地区も併せて、同様のものを利用するよう調整した。(参考:当時常澄地区は黒袋及びダンボールでの排出をしていた。)

(2)分別区分等の調整

家庭ごみについては、水戸地区と常澄地区でごみの分別、排出方法等が異なるため市民に分りづらい面があったため、平成14年度に組合と調整を図り、水戸地区と常澄地区のごみの分別、排出方法等の統一を図った。(但し、組合加入の大洗町、旭村は特段変更はしていない。)

(3)その他の調整

〔1〕収集・運搬体制(委託、直営)、〔2〕職員配置、〔3〕他部門との調整等については当面現在と同じ体制を概ね15年程度は続ける予定(事務方の意向)。

5 その他水戸市の抱える課題

  • 常澄村は合併以前に組合及び構成町村と清掃施設建設に関する協定を締結しており、組合の解散または組合からの脱退などは、困難である。
  • し尿処理は、年々減少しているが、市と組合の施設を1つにするほど処理量が落ちていない点や、収集運搬効率を現状維持していく点を考慮すると当面2つの処理工場体制を維持していかざるを得ない。
  • 現在、内原町との任意合併協議会を立ち上げている。内原町は、旧常澄村とは別の環境衛生組合でごみ処理を行っており、合併した場合、水戸市は2つの組合を抱えることとなる。さらに内原町はごみ有料化も行っているため、調整が困難である。