平成28年度第3回柏市子ども・子育て会議会議録

1 開催日時

平成29年3月22日(水曜日)午後2時30分~午後4時45分

2 開催場所

柏市柏下65番地1

ウェエルネス柏 研修室

3 出席者

(1) 委員(敬称略)

阿部和子、大山裕子、小野菜穂子、河野祥子、古賀朋子、西藤尚子、澤邉千尋、少路香子、杉山智、鈴木美岐子、溜川良次、野呂直子、満島章、矢島絵美子

(2) 事務局職員

田所こども部長、宮島こども部次長(保育運営課長)、松澤子育て支援課長、小倉こども福祉課長、依田学童保育課長、関野保育整備課長、黒須こども発達センター所長(兼)キッズルーム所長、髙木地域健康づくり課長 その他職員11人

4 議事等

(1) 平成28年度の重点施策について

(2) 柏市子ども・子育て支援事業計画に関する中間年の見直しについて

5 議事等(要旨)

 午後2時30分、定刻になり開会。

(1) 平成28年度の重点施策について

  事務局による説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。

 (1・2ページ「地域子育て支援拠点」について)

委 員 新富げんきなひろばは、通常は誰もが使えるのか?

事務局 屋外型の児童厚生施設であり、公園と同様に利用できるようになっている。

委 員 地域子育て支援拠点事業について、事業を行うには委託先に専門性や様々なところと協力できる

    体制、企画力が大切。今後の公募にあたっては、そういったところを第一に考えて選定していた

    だきたい。

事務局 ご意見いただいたことを重視し、プロポーザルの仕様を作成していく。


 (3ページ「児童虐待防止」について)

委 員 産後ケア事業が新規事業となっているが、近隣市では、特にリスクが高い方だけでなく、出産し

    た人全員が助産院のデイケアなどが利用できる助成が出ているが、柏市の事業は行政で判断した

    方だけが対象となるのか。

事務局 児童虐待防止対策として実施するため、産後に心身の不調又は育児不安等があり、家族等から産

    後の支援が得られない母子を対象とする。希望者は家庭訪問等にて必要性があるかどうかを判断

    して利用を決定していく。

委 員 そういった方に優先的に使っていただきたいが、今後は広くリフレッシュでも使えるように検討

    していただきたい。

委 員 ペアレント・トレーニングはどのような方法で実施されるものか。地道な活動だと思うが、受講

    者が増えることを期待している。

事務局 子どもに特性があって子育てに悩んでいる保護者が子どもに対する対応を学ぶ講座。8回コー

    ス、6~8名のグループワーク形式。4歳~小2のお子さんがいる方が対象。ロールプレイや実際

    に家庭でお子さんに試して報告するなど実戦形式での講座。関わったお母さんの反応も確認し、

    次のステップに進むなどして声のかけ方や関わり方を学ぶことができる。

 

 (4ページ「子どもの貧困対策」について)

委 員 子どもの貧困対策の学習支援の対象人数はどのくらいか。

事務局 対象人数は、小学校5、6年生のひとり親の手当である児童扶養手当受給世帯が対象。対象は420

    名程度。受講したのは通年コース91名、夏季コース15名、計106名が利用している。

 

 (7~10ページ「教育・保育の計画的整備」について)

委 員 不適切な保育実態が報じられた兵庫県姫路市の認定こども園は地方裁量型の認定こども園と聞い

    ているが、その事件で明らかなように,子どもの命をきちんと守れる、育ちを支えていける、質の

    担保をきちんととれる事業者を選定することが大事である。書類上だけでなく、実態の保育が大

    事。選定に関しては、質の担保ができる福祉の理念を持った事業者を選定していただきたい。ま

    た、保育にあたる事業者も含め、保育を見直す原点の教育は必要。保育士養成校と一緒に福祉を

    生み出せるようなことが構築できたらよい。地方裁量型認定こども園は柏市にはなく、市内の保

    育園・認定こども園・幼稚園はそれぞれの理念の下でしっかりやっていると思うが、ああいった

    ニュースが出ると、実際はどうなのだろうと思われる方も多いと思う。柏市はしっかり保育をし

    ているということを示していくことも必要だと思う。

事務局 事業者の選定には、財政状況、他市での実績や指導監査の状況等も提出してもらい、内容審査を

    している。以前の会議で第三者評価の採用について意見があったが、そういったことも踏まえ、

    事業者の選定は今まで以上に慎重に進めていきたい。

     また、柏市では私立と公立が一体となって保育・教育の質を上げていこうということで、早く

    から公私合同で研修を実施するなど進めてきた。また、市は指導監査の権限も持っているので、

    そういったところを通じ、園ごとの問題点を洗い出すというよりは具体的にどういったところに

    困りごとがあり、どんな課題を持っているのかという視点で、ご意見を伺いながら取り組み、結

    果的に質をあげるような監査をしっかりとやっていきたい。

委 員 事業者選定について、報道された姫路市の施設は認可外施設から認定こども園になったもの。も

    ちろん一番の責任は事業者にあるが、認可権は県にあるのだから、認可権者がきちんと指導監督

    していなかったことも非難されるべきである。選定にあたっては、特に市外の事業者は、より多

    くの情報を得る努力をお願いしたい。柏市の公募では、応募した事業者にプロポーザルの結果の

    点数が示されているが、満点が何点なのか、何が減点されたのかは示されていない。点数だけで

    は何が不足したのか、どこが評価されたのかも事業者間ではわからないので、そこを公表しても

    よいのではないか。公表することにより、きちんと選ばれたということも担保されるのではない

    か。

事務局 点数に関する事項の公表については、応募者に関する情報公開の観点もあり難しいと思われる

    が、内部でどこまで公表できるか今後検討していきたい。また、プロポーザルについては、保育

    園だけでなく複数部署で実施している実態もあるため、庁内の統一性も含めて検討していきた

    い。

 

 (12ページ「幼稚園教諭・保育士の確保」について)

委 員 独自に処遇改善策を実施している市に隣接する市のある園では、隣接市に保育士が流れてしま

    い、確保できないために4月からの子どもの受け入れ人数を半減した。行政は他市の動向を注視

    していただきたい。新卒保育士は奪い合いとなっており、可能なら保育士資格がある仕事をして

    いない人の掘り起こしを進めたい。

委 員 周囲に元保育士のお母さんがたくさんいる。なぜ保育士に就かないかを聞くと、大変で消耗する

    仕事なのに、給料が低いから出来ないという。待遇をよくするなど、掘り起こそうと思えば人材

    はたくさんいるので上手く使っていただきたい。

事務局 柏市の規模からいって、潜在保育士がいるのは統計上からも明らかであり、たくさんいると推察

    している。処遇改善策が始まってから、国ベースでも10パーセント近く賃金が引き上げられてい

    るが、その割には効果が具体的に身近に感じられていない。保育士の仕事が大変、責任が重いと

    いったことが大きい要素だと思う。どうしたら安心して仕事についてもらえるかを意見を伺いな

    がら取り組みに生かしていきたい。

委 員 保育士の処遇改善はだいぶ前から始まっているが、周知されていないことも問題ではないか。基

    本給を上げるには事務処理が煩雑なため、一時金を相当額支給したが、基本給が上がらないと上

    がったという実感にならないようだ。今回の改善策では、毎月の手当に組み入れることとなり、

    手取りが増えているという感覚が得られるのではないか。また、介護職も処遇が低いといわれて

    いるが、以前、高齢者のグループホームで、「処遇改善策により、施設にこれだけのお金が入

    り、これだけのお金を職員に支給しました」と掲示しているのを見かけた。職員に知らせるだけ

    でなく、利用者が出入りする廊下に貼ってあったりすると、一般の人も改善策を知ることができ

    る。法人の役員には支給されないことになっているといったことも一般の人は分からない。

    今回、柏市は市単独予算で2億円の処遇改善を実施することに踏み込んだ。名実ともにきちんと

    やっていることを広く知らせていただきたい。

委 員 保育士養成校では、子どもの教育には手がかかるということを生徒に充分話している。しかしそ

    の結果、保育士にならない人も多い。保育士にならなかった人に聞くと、賃金が安いことばかり

    ではなく、これだけ大変な仕事なのにきちんと評価されていない、社会から重要な仕事という専

    門性を分かってもらえていないことが残念だという。私達も専門性の高い仕事だということを、

    社会に分かってもらう努力をしないといけない。

 

 (13ページ「障害児通所支援(児童発達支援)」について)

委 員 障害児通所支援について、ひまわり・民間とも指導のゴールはどういうことを目指してお子さん

    を見ているのか。

事務局 個々の状況に応じて、歯磨きやトイレができるようになるなどそれぞれのお子さんの目標を設定

    し、半年ごとに振り返り評価するシステムとなっている。

委 員 障害児の通所施設に入っている方で、小学校に入ると支援がなくなることに不安を持つ親がたく

    さんいる。支援に通う子も増えているようだ。今後、そうした受け皿が増えていくということ

    か。

事務局 現在、支援センター2カ所、民間で5、6名の定員のところが20か所くらいある。基本的には増え

    ていくが、ニーズが高くなっているので、施設確保と同時に、小学校・幼稚園・保育園で気にな

    っている子については訪問支援事業等、訪問する形でサポートする方向も考えている。

事務局 小学生以上では、放課後等デイサービス事業という障害児通所支援のサービスがある。事業所へ

    行って、療育を受ける形である。キッズルームの子どもの就学先は特別支援学校、特別支援学級

    へ入学する子が多い。外来利用者は普通級へ在籍する子が多く、教育相談を受けたり、放課後等

    デイサービスで引き続き支援を受けたりしていく形である。リトルペガサスは「ペガサス」とし

    て放課後等デイサービスもやっており、継続支援ができるようになっている。

委 員 幼稚園に通いながら児童発達支援事業所に通所している方の様子を見ていると、発達と将来像に

    ギャップがあるときがある。支援計画をもとに細かに連携したいが、できないことがある。他の

    施設に行くと違う指導方法をされることもある。市でも事業者の事業の内容をきちんと理解しな

    がらやっていただきたい。

委 員 発達センターは、「ノーマライゼーションかしわプラン」中の事業なので、「ノーマライゼーシ

    ョン」の精神をしっかりと理解して取り組むことがすごく重要。現在はもう少し広く「インクル

    ージョン」等と表現され、そういう社会を作ろうという政策であるが、やりながら周知していく

    のが市の役割で、その中身をやっていくのが私達だと思う。また、情報共有について、いわゆる

    「縦割り」は良くないといって、これまで共有することの良さに着目してきたが、マイナスの面

    もある。個人情報は管理をきちんとしなくてはいけない。情報管理もきちんとしないと自分たち

    も信用されなくなると思う。

 

 (14ページ「乳児家庭全戸訪問事業」について)

委 員 乳児家庭全戸訪問事業について、主任児童委員は保健師や健康づくり課と常々連携したいと考え

    ているが、保健師と連絡が取りづらくなっている。仕事量が多く大変だと思うが、人数の確保は

    大丈夫か。以前は、もっと地域との連携が取れていた。

事務局 子育て支援は、行政だけでなく地域の親子に対する地域の皆さんの支援がベースだと感じてい

    る。なかなか連携できず申し訳ない。昨年ようやく20地域の保健師体制が取れるようになり、

    現在各地域に地域担当が必ず1人いるので、主任児童委員等からも連絡をいただき、今後、より

    連携していきたい。

委 員 発達に遅れのある子が増えていると感じている。支援を強化するとき、幼稚園・保育園とは連携

    を取ることと思うが、子どもが小さいうちから家庭をサポートし、連携を大きくして途切れない

    ようにしたい。小さいときから親が自信をもって育てられる制度ができたらよい。

事務局 母子保健担当では、全戸訪問もしているが、1歳6か月児健康診査で心配している親や気になる

    子はスクリーニングをかける。発達相談として発達センターとつながるしくみがあり、発達セン

    ター職員と母子保健担当が連絡会議を月1回行い、双方のケースをやりとりしている。また、健

    診終了後に気になる親子を受け入れるひよこルーム(1歳6か月児健康診査事後教室事業)では、

    発達センター職員も一緒に見ているので、つなげることができている。ウェルネス柏の中で、健

    診・発達相談を受けて必要なら通所できるしくみを作ってきた。教育委員会による就学相談もあ

    るので、ウェルネス柏のどこかに来れば、つなげていけることが複合施設で実現できている。ま

    た、気になる子は保育園・幼稚園との連携があり、健診があると事前に園から情報を受けたり、

    園から「健診でこういうところを相談してきてね」と先生に言われて来たりしていて、かなり連

    携できている。今後もそういうことをやっていきたい。

(2) 柏市子ども・子育て支援事業計画に関する中間年の見直しについて

 資料2につき、事務局による説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。

 

会 長 柏市子ども・子育て支援事業計画は5年間の計画であり、これを修正して行こうということであ

    る。行政課題である待機児童は見直しの中心となるが、計画全般に対することであるということ

    を思っていただきたい。とはいえ計画策定にはかなり時間を要している。見直しに関しては、そ

    れなりの根拠や研究をいただいた上での発言が必要。研究する期間があるので、蓄えていただき

    たい。

委 員 計画策定に関わったが、子どもの貧困対策が計画に入っていない。対策は行われているが、今度

    の見直しで計画に紐付けることはできるのか。

事務局 貧困対策は、現在策定中の「子どもの貧困対策推進計画」で対応していくこととしている。柏市

    子ども・子育て支援事業計画において位置づけるとすれば、「子どもの貧困対策推進計画」によ

    り取り組んでいくことを記載するにとどまると思われる。関連を入れていくことは可能だと思

    う。

委 員 現在示されている私立幼稚園の認定こども園化、私立保育所、小規模保育所A型を作るという階

    段型を、見直してはどうか。現況調査で、私立幼稚園が認定こども園に変わろうという向きが見

    えないならば、それを最優先にする必要はもうないし、私立保育所の整備が3、4、5歳の供給過

    剰の状態になっているので、それでも私立保育所を整備すべきどうか、踏み込まないといけな

    い。保育士不足の現実問題を考えても、保育の質では懸念されるが、小規模保育所事業について

    もA型にとどまっておくべきかどうか。他市では小規模保育所B型を開設しているところもある。

    理想を捨ててはいけないが、現実的な行政課題を解決する場合、そこへ踏み込んで検討する価値

    があると思う。

事務局 当初、計画策定時の整備方針は質の良い保育の確保を優先に整備を進めており、できる限り今の

    スタンスの中で整備を進めていきたいというのがある。保育需要はここ数年約3パーセント伸び

    ている。今後の待機数や需要を見ながら意見を参考にしながらいろいろと考えていきたい。

委 員 私立幼稚園協会でも、社会の変化のため、各園に認定こども園化を進めるべきといってきた。ま

    た、3・4・5歳に関しては、私立幼稚園の長時間の預かり保育を上手く利用する方法もあるので

    はないかと思っている。10年間の幼稚園児の在籍数を見ると、北部はほぼ変わらないが、他地域

    は全部右肩下がりである。現在保育園児は幼稚園児よりも人数が多い。社会のニーズに今の幼稚

    園が合っていないのかもしれないし、幼稚園として守るべき子どもの権利を考えれば、幼稚園の

    まま運営していく方法もあるのかもしれない。どちらをとるのかは運営側の責任であり、将来ど

    ちらがよいかわからないが、もうないのなら仕方ないのではないかという部分もある。

委 員 幼稚園の考えを残していくためにA型でなくB型でよいのではといっているようにも聞こえる。

    3歳までの子どもの生活が将来にわたって相当な影響を与えていることが研究で報告されてい

    る。週一回の幼児教育を受けた子と受けていない子とを比べた場合、知的な育ちは8歳ほどでほ

    ぼ同じになったが、物事に向かう態度や持ち家率、犯罪率などは圧倒的に良質な幼児教育を受け

    た方が経済的にも効果的だということがアメリカで研究発表され、どこの国も幼児教育に力を入

    れ始めた。OECD加盟国の中で、子どもへのお金の掛け方は日本が最下位である。特に小さい時

    期、教育にお金をかけることが大事。保育の質が絶対条件。

委 員 今後、そういった意見交換をしたい。どうバランスをとるかを考えないといけない。両方が歩み

    寄らなければ解決できないので、母親や地域の方といった色々な立場で意見をいってほしい。ま

    とめていくことが大事だと思う。 

6 資料

平成28年度第3回次第(PDF形式 36キロバイト)

資料1 平成28年度の重点施策について(PDF形式 5,024キロバイト)

資料1別紙(PDF形式 173キロバイト)

資料2 柏市子ども・子育て支援事業計画に関する中間年の見直しについて(PDF形式 55キロバイト)

7 傍聴者

1人