令和元年度柏市健康福祉審議会 第2回児童健康福祉専門分科会会議録

1 開催日時

令和元年7月29日(月曜日)午後2時から3時25分まで

2 開催場所

柏市柏下65-1 ウェルネス柏研修室

3 出席者

(1)委員

大木恵子、加藤民彌、川野優、鈴木美岐子、染谷正夫、寺本妙子、二瓶一嗣、平野準子、水野誠志、宮尾晃代、望田八重子

(2)事務局

髙木こども部長、恒岡子育て支援課長、三富こども福祉課長、沖本学童保育課長、関野保育整備課長、依田保育運営課長、黒須こども発達センター所長兼キッズルーム所長 その他15人

4 議題等

  1. 第3期柏市ひとり親家庭等自立促進計画の策定について(総論)
  2. 柏市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業運営基準条例の一部を改正する条例の制定について
  3. 「豊四季保育園」「豊四季乳児保育園」の統合・建て替えについて

5 議事等(要旨)

午後2時、定刻になり開会

(1)第3期柏市ひとり親家庭等自立促進計画の策定について(総論)

事務局により資料1及び資料1-2に基づく説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。

(望田委員)必要な支援は家庭ごとに異なる。市に自分から相談できればよいが、相談できない方、土日しか休めない方もいる。また、何を相談すればよいかわらない方もいるのではないか。主任児童委員などがひとり親家庭を訪問できないか。

(こども福祉課担当者)支援が必要な方が、相談につながることが必要と考える。そのため、基本目標1~4にまたがるように基本目標5の「相談支援」を施策体系に新たに設けた。相談窓口の充実のほか、情報発信なども含めしっかり取り組んでいきたい。民生委員は、地域の家庭を訪問しているが、ひとり親家庭を全て訪問するわけではない。

(望田委員)母子・父子自立支援員は訪問支援をしていないのか。

(こども福祉課担当者)家庭訪問は行っていない。各家庭の状況は、8月の児童扶養手当の現況確認の際に、全対象者との面談で把握に努めている。貴重な機会であるため、十分に面談ができるよう、今後も取り組んでいく。

(望田委員)何を悩んでどうしてほしいのかをしっかりと聞き取ってほしい。

(大木委員)夏休みに入って、ひとり親家庭の子は学童保育を利用していると思う。支援を必要とする家庭に提供できる情報を学童保育の場では周知できているか。

(こども福祉課)ひとり親のお子さんの学童保育利用は多いと思うが、学童の場を活用した周知については、十分でないところがあると考える。生かせるように取り組んでいきたい。また、学習支援の場なども活用し、夏休み中であっても、支援が必要な子どもたちがどこかにつながることができるよう取り組みたい。

(加藤委員)悩みを話したくてもなかなか話せない親もいるのではないか。相談支援はとても大事であるため、訪問できるような体制を作っていくことが大事ではと考える。細かな支援体制を作ってほしいと思う。

(こども福祉課担当者)周知の方法は、いろいろ考えていかなければならない。訪問については、就労などにより不在の場合もあり、会うことが難しい実情もある。情報発信にSNSやメールを活用するなど、必要な支援や情報が届くように取り組んでいきたい。

(二瓶委員)ひとり親家庭の現状について、子どもが1人と2人では負担感が異なることがわかったため、参考にしたい。

計画の総論では、施策に向け4つの視点にまとめられているのがわかりやすく感じた。基本理念の「正の連鎖」について、「正」という言葉は、「悪」を対比とすることもある。他の言葉がないかという印象がある。子どもへの視点については、「基本的な視点」の3.や、基本目標1に、「前向きに生きるための自己肯定感や意欲」とあるが、幼児期からの対応は大事なことだと思う。そういったことを前面に出し、早期発見、早期の支援はとてもよい。年齢によってニーズも必要な支援も違ってくるため、次回、各論をみていきたい。

(こども福祉課担当者)「正の連鎖」については、「負の連鎖」に対する言葉として使用したが、どのような表現がよいか改めて検討したい。基本目標の子どもへの支援については、現在は学習支援の対象学年を下げ取り組んでいるところ。各論への記載を検討していく。

(宮尾委員)ひとり親といっても、精神的な状態や、子どもの年齢、父か母か、法律的離別や急な死別など、状況は様々だ。とても難しいことだが、親への精神的な支援がとても大切だと思う。親の心の状態によって子どもが影響を受けることもある。予防接種など予防医療に影響することもある。

(こども福祉課担当者)アンケート結果でも、ひとり親になってしばらく経った後、ひとり親自身の健康不安が大きくなっている傾向がみられる。体調を崩して相談に来る方もいるので、しっかり傾聴しながら相談支援に取り組むよう、各論に反映したい。

(鈴木委員)地域で活動している方が、まず、ひとり親の話を聞いてくれていることが精神的な支援として大事なことだと思う。そのような地域の人材、民生委員や学童保育の指導員など、地域で子どもの支援に携わっているさまざまな方が、支援を必要とする親や子どもたちの話を聞いた際に、市の相談窓口などにつなげられるとさらによいと思う。そのような支援者の方々に市の取り組みなどを周知することが政策を進めるうえで大切であり、資源の有効活用にもつながるのではと感じた。

(こども福祉課担当者)支援の情報発信やつながりについて、子どもや保護者を主な対象と考えていたが、各委員の意見等を伺って、子どもたちを見守っていただいている地域や施設、団体の方々にも支援に関する情報発信や取り組みを認知いただくことが重要であると認識できた。計画にそのような内容が反映できるよう検討する。

(川野委員)総論7ページの「3.住宅確保に向けた支援」について、生活困窮者の支援の活動の中で、シェルター(=夫や同居の男性などの暴力(DV)から逃れてきた女性や母子を保護するための緊急一時避難所)の問い合わせに対し、空きがなく断ることがある。事情により公的なシェルターに入れない時に選択肢が少ないと感じている。公営住宅の活用は、現在、どのような状況か。また、身を寄せる先がない人に、空き家を活用できないか。

(こども福祉課担当者)現状では、市営住宅の抽選の際にひとり親家庭に優遇措置がある。ただし、生活困窮者や高齢者など課題を抱えている家庭もその対象となっており、ひとり親世帯が優先的に入居できる状況にはない。市外への避難が必要ではないものの、離婚やDVなどにより新たに住居確保を要する際には、シェルター等の利用を検討するケースもあり空きがないなど十分ではないと感じることはある。他の自治体では、一時的な住宅確保への経済的支援に取り組む事例などもあり、検討したい。

(平野委員)健康づくり推進員をやっているが、ボランティアのなり手がいない状況があり、子育て家庭の支援を地域としてどこまでやれるか難しいところがある。子どもが小さい時期は保健所が関わる見守りなどもあるが、どこまで担えるかわからない。

(こども福祉課担当者)柏市では、乳幼児期には赤ちゃん訪問などが健康づくり推進員の協力のもと実施され、その後、3歳ぐらいになるといずれかの保育施設等に所属する傾向にあり、就学後は、ほとんどの子どもたちが市内の小中学校に通う。そのため、先程意見があったように、普段子どもたちを見守っている人達にも市の情報を伝え、必要な人が支援につながるような仕組みが重要であり、計画に反映していきたい。

(水野委員)8ページの就業支援の推進について、ひとり親の方の心が不安定だと感じることがある。転職も多く、不安の中には、収入や就業の確保の難しさがあるのではないか。看護師や保育士の資格取得の推進について、どのように事業を進めているか。

(こども福祉課担当者)経済的な面については、「就労」、「養育費の確保の支援」、「手当の支給」の3つを柱と考えている。就労については、アンケート結果にもあるように、正規雇用就労の難しい環境がうかがえることから、比較的、雇用ニーズと収入が高い資格の取得支援に取り組んでいる。国家資格を取得するひとり親に対し、非課税世帯で毎月10万円の生活費を支給する国の支援制度と併せ、平成29年度から市独自で月5万円を貸し付け、生活費に上乗せしている。資格取得後、資格を生かして5年間就労することによって、返済免除となる制度となっている。平成30年4月に市内に看護学校が新設され、社会人も入学できる要件がある。看護師になるハードルが高いと考える方には、看護学校への入学や国家試験などに関する説明会を開催するなど、適切な情報提供を行うことで、自分にもできるのではという意識醸成や挑戦への後押しに取り組んでいるところ。

(鈴木委員)柏市の空き家の数はどのぐらいあるのか。

(こども部長)数はすぐにわからないが、柏市では空き家対策の専門部署(住宅政策課)があり、マッチングには難しさもあると聞いている。さまざまなことに活用の可能性があると思われるため、情報を得るようにしていきたい。

(大木委員)議題1の総論は資料1の最後のページがわかりやすいと思った。基本目標1の「子育て・生活支援の推進」は学習支援の強化に注目した。今後具体的にどのようなイメージを持っているか。

(こども福祉課担当者)学習支援は、子どもたちに直接届けることができる事業として力を入れている。今年度は、早期の支援と安全に通えるかという点から、小学4年生以上を対象に、市内、北部・中央・南部に各1か所ずつ設け、NPO法人に委託している。意欲や自己肯定感など、学習の土台作りを目的としている。モデル地域において、どういった能力を身に付けられるかを細かく分析している。今後も学校と連携し、支援が必要な家庭と学習支援を結び付けられるようにしたい。

(2) 柏市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業運営基準条例の一部を改正する条例の制定について

事務局により資料2に基づく説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。

委員より意見は特になし。 

(3) 「豊四季保育園」「豊四季乳児保育園」の統合・建て替えについて

事務局により資料3に基づく説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。

(水野委員)豊四季乳児保育園の移転後、その建物や土地はどのように活用する予定か。

(子育て支援課長)現在、まだ使用している場所であり、今後どのように活用できるか検討する予定である。

(鈴木委員)立地から活用の難しさがあると思う。

(子育て支援課長)隣接道路が狭いため、その点も考慮すべきと考える。

6 傍聴者

なし

7 次回開催予定

令和元年10月15日(火曜日)

8 資料

R1第2回児童健康福祉専門分科会次第(PDF形式 64キロバイト)
資料1 第3期柏市ひとり親家庭等自立促進計画について(総論)(PDF形式 1,242キロバイト)
資料1-2 第3期柏市ひとり親家庭等自立促進計画体系(案)(PDF形式 337キロバイト)
資料2 柏市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業運営基準条例の一部を改正する条例の制定について(PDF形式 102キロバイト)
資料3 「豊四季保育園」「豊四季乳児保育園」の統合・建て替えについて(PDF形式 323キロバイト)
資料4 第1回児童健康福祉専門分科会での質問への回答(PDF形式 233キロバイト)